- 更新日 : 2025年2月20日
フリマアプリで購入した物を経費にする方法は?仕訳まで解説
メルカリなどのフリマアプリで事業に関する商品を購入した場合、経費計上が可能です。領収書やレシートが発行されない場合には、それに代わるものを保管する必要があります。
本記事ではフリマアプリで購入したものを経費にする方法を説明し、購入・売却をした際にの仕訳例を紹介します。
フリマアプリで購入したものを経費にする方法
事業ではメルカリなどのフリマアプリで商品を安く購入し、転売したり事業で使用したりすることもあるでしょう。そのような場合、経費計上が可能です。
経費にするには領収書やレシートなど支払いを証明するものが必要ですが、フリマアプリでは入手が難しいという問題があります。領収書やレシートを用意できない場合、商品の詳細情報や落札情報など支払いの内容がわかるページを印刷などして残しておくとよいでしょう。口座から振り込んだ場合は、通帳に日付・相手先・金額が明記され、ATMから支払った際には振込票が出ます。支払った通帳のページや振込票を領収書の代用にできるでしょう。
クレジットカードを使用した場合には、明細をコピーします。決済の内容が明確でない場合は、詳細を余白にメモしておきましょう。
また、念のために以下の内容をメモしておくことも大切です。
- 支払った日付
- 支払い先
- 購入したもの
- 金額
フリマアプリで購入した場合の仕訳
フリマアプリで購入した場合、販売目的と会社使用目的では処理が異なります。それぞれの処理についてみていきましょう。
販売目的の場合
販売目的で商材や原材料を購入したときは、「仕入」の勘定科目で仕訳します。
仕入れを会計帳簿に反映させるタイミングは、以下のような4つの基準があります。
- 出荷基準:取引先が商品を出荷した日付
- 入荷基準:商品が届いた日付
- 検収基準:入荷した商品の内容を検収した日付
- 回収基準:商品の決済が完了した日付
どのタイミングを選ぶかは任意ですが、選んだ基準で継続することが必要です。
販売目的でフリマアプリで2万円の商品を購入し、現金を振り込んだ場合は以下のように仕訳しましょう。
摘要 | ||||
---|---|---|---|---|
仕入 | 20,000円 | 現金 | 20,000円 | メルカリで商品を仕入れ |
会社で使用する目的の場合
会社で使用する目的で購入した場合、購入した商品が10万円未満であれば消耗品費で計上します。10万円以上のものは備品として資産に計上し、減価償却しなければなりません。
ただし取得した価格が30万円未満であれば、要件を満たす中小企業者に限り特例として全額を経費に計上できます。
消耗品費ではなく、雑費として計上することも可能です。雑費とは、他の勘定科目に該当しない費用や少額の費用などに使う勘定科目で、主に使用頻度の少ない取引に使います。頻繁に行う取引に雑費を使用すると、帳簿を見返したときに取引の内容がわからなくなり、いちいち摘要欄を確認するなど面倒です。フリマアプリを定期的に利用して購入する場合は、消耗品費を使うとよいでしょう。
メルカリで事務用品を5,000円分購入し、現金を振り込んだ場合の仕訳は以下のとおりです。
摘要 | ||||
---|---|---|---|---|
消耗品費 | 5,000円 | 現金 | 5,000円 | メルカリで事務用品を購入 |
フリマアプリで売却した場合の仕訳
フリマアプリで商品を売却した場合、商品発送時に売上を計上します。商品が購入者の元へ届き、お互いに評価をして取引が完了した時点ではまだ仕訳をしません。取引完了後に、手数料と送料が引かれた金額が口座に入金された時点で処理します。
メルカリで1万円の商品を販売した事例で、まず商品を発送した際の仕訳例は以下のとおりです。
摘要 | ||||
---|---|---|---|---|
売掛金 | 10,000円 | 売上 | 10,000円 | メルカリで商品を販売 |
その後、購入者が商品を受け取り、評価が行われます。代金が口座に振り込まれた時点で仕訳を行いますが、振り込まれた口座が事業用でない場合は「事業主借」で仕訳し、さらに事業用口座に入金して「事業主貸」の勘定科目による処理が必要です。
処理が煩雑になるため、はじめから事業用口座を登録するようにしましょう。
商品が購入者の元へ届き、手数料500円と送料200円を引いた9,300円が事業用口座に入金された事例では、以下のように仕訳します。
摘要 | ||||
---|---|---|---|---|
普通預金 | 9,300円 | 売掛金 | 10,000円 | メルカリで商品を販売 |
支払手数料 | 500円 | |||
荷造運賃 | 200円 |
フリマアプリの売買は適切に仕訳処理しよう
フリマアプリでの購入でも、事業に関連するものであれば経費にできます。支払いを証明できる書類は、しっかり保存しておきましょう。購入の場合は、販売目的と会社使用目的で処理が異なるため、注意しなければなりません。
売却した場合の仕訳処理は、発送時と入金時に必要になります。仕訳例も参考にして、適切に行いましょう。
よくある質問
フリマアプリで購入したものは経費にできる?
事業に関連するものを購入した場合は、経費にできます。詳しくはこちらをご覧ください。
フリマアプリで買い物をした場合の仕訳のポイントは?
販売する目的か事業で使用する目的かで、勘定科目が異なります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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