- 更新日 : 2025年2月20日
領収書をスプレッドシートで作成する方法!テンプレートの活用法も解説
領収書をスプレッドシートで作成することにより、無料で手軽に領収書を作成し、複数の端末からアクセスが可能です。関係者との情報共有も簡単にできるため、ビジネスにおいて効率的な管理を必要としているケースでは重宝します。
本記事では、スプレッドシートでの作成手順やテンプレートの活用法を詳しく解説します。
目次
領収書をスプレッドシートで作成するメリット
領収書の作成は、ビジネスにおいて欠かせない作業です。従来は専用ソフトや紙ベースで行われてきましたが、近年ではGoogleスプレッドシートを活用する企業が増えています。ここでは、スプレッドシートで領収書を作成するメリットについて解説します。
費用がかからない
領収書をスプレッドシートで作成する大きなメリットは費用がかからない点です。Googleアカウントを作成すれば、誰でも無料でスプレッドシートを利用できます。
このため、特別なソフトウェアの購入費用は不要です。ユーザー数が多いオフィスでは、スプレッドシートを無償で活用することで、コスト削減につながります。
複数の端末からアクセスが可能
Googleスプレッドシートは、インターネットを介して利用するクラウドサービスです。ネット環境があればさまざまな端末から作業環境にアクセスできます。
編集したファイルはクラウドストレージに自動保存されるため、どの機器からでも同じデータを編集可能です。パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレットなど、マルチデバイスでの利用が容易です。
共有機能を使って、関係者との情報共有が容易
Googleスプレッドシートの共有機能は、領収書作成において便利です。簡単な操作で関係者とファイルを共有でき、アクセス権限も細かく設定できます。
さらに、同時編集機能により複数人での円滑な作業が可能です。編集内容は、誰が今どのように編集しているかがリアルタイムで表示されるため、常に最新の情報を確認できます。
スプレッドシートで領収書を作成する方法
スプレッドシートで領収書を作成する方法は、「1から自作する」「テンプレートを活用する」といった方法があります。ここでは、それぞれについて解説します。
スプレッドシートで1から作成する
スプレッドシートでオリジナルの領収書を作成したい場合は、作成したい領収書のイメージを具体化するために、インターネットなどでテンプレートを検索してみましょう。
テンプレートを参考にしながら、スプレッドシートにタイトルや宛名、項目名などの必須項目を入力します。
金額の入力欄は、必要に応じて計算式を設定することで、合計金額などの自動計算が可能です。
枠線や背景色で体裁を整えたりフォントを調整したりすることで、見やすい領収書を作成できます。
スプレッドシート向け領収書テンプレートを活用する
テンプレートを活用してみましょう。
まず、自社に合うテンプレートをGoogleスプレッドシート内で探します。テンプレートはすぐに利用可能であり、シンプルなものから特定業界向け、デザイン性の高いものまで多種多様です。
お気に入りのテンプレートを見つけたら、ダウンロードしてGoogleドライブにアップロードします。
エクセルの領収書テンプレートを活用する
Excelの領収書テンプレートは便利なツールであり、多くのバリエーションが提供されています。
まず、必要なテンプレートをダウンロードしましょう。
次に、テンプレートをGoogleドライブにドラッグ&ドロップすることでアップロードできます。
ただし、一部のExcelファイルはスプレッドシート上で正しく表示されないことがあるため、事前に確認が必要です。
スプレッドシートで領収書を1から作成する方法
スプレッドシートを使って領収書を1から作成する方法を詳しく解説します。「新規作成」から、「書式設定」「セルの塗りつぶし」「枠線の追加」「計算式の活用」「ExcelやPDFへの出力」まで、順を追って解説します。
新規スプレッドシートの作成
新規スプレッドシートの作成は、Google ドライブのホーム画面から簡単に行えます。
画面左上の「新規」ボタンをクリックし、表示されるメニューから「Google スプレッドシート」を選択するだけです。
白紙のスプレッドシートが即座に作成されるため、すぐに入力作業を開始できます。
作成したスプレッドシートは自動的にクラウド上に保存されるので、データ消失の心配もありません。
書式設定をして体裁を整える
領収書の体裁を整えるには、まずセルの幅を調整し「領収書」というタイトルを入力します。
次に、見栄えをよくするため、「フォントの選択」「フォントサイズの変更」「文字の太さ」「色の調整」「セルの結合」「テキストの配置」などの体裁を整えましょう。
一度作成したフォーマットは、次回以降の作業効率化にも役立ちます。
セルを塗りつぶしてアクセントをつける
金額欄を目立たせるために目立つ色を選ぶと、視認性が向上します。視覚的な工夫により、領収書がよりわかりやすくなるため工夫してみましょう。
セルを選択し、ツールバーの「塗りつぶしの色」アイコンをクリックし、カラーパレットから目的に合った色を選びます。適度な色使いで、プロフェッショナルな印象を維持することが大切です。
枠線を入れる
枠線の解説をする。宛名、領収書番号、金額欄には目立つ罫線を引くことで、情報を強調できます。
