• 更新日 : 2023年6月27日

会社経営でかかる主な税金は?設立までに確認しておきたい税の種類

会社経営でかかる主な税金は?設立までに確認しておきたい税の種類

会社経営では法人税や法人事業税など、個人事業主とは違った税金が課税されます。会社が納める税金はおよそ10種類におよび、設立時には登録免許税が必要です。

本記事では会社経営で納める税金の種類や支払うタイミングを解説し、節税の方法についてもわかりやすく解説します。会社設立を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

会社にかかる税金、個人の税とはこんな違いが!

法人と個人事業主は、課される税金の種類が異なります。税金は大きく分けて国税と地方税があり、法人と個人事業主それぞれが支払う主な税金は以下のとおりです。

国税地方税
個人事業主
  • 所得税
  • 消費税
  • 特別復興所得税
  • 個人住民税
  • 個人事業税
  • 地方消費税
法人
  • 法人税
  • 消費税
  • 法人特別所得税
  • 法人住民税
  • 法人事業税
  • 地方消費税

法人と個人事業主では、このように支払う税金の種類が異なります。また、法人は個人事業主に比べて経費に計上できる範囲が広く、課税所得金額を抑えて節税しやすいのが特徴です。

個人事業主が支払う所得税は累進課税制度が採用され、所得が高ければ高いほど税率も高くなります。そのため、所得が一定金額を超えた場合、法人税よりも税金の負担が高くなる場合もあるでしょう。

一般的には、事業所得が700万円以上になると法人化した方が節税になるとされています。所得が増えてきたら、税金対策で法人化を検討する必要もあるでしょう。

ただし、役員報酬の設定金額次第では、所得税・社会保険料などの負担が新たに発生します。節税効果を高めることを目的に法人化する場合は、役員報酬の設定金額を含めて検討するようにしてください。

会社が払う主な税金の種類

会社が支払う主な税金は、前の項目で紹介した6種類に地方法人税や事業所税などを加えて10種類あります。

それぞれの内容や納付時期について、詳しくみていきましょう。

法人税

法人の所得に対して課せられる国税です。個人事業主の所得税に該当します。

税額は「課税所得×法人税率-控除額」で計算し、課税所得は利益から経費を差し引いて求めます。税率は一律23.2%で、以下の条件を満たす場合は軽減税率が適用され税率は15%に下がります。

  • 資本金が1億円以下の中小企業
  • 年800万円以下の所得

資本金が1億円以下で年間所得が800万円の中小企業は、税率15%ということです。個人事業主の課税所得金額が800万円の場合、所得税率は23%(63万6,000円控除)と割高になります。

納付時期は、事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内です。例えば、事業年度終了日が3月31日の場合、5月31日までが支払い期限となります。法人が支払う多くの税金が同じ時期に集中するため、まとめて覚えておくとよいでしょう。

法人住民税

会社を登記している都道府県、市町村に対して納める地方税です。法人税割と均等割から構成されます。法人税割額は法人税額を課税標準として決まり、税率は自治体により異なります。赤字の場合は支払う必要がありません。

一方、均等割は法人の所得が黒字か赤字かに関係なく、資本金額と従業員数によって定額で定められます。支払う額は地域によって異なりますが、資本金1千万円以下で従業員が50人以下の会社の場合、約7万円程度です。

税率等が不明な場合は自治体に問い合わせるか、ホームページで税率と均等割を確認できます。「地域名+法人税割」「地域名+均等割」などで検索してみましょう。

納付時期は、事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内です。

地方法人税

法人税と同じく、所得に課せられる国税です。国から各自治体に配分する地方交付税の財源になるもので、地方という名称ですが国税になります。地域ごとの税収のばらつきをなくすことを目的に、2014年度の税制改正で創設されました。

税額は10.3%で、法人税額に乗じて求めます。

「地方法人税額=法人税額×税率(10.3%)」

納付時期は、法人税と同じ事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内です。法人税額を求めてから地方法人税を計算し、一緒に納付するとよいでしょう。

法人事業税

事業所等がある都道府県で、事業を営んでいることに対して課せられる地方税です。事業を行うために利用する道路や消防、警察などの公共サービス・公共施設に必要になる費用を一部負担することを目的としています。法人の所得が赤字の場合は基本的に納付を免除されますが、資本金が1億円を超える会社は免除されません。これらの会社は法人税の所得割に加え、所得に関係なく発生する「資本割」と「付加価値割」が課せられるためです。

税額は「所得×法人事業税率」で計算し、法人事業税率は、法人の種類・課税所得・事業開始年度により異なります。税率は各都道府県によっても異なるため、自治体に確認しておきましょう。

納付時期は、事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内です。

なお、法人事業税はほかの法人税等と異なり、翌年の経費に計上できます。

消費税

消費税とは、商品を購入、もしくはサービスを利用した消費者に課される税金です。消費税は負担する人と納税する人が異なる間接税であり、国に収めるのは消費税を受け取った事業者になります。納税義務のある事業者は、期日までに消費者から受け取った消費税を国に納付しなければなりません。

納税義務は、2年前の課税売上が1,000万円を超える場合など一定の要件に該当した場合に発生します。

会社が支払う消費税は、以下の計算式で求めます。

「売上の際に消費者から預かった消費税ー経費で外部に支払った消費税」

消費税は、事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内に支払います。ただし、前事業年度の消費税の年税額(地方消費税は含まず)が48万円を超える会社は、消費税の中間申告が必要です。

