- 作成日 : 2024年9月6日
脱毛サロンの経営は難しい?開業から失敗を防ぐコツ、儲かるポイントを解説
脱毛サロンの経営は特別な資格がなくてもスタートできるため、開業人気が高まっています。脱毛サロンを立ち上げて軌道に乗せるには、失敗を防ぐコツや儲かるポイントを押さえることが肝心です。
この記事では脱毛サロンの開業に必要な費用および開業の流れ、経営者が身につけるべきスキルなどを解説します。
目次
脱毛サロン経営はなぜ難しいと言われるのか
脱毛サロンは開業する方が多い一方で、経営が難しい業界の1つとされます。経営が厳しいと言われる理由は、以下のとおりです。
- 市場が飽和状態
- 大手脱毛チェーンの倒産に伴う返金トラブルなどで、業界全体のイメージが悪化
脱毛サロンの市場は飽和状態で、規模は年々縮小もしくは横ばい傾向です。特に新型コロナウイルス発生以降は業績不振による閉店が相次ぎ、大手チェーンも倒産に追い込まれました。その際、返金トラブルがあったことも、業界全体のイメージ悪化につながったようです。
それでも開業人気が高まる理由
脱毛サロンの市場は飽和状態であるものの、高い開業人気は続いています。その主な理由は、以下のとおりです。
- 未経験でも経営できる
- 特別な資格が不要
- 店舗の形態や規模によっては少ない資金で開業できる
- 客単価が高い
資金面や資格の面で開業がしやすいことが、脱毛サロン経営の大きな魅力といわれます。
脱毛サロン経営の年収の目安
脱毛サロンの経営者の年収は、店舗の広さや店舗数などによって異なります。1,000万円以上の年収を得られることもありますが、経営状態次第では200万円前後にしかならないケースもあることは覚えておきましょう。
年収を増やしたいと考えているのであれば、男性や子ども、高齢者など今まで脱毛をしていなかった層の取り込みができるかがポイントとなりそうです。
脱毛サロン経営に必要な資格・免許
エステ脱毛を専門に行うのであれば、資格や免許は不要です。医療用レーザー治療機器を用いる医療脱毛を行う場合は、医師免許が必要になります。
またエステ脱毛専門店であっても、資格を保有していると信頼度が向上し、集客力が上がる可能性があります。脱毛サロン経営におすすめの民間資格の一例は、以下のとおりです。
- 認定脱毛セラピスト検定
- 脱毛士検定
- 認定美容ライト脱毛エステティシャン
- 認定電気脱毛士(CPE)
- 美容脱毛士
脱毛サロンの開業を考えているのであれば、ぜひ資格の取得を検討してください。
脱毛サロン開業・経営に必要な資金・費用
先述のとおり、脱毛サロンは比較的少額で開業できるといわれます。ここでは、脱毛サロン経営に必要な資金と資金調達方法を詳しく見ていきましょう。
初期費用
脱毛サロンの開業に必要な主な初期費用の内訳は、以下のとおりです。
- 業務用脱毛機:100万円~500万円(レンタルもあり)
- 家具家電
- 消耗品や備品
- 集客費用(広告・販促)
- パソコンやプリンター
脱毛サロンを開業するには、少なくとも200万円~300万円の資金が必要です。業務用脱毛機は、性能によって価格に大きな差があります。脱毛機はサロンにとって、非常に重要なポイントです。価格の安さだけで決めるのではなく、性能や機能をしっかりと確認したうえで決めましょう。資金的に購入が難しい場合は、レンタルも選択肢となります。
ランニングコスト
脱毛サロンを開業しても、すぐに十分な利益がでるとは限りません。そのため、開業にあたってはある程度のランニングコスト(運転資金、維持費)も準備しておきましょう。脱毛サロンで必要なランニングコストの内訳は、以下のとおりです。
自宅を脱毛サロンとする場合、家賃は発生しません。また1人で脱毛サロンの経営と施術を行う場合は、人件費は不要です。このようにランニングコストは、サロンの規模などによって大きく差がありますが、一般的に開業当初で少なくとも100万円程度は必要といわれます。ランニングコストを準備するにあたっては、経営する脱毛サロンをしっかりとイメージすることが重要です。
資金調達方法
脱毛サロンの開業に必要な資金を調達するには、主に以下の3つの方法があげられます。
- 貯金
- 補助金や助成金
- 融資(銀行・信用金庫や日本政策金融公庫など)
脱毛サロンの開業資金は比較的少ないとはいえ、ランニングコストの用意もすると数百万円になるケースもあります。貯金だけでは足りないときは、補助金や助成金、融資も活用しましょう。
