- 更新日 : 2024年8月8日
自動車重量税はだれがいつ納付しているのか?
「自動車重量税」についてご存じでしょうか。自動車を所有している方なら、購入時や車検のときに請求書等で目にしたことくらいはあるかも知れませんが、「どのみち支払わなければいけないもの」として見過ごしている場合が多く、その詳細については案外知られていないようです。
ここでは、自動車の購入や車検のときに自動車の重量等に応じて課税される国税「自動車重量税」について解説します。
自動車重量税の概要
自動車重量税は、自動車を購入したとき、つまり新規登録のときや車検のときに自動車の重量に対して支払う税金です。
自動車検査証の交付等を受ける方および車両番号の指定を受ける方が納税義務者となりますが、通常は自動車販売会社や車検業者が手続きをします。
納付方法は、手数料納付書に相当する金額の自動車重量税印紙を購入のうえ、自動車重量税納付書に貼付します。重量税は車検の有効期限分を先払いするもので、たとえば新車で自家用車を買った場合は3年分を納付することになります。
次からは車検ごとに2年分を納付します。なお、車検の有効期限は車種によって違います。たとえばキャンピングカー等の8ナンバーの特殊車は、初回車検も継続車検も2年です。
そのほか車検の有効期限
・貨物自動車(8トン以上)初回1年 2回目以降1年
・貨物自動車 8トン未満 初回2年 2回目以降1年
・バス・タクシー 初回1年 2回目以降1年
・レンタカー(乗用自動車のみ)初回2年 2回目以降1年
・軽貨物自動車・大型特殊自動車 初回2年 2回目以降2年
エコカー減税
環境性能に優れた自動車は自動車重量税の減免措置があります。
いわゆるエコカー減税です。平成29年5月1日から平成31年4月30日までの間、最初に受ける新規車検また継続車検のときに、納付すべき自動車重量税について減免されます。減税の対象者については国土交通省の減税対象自動車一覧をご参照ください。
(参考:減税対象自動車一覧|国土交通省)
自家用自動車の自動車重量税額
自動車重量税の税額は年額で定められており、その金額は0.5トンごとに設定されています。ただし、自家用軽自動車は重量に関わらず、13年未経過車の場合3,300円/年です。
・2015年度燃費基準達成車…0.5トンごとに2,500円/年
・新車新規登録・検査から18年経過車…0.5トンごとに6,300円/年
・新車新規登録・検査から13年経過車…0.5トンごとに5,400円/年
・上記以外の自動車(自家用乗用車)…0.5トンごとに4,100円/年
年数の数え方に注意
新車新規登録からの年数で税額が変わりますが、13年経過・18年経過という際の年数の考え方に注意しましょう。
経過年数の考え方は、車両の種別により異なります。登録自動車および小型二輪の場合の「13年経過」は、初度登録年月(小型二輪の場合は初度検査年月)から12年11カ月を過ぎて自動車検査証の交付等を受ける場合が相当します。
初度登録(小型二輪の場合は初度検査)のときに、自動車検査証の交付を受けた「日付」に関係なく「当該交付年月から13年経過する月の1日」以後に受ける検査から適用されます。
検査対象軽自動車(二輪を除く)の場合の「13年経過」は、初度検査年から13年を経過した年の12月以後に自動車検査証の交付等を受ける場合を指します。
自動車検査証の交付を受けた初度検査の「月日」に関係なく、「交付年から13年経過した年の12月1日」以後に受ける検査から適用されます。つまり、13年を経過した自動車とは、車検証の「初度登録年月」に記載された年月から12年11カ月を経たものになります。
同様に、18年を経過した自動車とは、「初度登録年月」に記載された年月から17年11カ月を経たものになります。
使用済自動車に係わる重量税還付制度使用済みの自動車が適正に処理された場合、車検に1カ月以上の残りがあれば、相当する重量税分が戻ってくる重量税還付制度があります。これを「使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付制度」といいます。
この制度は、平成17年1月から、使用済自動車の再資源化等に関する「自動車リサイクル法」の施行と同時に、道路運送車両法の新しい抹消登録関係手続と併せて始まりました。
(参照:使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付制度について|申告・納税手続|国税庁)
還付の条件は、自動車リサイクル法に基づいて使用済自動車が適正に解体され、解体を理由とする永久抹消登録申請または解体届出と同時に還付申請が行われることです。
ただし、還付申請者は、対象となる自動車を引取業者に引き渡した者とされているので、実際に自動車重量税を納付した方かどうかは問わないことになっています。
関連記事
・納税の期限と方法まとめ!法人ならチェック必須の10の税金
・中古車の方がお得?社用車の節税対策とは
・【タカタ リコールに学ぶ】回収・無償修理した際の会計処理方法
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
永久差異と一時差異の違いとは?例から解説
永久差異と一時差異には、その差異が永久的に解消されないのか、将来的に解消され得る性質のものかという違いがあります。一時差異は費用と損金、収益と益金の認識時期が異なるために生じるものです。一時差異は将来いずれ解消するため、税効果会計を採用して…
詳しくみる法人事業税の税率や計算方法について解説!
法人が納付する税金には法人税や法人住民税、特別法人事業税などのいくつかの種類がありますが、その中で法人事業税とはどのような税金なのか詳しく解説します。申告する際の税率や計算方法、外形標準課税が適用されるケースや計算する際に必要な所得割や収入…
詳しくみる国民年金基金の節税効果やデメリットについて
国民年金は、日本に住所がある20歳以上~60歳未満の方全員に加入が義務づけられている公的年金であり、老後の生活を支えるための大切な制度です。万一のための障害基礎年金・遺族基金年金もありますし、保険料の全額が控除の対象となる社会保険料控除もあ…
詳しくみる農業法人設立の流れとメリット 白色申告の農家が受けられる税金面の優遇措置とは
農業を営んでいるといっても個人事業主や農業法人など事業形態はさまざまですが、家族経営している農家が多いのではないでしょうか。 家族経営している白色申告の農家であったとしても農業法人を設立することによって、税金面などで優遇されるメリットを受け…
詳しくみる法人税とは?法人税の基礎知識
法人税とは、主に株式会社や協同組合などの法人が事業活動を通じて得た各事業年度の所得にかかる税金です。個人が利益を得たら所得税を税務署に申告・納税しますが、法人の場合は法人税を税務署に申告・納税します。ここでは法人税について、どんなしくみで課…
詳しくみる中小企業経営者が知っておくべき節税対策とは?
法人という形態はとっているものの、実体としては個人事業主と変わらない規模の小さな中小企業や、起業して間もなく資金繰りに余裕がない中小企業にとって、税金の負担は死活問題といえます。 会計士や税理士まかせで、税金対策を何もとっていないという場合…
詳しくみる