- 更新日 : 2023年3月24日
個人事業主が納める住民税とは?計算方法や納付方法、経費にできるかを解説!
確定申告という個人事業主にとってのビッグイベントを終えてホッとするのも束の間、納めるべき税金は所得税だけではありません。6月ごろには各自治体から「住民税決定通知書」が送られてきます。自分で申告・納付する所得税についてはよく知っているけれど、住民税について実はよくわかっていないという人も多いのではないでしょうか。この記事では住民税の計算方法や納付方法、経費にすることが可能かなど、個人事業主にとって必要な住民税の基礎知識をまとめました。
目次
個人事業主が納める住民税とは?
住民税とは、各自治体の教育や福祉、公共施設、水道、ゴミ処理などのさまざまな行政サービスを維持・管理するために、その地域に住む人々が負担する「地方税」です。
住民税には「都道府県民税」と「市区町村民税」がありますが、それらをあわせて市町村に納め、そこから市区町村が都道府県民税を都道府県に納める仕組みになっています。
また、法人が対象の「法人住民税」と個人が対象の「個人住民税」がありますが、ここでは個人事業主が納める個人住民税について解説します。
個人事業主の住民税の計算方法は?
個人住民税は、その年の1月1日の時点でその市町村に住所がある個人に課税されます。住民税額を決める考え方は、所得に関係なく住民に平等な負担を求める「均等割」と、所得に対して負担を求める「所得割」の2つです。
そのため、住民税の納税額は「均等割+所得割」で求めることができます。ここでは住民税の計算方法について具体的に確認していきましょう。

なお、上記の均等割、所得割は標準税額及び標準税率であり、自治体の裁量により異なることがあります。
均等割
均等割は「地域社会の会費」という意味合いで、全ての住民に等しく課せられます。年間の均等割の金額は、おおむね都道府県民税が1,500円、市区町村税が3,500円ですが、自治体によって異なります。
主要な都市の均等割(2023年度)
所得割
住民税の所得割は、前年の所得をもとに計算されます。個人事業主の場合も前年の所得を毎年3月15日までに確定申告し、それをもとに市町村が住民税を計算してくれるので、所得税のように自分で税額を計算する必要はありません。
とはいえ、個人事業主にとって住民税額は手取りを把握する上でも重要なので、どれくらいの金額になるかは知っておきたいところですね。
所得が多くなれば税率も大きくなる所得税とは異なり、住民税の所得割にかかる税率は標準税率で10%です。内訳は都道府県民税が4%、市区町村税が6%となっています。
所得割の計算式は以下の通りです。
青色申告をしている場合は、住民税においても「青色申告特別控除」が適用されます。所得から差し引かれる「所得控除」は、所得税と比べると住民税の方が控除できる金額が小さくなりますので注意が必要です。
所得税・住民税の所得控除
参考:個人住民税の計算|大阪市、所得税 所得控除のあらまし|国税庁
※基礎控除は、本人の所得が2,400万円以下の場合の金額です。
※配偶者控除・配偶者特別控除は、本人および配偶者の所得によって段階的に設定されています。納税者本人の所得1,000万円超の場合は適用がありません。
※雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済掛金控除の控除額は、所得税も住民税も同じです。
また、「税額控除」はふるさと納税を行った場合や、所得税からその年度分の住宅ローン控除を引ききれなかった場合などに適用されます。
個人事業主の住民税の納付方法は?
会社員は給与から天引きで会社を通じて住民税を納める「特別徴収」であることが多いので、住民税を意識することはあまりないかもしれません。一方で個人事業主の場合は、6月ごろに「住民税決定通知書」と「納付書」が送られてくる「普通徴収」なので、期限までに自分で住民税を納める必要があります。
納付書は「一括納付」と「分割納付」の2種類が送られてきますので、どちらかを選択してください。一括の場合は6月に、分割の場合は6月・8月・10月・1月の4期に分けて納付します。分割払いにできるのは「普通徴収」のみです。
支払い方法は、一般的には銀行窓口・コンビニ決済・口座振替・Pay-easy(インターネット決済)などです。自治体によってはクレジットカード決済やPayPay、LINE Payなどのバーコード決済を選択できる場合もあります。
個人事業主は住民税を経費にできる?
事業主個人が納める税金には必要経費にできるものとできないものがあります。個人の確定申告をした結果、納める所得税・住民税は、事業主個人にかかる税金なので経費にすることはできません。
その他、個人事業主の経費にできないものとして相続税・贈与税・各種加算税・延滞税・罰金・交通違反金・損害賠償金などがあります。
一方で、事業にかかる税金(消費税・個人事業税・固定資産税・自動車税・印紙税・登録免許税・不動産取得税など)は必要経費にできる場合があります。
個人事業主の住民税の仕訳方法は?
必要経費にできる税金については「租税公課」勘定ですが、所得税・住民税などの必要経費にできない税金を事業用の預金から支払う場合には「事業主貸」勘定として仕訳しましょう。
個人事業主が支払う住民税以外の税金の種類は?
ここでは個人事業主が納める住民税以外の税金も確認しておきましょう。
所得税
個人の所得にかかる「国税」で、個人事業主だけでなく会社員など税額がある全ての人に納付義務があります。毎年1月1日~12月31日の全ての所得から所得控除を差し引いた金額に税率をかけて計算します。
税率は所得に応じて段階的に設定されており、5~45%です。超過累進課税制度により、所得が高ければ高いほど税率も大きくなる仕組みになっています。
消費税
商品やサービスなどの取引全般に広く課税される「国税」です。税率は10%もしくは8%(酒類・外食を除く飲食料品、新聞)で、消費税を支払うのは最終的には消費者ですが、申告して納めるのは売り手側の個人事業主や法人となります。生産から流通の過程で、税が二重三重と膨れ上がることがないように、納めるのは売上に係る消費税から仕入れに係る消費税を差し引いた額です。
基準年度(個人事業主の場合は、前々年)の売上が1,000万円を超えると「課税事業者」として消費税を納める義務が生じますが、1,000万円以下の「免税事業者」は免除されています。ただし、2023年10月からインボイス制度の導入が開始するため、インボイス(適格請求書)の発行をするためには売上1,000万円以下でもインボイス発行事業者となり、課税事業者となる必要があります。
参考:消費税のしくみ|国税庁
事業税
ほぼ全ての事業が対象となる「地方税」です。青色申告特別控除や所得控除はありませんが、かわりに所得から一律290万円を控除することができます。税率は業種により異なりますがおおむね3~5%です。
住民税を忘れずに納付しましょう
住民税を一括で納めるにはまとまった金額が必要になりますので、あらかじめ住民税の概算を把握できていると、支払いの際に慌てずに済みますね。支払いが遅延すると延滞金が発生することもありますので注意が必要です。自治体から納付書が届いたら、忘れずに支払い期限までに住民税を納めましょう。
よくある質問
個人事業主が納める住民税とは?
個人住民税を納めなくてはなりません。毎年6月ごろに納付書が各自治体から送られてくるので、支払い方法を確認して期限までに納税しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
個人事業主の住民税の計算方法は?
「所得に関係なく住民に平等な負担を求める「均等割」と、所得に対して負担を求める「所得割」を合計して求めます。均等割はおおむね3,500円程度、所得割の税率は一律で10%です。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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