中小企業経営者が知っておくべき節税対策とは?

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法人という形態はとっているものの、実体としては個人事業主と変わらない規模の小さな中小企業や、起業して間もなく資金繰りに余裕がない中小企業にとって、税金の負担は死活問題といえます。

会計士や税理士まかせで、税金対策を何もとっていないという場合もあるでしょう。また、分からないことがあっても税務署が教えてくれるだろうとのんきに構えている人も少なくありません。

しかしそれでは、節税が急務といえる現在の経済状況のなかで、取り残されてしまうことは必至です。

税務署は申告のしかたや税法についてはいくらでも教えてくれますが、節税のアドバイスをしてくれることはまずないでしょう。会計士・税理士にしても、節税に心を砕くよりも、正確に間違いのない経理処理および届け出などを代行することを優先します。

では、どうやって節税を実現するかといえば、経営者自らが税金についての知識を身につけて実行することが、もっとも確実で的確な節税方法といえるのではないでしょうか。

中小企業の経営者ならなおのこと、自らが行うことで事業を継続的に発展させたいものです。

そこで今回は、中小企業の経営者に必要な税知識とやるべき節税対策について考えてみました。

中小企業が賢く節税するための必須条件

税金について何も知識がなければ、何をどうすればいいのか見当がつかないことでしょう。まず、賢い節税のためは必須条件が2つあります。

1つ目の条件は、「月次決算」とよばれる毎月の収支決算をきちんと行うことです。

利益が出ているのかいないのか、資金繰りは大丈夫か、損益と財産の状況を毎月把握することで経営の問題点が見えてきますし、改善策を練ることもできます。

また、毎月帳簿を整理していれば経理処理のミスにも早く気づくことができるので、年次決算がスムーズになります。節税を含む経営管理のためには会社の経営状況を毎月きちんと把握することが重要なのです。

2つ目は、年間で節税計画を立て、それに沿って確実に実行することです。

「年次決算の後で税金額を知り、あぜんとしてしまう」ということを避けるためにも、前もって決算を仮定しておくことで適切な節税対策が可能になってきます。

たとえば決算の3ヶ月前に、すでに結果のある9ヶ月を材料にして、年次決算をシミュレーションします。そして、利益から経費を差し引いて、残りの3ヶ月間で可能な節税対策を考えます。

もちろん、2ヶ月前、1ヶ月前にもシミュレーションして微調整します。そうすると、支払うべき税金も想定内となるわけです。

決算の直前にできること

決算直前のチェックによっても節税は可能です。節税項目を挙げ、それらがきちんと実行されてきたかを見定めます。もちろん、残りの期間中にできることも考え、最終確認を行わなければなりません。

チェック項目には、役員の追加、予約販売など商品やサービスの提供がなされる前に受け取った前受金、社員教育に使った費用、最終仕入価格の引き下げ、車両の受け入れ、倒産防止共済・団体定期保険・生命保険、健康診断、家賃やサーバー代の年払い、広告宣伝費・HPデザインの発注、消耗品の購入、社員旅行、決算賞与、高額情報商材の購入、高額セミナーの受講など、業種に応じて項目は変わってくるかと思いますが、使えるものはないかを考えてみましょう。

出費を減らし税金を減らす節税対策

先にチェックした項目は、経費を増やすことによって税金を減らす目的で挙げられていますが、ほかにも節税する方法があります。

私物の消耗品を会社で購入

小規模の会社や起業して間もない中小企業の場合、社長が元々持っていた私物のデスクやパソコンを使用して事業をスタートさせるということがあるでしょう。

この場合、社長のデスクやパソコンを会社が購入したという経理処理ができます。中古の場合でも、購入費から減価償却費を引いた金額であれば大丈夫です。

ただし、10万円を超えるものは備品となり、減価償却対象の固定資産になるので全額経費にはできないので注意しましょう。

自宅の水道光熱費を経費に計上

自宅の一部を仕事場にしている場合、水道光熱費や家賃を、家事消費分をのぞいて経費として計上できることは、「経費の按分」としてすでにご存じの知識かもしれませんが、社長が仕事を持ち帰って自宅のパソコンなどで仕事をした場合も、経費の按分が認められます。

自宅での作業時間によってその割合も変わってきますが、仮に1日2時間であれば、自宅支払の電気代の10%といったところでしょうか。微々たるものだと侮ってはいけません。

小さなことの積み重ねが、結果として、大きな節税効果を生むのです。きちんと記録をして、経費にできるものは計算しましょう。

放置している固定資産の見直し

減価償却しているけれど使用していない固定資産税を見直してみましょう。売り払ってもたいした金額にはならないからと放置していることが多いようですが、帳簿価額に残りがあるのであれば、廃棄処分によって損失計上が可能となります。

もちろん、利益が出た時に行わなければ意味がありませんが、この処理により、残っている帳簿価額分の節税ができるというわけです。

回収できない売掛金の損失計上

回収不能と思われる売掛金はありませんか。売掛先が倒産するなどすれば、貸倒損失を計上しますが、そうでなければ、督促しても長期間にわたって払ってくれない、連絡が取れない、なかなか支払ってくれず恐らく支払う意志がない、回収の見込みがない、というケースをいつまでも放置しておきがちです。

しかし、この場合にも貸倒損失としての計上が可能です。計上金額は備忘価格である1円を差し引いた金額となります。

中小企業で事業をスタートさせて間もないときは、取引先の態度を伺いながら仕事をすることも多く、こうしたケースが多々見うけられるようです。

確定申告のときに見直してみましょう。念のため、相手先に内容証明を送るなどしておきましょう。

まとめ

中小企業経営者がやるべき節税対策の第一歩は、自社の経営状況を「毎月」把握することから始まり、節税計画を立てて確実に実行する、小さなことを見逃さない、細かいところをチェックするなど、じつに地道な努力の積み重ねといえます。

また、長期で計画的にできる節税もありますが、決算直前にできる節税もあるので、諦めないことも大切です。

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