• 作成日 : 2023年5月1日

経理業務の効率化 | 効率化を実現するためのポイントと方法を解説

経理部門の業務は非常に多く、残業も多くなりがちです。経理部門は全ての部署と関係しているため、他部署の処理を待つ時間も長く、定期的に決算処理など大がかりな業務も行っているからです。また、経理部門の業務は属人化しやすいものも多く、長時間残業をしている社員も多いのではないでしょうか。

それらの業務を効率化し、作業時間を短縮することはできるのでしょうか。
ここでは、経理部門の業務効率化を実現するためのポイントと方法を解説します。

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経理業務の効率化は可能?

結論からいえば、経理部門の業務を効率化することは可能です。そこには次の3つの理由があります。

  • 経理部門の業務には、日次、月次、年次単位での定型業務が多いため、システム導入で自動化しやすい
  • 他部門の処理を待つ時間は長いが、基本的に業務は社内で完結している
  • ツールやシステム、アウトソーシングなど自動化・効率化する手段が多い

経理業務における課題

経理業務には次のような課題があり、効率化を阻害しています。これらの課題を解決することで、効率化が可能です。

伝票など紙での業務が多い

紙の伝票や書類の処理は印刷や郵送・配送が必須で、手間や時間がかかります。ミスが発見された場合には修正にかかる手間や時間も増え、煩雑になります。

キャッシュレス化が進まず、小口現金対応が必要になる

多くの企業では、切手代、交通費など、現金での支払いのために小口現金を用意しています。現金を社内に保管するため、金庫を用意してきちんと施錠し、盗難や紛失を防がなければなりません。加えて、出金・入金のたびに記帳し、定期的に確認する必要があります。

さらに、小口現金が少なくなると銀行に行って現金を用意するという業務も必要となり、手間がかかります。

伝票が経理に届くのが遅く、業務が停滞してしまう

経理部門の業務は社内の全部署と関係しています。そのため、
他の部署から伝票が回ってくるのが遅れると、経理部門の業務が停滞し、その後の作業を圧迫します。結果的に、経理部門の労働時間は長くなりがちなのです。

ミスをしないよう慎重になるので業務が遅くなりがち

経理部門の業務は、お金の計算なので、ミスは厳禁です。そのためプレッシャーも大きく、どうしても慎重になってしまいます。結果的に作業のスピードが遅くなりがちです。

また、他部署からの伝票もミスや不正が起きないようにきちんとチェックし、ミスがあれば差し戻して再提出してもらわなければなりません。この作業にも多くの時間が必要です。

専門的な業務は属人的になりがち

作業量が多い経理部門は、専門性が高い業務です。他の部署から人手を借りてきたり、新人を即戦力にしたりすることは難しいでしょう。
また、経理部門の中でも、イレギュラー対応はスキルの高い人に偏りがちです。そのため業務の属人化が発生しやすく、作業負担を平準化しにくくなっています。

経理業務を効率化することのメリット

これらの課題を克服して経理業務を効率化することで、次のようなメリットがあります。

作業時間減少

経理業務を効率化して作業を効率化することで、経理部門全体の作業時間を大きく削減できます。それによって残業時間を減らすことができ、人件費のコスト削減にもつながります。

残業短縮による社員満足度の向上

作業時間を短縮して残業時間を短縮することで、経理部門の社員のストレスが大きく軽減され、社員満足度が向上します。社員満足度の向上は仕事へのモチベーションアップにもつながります。

ミスの削減

システムを導入して業務を自動化することで、作業を減らすことができます。それは人的ミスの削減にもつながります。
ミスがあってもシステムが検知してくれるため、社員のプレッシャーも小さくなるでしょう。

経営判断の高速化

経理部門の業務が効率化されることで、経営判断に必要な情報を素早く作成できます。また、システムを導入することで、情報の連携ができれば、常に最新のリアルタイムなデータを使用することも可能です。それにより、適切で迅速な経営判断が可能になります。

