• 更新日 : 2023年11月30日

パーソナルジムの開業資金は?必要な準備や手続きも解説!

コロナ禍になってから外出する機会が減ったこともあり、運動不足や肥満に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。運動不足解消のために、近年とても人気があるのが、専属のトレーナーのサポートや食事管理の指導を行うパーソナルジムです。中には、自分でパーソナルジムを開業したいと考えている方もいるでしょう。

パーソナルジムをいざ開業するとなれば具体的にどれくらいの資金が必要なのでしょうか。今まで開業自体を経験したことのない方にとっては、何から始めたらよいのか、どのような段取りで開業を進めていけばよいのかわからないことだらけだと思います。

この記事では、パーソナルジムを開業する際のノウハウを詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

パーソナルジムの開業資金・費用の目安

パーソナルジムを開業するにあたり、ある程度まとまった資金が必要です。パーソナルジムの開業には具体的にどれくらいの資金が必要なのでしょうか。

物件取得費

店舗事業を営む際に必要となるのが物件取得費で、ジムを運営するためにも物件取得費がかかります。

物件には「居抜き物件」と「スケルトン物件」の2つがあります。
設備や内装、造作物といった営業に必要な備品がほぼそろっている状態の物件が居抜き物件です。スケルトン物件とは、内装が一切整っていない物件のことをいいます。

居抜き物件のほうが開業までのトータルの費用は抑えられますが、それでも平均家賃の6カ月の費用が必要です。

内装費

内装費に関しては飲食店と違い調理や飲食をするスペースが必要ないため、比較的費用を抑えることが可能です。

しかし、壁の張り替えやトイレのリフォーム、空調設備工事費用など、1つ作業をするたびに数十万円の費用がかかります。合計で400~600万円程度の資金が必要と考えておきましょう。

設備資金

設備資金は、どのようなマシンや備品をどれくらい置くかによって大きく変わります。

初めての開業だからこそ、高いグレードのものを入れるのか、それとも資金削減のために家庭用のグレードのものを入れるのか、予算に応じて適切な商品を選びましょう。マシンを5台程度入れた場合、300万円ほどの費用がかかると想定してください。

パーソナルジムの開業に必要な準備

パーソナルジムを開業するにあたってどのような準備をする必要があるのでしょうか。資金調達が難しいという方は自宅やマンションの一室で開業するという方法もあります。

ここではパーソナルジムの開業にあたって必要な準備や必要なものについて詳しく解説します。

資格や許可は必要か?

飲食店と異なり、パーソナルジムは特別な資格を取得することなく開業が可能です。ただし「開業届」だけは提出が必須となっています。開業届の提出期限は開業から1カ月以内と定められていますので、この期間内に忘れずに提出しましょう。

また、ジムの規模や設備の種類によっては、公衆浴場法や食品衛生法といった法律を守る必要が出てきます。

資金

開業時には合計で1,000万円程度の金額がかかります。物件取得費、内装費、設備費をはじめ、トレーナーやジムスタッフを雇う場合は人件費も想定しておかなければなりません。

物件

資金に余裕がある場合は広い物件を選ぶとよいですが、初めて開業される方や資金に余裕がないという方は自宅やマンションの一室から始めることも検討してみてはいかがでしょうか。

マシンを選定する

安価な家庭用マシンでは、1台50万円程度、業務用マシンでは1台100万円程度の費用がかかります。

パーソナルジムを開業する方法

パーソナルジムの開業には、個人として開業する方法とフランチャイズに加盟して開業する方法の2種類があります。

どちらにも一長一短ありますので、ご自身が求めているビジョンに近い方法で開業するのがよいでしょう。以下から、開業方法ごとの特色やメリット、デメリットをみていきましょう。

個人の開業

個人で開業すると、自分の好きなように内装を整えられたり、好きなマシンを置いたりできます。さらに、料金プランなども自由に設定できます。開業する方にとっては、この部分は非常に魅力的と感じられるのではないでしょうか。