補助金や助成金の情報は、経済産業省や各自治体のホームページで収集可能です。融資を受けるのであれば、条件を満たせば特別金利の適用を受けられる日本政策金融公庫が取り扱う新規開業資金をぜひ検討してください。
脱毛サロン開業・経営の流れ
ここでは、脱毛サロンの開業と経営スタートまでの流れを紹介します。手順をしっかりと確認し、計画的に準備を進めましょう。
①コンセプトを決める
脱毛サロンを開業するにあたってはまず、コンセプトやターゲット層を決めます。コンセプトの一例は、以下のとおりです。
- 若い女性向け
- 大人の女性向けの落ち着いたサロン
- メンズサロン
どのようなコンセプトにするかによって店舗の立地や外装、内装などが変わります。たとえば大人の女性向けのサロンであれば、シックで落ち着いた内装や備品が必要になるでしょう。魅力的な脱毛サロンを目指すには、コンセプトをしっかりと決められるかが大きなポイントとなります。
②開業場所を選ぶ
コンセプトが決まったら、開業場所を選びます。テナントを借りる際は立地や家賃、競合の有無を確認してください。脱毛サロンの特徴として、ビルの1階よりも2階以上の立地が好まれることは覚えておきましょう。
物件を押さえて内装を完成させるまでには、数ヶ月かかります。脱毛サロンを開業したいと考え始めたら、物件探しは早めにスタートしても良いかもしれません。
③事業計画書を作成する
店舗の準備と併せて進めたいのが、事業計画書の作成です。事業計画書とは事業内容や収支計画、運営方針を記載したもので以下の項目を明記します。
- 事業の概要
- 事業コンセプト
- 従業員の状況
- 販売ターゲット層
- 必要資金や調達方法
- 今後の見通し
- 創業者の経歴
- 販売戦略
事業計画書は今後の経営の指針になるだけでなく、融資を受ける際にも必要になります。作成が難しいと感じる方は、行政書士や中小企業診断士といった専門家に相談すると安心です。
④開業資金の準備・資金調達をする
事業計画書が完成したら、開業資金の準備をしましょう。助成金や補助金は、申請から交付まで時間がかかるものも多いため、事前の確認が必要です。
金融機関からの融資も、申し込みから借入まで1ヶ月以上かかるケースがあります。開業をスムーズに進めるには、調達手続きを計画的に進めることが肝心です。
⑤設備・備品の購入をする
店舗が決まったら、内装の完成に合わせて設備や備品を購入します。脱毛サロンで必要な主な備品は、以下のとおりです。
- 施術用ベッド
- シーツ
- ガウン
- 紙ショーツ
- ジェル
- シェーバー
- ゴーグルなど
備品を考える際には、価格はもちろんデザインや品質も確認しコンセプトに合ったものを選ぶことで、内装に統一感を持たせられます。
⑥開業の手続きをする
脱毛サロンの準備が進んだら、開業の手続きをします。個人事業主としてサロンを開業するのであれば、管轄の税務署に開業届けを提出してください。提出の期限は、事業の開始等の事実があった日から1ヶ月以内です。
青色申告書による確定申告を希望する場合は、所得税の青色申告承認申請書も併せて提出しましょう。青色申告承認申請書の提出期限は、申告をしようとする年の3月15日までです。ただし、その年の1月16日以後に新たに事業を開始したときは、事業開始等の日から2ヶ月以内とされます。
⑦集客(SNS)宣伝する
店舗の準備が整い開業の日が近づいたら、集客や宣伝を行います。集客や宣伝方法の一例は、以下のとおりです。
- 口コミサイトや情報サイト、クーポンサイトへの登録
- ホームページ作成
- 各種SNSのアカウント作成
SNSを利用した宣伝は、無料で行えるものがほとんどです。初期費用を抑えたいときは、まずはSNSを利用した集客が選択肢となるでしょう。
脱毛サロン開業・経営に役立つテンプレート
脱毛サロンの開業および経営では、事業計画書の作成が必要です。また、法人として脱毛サロンを経営するときには、定款も作成する必要があります。
事業計画書は融資や補助金申請の書類として提出が求められるため、収益性のある事業であると伝えられることが重要です。詳しい記入方法とテンプレートは、以下をご覧ください。
法人としての開業に不可欠な定款は、作成内容に不備があると会社を設立できないため、正しく作成することが重要です。定款の作成例とテンプレートは、以下をご覧ください。
脱毛サロン経営で儲かるポイント
ここでは、脱毛サロン経営で儲かる6つのポイントを解説します。
他店との差別
