• 作成日 : 2024年8月30日

投資会社の事業計画書の書き方・無料テンプレート【簡単解説】

事業計画書は、サービス内容やビジョン、ビジネス戦略などを具体的に示す書類です。安定した経営を続けるため、作成のポイントを理解したうえで、実現可能な内容を記載しましょう。本記事では、投資会社の事業計画書を簡単に作成したい方に向け、具体的な書き方と使いやすい無料テンプレートを紹介します。

投資会社とは?

投資会社は、個人投資家から預かった資金を運用し、株式や債券、不動産などの投資対象に投資して利益を生み出すことを目的とした会社です。インデックスファンドや不動産ファンド、ベンチャーキャピタルなど、さまざまな形態があり、運用によって得られた利益(運用益)は投資家に分配されます。

投資会社の主な収入源には、投資家から預かった資金に対する手数料や運用益の一部、成功報酬などが挙げられます。個人投資家が投資会社に運用を任せるメリットは、専門的な知識やリソースがなくても、効率的に資産運用を行えることです。

なお、投資運用業または投資助言・代理業を行うには、金融庁が定める金融商品取引法※1の規定に基づき、適切な運用を行う必要があります。

※1 出典:新しい金融商品取引法制について|金融庁

投資会社の事業計画書はなぜ必要?

投資会社の事業計画書は、会社のビジョンや戦略を明確に示し、ビジネスを成功させるための指針となります。また、金融機関や投資家から資金を調達する際にも欠かせません。事業の将来性やリスク管理、収益性を具体的に示すことで、事業の信頼性を高められるでしょう。

特に投資業界は、市場の変動やリスクが大きいため、リスク管理や市場分析のような専門知識が不可欠です。さらに、コンプライアンスや規制への対応、運用資産の管理体制も事業計画書において重要な要素となります。

実績や経験を具体的に示し、安定した運営と持続的な成長につながる、実現可能な事業計画書を作成しましょう。

投資会社の事業計画書のひな形、テンプレート

投資会社の事業計画書

マネーフォワード クラウドは、投資会社向けの事業計画書のひな形、テンプレートをご用意しております。事業計画書作成の参考として、ぜひダウンロードして、ご活用ください。

投資会社の事業計画書の書き方・記入例

事業計画書は、ビジネスの方向性を示す重要な書類です。特に投資会社の設立においては、実績や経験を基にした、実現可能な内容を記載することが求められます。事業計画書を作成する際には、書き方や重要なポイントをしっかり理解し、具体的で現実的な内容に仕上げることが重要です。

創業の動機・目的

「創業の動機・目的」では、投資会社を立ち上げる理由と目指すビジョンを具体的に記載します。

たとえば、動機には「より大きな資金を運用したい」「自分のノウハウを生かして人々をサポートしたい」といった理由が挙げられます。

目的には「個人投資家に安定した資産運用を提供するため、リスク管理を徹底した投資サービスを行い、顧客の資産形成をサポートしたい」といった、想いが伝わるような内容を記載してください。

「創業の動機・目的」は、経営方針やコンセプトに大きく影響するため、非常に重要な項目です。「誰のために、どのような価値を提供したいのか」といった内容を盛り込むと良いでしょう。

職歴・事業実績

「職歴・事業実績」では、経営者の過去の職歴や実績を示す項目です。信頼性や差別化につながるため「どのような業界でどのような経験を積んできたか」を具体的に記載してください。

特に、投資会社の事業計画書では、投資やファイナンスに関連する業務経験がある場合、実績を強調することで、会社の専門性と信頼性が高まります。また、過去の事業実績について具体的な数字や成功事例があれば、具体的に示すことで新しい事業にどのように生かされるかを示せるでしょう。

取扱商品・サービス

「取扱商品・サービス」では、提供する投資商品・サービス詳細、セールスポイントなどを具体的に記載してください。

投資会社が取り扱う主な商品には、株式や債券、不動産などの資産運用が挙げられます。また、個人投資家向けに資産運用のアドバイスを提供するコンサルティングサービスを行う場合もあるでしょう。

セールスポイントとしては、資産を運用する人材の経験年数や業界での実績を示すことで、信頼性と専門性を伝えられます。たとえば「職員はすべて、会計士や中小企業診断士、弁護士、税理士などのプロフェッショナルであり、高い専門性を持つ人材です。また、本業とは別に10年以上の投資運用歴を有しています。」と記載することで、自社の強みを強調できます。

取引先・取引関係

「取引先・取引関係」では、取引を予定しているパートナーを記載します。ビジネスの信頼性とネットワークの強さを示す重要な部分となるため、具体的に示してください。

主な販売先は個人で投資を行っている「個人投資家」と記載することが一般的です。

また、コンサルティングサービスを行う場合、投資先の分析や税務、相続対策を行うことがあります。資産運用に関する幅広いサービスの提供が必要なため、自社で対応できない業務を外注する際には、信頼できるパートナー企業との関係を示しましょう。

従業員

「従業員」では、3か月以上雇用する予定の従業員数を記載します。家族やパート従業員を雇用する場合は、何名含まれているかも明記してください。

投資会社の場合、資産運用やリスク管理、コンプライアンスなど、多岐にわたる知識を持つ人材が必要です。また、個人投資家を開拓するための営業力も不可欠でしょう。

必要なスキルを考慮したうえで、雇用計画も具体的に検討しておきましょう。

借入の状況

「借入の状況」は、事業とは直接関係のない、経営者個人の借入について記載します。借入がある場合は、金額や返済計画を具体的に示してください。

記載するべき借入金の一例は、以下のとおりです。

  • 住宅ローン
  • 自動車ローン
  • 教育ローン
  • 事業ローン
  • カードローン

投資会社を立ち上げる際に新規の借入を希望する場合は、現在の借入状況は融資審査において重要な判断材料となります。借入状況を偽ったり、誤って記載したりすると、悪印象を与える可能性があるため、正確に記載することが大切です。

必要な資金と調達方法

「必要な資金と調達方法」は、投資会社を運営するために必要な資金額と、資金をどのように調達するのか具体的に記載します。必要な資金は、設備資金と運転資金に分けて記載し、それぞれの使用目的も明記しましょう。

投資会社における必要資金の例として、以下が挙げられます。

  • 設備資金:事務所取得費・内装工事費・家具、備品費・システム導入費など
  • 運転資金:広告宣伝費・人件費など

資金調達の方法としては、以下のような選択肢があります。

  • 自己資金
  • 親、兄弟、知人、友人からの借入
  • 日本政策金融公庫などからの借入

なお、必要資金と資金調達の合計金額は一致するように記載してください。

事業の見通し(月平均)

「事業の見通し」は、投資会社の収支を月単位で記載します。運用益や手数料収入、必要経費を基に収益計画を立ててください。

投資会社の収入は市場の変動に大きな影響を受けるため、具体的な金額を計算式で示すのは難しい場合があります。組織の規模や過去の実績を基にシミュレーションを行い、可能な限り現実的な収入予測を行いましょう。

たとえば、売上高には「組織規模、過去の運用実績などを基にシミュレーション(〇〇社)。想定売上高1,600万円/月」というように記載します。


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