• 作成日 : 2022年1月21日

借金して会社設立することはできる?

借金して会社設立することはできる?

会社設立のためには、登記にかかる費用のほか、事業のための設備投資など、資金が必要です。会社設立前に、どのようにして資金を調達するかが課題のひとつだといえるでしょう。例えば、資金調達の方法として融資を受ける方法がありますが、借金をして会社設立をすることは可能なのでしょうか。

この記事では、借金をして会社設立はできるのか、創立者である個人に借金がある場合でも会社設立できるのか、借金以外ではどのような資金調達ができるか、解説していきます。

借金して会社設立することはできる?

スモールビジネスなら、少額の資産からでも事業をはじめることはできますが、事業によっては初期投資として設備投資が必要なものなど、多額の資金が必要になることもあります。創業者の自己資金のみで会社設立するケースもありますが、事業規模によってはあまり現実的ではありません。

設立資金を借入金で補ってよい 

会社設立資金が不足している場合には、融資や借り入れを受けることで、不足している資金を補えます。会社設立における借金は一般的な選択であり、融資や借り入れを受ける行為そのものには問題ありません。

借入金を資本金にすることはできない

銀行などの金融機関の借入金、国の融資制度による借入金、親族などからの借入金、いずれも返済義務のある借入金は資本金に算入できません。借入金を資本金に算入できるようにすると、十分な自己資本がある企業に見せかける行為、いわゆる見せ金に該当するおそれがあるためです。

見せ金は、会社設立時に借入金を資本に組み入れて、設立から短期間の間に会社のお金から借入金を返済することで、会社設立時に資本金を大きく見せる行為です。

見せ金を行うと、借りたお金と返済の必要がないお金を区別できず、会社が抱えるリスク(負債のリスク)を利害関係者が正しく判断できなくなるため、法律で禁止されています。見せ金や見せ金と思われる行為をすると、罪に問われることもありますので注意しましょう。

なお、借入金を利用して会社設立をする場合は、借入金は資本金に組み入れず、借入金(会社の負債)として会計処理します。会社設立時に受けた融資や借り入れは資本金にはできないため、資本金は借金以外の方法で用意するようにしましょう。

借入以外にも資金の調達方法はある

会社設立のための借入先としては、銀行などの民間の金融機関、日本政策金融公庫、地方自治体(企業支援制度などからの融資)、などがあります。これらの借入先であれば、まとまった額を融資してもらえる可能性があります。

しかし、その分、申込時に定められた要件を満たす必要があります。返済能力を確認するための審査に通過しなければならず、必ずしも希望する額の融資を受けられるとは限りません。

また、借入金は資本金にはできないため、会社設立時にある程度の額を資本金として組み入れたいなら、別の資金調達方法を考える必要があります。以下、借入金以外の主な資金調達方法を紹介します。

■ベンチャーキャピタル

株式会社であれば、ベンチャーキャピタルから出資してもらう方法もあります。ベンチャーキャピタルとは、会社の成長を見込んで株式を引き受ける投資ファンドです。ベンチャーキャピタルの頭文字をとって、VCといわれることもあります。株式の払い込みを第三者に引き受けてもらえるため、借入金ではなく資本金にできます。

■クラウドファンディング

クラウドファンディングは、不特定多数の出資者を募り、資金の提供を受けられる仕組みです。資金提供の見返りがない寄付型、プロジェクトの権利など金銭以外を提供する購入型、資金提供者にリターンを行う投資型があります。インターネット上で募集を行うのが一般的です。

■出資者を募る

ベンチャーキャピタルやクラウドファンディングを通さず、直接出資してくれる人を集める方法があります。起業したての有望なビジネスに出資する投資家を「エンジェル投資家」といい、事業の魅力をプレゼンするピッチイベントやマッチングサイトを通じて出資先を探しています。また、知人や親族など、身近な人間に株式の引き受けを依頼する方法も一般的です。

開業資金の調達については、以下の記事でも解説していますので、参考にしてください。

会社設立後に融資を受けることもできる

会社設立前でなくても、会社設立後に金融機関などから融資を受けることもできます。返済できる見込みがあると判断されれば、会社設立時に受けた融資に加え、追加融資を受けることも可能です。
飲食店のように初期に設備投資費用が必要なビジネスは、会社設立前にある程度の資金を用意しておく必要があるため、創業時の融資が重要になってきます。一方でインターネットビジネスのように大きな初期投資が必要無いビジネスモデルの場合は、初期に融資を受けずに徐々に規模を大きくしていく方法も検討できるでしょう。

会社設立時に個人に借金があるとどうなる?

事業をはじめるために借金をしても会社設立は可能だと説明してきました。それでは、事業のための借金ではなく、創業者が個人的に借金をしている場合はどうでしょうか。結論から言うと、創業者個人に借金があったとしても、会社自体は設立できます。

しかし、会社は設立できても、事業の融資に影響が出ることがあります。創業者個人の借金を含めた信用情報は、融資の審査時に見られる事項だからです。遅延もなく返済ができていればよいですが、返済に遅れが生じていたりすると審査に影響が出るおそれがあります。

会社設立時に融資を受ける場合、個人の借金事情について聞かれますが、隠そうとしても審査時の信用情報機関への確認で状況は把握されますので、偽りなく申告するようにしましょう。会社設立時に融資を受けたい場合など、借金の影響に不安がある場合は、専門家に相談されることをおすすめします。

むやみに借金せず、資金計画を立ててから会社設立しましょう

会社設立のために借金をするケースはよくあります。しかし、借入金は資本金にはできない返済の義務を負うお金です。返済が事業に影響を及ぼす場合もあるため、問題なく返済できるだけの計画を立てられるか、十分に検討する必要があります。

資金調達方法は借金だけではありません。ほかの資金調達方法も検討しつつ、設立後の資金計画をしっかり立てて、融資や借り入れの利用を検討しましょう。

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よくある質問

借金をして会社設立はできる?

事業に使用するために借金をし、会社を設立することはできます。詳しくはこちらをご覧ください。

借入金は資本金にできる?

返済義務のある借入金は資本金にはできません。詳しくはこちらをご覧ください。

個人に借金があっても会社設立できる?

創業者個人に借金があっても会社の設立はできます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:並木 一真(税理士/1級FP技能士/相続診断士/事業承継・M&Aエキスパート)

並木一真税理士事務所所長
会計事務所勤務を経て2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・節税対策・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等を中心に幅広く税理士業務に取り組んでいる。

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