• 作成日 : 2024年8月30日

写真スタジオの事業計画書の書き方・無料テンプレート【簡単解説】

事業計画書は、写真スタジオの開業にあたり、サービス内容やターゲット層、収支計画を示す重要な書類です。事業計画書で自社の強みや独自性を明確にし、実現可能な計画を策定することが、安定した経営を続ける鍵となります。本記事では、写真スタジオの事業計画書について、テンプレートを基にした書き方や、作成のコツなどを解説します。事業計画書のテンプレートが必要な場合は、以下からダウンロード可能です。

写真スタジオの事業計画書はなぜ必要?

写真スタジオの事業は、大手企業も多数参入しているため、成功させるにはしっかりとした事業計画書を作成し、綿密なビジネスプランを立てることが重要です。事業計画書の作成を通じて、写真スタジオのビジョンや目標を明確にし、経営戦略を策定することで、実現可能かつ自社の強みを生かした事業プランを構築できるでしょう。

さらに、金融機関や投資家から資金を調達する場合、事業計画書は事業の信頼性や安定性を示すために不可欠です。写真スタジオの営業形態やターゲット、競合優位性などを具体的に示し、安定した経営が可能であることを明確に伝えましょう。

写真スタジオの事業計画書のひな形、テンプレート

写真スタジオの事業計画書

マネーフォワード クラウドは、写真スタジオ向けの事業計画書のひな形、テンプレートをご用意しております。事業計画書作成の参考として、ぜひダウンロードして、ご活用ください。

写真スタジオの事業計画書の書き方・記入例

写真スタジオの事業計画書の書き方・記入例を具体的に解説します。

創業の動機・目的

「創業の動機・目的」は、写真スタジオを立ち上げようと思った理由や、提供したい価値を記載する項目です。創業の動機や目的は、事業のコンセプトや経営理念、ブランドイメージにつながる重要な部分となります。事業にかける想いが伝わるよう、具体的に記載しましょう。

創業の動機を具体的なエピソードや体験と結びつけると、読み手に共感を与えやすくなります。たとえば「私自身、結婚・子育てを経験していく中で家族写真や晴れの日の幸せな瞬間を撮影したいという思いが強くなった」といった内容が考えられます。

職歴・事業実績

「職歴・事業実績」は、経営者の職歴や事業実績を記載します。写真業界やカメラマンの経験、受賞歴などがあれば、具体的に明記してください。写真スタジオの場合、カメラマンの技術や経験がサービスの差別化に直結するため、事業の安定性をアピールする重要な項目となります。

たとえば「新聞社で主にカメラマン業務に携わり、チームリーダーとして新人教育にも対応」のように記載しましょう。

写真スタジオの運営に間接的に役立つ過去のビジネスで培ったスキルやノウハウがあれば、具体的に示すことで事業の信頼性がさらに高まります。

取扱商品・サービス

「取扱商品・サービス」は、写真スタジオで提供する商品やサービス、ターゲット層を記載する項目です。サービス内容やセールスポイント、競合分析の結果を記載し、競合との差別化を示しましょう。

たとえば、以下のように具体的に記載します。

取扱商品
サービスの内容
1.  写真撮影(基本料金1万円~)
2. プリント・グッズ販売(単価1,500円~)
セールスポイント
販売ターゲット
戦略
  • ファミリーをメインターゲットとする。
  • カメラマンによる一般的な撮影プランのほか、フロアや機材を貸し切って利用者自身で撮影を行う、セルフ型のサービスも提供する。
  • ITシステムを導入し、撮影後の写真選択を自宅でもできるようにし、グッズ提供までの流れをスピーディに行う。
競合・市場などの分析
  • コロナ禍を経て、写真スタジオのような体験型の消費は増加傾向にある。
  • 近辺に写真スタジオが3件あるがいずれもサービス形態が長年変えられておらず、若年層、新規顧客の獲得が上手くできていない。

商品やサービスの価格設定、ターゲットなどを記載することで、自社がどのような価値を提供し、どのように収益を上げるのかを明確に伝えられます。

取引先・取引関係

「取引先・取引関係」は、販売先や仕入先、外注先を記載する項目です。想定される顧客や、すでに提携している企業があれば具体的に明記してください。

写真スタジオの運営で行う取引は主に、以下の一例が挙げられます。

  • 撮影機材の仕入
  • 衣装や撮影小道具の仕入
  • アルバムの制作の外注
  • メイクアップの外注

事業計画書には、以下のように記載するとわかりやすくなります。

取引先名
販売先一般個人
仕入先株式会社〇〇(撮影機材)
株式会社〇〇(衣装)
外注先〇〇株式会社(アルバム制作会社)
〇〇株式会社(メイクアップ)

