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  • 作成日 : 2020年5月7日
  • 更新日 : 2020年9月17日

新卒で経理になるには?配属されるための準備とは

経理職に就きたい、中には将来のキャリアパスを見据えて経理の就業経験を持っておきたいと考える人もいるかもしれません。転職ではなく、新卒で経理の仕事をしたい場合、どのような準備が必要になるのでしょうか。この記事では、経理職への配属に向けての準備を紹介します。

経理はどんな仕事?

新卒から経理職への配属の準備を説明する前に、まず経理職とはどのような仕事か押さえておきましょう。

簡潔に説明すると、経理は、企業のお金の流れや取引を把握することで、企業の経済活動を数字として記録する仕事です。伝票作成や帳簿作成などの日常業務で日々の取引やお金の流れを記録し、企業の年間の経営成績や財政状況を財務諸表の作成によって明らかにします。

しかし、細かく見ていくと会社によって経理の仕事の範囲は異なります。特に大企業で経理職に就くか、中小企業で経理職に就くかで仕事の範囲が大きく変わると考えておいた方がいいです。会社によっても多少の違いはありますが、大企業と中小企業とで、それぞれどのような仕事が経理に含まれるかみていきましょう。

大企業での経理の仕事

大企業では投資家や債権者などの企業の利害関係者に向けた財務諸表の作成に限らず、税務申告までを業務範囲にしていることもあり、規模の大きい高度な専門スキルを磨ける可能性があります。しかし、業務範囲が広いため、仕事が細分化され、それぞれの担当に分けられるケースが多いです。中小企業のような、経理に関わる幅広い仕事の経験を得ることは、大企業では難しいといえます。

中小企業での経理の仕事

中小企業では、大企業のように担当が細分化されていないことも多く、経理に関わるさまざまな仕事を経験ができる可能性があります。例えば、企業のお金の流れに関連する給与処理まで経理担当が担うことも少なくありません。経理だけでなく、総務の仕事を兼任するケースもあります。しかし、大企業と異なり、税務申告は社内ではなく税理士などの専門家に委託していることが多いです。オールラウンダー的な仕事の経験を積むことはできますが、税務の面では経験を積むことが難しいかもしれません。

もちろん、規模に限らず会社の方針なども影響してきますが、同じ経理職でも大企業と中小企業とでは業務範囲などが異なることが多いです。新卒で経理職に就きたい場合は、将来どのような業務に携わっていきたいか想像しながら会社選びをすることが大切ではないでしょうか。

財務との違い

経理とよく比較される仕事に財務がありますが、財務は会社の資金繰りに関連する、より経営層に近い仕事です。経理の作成した書類を使用して財務が判断することはありますが、仕事内容は異なります。
(ただし、会社によっては、経理と財務を同一部門で設置していることもあります)

新卒で経理職に就くには?

経理の仕事についてある程度イメージできたかと思いますが、新卒で経理職に就くにはどうすればよいのでしょうか。

方法として、新卒で総合職などとして採用されたのちに、経理に配属というパターンもありますが、はじめから経理職として採用されたわけではないため、確実ではありません。中小企業で経理職として経験を積んだのちに大企業に転職するなどの方法もありますので、新卒で経理職に就きたい場合は、はじめから経理職を募集している企業に経理職希望で応募するのが王道でしょう。

ここで、少しでも経理職として採用されるために重要なのが、経理の仕事のベースとなる知識です。経理に生かせる知識の有無で経理職に就けるかどうかの可能性の高さは変わってきます。ここでは、新卒で経理職に就きたい方に向けて、準備として身に着けておきたい知識を紹介します。

簿記の知識を身に着けておく

経理に必要なのは、簿記の知識です。簿記の基礎を一から教育するのには時間も労力もかかるため、はじめからある程度の簿記の知識がある人を企業側が希望するケースもみられます。採用の可能性という点で大きなポイントになるでしょう。

また、経理職を希望する本人が、入社後に積極的に仕事を進めるためにも基礎的な知識は必要です。経理は、基本的に過去のデータと比較して会計処理をすることが多いと思いますが、過去にないデータの処理が発生することもあります。会計ソフトを使って処理を検索するにしても、どの科目を仕訳で使うか分かっていないと検索もできないため、財務諸表や仕訳の基本的な仕組みへの理解、資格でいえば日商簿記3級程度はあった方がよいでしょう。

