• 作成日 : 2022年10月2日

農業で起業する方法は?農業ビジネスに必要な準備や補助金についても解説!

農業で起業する方法は?農業ビジネスに必要な準備や補助金についても解説!

農林水産省がまとめた「令和元年新規就農者調査結果」によると、令和元年の新規就農者は5万5,870人で、前年に比べ0.1%増加しています。地域社会の過疎化や我が国全体の少子高齢化等々、農業を取り巻く環境は厳しさを増していますが、それでも農業に新規参入する人は一定数いるのです。本記事では、農業で起業する方法や農業ビジネスに必要な準備、活用できる補助金などにも言及します。

参考:令和元年新規就農者調査結果|農林水産省

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そもそも農業を始める方法は?

そもそも農業を始めるには、どのような方法があるのでしょうか。現在の我が国においては、以下の2つの方法が一般的です。

  • 個人で起業・独立就農する方法
  • 農業法人に就職する方法

以下にそれぞれ詳しく解説します。

個人で起業・独立就農する方法

まずは、個人で起業・独立就農する方法です。独立就農するには、以下5つのリソースが必要とされています。

  1. 技術・ノウハウ
  2. 資金
  3. 農地
  4. 機械・施設
  5. 住居

特にこれまで就農経験がない場合には、これらすべてのリソースが不足するケースが多いでしょう。したがって、知人に農業を営む人がいれば手伝いをさせてもらうか、あるいは各自治体が実施している農業研修などを受講して、ノウハウを身に付ける必要があります。いずれにせよ、まったくのゼロの状態から就農するのは非常に危険です。

農業法人に就職する方法

次に考えられるのが、農業法人に就職する方法で、サラリーマンとして就農するというイメージです。農業法人とは、農業を営む法人の総称です。我が国では、会社法が定める「株式会社」などによる農業法人と、農業協同組合法が定める農事組合法人とに大分されます。

農業法人による農業は、個人事業主による農業よりも比較的事業規模が大きく、経営がより近代化されています。将来的に農業法人の立ち上げを希望しており、農業法人の経営ノウハウを身に付けたいという人にはうってつけの就農方法です。

農業で起業するために必要な準備は?

では、実際に農業で起業するにはどのような準備が必要なのでしょうか。ここでは、個人で起業・独立就農するという前提で必要な準備をまとめます。一般的には、以下のプロセスを辿るケースが多いようです。

  • 農業の技術習得
  • 開業資金の調達
  • 農地の確保

以下にそれぞれ詳しく解説します。

農業の技術習得

まずは何と言っても農業の技術習得です。農業技術なしに農業を成功させることは極めて困難です。実際に就農する前に、農業に関する基本的な技術と知識を身に付けておく必要があります。

具体的には、農家に弟子入りして技術と知識を身に付ける、民間の農業研修機関や各地の農業大学校などで農業を学ぶ、といった方法が挙げられます。特に農業大学校は、日本全国41道府県に設置されていて、各地の気候や風土に合った農業を包括的に学ぶことが可能です。

開業資金の調達

農業の技術を身に付けたら、次は開業資金の調達です。一般社団法人全国農業会議所全国新規就農相談センターが2017年3月に発表した報告書によると、新規参入者が就農1年目に要した営業面の費用の平均は569万円で、そのうち機械・施設の費用が411万円、種苗・肥料・燃料等の費用が158万円となっています。また、営業面での自己資金は232万円で、差額はマイナス337万円、営業面および生活面での自己資金を合計すると168万円の赤字となっています。

一般的な開業資金に加え、最低2年程度の営業面および生活面での自己資金のマイナスを補填する必要があり、これを考慮した資金調達が必要です。

参考:新規就農者の就農実態に関する調査結果(平成28年度)|一般社団法人全国農業会議所 全国新規就農相談センター

農地の確保

農地の確保は、新規就農者にとって最大のハードルと言えるでしょう。基本的に、農地は他の多くの土地と比べて自由に売買できません。農地とは、農作物の栽培のために管理されている土地であり、耕作者が農地を所有することが妥当であると判断された場合にのみ利用が許されるものです。

一方で、最近は農地を巡る規制緩和が進み、農地を一定期間貸し付けるなどした後に「農地保有合理化事業」という制度が利用可能です。農地保有合理化事業は、農業経営基盤強化促進法の規定に基づき、農地保有合理化を促進するため、農地保有合理化法人が農地を買入れ、または借入れて担い手農業者に再配分する事業です。本事業を活用することで、譲渡側に譲渡所得税控除が、譲受側に不動産取得税の軽減措置などが適用されます。

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農業の起業で使える補助金・就農支援制度の種類は?

ところで、農業の起業で使える補助金・就農支援制度として、農業次世代人材投資資金があります。農業次世代人材投資資金(準備型)と農業次世代人材投資資金(経営開始型)の2タイプについて、以下にそれぞれ詳しく解説します。

農業次世代人材投資資金(準備型)

農業次世代人材投資資金(準備型)は、次世代を担う農業者となることを志向し、就農に向けて研修機関等で研修を受ける者に対して、就農準備資金が交付される制度です。なお、交付を受けるには、以下のような条件をクリアする必要があります。

  1. 就農予定時の年齢が原則50歳未満であり、次世代を担う農業者となることについての強い意欲を有していること
  2. 都道府県または青年農業者等育成センターが「研修機関等認定基準」を満たしていると認めた研修機関等で研修を受けること

なお、交付金は最大で300万円、交付期間は最長で2年間です。

農業次世代人材投資資金(経営開始型)

農業次世代人材投資資金(経営開始型)は、独立・自営就農時の年齢が原則50歳未満であり、次世代を担う農業者となることについての強い意志を有している者に対して資金が交付される制度です。新規就農する人に、農業経営を始めてから経営が安定するまでの間、最大3年間、年間150万円が交付されます。なお、交付の条件として生活保護などの生活費を支給する国の他の事業から受給していないこと、原則として前年の世帯所得が600万円以下であることなどが求められます。

農業ビジネスで失敗しないためのポイントは?