金額に応じて中間申告の回数や納付額が定められており、納付期限は中間申告の対象期間の末日から2ヵ月以内になります。

事業所税

人口30万人以上の都市等が、都市環境の整備・改善する事業の費用として集める税金です。所得ではなく事業所の規模・従業員数に応じて課されます。

計算式は「資産割+従業者割」です。

  • 資産割:事業所の合計床面積が1000㎡を超える場合、1㎡につき年額600円で計算する
  • 従業者割:合計従業者数が100名を超える場合、従業者給与総額の0.25%で計算する

納付時期は、事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内です。

固定資産税

毎年1月1日時点で固定資産を所有する個人・法人に課せられる税金です。法人の場合は事業で継続的に使われる資産(土地・建物・償却資産)に課税されます。償却資産とは耐用年数が1年以上あり、取得額が10万円を超えるもので、所得税や法人税を計算する際に減価償却をしている資産のことです。

固定資産税の金額は自治体から送られてくる納税通知書に記載されているため、会社側で計算する必要はありません。

事前に金額を知りたい場合は「課税標準額×税率」の計算式で求めます。課税標準額とは、所有している資産の評価額の合計です。税率は1.4%で、課税される地域によっては変わる可能性もあるため、自治体に確認しましょう。

納付時期は自治体によって異なり、4〜6月ごろに通知が届きます。納付期限は年4回に分けられているのが一般的です。

印紙税

印紙税法で定められた課税対象の文書を作成する者に課税される税金です。課税対象の文書は20種類あり、代表的な文書として契約書や領収書約束手形などがあげられます。

文書作成のタイミングで収入印紙を購入し、文書に貼り付けて消印をした時点で納税となります。収入印紙を購入できるのは、郵便局や法務局です。コンビニでも購入できますが、種類は限られます。購入した収入印紙は原則として払い戻しができないため、購入前に金額をよく確認するようにしましょう。

課税対象となっている文書でも非課税となる場合があり、基本的に5万円未満の領収書や契約書は印紙税がかかりません。ほかにもクレジットカード払いや電子文書で発行した領収書などが非課税となるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

源泉徴収した所得税や住民税

社員から源泉徴収した所得税・住民税も、会社が納付すべき税金のひとつです。会社では社員が支払う義務のある所得税について、毎月給料から差し引く「源泉徴収」を行い、代わりに税務署に支払います。

源泉徴収する所得税は「課税所得×税率-税額控除額」の計算式で求めます。毎月源泉徴収した所得税は、翌月10日までに納付するという流れです。

ただし、源泉所得税の納期の特例を受けている場合は、年2回・6ヶ月ごとに納付します。源泉所得税の納期の特例は、給与の支給人員が常時10人未満である会社が申請できる特例です。

毎月徴収する金額が正確ではないため、毎年12月に年間の収入が確定したのちに年末調整を行います。

自動車重量税

会社が所有する自動車の重量や車種、経過年数に応じて課税される国税です。車検時に自賠責保険や印紙代とともに支払うのが一般的で、車検証の有効期間分をまとめて支払います。

普通乗用車・軽自動車ともに新車登録してから3年目に初回の検査が行われるため、初回は3年分を支払うことになります。その後の車検は2年ごとになり、2年分ずつ支払う流れです。

節税はどうやってするの?

法人税は利益が大きいほど高くなり、会社経営に負担となることもあります。特に、前年度の利益が大きく今期の利益が少ないといったケースでは、負担も大きくなるでしょう。

そのため、あくまで法を遵守しながらできるだけ税金を抑えることが必要になります。節税のポイントは、課税対象となる所得を下げることです。

所得の額を減らす方法として、以下のような方法があげられます。

  • 赤字を繰り越す
  • 未払費用を漏れのないよう計上する
  • 役員報酬を経費計上する
  • 不要な在庫を処分する

今期や過去に赤字決算が発生している場合、「欠損金の繰越控除」として最大10年間、黒字になった年度の所得と相殺できます。また、今期中に発生した費用のうち、支払いが来期になる分の未払金を漏れなく計上することでも法人の課税所得を減らすことが可能です。

定期同額給与・事前届出といった要件を満たした役員報酬は経費に計上できるため、報酬を増額することでも節税ができます。

不要な在庫がないかもチェックしてみましょう。不要な在庫を処分することで帳簿の資産を減らすとともに、処分費用を経費に計上できます。

会社の設立にも税金がかかる?

会社を設立する際は、登録免許税という税金がかかります。法人に関する商業登記や不動産登記を行うときに納める国税です。

登録免許税の税額は、資本金額を基準に決まります。税率は資本金の1000分の7で、株式会社の下限は15万円、合同会社は6万円です。そのため、資本金が1円の場合も登録免許税の支払いは必要になります。

納付は手続きを行う際に現金で支払い、領収証書を登記申請書に貼って提出します。税額が3万円以下の場合は収入印紙による納付が可能です。

なお、特定創業支援事業の「会社設立時の登録免許税の減免の特例」を活用した場合、登録免許税を半額にできます。認定特定創業支援等事業とは「産業競争力強化法」に基づいて、創業して間もない人を支援する国・自治体によるサポート事業です。

一定の要件に該当する事業者が対象で、特定のセミナーなどを受講し、「特定創業支援事業により支援を受けたことの証明書」を発行してもらうことで登録免許税を軽減できます。

納税を忘れると大変!税の知識もしっかり押さえよう

会社を設立する際は、どのような税金がかかるかを把握しておきましょう。法人税をはじめ多くの税金は事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内の支払いが必要になるため、早めの準備が必要です。

多額の税金は会社経営に負担となりますが、工夫することで節税ができます。会社が支払う税金の内容を押さえつつ、上手に節税をしていきましょう。


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