- 作成日 : 2024年11月19日
電子帳簿保存法の改ざん防止措置を徹底解説!4つの方法とよくある質問
改ざん防止措置とは、電子データが改ざんされていないことを証明するための保存要件のひとつです。電子帳簿保存法を正しく運用するには、この改ざん防止措置について理解しておかなければいけません。
本記事では、電子帳簿保存法で求められる改ざん防止措置について4つの方法を具体的に解説します。
目次
電子帳簿保存法の改ざん防止措置とは:データ保存要件のひとつ
電子帳簿保存法では、電子データの保存に関して「真実性の確保」と「可視性の確保」という2つの要件が定められています。改ざん防止措置は「真実性の確保」を行うための要件であり、データが不正に書き換えられていないことを保証するためのものです。
電子取引データを保存する場合、以下のうちいずれかの措置を講じる必要があります。
- 取引相手からタイムスタンプが付与された電子データを受領する
- 電子データを受領後すぐにタイムスタンプを付与する
- データの訂正や削除の記録が残るシステム、もしくはデータの訂正や削除ができないシステムを利用する
- 訂正・削除防止のための事務処理規定を備えつける
次の章では、これらの改ざん防止措置について、より詳しく解説していきます。
電子帳簿保存法の改ざん防止措置には4つの方法がある
この章では、4つの改ざん防止措置の方法をそれぞれ解説します。各方法の特徴を理解して、最適な方法を選択しましょう。
1.タイムスタンプが付与されたデータを受け取る
タイムスタンプが付与された電子データを受け取る場合、受信したデータをそのまま保存するだけで改ざん防止措置を講じたことになります。
タイムスタンプとは、電子データの作成日時や内容が変更されていないことを証明する技術です。公的な機関や信頼できる第三者機関が発行するタイムスタンプを使えば、データの真実性を確保できます。
ただし、すべての取引先がタイムスタンプを導入しているとは限りません。そのため、すべてのデータをこの方法で保存するのは現実的には難しいといえます。
一部の取引データの保存に活用できる手軽な方法ですが、ほかの方法と併用する必要があることを理解しておきましょう。
2.タイムスタンプを付与する
データを作成・受領してから、おおむね7営業日以内(もしくは最長2ヶ月とおおむね7営業日以内)に、自社でタイムスタンプを付与する方法もあります。
メリットは、比較的簡単に導入できる点です。タイムスタンプを付与できるシステムを導入すれば、すぐに運用を開始できます。
一方、デメリットは期限内に処理する必要がある点と、システムの導入費用や運用コストが発生する点です。とくに中小企業にとっては、導入費用や運用コストが負担になる可能性があります。
期限内にタイムスタンプが付与できない場合に備えて、ほかの改ざん防止措置も検討しておきましょう。
3.訂正・削除の履歴が残るシステムを利用する
データの訂正・削除の履歴が残る、もしくは訂正・削除ができないシステムを利用することも改ざん防止措置として有効です。要件を満たしたシステムを利用すれば、タイムスタンプの付与は不要になります。
会計ソフトやクラウドシステムを導入する際は、電子帳簿保存法の要件を満たした「JIIMA認証」を取得したシステムを選ぶのがおすすめです。導入・運用コストは発生しますが、改ざん防止に加え、業務効率化やデータの一元管理といったメリットも得られます。
ただし、メールで受け取ったデータをシステムに保存するだけでは、改ざん防止措置とはみなされません。保存だけでなくデータの送受信もシステム内で行う必要があります。
あらゆる電子取引データの保存に対応するためには、後述する「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」も準備しておく必要があります。
4.訂正・削除の防止に関する事務処理規程を作成する
システムによる対策以外にも、手軽に実施できる改ざん防止措置として「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」の作成と運用があります。事務処理規程で対応する場合もタイムスタンプは不要です。
国税庁のサイトで公開されている法人向け・個人事業者向けの雛形を参考に、自社の業務フローに合わせた規程を作成しましょう。
改ざん防止措置が不要になるケース|猶予措置あり
所轄の税務署長に「相当の理由」があると認められた場合は、改ざん防止をはじめとした保存要件への対応が不要になります。
「相当の理由」には、システムや社内ワークフローの整備が間に合わない場合や、資金繰りや人手不足などの理由で要件に沿った保存が難しい場合などが該当します。
ただし、猶予措置を受けた場合でも、プリントアウトした書面の提示・提出と「ダウンロードの求め」に応じなければなりません。税務調査においてデータの提供を求められた際に、速やかに対応できるようデータの保管方法やアクセス方法を整備しておきましょう。
なお、猶予措置は恒久的に続くとは限りません。法改正によって将来的に廃止される可能性も考慮して、対応の準備を進めることが肝心です。
電子帳簿保存法の改ざん防止措置に関するよくある質問
電子帳簿保存法の改ざん防止措置についてよくある質問に回答します。疑問を解消しておけば、スムーズに対応できるでしょう。
要件を満たすシステムに保存すれば改ざん防止措置になりますか?
データの変更履歴が残るシステムを利用していても、それだけでは不十分です。改ざん防止措置としてみなされるには、保存だけでなくデータの送受信もそのシステム内で行わなければなりません。
システム内でデータの送受信ができない場合は「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」を作成し、それにもとづいて運用を行いましょう。
改ざん防止措置の方法は複数混在しても問題ないですか?
電子取引の方法はさまざまあるため、複数の改ざん防止措置を組み合わせて運用しても問題ありません。
たとえば、タイムスタンプを付与された受領データはそのまま保存し、そうでないデータは自社でタイムスタンプを付与するといった運用も可能です。
事務処理規程を作成する場合、入力期限に制限はありますか?
改ざん防止措置として「訂正削除の防止に関する事務処理規程」を作成する場合、書類を受領後いつまでに保存するかという入力期限は、とくに定められていません。そのため、自社の業務フローに合わせて任意で期限を設定できます。
ただし、タイムスタンプのように入力期限が定められているほかの改ざん防止措置と組み合わせる場合は、同じ期限を設定しておくことをおすすめします。運用がシンプルになり、管理がしやすくなるでしょう。
自社に合った改ざん防止措置で電子帳簿保存法に対応しよう
本記事では、タイムスタンプの活用やシステム導入、事務処理規程など4つの改ざん防止措置を紹介しました。それぞれの方法にはメリット・デメリットがあり、企業の規模や取引形態によって最適な方法は異なります。
自社の状況をしっかりと把握し、適切な改ざん防止措置を行うことで、法令遵守はもちろん、業務効率の向上やデータ管理の強化にもつながります。今回の記事を参考に、自社に合った改ざん防止措置を導入し、適切に電子帳簿保存法に対応しましょう。
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