農業ビジネスで失敗しないためのポイントはいくつかありますが、中でも重要なのが下記の2点です。

  • 経営数値管理を徹底する
  • 事業を分散する

以下に詳しく解説します。

経営数値管理を徹底する

第一のポイントは、経営数値管理を徹底することです。農業法人で農業を営んでいるケースでは特に重要で、経営の透明性確保につながります。

農業粗収益や農業経費の計上などを正確に行うのはもちろん、従業員給与などの人件費や福利厚生費、農外収入や雑所得などについても可能な限り正確に計上する必要があります。これにより、農業にありがちな「どんぶり経営」に陥るリスクを回避し、経営の健全性を確保できる可能性が高まります。

事業を分散する

第二のポイントは、事業を分散することです。一般的に農業の収入は不安定であると言われます。作物の市場需給バランスにより上下し、需要が供給を下回れば赤字になる場合もあります。その前提においては、特定の作物に依存する形の農業経営は相対的にリスクが高くなります。生産する作物の種類をある程度増やせば、事業リスクを分散させることが可能になります。

また、農協ルート以外にインターネットやソーシャルメディアを使った直販ビジネスを開拓したり、加工品の製造販売を行ったりして事業を分散するといった形態も有効でしょう。

農業におすすめの営業・集客・販路拡大方法は?

ところで、農業におすすめの営業・集客・販路拡大方法にはどのようなものがあるでしょうか。最大のおすすめはインターネット、中でもソーシャルメディアの活用です。

ソーシャルメディアの中でも、メッセージ力が強いFacebook、Twitter、Instagramが特におすすめです。いずれもテキストに加えて動画などの配信も可能で、視聴者とコメントのやりとりもできます。実際に、希少性の高いある野菜を生産している農家では、Instagramを使って定期的に野菜の成育状況などを画像や動画で配信し、多くのフォロワーを獲得しています。特に「インスタ映え」する野菜などを生産している農家の方には、Instagramの活用を強くおすすめします。

農業法人を設立するという選択肢も!

個人で就農するという選択肢の他に、農業法人を設立するという選択肢もあります。個人就農ではなく農業法人を設立するメリットはどこにあるのでしょうか。また、どのようなデメリットが考えられるでしょうか。

農業法人とは?

農業法人は、会社法が定める「会社法人」と、農業協同組合法が定める「農事組合法人」のカテゴリに二分されます。「会社法人」は、日本国内に住所を置く15歳以上の日本人であれば誰でも設立可能です。また、外国人であっても永住権所持者などであれば設立できます。一方、「農事組合法人」は、3人以上の「農民」が発起人となり、共同で設立します。いずれにしても、農業を業として行うには、その農業法人が農地所有適格法人である必要があります。

農業法人を設立するメリット・デメリットは?

農業法人を設立する最大のメリットは、農業経営の透明化・近代化です。長らく個人や家業で行われてきた農業を法人化することにより、いわゆる経営と資本の分離が進み、経営そのものが透明化される可能性が生まれます。また、農業法人化により外部からの資金調達が可能になると農地拡大に向けた投資も可能になり、経営の大規模化と効率化が大いに期待できます。

一方のデメリットですが、個人事業で農業を行う場合よりもコストがかかる点です。例えば、農業法人として株式会社を設立し、従業員を雇用する場合、一定の条件を満たした従業員については社会保険に加入させる必要があります。会社の保険料負担が大きくなり、経営的に重しになる可能性があります。

農業ビジネスで成功するには準備が必須!

以上、農業で起業する方法について、農業ビジネスに必要な準備や活用できる補助金なども含めて解説しました。農業は、他の多くのビジネスに比べて、準備に相当の労力が必要です。農業の知識やノウハウの習得、資金調達、農地の取得等に、それぞれ相応の時間とエネルギーをつぎ込まなければなりません。農業での起業を検討中の方には、各自治体などが行っている各種セミナーに参加したり、あるいは就農支援を提供している公的機関などに相談したりして、準備に十分な時間をかけられるようおすすめします。

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よくある質問

農業を始める方法は?

農業を始めるには、以下のような方法があります。 ・個人で起業・独立就農する ・農業法人に就職する 前者は、個人で農業の知識とノウハウを身に付け、就農します。後者は、農業法人で農業のノウハウを身に付けてから独立します。詳しくはこちらをご覧ください。

農業で失敗しないポイントは?

第一のポイントは経営数値管理を徹底することです。特に農業法人で農業を営んでいるケースにおいては重要で、経営の透明性確保につながります。詳しくはこちらをご覧ください。

農業法人を設立するデメリットは?

個人事業で農業を行う場合よりもコストがかかる点です。農業法人を設立し従業員を雇用する場合、一定の条件を満たす従業員については社会保険加入義務が生じ、保険料負担が経営的に重しになる可能性があります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:前田 健二(経営コンサルタント)

大学卒業と同時に渡米し、ロサンゼルスでビジネスを立ち上げる。帰国後は複数のベンチャー企業のスタートアップ、経営に携わり、2001年、経営コンサルタントとして独立。事業再生、海外市場進出、コンテンツマーケティングなどを中心に指導を行っている。米国のベストセラー『インバウンド マーケティング』(すばる舎リンケージ)の翻訳者。明治学院大学院経済学部経営学科博士課程修了、経営学修士。

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