枠線の追加方法は簡単です。強調したいセル範囲をマウスでドラッグして選択しましょう。
ツールバーにある「罫線アイコン」をクリックし、表示されるドロップダウンメニューから適用したい罫線の種類を選びます。
外枠や内枠、上下左右の線など、用途に応じて選択可能です。
状況に応じて計算式を入れる
計算式を活用すると効率的です。合計金額のセルを選択し、数式を入力します。
「G17」セルに「=E15+E16」と入力すれば、「E15」と「E16」の値が自動的に足し算されます。Enterキーを押すと計算結果が即座に表示されるため、手動計算の手間が省け、金額の変更にも柔軟な対応が可能です。
さらに、複雑な計算式も設定可能なため、状況に応じて活用するとよいでしょう。
ExcelへのコンバートやPDF出力
スプレッドシートで作成した領収書は、ExcelやPDF形式で出力できます。
Excel形式にする場合は、「ファイル」から「ダウンロード」で「Microsoft Excel (.xlsx)」を選びましょう。
PDF出力の場合、印刷設定画面で体裁を確認し、必要に応じて「スケール」を「ページに合わせる」に設定し、1ページに収まるようにします。
エクスポートをクリックすれば、PDFファイルが自動的にダウンロードされます。
エクセルで作成した領収書をインポートする
Excelで作成された領収書テンプレートは、インターネット上で多数公開されています。これらを活用すれば、作業効率の大幅な向上を見込めるでしょう。
インポート手順は簡単で、ファイルのアップロードやドラッグ&ドロップによりスムーズに実行できます。
Excelファイルをスプレッドシートに取り込む
ExcelファイルをGoogleスプレッドシートに取り込む方法は、スプレッドシートの画面左上にある「ファイル」メニューをクリックし、「開く」を選択します。
次に表示される画面で「アップロード」をクリックし、取り込みたいExcelファイルを選択するか、ファイルをドラッグ&ドロップしましょう。
Excelで作成した領収書データをスプレッドシートに簡単にインポートできました。
領収書の無料エクセルテンプレート
インターネット上では、企業や個人が作成した領収書のテンプレートが無料で提供されています。これらのテンプレートは、さまざまな形式やデザインがあり、用途に応じて選択できるのがメリットです。
テンプレートを利用することで、一から作成する手間を省け、効率的に領収書を作成できます。テンプレートをカスタマイズすることも可能なため、自社のニーズに合わせたデザインやフォーマットに調整することも簡単です。
下記のサイトでは、委任事務の状況報告請求書をダウンロードできるため、利用してみてください。
スプレッドシートで領収書を保存・管理する際の注意点
スプレッドシートは、領収書の管理に便利なツールですが、業務効率化とセキュリティ対策の両方に配慮することが重要です。うっかりミスによるデータ消失や、アクセス権限の設定ミスによる情報漏えいを防ぎ、安心して運用できるよう以下の点に注意しましょう。
アクセス権の管理
スプレッドシートで領収書を管理する際、適切なアクセス権限の設定が重要です。
共有機能を活用すれば、複数人での共同作業が容易になります。「共有」ボタンをクリックし、必要なユーザーやグループを追加しましょう。その際、各ユーザーに適切な権限を付与することで、データの安全性を確保できます。
URLをコピーして共有する方法もありますが、セキュリティリスクを考慮しなければなりません。とくに、機密性の高い情報を含む領収書の場合、アクセス権限を厳密に管理することが大切です。
バックアップの重要性
バックアップはデータ保護において重要な役割を果たします。データ消失に備える「保険」として、コンピューターやサーバーの故障、ウイルス攻撃などさまざまなリスクに対応可能です。
また、情報漏えいや改ざんが発生した際の「証拠記録」としても機能し、問題解決の助けになります。スプレッドシートのデータも、定期的にバックアップを取り、安全に管理することが重要です。
電子帳簿保存法に則って保管しなければならない
作成した領収書をEメール等でPDFファイルとして送信する場合、電子帳簿保存法に規定する電子取引に該当します。電子帳簿保存法に則って領収書を保存するには、「真実性の確保」と「可視性の確保」の2つの要件を満たさなければなりません。
真実性を確保するためには、改ざん防止のためにタイムスタンプを付与し、訂正や削除の履歴管理システムを使用するか事務処理規程を設ける必要があります。
可視性の確保では、日付や金額、取引先で検索できるように管理し、税務署からの提示要求に迅速に対応できる環境を整えなければなりません。
スプレッドシートで領収書を効率的に管理しよう
スプレッドシートを活用した領収書の作成と管理は、コスト削減や業務効率化に大きく貢献します。
無料で使えるだけでなく、複数端末からのアクセスや共有機能により、チーム全体の生産性向上にもつながります。
テンプレートの活用や、エクセルからのインポートなど、さまざまな方法で簡単に始められるのも魅力です。ただし、アクセス権の管理やバックアップ、法令遵守には十分注意が必要です。
これを機に、スプレッドシートでの領収書作成を取り入れ、経費管理をよりスマートに進めてみましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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