固定資産売却損とは?仕訳方法から消費税の取り扱いまで解説

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固定資産を売却した際に発生することがある固定資産売却損。どのようなケースで発生し、会計処理はどのように行えば良いのでしょうか。

ここでは、固定資産売却損の基本的な概要や仕訳方法について解説します。

固定資産売却損の基礎知識

土地や建物、車両といった会社が保有する固定資産を売却すると、売却価額によっては売却損が発生するケースがあります。これを、会計処理上の科目名称として固定資産売却損と呼びます。

もう少し詳しく説明すると、固定資産売却損とは固定資産を売却した時点での帳簿価額に対し、売却価額が下回る場合に発生する差額を指します。

帳簿価額は、固定資産を購入した時の金額(取得原価)から減価償却費の累計額を控除したもので、決算期ごとに記録される評価額です。逆に、固定資産の売却価額よりも帳簿価額が上回る場合に発生する差額は、固定資産売却益として計上します。
整理すると以下のようになります。

帳簿価額>売却価額→差額を固定資産売却損として計上

帳簿価額<売却価額→差額を固定資産売却益として計上

一般的に、固定資産売却損は「特別損失」として計上します。なぜならば、本来的に固定資産は長期保有を前提としていて、頻繁に売却されないものとみなされているためです。

ただ、運送業のように頻繁に車両などの固定資産を買い換えるような業種の場合は、固定資産売却損を「営業外費用」として計上します。

手数料と消費税の取扱い

固定資産を売却する際の費用として仲介手数料が発生することがありますが、手数料は別途計上せず、固定資産売却損に含める形で処理をして良いことになっています。

消費税に関しては、固定資産の売却価額に対してかかります。一般的な消費税のイメージからすると、損が出たものに対して消費税がかけられるのは違和感があるかもしれませんが、消費税は課税対象となっている資産の譲渡対価にかけられます。

したがって、固定資産を売却したことによって損が出た(固定資産売却損が発生した)としても、消費税が発生することを知っておきましょう。

期中売却した時の減価償却費

減価償却費は期末時点で保有している固定資産を対象に計算するため、原則的には期中に売却したケースでは算出しません。そのため、固定資産売却損を算出する際は、通常は売却をした期の期首の帳簿価額を使います。

より厳密に減価償却費を計算したい場合は、月割などの按分をすることで算出することは可能です。ただし、会計処理上は減価償却費として計上した値は、固定資産売却損(益)で調整されるため、最終的な利益や税金には影響しません。

つまり、期中の売却であっても期首の帳簿価額を採用して問題ないということです。

固定資産売却損を仕訳してみよう

固定資産売却損が発生したケースの取引について、実際に仕訳してみましょう。
なお、ここでの仕訳方法は実務上一般的な間接法を用います。

■仕訳例:180万円で購入した車両を現金45万円で売却した。減価償却費の累計は120万円とする。

借方金額貸方金額
現金450,000車両運搬具1,800,000
減価償却費1,200,000
固定資産売却損150,000

順を追って解説します。まず、固定資産の売却による損益がどうなっているか確認しましょう。単純に考えると、180万円で買ったものを45万円で売ったということで135万円の損が出たと考えがちです。

しかし前述したように、売却価額と比べるのは、減価償却費を加味した会計上の評価額である帳簿価額です。

この取引では、車両を購入した時の取得原価は180万円で、減価償却費の累計120万円を引くと60万円となります。これが帳簿価額です。

そして、帳簿価額に対して売却価額は45万円であるため、会計上の評価額よりも安い金額で売ったことになり、15万円の固定資産売却損が発生したことが分かります。

科目ごとの仕訳については、売却によって受け取った現金と減価償却費の累計額を、帳簿の左側の借方に記入します。そして、固定資産売却損も借方に記入します。反対に固定資産売却益が発生した際は、右側の貸方に記入することになっています。

なお、固定資産売却損を仕訳表に記入する際は、売却した固定資産の種類に応じて以下のように名称をつけるのが通常です。個別の名称を表示しにくい場合は、注記でも良いとされています。

・土地売却損
・建物売却損
・車両運搬具売却損

まとめ

固定資産売却損をひと言で表すと、帳簿価額よりも売却価額が下回る場合に発生する差額のことです。固定資産には減価償却という概念があるため、基本的に購入した時点での取得原価と売却時の帳簿価額は変わります。

そのため、固定資産を売却した際の損益の計算には、減価償却費を加味する必要があるのです。

この他、消費税は売却価額に対してかかることや、減価償却費は期中売却であっても期首の帳簿価額を計上すれば良いことなど、いくつかのルールや通例があることをお伝えしました。

固定資産を売却するという取引は、業種によっては滅多に行われることではないと思いますが、稀に行われる時のために基礎知識を身につけておきましょう。

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