なお、投資家が絡む上場企業などになると経営成績や財務状況が正確に捉えられなくなるため、税務上は問題がなくても、科目の違いは大きな問題になります。大企業の場合は経理担当が複数いてミスは起こりにくいと思われますが、中小企業は属人化していることも多いです。入社後の仕事でミスを増やさない、無駄な業務を増やさないためにも簿記に関する最低限の知識は入社前に身に着けておくべきでしょう。

経理職に役立つ資格

経理に配属されるための準備として、簿記の知識を持っていることは重要です。しかし、知識があっても、証明できるものがなければ、十分な簿記の知識があると相手に思ってもらうことは難しいといえます。そこで知識の証明として役立つのが、経理に関わる資格です。

中でもよく知られているのが、日商簿記検定でしょう。特に大企業の経理職では日商簿記検定2級以上を持っておいた方がよいといわれることもありますが、会社の規模によっては日商簿記検定3級や類似の簿記検定でも評価してもらえることがあります。すでに応募する企業に目星をつけているのであれば、応募資格の条件、優遇される資格なども参考になるでしょう。

ただし、業種によっては特殊な会計処理を行うところもあります。日商簿記検定3級などで問われる商業簿記は小売業や卸売業などを想定した一般的な会計処理ですので万能とはいえません。

例えば製造業は、製品の原価を求める原価計算の処理も必要です。原価計算が必要な業種への就職を考えるなら、原価計算の知識を含んだ資格も取得しておいた方が経理職への配属にプラスになるでしょう。原価計算を含んだ資格であれば、例えば商工会議所主催の原価計算初級や日商簿記検定1級などがあります。

ほかにも、建設業なら建設業経理検定、グローバル展開している企業での経理職を目指すなら国際会計基準を押さえるためにBATIC(国際会計検定)を取得しておくのもよいでしょう。

経理職の将来性

ここまで新卒で経理に配属されるために準備しておきたいことを紹介しました。経理職の将来性という点ではどうでしょうか。

経理を取り巻く環境

経理の仕事はここ何十年かで変わってきています。会計ソフトの発達などで、経理の仕事は大幅に軽減されたためです。以前は紙ベースだった処理が、ほとんどの企業ではパソコンによる処理が一般化しています。また、サービスの発達により、経理を外部にアウトソーシングする会社も増えてきました。

このように聞くと、将来的に経理は企業から消えてしまうのではないかと不安を覚える方もいるかもしれません。しかし、一部の会社から経理職が消えたとしても、完全になくなるわけではありません。スピード感、コスト面などを考慮し、社内で経理担当者を残したり、育てたりする企業もあるためです。また、経理を専門にするアウトソーシングサービスを提供する企業では、経理の知識がある人材が求められます。

AIや技術、サービスの発達によって仕事の内容に多少の変化はあるかもしれませんが、今すぐになくなってしまうような仕事とはならないでしょう。

これからの経理職で必要なこと

経理の将来性を踏まえ、これからの経理職に必要なことをここでは考えてみましょう。

クラウド型の会計ソフトが誕生したことで、会計処理は以前よりも便利になりました。しかし、クラウド型の強みでもある自動取得、自動仕訳機能が備わったといっても、その仕訳が必ず正しいとは限りません。自動仕訳機能は割と正確に仕訳してくれますが、複雑な処理や仕訳頻度の少ないものだと正しく仕訳されないこともあるためです。

会計ソフトに大方の処理を任せられるとしても、処理が正しいか確認する作業は必要と考えられますし、このような会計ソフトを正しく扱う知識も必要だと考えられます。これから経理職を目指すなら、基本的な簿記の知識に加え、会計ソフトなどを効率よく扱えることが重要になるでしょう。また、経理職でキャリアアップするには、決算書が読めることも必要です。

まとめ

新卒であっても、基礎的な簿記の知識、また資格があれば経理職に就くことはできます。特に、これからの時代は、会計ソフトの機能にも対応して、いかに機能を使いこなせるかも重視されるようになります。簿記の知識にプラスして、ソフトをうまく使うスキルなどを磨いていくことも大切ではないでしょうか。

【参考】
日商簿記検定-簿記|商工会議所の検定試験
日商原価計算初級|商工会議所の検定試験
建設業経理検定
BATIC(国際会計検定)®|公式サイト※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:本村 結貴(もとむら ゆき)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士
そのほか、中学英語教諭免許等保有、一時仕事の関係で生命保険募集人に登録する。一般企業に就職後、主に経理を担当し、その後会計事務所へ転職して個人と法人の確定申告補助を経験する。2014年からライターとして活動。

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