取引先の企業名を記載するだけでなく、取引内容まで詳細に記載することで、事業計画書の具体性が高まり、事業の信頼性をより効果的に示せます。

従業員

「従業員」は、3か月以上雇用する予定の従業員数を記載します。

写真スタジオには、以下の役割が必要です。

  • カメラマン
  • アシスタント
  • ヘアメイク
  • 編集スタッフ

事業運営に必要なスタッフの人数を具体的に明記しましょう。

たとえば「常勤役員の人数:1人、従業員数(3か月以上継続雇用者):3人、うちパート従業員: 2人」のように示します。

借入の状況

「借入の状況」は、事業とは関係のない経営者個人の借入状況を記載します。

具体的な記載例は以下のとおりです。

借入先名借入残高年間返済額
〇〇銀行〇〇支店自動車ローン300万円60万円

事業開始にあたって新たに融資を受ける場合、既存の借入状況や返済能力を示すことが重要です。

必要な資金と調達方法

「必要な資金と調達方法」は、開業にあたり必要な資金と資金調達の方法を詳細に示す項目です。必要な資金については、初期費用としてかかる設備資金と、事業の運営に必要な運転資金を区別して記載し、それぞれの具体的な使用目的も明記しましょう。

写真スタジオの開業に必要な資金の一例は、以下のとおりです。

用途金額
設備資金
  • 物件取得費
  • 内外装工事費
  • 機材購入費
  • 什器備品費
    など
850万円
運転資金450万円

資金調達については、一般的に自己資金、金融機関からの借入、投資家からの出資などで行います。どの調達方法でいくらの資金を確保するかを具体的に記載することが重要です。

事業の見通し(月平均)

「事業の見通し」は、月平均の売上や利益を記載します。スタジオの月間売上や経費、利益の予測を行い、具体的な収支計画を立てましょう。収支計画を立てる際には、市場や競合の調査に基づき実現可能な計画を行ってください。

たとえば、以下のように具体的に記載します。

  • 売上高:平均客単価5万円×来店客数2組/日×営業日数21日=210万円
  • 原価率:0%
  • 人件費:役員報酬50万円、従業員40万円、パート従業員10万円×2人
  • 家賃:40万円
  • 支払利息:800万円×年3.0%÷12ヵ月=2万円
  • その他:光熱費、消耗品費等20万円+グッズ制作等の外注費(売上の15%)

写真スタジオは、行事やシーズンなどで、売上が変動しやすい事業です。季節変動や繁忙期・閑散期の影響を考慮した上で月平均の収支計画を立てると、信頼性・具体性のある事業計画書を作成できます。

写真スタジオの事業計画書作成のポイント

※適宜h3を追加・修正いただいて構いません(こちらで記載していますが、もっといいものがありましたらぜひ変更いただいて大丈夫です)

写真スタジオの事業計画書作成のポイントを解説します。

事業計画書の提出先・使い道に沿ったフォーマットで作成する

写真スタジオの事業計画書は、目的や読み手によって求められる情報が異なります。提出先ごとに求められるポイントを把握し、適切なフォーマットで作成しましょう。

それぞれの提出先に合わせたポイントは、以下の表のとおりです。

提出先重視される項目作成のポイント
金融機関
  • 収益予測・キャッシュフロー計画
  • 資金使途の明確な説明
  • 継続的に収益を上げ、安定した返済ができる事業であるか
ベンチャーキャピタル
個人投資家など
  • ビジョン・コンセプト
  • 収益予測
  • 事業の見通し
  • 将来のリターン計画は大きくなるか
行政機関
  • ビジョン・コンセプト
  • 自治体の要件に沿った内容であるか
  • フォーマットは合っているか

適切なフォーマットを選ぶことで、相手にとって読みやすく、事業内容が的確に伝わる計画書を作成できます。

フォーマットを選ぶ際は、オンラインで入手できる業界別のテンプレートを参考にしたり、専門家のアドバイスを受けたりしても良いでしょう。ただし、テンプレートはあくまで参考にとどめ、自社の特徴や強みを反映させたオリジナリティのある内容にすることが大切です。

出張型・一軒家貸し切り型など、種別に合わせた現実的な資金計画を立てる

写真スタジオには、出張型や一軒家貸し切り型などさまざまな営業形態があり、それぞれに必要な初期費用や運転資金が大きく異なります。スタジオ形態に合わせた現実的な資金計画を立て、安定した経営を目指しましょう。

写真スタジオの営業形態やそれぞれに必要なコストは以下の表のとおりです。

営業形態初期費用運転資金
出張型
  • 車両購入費用
  • 移動用機材ケース・バッグ
  • 移動費(ガソリン代・高速代など)
  • 車両メンテナンス費
一軒家貸し切り型
  • 物件取得費用
  • リノベーション費用
  • 備品・装飾費用
  • 賃料
  • 光熱費
商業施設内型
  • テナント契約料
  • 内装工事費用
  • 備品・装飾費用
  • テナント賃料
  • 光熱費
フランチャイズ型
  • フランチャイズ加盟金
  • 物件取得費用
  • リノベーション費用
  • 賃料
  • ロイヤリティ費用
  • 光熱費

どのような営業形態でも、上記のコストに加え、撮影機材や人件費、広告宣伝費などの共通の費用が必要です。

写真スタジオの形態によって初期費用や運転資金は大きく異なるため、開業時には必要なコストを十分に考慮し、開業形態を決めましょう。安定した経営を行うためには、開業初期の運転資金に余裕をもった計画を立てることが重要です。開業形態に応じて、どのくらいの運転資金を確保するべきかも慎重に検討してください。

無理のない資金計画を立てることで、スタジオ経営の安定性を確保し、長期的な成功を目指しましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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