- 更新日 : 2024年8月8日
ドメインの取得費、更新料、サーバーレンタル代を仕訳する際の勘定科目
多くの事業を展開する際に不可欠になるドメイン代やサーバー代ですが、その取得にかかる費用や更新料は、帳簿上で何らかの勘定科目として仕訳をしなければなりません。
自社で一度決めた勘定科目は永続的に利用することが基本となるため、業務内容や企業の特徴にあったものを定めましょう。そこで今回は、ドメイン代やサーバー代の勘定科目について詳しく紹介します。
目次
ドメイン代・サーバー代を仕訳する場合の勘定科目
ドメイン代・サーバー代を仕訳するときの勘定科目は主に「通信費」「支払手数料」「広告宣伝費」を使用します。インターネット関連の仕訳で勘定科目に迷う場合には、自社サイトのURLに使うドメインの取得費用やレンタルサーバーの更新料など、実際に使った内容をもとに決めていきます。
いずれも勘定科目の決まりは存在しません。しかし、帳簿に記載する勘定科目は、永続的に使用する必要があります。一貫した勘定科目を使用していないと、税務署に不審に思われる可能性があるためです。
自社で扱いやすい勘定科目を決めるために、まずどのように仕訳するかを検討しておきましょう。
ドメイン代・サーバー代を通信費で仕訳する
ドメイン取得のための代金やサーバー代金はインターネットを介してやり取りするためのものとして「通信費」として仕訳をすることが多いです。レンタルでサーバーを使用する場合には、サーバー代のみ賃借料とすることもあります。
通信費という勘定科目には、切手料金や携帯電話の通信料も含まれているため、勘定科目の内訳を細かく分類する「補助科目」を活用しましょう。ドメイン代やサーバー代をまとめて「インターネット代」と記載すると分かりやすくなります。
具体的な仕訳例は、以下の通りです。
【例 ドメイン取得のために、現金1,000円を支払った】
通信費 (インターネット代) | 1,000円 | 現金 | 1,000円 |
ドメイン代・サーバー代を支払手数料で仕訳する
ドメイン管理をする企業の管理手数料や委託手数料としての性質を持つという特徴を重要視する場合であれば、ドメイン取得代金やサーバー利用代金を「支払手数料」として仕訳をすることもできます。
支払手数料という勘定科目には、銀行振り込みの手数料や不動産会社への仲介手数料も含まれるため、補助科目として「インターネット代」と記載することで分かりやすくなります。具体的な仕訳例は、以下の通りです。
【例 ドメインの更新料として現金900円を支払った】
支払手数料 (インターネット代) | 900円 | 現金 | 900円 |
ドメイン代・サーバー代を広告宣伝費で仕訳する
事業の広告宣伝のためにインターネットを利用して新規でホームページを作成する場合、ホームページ作成の初期費用は一般的に「広告宣伝費」と仕訳します。同時にドメインやサーバーの契約をするならドメイン代やサーバー代も「広告宣伝費」として仕訳をすることで、ホームページの作成や管理、運営のための費用として一貫性がでるでしょう。
具体的な仕訳例は、以下の通りです。
【例 ホームページによって自社の事業を宣伝するためにドメインとサーバーを新たに契約した】
広告宣伝費 | 10,000円 | 現金 | 10,000円 |
ドメイン代やサーバー代の勘定科目は継続的な使用が重要
インターネット関連の仕訳で、ドメイン代やサーバー代を仕訳する勘定科目はさまざまあります。帳簿でどのように仕訳するかは、自社の出費内容を確認して決めるとよいでしょう。
正式な勘定科目の決めかたはありませんが、のちにどのような出費だったのか見返せるようにしておくことが必要です。仕訳の基本として、勘定科目を永続的に使用することを押さえながら、帳簿への記載をしてみてください。
よくある質問
ドメイン代・サーバー代の仕訳で使える勘定科目は?
通信費や支払手数料、広告宣伝費を主に使用します。ただし、いったん使用した勘定科目を継続的に使用する必要があるため注意が必要です。 詳しくはこちらをご覧ください。
通信費で仕訳する場合のポイントは?
通信費には携帯電話代金や郵便切手代金も含まれるため、補助科目で「インターネット代」などと記載しておくと分かりやすくなります。 詳しくはこちらをご覧ください。
支払手数料で仕訳する場合のポイントは?
支払手数料には銀行の振込手数料なども含まれるので、補助科目として「インターネット代」などと記載しておくと分かりやすくなります。 詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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