コンセプトや想定ユーザー層がしっかりと定まっているのであれば、個人での開業のほうがより自由度が高く、やりがいも感じられるでしょう。

しかし、個人で開業する際にはどうしても固定客を獲得するまでに時間がかかります。軌道に乗るまでには一定の期間が必要で、その時期に達するまでに挫折してしまう店舗も少なくありません。

まとまった初期費用がかかることも個人開業の大きな壁です。ただし、融資や補助金を上手に活用すれば資金調達はできるため、未経験でもパーソナルジムの開業を叶えることは十分に可能です。

フランチャイズ

フランチャイズは、既存のパーソナルジムチェーンと契約を結び開業する方法です。個人での開業に比べて自由度は低いですが、すでにコンセプトや設備投資などが定められているため、純粋に経営に集中できるのが魅力です。

パーソナルジムの開業資金を調達する方法

パーソナルジムを開業する際に一番問題となってくるのが資金調達です。資金が十分に用意できなければ、開業することはできないだけでなく、顧客が満足できるような設備も整えられません。ここでは、代表的な資金調達方法をご紹介します。

自己資金

自己資金を使って開業をすると、借金をする必要がないため、最もリスクが少ないでしょう。

パーソナルジムは非常に競争率が高く、競合店舗も多い業界です。念入りにコンセプトや料金プラン、キャッシュフロー計画を立てていたとしても、客足が伸びずに経営破綻してしまうケースも珍しくありません。多額の融資を受けている場合、返済に窮してしまう可能性もありますので、債務のリスクはないに越したことはありません。

ただし、パーソナルジム開業には1,000万円以上という高額な費用がかかる場合もあります。開業費用の全額を自己負担できない場合は、一部を自己資金、残りを融資で準備するのが理想的です。

日本政策金融公庫から借りる

日本政策金融公庫とは、開業をする人や中小企業に向けて融資してくれる機関で、パーソナルジムの開業でも利用することが可能です。

融資を受けるには条件が定められていますので、事業計画書の提出や資金用途の開示など要件をよく調べた上で申し込みを検討しましょう。

銀行や信用金庫などの金融機関からの融資を受ける

オーソドックスな融資方法といえば、金融機関からの融資です。銀行や信用金庫であれば、まとまった金額を借りられる可能性があります。自己資金が十分に用意できないという方は検討してみてはいかがでしょうか。

補助金の支援や融資もおすすめ!

開業する際には補助金や助成金を受けるのもおすすめです。開業時に利用できる補助金には、小規模事業者持続化補助金、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金などがあります。

パーソナルジムは儲かるのか?

そもそもパーソナルジムは儲かるのでしょうか。開業にあたってとても気になるところだと思います。

「開業したものの儲からない」のでは本末転倒の結果となってしまいます。まずはどれくらいの年収や利益が期待できるのかをみていきましょう。

パーソナルジムの平均年収

パーソナルジムを開業して成功した場合、どれくらいの年収が期待できるのでしょうか。

ジム経営者の年収は、ジムの規模や会員数、料金プランによって大きく変わりますが、うまくいった場合、1,000万円以上の年収を手にすることが可能です。

パーソナルジムの会員は、年単位もしくは月単位で契約することが多く、固定利益として「1カ月に◯円」という具合に収入が入ってきます。

1人あたりの単価は高くなくても、会員数が増えたり、一番高い料金プランを利用してもらったりすれば、必然的に年収を上げることが可能になります。

安定した利益を出せるようになれば法人化を検討してみてはいかがでしょうか。法人化することには、納税額を抑えられる、欠損金(赤字)を10年間繰り越せるなどといったメリットがあります。

しかし、法人登記の義務や社会保険の加入義務が発生することから、ある程度利益が出せていない場合は、もう少し個人事業として続けたほうがよいでしょう。

パーソナルジムの利益率の目安

パーソナルジムの利益率は、大手パーソナルジムで15~18%です。飲食業界の営業利益率は10%未満が一般的で、飲食店に比べるとパーソナルジムの利益率は高くなります。