他店との差別化を図ることは、集客力を上げるうえで非常に重要です。資金に余裕があるのであれば、最新の高性能脱毛機を導入しても良いでしょう。丁寧で満足度が高い施術を行えば、多少価格が高くても集客できることもあります。
コンセプトをもとに唯一無二の自店の強みを見つけられるかが、脱毛サロンを成功に導くポイントとなります。
業務用脱毛機を選ぶ
ターゲットに合った業務用脱毛機選びは、顧客満足度を向上させるうえで非常に重要です。
できるだけ多くの人数を施術したいのであれば、連射式が選択肢になるでしょう。男性もターゲットにする場合は、太くて濃い毛にも効果がある脱毛機が必要です。子どもや高齢者を対象にするのであれば、肌への刺激が少ないものが求められます。
ターゲットに合わない脱毛機を選んでしまうと、顧客満足度が下がる恐れがあります。自店に最適な脱毛機を選び、リピーターの獲得による安定的な経営を目指しましょう。
施術技術を磨く
施術者としての技術を磨くことも、脱毛サロン経営では重要です。自身が施術をするのであれば、技術の向上は顧客満足度に直結します。経営者として脱毛サロンを経営する場合も、施術の知識を持つことで店舗運営に活かせるでしょう。
適切な料金設定
適切な料金設定も、脱毛サロンの経営を成功に導くポイントです。脱毛サロンの開業では、できるだけ多く集客したい、近隣の競合店よりも低い価格でサービスを提供したいと考えるあまり、安すぎる価格を設定してしまうケースも少なくありません。適正価格より大幅に価格を下げてしまうと、経営が立ち行かなくなる可能性があります。
反対にいくら質が良いサービスを提供していても、高すぎる料金設定では集客力が下がることも考えられます。安定した集客を目指すのであれば、適正な価格設定を心掛けてください。
トレンドへの対応
脱毛サロンをはじめとする美容業界は、トレンドの移り変わりが激しい業界の1つです。そのため、トレンドを押さえたサービスを展開できるかも重要です。トレンドに対応するには、美容業界のニュースや動向を常に気にしておく必要があります。
リピーターの獲得
脱毛サロンの経営を安定させるには、リピーターも獲得しなければなりません。リピーターを獲得する主なポイントには、以下があります。
- 丁寧で顧客満足度が高い施術をする
- ポイント制を導入する
- リピーター限定クーポンを配布する
リピーターを獲得できる施策を行い自店のファンを増やせれば、脱毛サロンの成功につながるはずです。
脱毛サロン経営者が身につけるべきスキル
最後に、脱毛サロンの経営者が身につけるべきスキルを解説します。経営者の視点で脱毛サロンを見る際の参考にしてください。
効率的な経営
脱毛サロンは、施術時間と売り上げが比例する業界です。多くのお客さまに対応するには、オペレーションでの時間のロスを減らせるかが重要になります。
オペレーションをスムーズに行うには、マニュアルの作成と徹底が必要です。マニュアルに沿った対応を行うことで、時間のロスを減らしながらも一定の接客水準の維持を実現できます。
マーケティングの知識
脱毛サロンを経営するのであれば、マーケティングの知識も不可欠です。ターゲット層に効果的なマーケティングを展開するには、Web施策やブランディングを学ぶ必要があります。
開業直後でスキルが足りないのであれば、ぜひセミナーや書籍で勉強をしてください。自身で学ぶことが難しいときには、マーケティング会社やブランディング会社に相談するのも1つの方法です。
会計・労務の知識
自身で会社を起業するにあたっては、会計や労務の知識は不可欠です。特に、法律や納税に関する知識が不足していると、トラブルが発生する恐れもあります。不明点がある時には、弁護士や税理士、公認会計士といった専門家に速やかに相談してください。
必要スキルや儲かるコツを押さえ脱毛サロン経営を軌道に乗せよう
脱毛サロンは資格不要で比較的低い初期投資額で経営をスタートできるため、開業を希望する方が増えています。しかし脱毛サロンの市場は飽和状態であり、経営を成功させるのは簡単ではありません。
脱毛サロンでの経営を成功に導くには、適正な価格設定や他店との差別化、リピーターの獲得、トレンドへの対応などが重要です。併せて、マーケティングや会計知識等についても学ぶことで、経営に強い脱毛サロンを目指しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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