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経理業務を効率化するためのポイント

次に、経理業務を効率化するためのポイントを解説します。

ペーパーレス化・キャッシュレス化の推進

経理部門の効率化には、経理業務のペーパーレス化とキャッシュレス化が必要です。
ペーパーレス化とキャッシュレス化は、次のようなメリットをもたらし、大きな業務効率化が可能です。

<ペーパーレス化のメリット>

  • 紙の書類の印刷、保存、整理、管理にかかる手間やコストを削減できる
  • 業務をシステム化することでワークフローもシステム上で完結でき、申請や承認作業に遅れが出にくくなる

<キャッシュレス化のメリット>

  • 小口現金を保管・管理する必要がなくなる
  • 小口現金を確保するために銀行に行く必要がなくなる

会計ソフトの導入

経理部門の業務効率化には、会計ソフト、またはERPの導入が必要です。それによって大きな業務効率化を実現できます。

例えば、次のような業務効率化が可能です。

  • データ入力や処理の自動化により、手作業による工数を削減できる
  • 手作業を削減することで、人的ミスの発生や、そのリカバリー対応という工数を削減できる
  • 業務を自動化することで、業務の属人化を防ぎ、平準化が可能になる

会計ソフトによる処理の自動化については、次の記事も参考にしてください。

書類のフォーマットを統一

全社で経理部門に回す伝票のフォーマットを統一します。これにより、入力漏れや確認漏れの削減につながるだけでなく、経理部門での作業スピードが上がります。会計ソフトを導入すれば、フォーマットを容易にそろえることができるでしょう。

マルチディスプレイの導入

経理部門の業務にマルチディスプレイを導入することで、作業効率がアップします。複数のファイルを同時に開くことができ、データや伝票を参照しやすくなります。

マルチディスプレイを導入しても、パソコンが古くて動作が遅い、性能が低いという場合にはより高スペックのパソコンへの買い替えをおすすめします。

アウトソーシングの活用

経理部門の人数が少なすぎるなど、どうしても効率化が難しい場合は、経理業務をまとめてアウトソーシングすることも可能です。

外注先の業者の多くが経理業務に関する専門的な知識を持ち、経理業務を行うだけでなく、アドバイスをしてくれることもあります。

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経理業務を効率化するための2ステップ

経理作業の効率化は「業務内容の可視化」と「ECRSの原則」の2つのステップで実現します。

業務内容を可視化する

経理業務の効率化するには、最初に経理部門の業務に関して大まかに作業を書き出します。
その後、作業を時系列に並べ、さらに細かな作業を洗い出しましょう。それによって、必要な工数を時系列で可視化することが可能です。

また、この作業を行うことで、作業の偏りやボトルネックも発見することができます。

ECRS(イクルス)の原則で業務の見直しを行う

「ECRS(イクルス)」の法則は、業務効率化に向けたフレームワークです。経理業務の見直しにECRSの法則を取り入れることで、業務の改善点を発見し、検討することができます。

  • 排除(Eliminate)
    なくしてもかまわない作業はないか
  • 結合(Combine)
    まとめることができる作業はないか
  • 交換(Rearrange)
    順序を交換して効率化できる作業はないか
  • 簡素化(Simplify)
    より簡単に、シンプルにすることで効率化できる作業はないか

これらの視点から業務を見直し、効率化できるところはないかを探します。

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まとめ

経理業務の効率化は可能です。システム化しやすい定型的な業務が多いため、バックオフィス部門の中では効率化しやすい業務と言えるでしょう。

ECRSの法則を利用して経理部門の業務を見直し、システムを導入することで、経理部門だけでなく、全社規模で大きな効率化が可能です。

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株式会社藤井大丸 会計課 上杉様

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株式会社藤井大丸 会計課 上杉様


よくある質問

経理業務の効率化は可能か?

可能です。経理部門は業務効率化しやすい部門と言えます。

経理業務を効率化するポイントは?

ペーパーレス化、キャッシュレス化、会計システムの導入、書類のフォーマットの統一、マルチディスプレイの導入、アウトソーシングなどの方法があります。

経理業務を効率化するとどんなメリットがある?

経理部門の業務時間短縮、社員満足度の向上、人的ミスの削減、経営判断の効率化などのメリットがあります。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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