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  • 作成日 : 2019年5月29日
  • 更新日 : 2020年9月17日

タピオカ店を悩ませる「軽減税率」 カフェに屋台にフードコート…消費税どうなる?

空前絶後のタピオカブームが到来しています。街中のタピオカドリンク専門店がものすごい行列をなしているのを目にした方も多いでしょう。

税理士である筆者もブームに便乗してタピオカアイスティーを買いに行ったところ、ふと10月以降は「タピオカ屋さんの消費税率がメンドクサイことになりそうだ」と気づいてしまいました。というのも、軽減税率導入でタピオカ屋さんが悩ましい問題に直面しそうなのです。(執筆者:税理士 山口玉美)

タピオカドリンクの消費税は「どこで飲むか」で決まる

2019年10月1日から始まる消費税率10%への引き上げ。同時に軽減税率8%も導入されますが、この2つの税率を正しく区分することが思いのほか大変になるのです。

軽減税率の対象は飲食料品が中心になります。ですが、酒類、外食、ケータリングなど一部対象外のものがあります。はたしてタピオカドリンクは軽減税率8%の「飲食料品」になるのでしょうか、それとも標準税率10%の「外食」になるのでしょうか。

タピオカドリンクの消費税は8%? 10%?

タピオカドリンクの消費税率は、基本的には次のようになります。

・タピオカドリンクを店内で飲む場合は10%
・テイクアウトの場合は8%

ざっくり言うと、どこで飲むかが消費税率2%をかけた運命の分かれ道となります。

屋台やフードコート…お店の形態別で異なる税率

どこで飲むかによってタピオカドリンクの税率は変わると言いましたが、タピオカドリンクのお店には、持ち帰り専用のスタンドや屋台、イートインとテイクアウト両方が可能なカフェ、レストランのサイドメニュー、ショッピングセンターのフードコート……など様々な形態があります。

この場合は、お店にテーブルや椅子などの「飲食設備」があるかどうかが税率判定のカギになります。それぞれのケースで考えてみましょう。

テイクアウトのないレストランやカフェは消費税10%

テイクアウトメニューを扱っていないレストランやカフェでは店内でタピオカドリンクを飲むことになるので、当然「外食」となり10%となります。

テイクアウト専門店は消費税8%

反対に、テイクアウトのみのタピオカ店や、椅子などの飲食設備がない屋台の場合、店内で飲食することができないので、「飲食料品」として8%になります。

ショッピングセンターのフードコートは消費税10%

ショッピングセンターのフードコートに設置された共通イートインスペースなどは飲食設備に当たります。たとえお店がその飲食設備を設置したわけでなくても、設備設置者とお店の合意で利用できるようにしてあります。なので、フードコートのイートインスペースで飲む場合は「外食」の10%になります。

公園のベンチで飲むためのテイクアウトは消費税8%

お店が特段の使用許可等を取っていない公園のベンチなど誰もが自由に使用できるスペースで飲む場合は「飲食料品」の購入になり8%です。

タピオカ店にとって悩ましい「意思確認」

タピオカドリンクの消費税は、テイクアウトは基本的に「飲食料品」の8%になり、そのお店に関連する飲食設備があり、そこでドリンクを飲んだ場合は「外食」の10%になることがわかりました。では、次のように判断が難しいケースはどうなるのでしょう。

最初は店内で飲んでいて、途中で持ち帰った場合でも消費税10%

店内でタピオカドリンクを飲んでいたけど、急用ができ、残りのドリンクを持ち帰った場合はどうなるのでしょう。

残念ながら、途中で持ち帰っても、タピオカドリンクの提供を行った時点では店内で飲むものとして提供されたため「外食」の10%となります。レストランで食べていて残ったものを容器に詰めて持ち帰る場合も同様に10%です。

イートインもテイクアウトも可能な店が直面する問題

「それならとりあえず『持ち帰り』と伝えて、税率8%で購入すればいいのでは?」と思った方もいるでしょう。店内で飲食ができ、持ち帰りも対応しているタピオカ屋さんにとっては、こういったお客様の対応が最も悩ましい問題になりそうですね。

本当は店内で飲むつもりなのにテイクアウトを装う、会計後に気が変わって店内で飲むことにしたお客様に対し、お店が後から「イートインは10%なのであと2%ください」と言うのはなかなか難しいですよね。

こういったお客様への対応をどうすべきかは、タピオカ店に限らず飲食業界において大きな問題とされています。意思確認については、国や業界全体の統一的な方法が決められているわけではなく、個々のお店にまかされているため、実際のところどうしようと頭を抱えているコンビニやカフェも多いでしょう。

イートインかテイクアウトか…意思確認の方法

イートインもテイクアウトも可能なお店は、まず会計時にイートインかテイクアウトかお客様に意思確認をしましょう。それでもお客様の申し出と実態に乖離があれば、次のような方法で意思確認を強化してみてはいかがでしょうか。

・アルコール飲料を購入する際の年齢確認タッチパネルと同様に、お客様自身が判断してボタンを押すシステムの導入する
・イートインとテイクアウトでドリンクカップの色や種類を変える
・「テイクアウトの場合は店内の飲食スペースをご利用いただけません」「店内で飲食する場合はお申し出ください」といった提示をする

まとめ

今回の話はタピオカ店に限らず、多くの飲食店が抱える問題でもあります。お店によって8%か10%をどう判断するか異なってくることと思いますが、行列の待ち時間削減のため、お店の経営のため、また、消費税の正しい税務申告のためにも、購入者の方々の協力が不可欠となります。

タピオカドリンクを買いに行った方は、ズバッと正直でスピーディーな意思判断をお店に伝えると、誰にとっても良い方向に進むのではないかと思います。

参考|消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)>外食の範囲(国税庁)※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:山口 玉美(税理士)

山口玉美税理士事務所Tama Tax Tokyo所長
イレギュラーな案件ほど燃えるブロガー税理士。
医療関係を専門とし、M&A・税務調査・相続などのスポット案件を受注する傍ら、米国の専門家と連携して居住外国人や海外展開における税務支援を行う。東京保険医協会サポートセンター・中小企業庁ミラサポ専門家派遣の登録専門家を務める。
ブログ:Tama Tax Tokyoはてな支店

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