パーソナルジムとして成功する(失敗しない)ためのポイント

パーソナルジムとして成功するためには、どのようなポイントに注意すればよいのでしょうか。意気込んで開業したものの、思うように顧客が集まらず失敗に終わってしまったという店舗も多いのが現実です。

ここではパーソナルジムの開業に失敗しないために重要なポイントを4つご紹介します。

コンセプトをしっかりと定める

コンセプトをしっかりと定めておかなければ、ぼんやりとした印象になってしまい、ジムの売りが何なのかわからなくなってしまいます。どのような客層をターゲットにするか決め、客層にふさわしいサービス内容やマシン、プログラムを導入しましょう。

他店との差別化に力を入れる

大手ジムが何社も存在する中で、個人がパーソナルジムを開業し経営を軌道に乗せていくことはとても厳しいことです。

競争の激しい中で生き残っていくためには、他店との差別化がポイントになってきます。「このジムは他の店舗と◯◯が違う」と認識してもらえれば、顧客は増えていくでしょう。

例えば、他店にはないマシンを用意したり、専門的なプログラムを用意したりするなどして、「ここでしか体験できない」と顧客に思ってもらうことが成功の鍵となります。

多彩な方法で集客を行う

経営が軌道に乗るまでは、集客を最も重視するべきです。多彩な集客方法を取り入れてみましょう。最近ではSNSを利用したり、Web上でSEO対策を行ったり、さまざまな手法で顧客を獲得しているジムが少なくありません。

また、開業する地域で積極的にポスティングしたり、開業から数カ月限定での魅力的なイベントやキャンペーンを開催したりといったこともおすすめです。

リピーターを維持する

顧客を獲得できたとしても継続して通ってもらわなければ意味がありません。リピーターが離れていかないようにするためには、パーソナルジムの醍醐味ともいえるトレーナーによる指導を丁寧に行うことはもちろん、マシンや設備の整備にも力を入れましょう。

パーソナルジムの確定申告

開業する際に考えておかなければいけないのが確定申告です。パーソナルジムの開業でも確定申告が必要になってきます。確定申告の具体的な方法をみていきましょう。

パーソナルジムで確定申告が必要な場合とは?

パーソナルジムの開業で確定申告が必要なのは、売上から必要経費を差し引いた所得が年間で48万円を超えた場合です。年間で所得金額が48万円を超えないことはまずないと思いますので、必然的に確定申告が必要になります。

確定申告の方法

今までに開業経験がない方の中には、具体的にどのように確定申告を行えばよいのかわからない方もいるでしょう。

確定申告には、青色申告白色申告の2種類があります。必ずしも青色申告である必要はありませんが、白色申告は青色申告に比べて所得税の控除額が少ない点が特徴です。青色申告では最大65万円の青色特別控除を受けることができます。白色、青色いずれにしても帳簿を付ける作業は必要ということを考慮すると、青色申告のほうが有利でしょう。

確定申告の詳しい方法はこちらに詳しく掲載されていますので、ぜひ一度目を通してみてください。

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事業計画書のテンプレート・フォーマット

こちらから自由にお使いいただけるので、ぜひご活用ください。

パーソナルジムの事業計画書・創業計画書テンプレート・作成例

開業資金や確定申告についてしっかり理解した上で、パーソナルジムを開業しよう!

パーソナルジムを開業するにあたって、さまざまな点に不安を感じている方も多いでしょう。

競争が激しいパーソナルジム業界で経営に成功するためには、開業時にさまざまな準備を抜かりなく行う必要があります。開業には1,000万円程度の資金が必要になることも多く、まとまった資金を用意するのは難しいかもしれません。しかし、融資や補助金なども上手に活用すれば、初期費用だけではなくランニングコストにも充てることが可能です。

コンセプトや想定ターゲット層、料金プランをしっかりと考え、顧客が「他店と違う」と満足できるジムをつくりあげてください。

よくある質問

パーソナルジム開業に必要な資金は?

パーソナルジムの規模や導入するマシンにもよりますが、物件取得費、内装費、設備費などを合わせて1,000万円程度が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。

パーソナルジム開業で確定申告は必要?

年間で48万円以上の所得がある場合は確定申告が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。


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