• 作成日 : 2023年6月2日

連続起業家=シリアルアントレプレナーとは?連続起業家に必要な要素を解説

連続起業家=シリアルアントレプレナーとは?連続起業家に必要な要素を解説

シリアルアントレプレナー(連続起業家)とは、新規事業を連続して立ち上げる人のことです。連続起業家の中には20代などの若い時期から事業を立ち上げる人もおり、世界的に名前が知られているような人もいます。この記事では、連続起業家に必要な要素や日本で連続起業家が生まれにくい理由について解説していきます。

シリアルアントレプレナー(連続起業家)ってどんな人?

シリアルアントレプレナーとは、連続的なという意味をもつ「serial」と起業家の意味をもつ「entrepreneur」で構成された言葉で、日本語では連続起業家といいます。

新規事業を繰り返し立ち上げる起業家のこと

シリアルアントレプレナー(連続起業家)とは、生涯にわたり、新規事業を次々と立ち上げるような起業家のことです。

最初に立ち上げた事業を継続しつつ、新たに事業を立ち上げたり、他社の事業を買収・相続したりしながら事業を多角化していく起業家はポートフォリオアントレプレナーといいます。こちらはシリアルアントレプレナーとは区別されています。

実際にシリアルアントレプレナーは、次の事業を立ち上げる際には事業を売却したり後任に引き継いだりして、すでに立ち上げた事業から手を引くケースが多い傾向です。次々と新規に事業を立ち上げ、事業を渡り歩いているのが連続起業家の特徴といえます。

海外の有名なシリアルアントレプレナーといえば?

海外のシリアルアントレプレナーとして、日本でもよく知られている人物の一人に挙げられるのがイーロン・マスク氏でしょう。近年では、Twitterの運営会社を買収してCEOになったこと(他社とのCEO兼任に対する意見が多かったため、2023年5月時点でCEOのポストを後任に譲る意向があります)などで広く話題になりました。

イーロン・マスク氏は、2003年に創業されたTesla社のCEOとしても知られていますが、Tesla社のCEOに就任する前にも、1995年にZip2を設立して4年後の1999年に売却したあとにPayPalで知られるX.comのほか、SpaceXやSolarCityなどの設立にも携わっています。

イーロン・マスク氏のほかには、Virgin Group として複数のビジネスを成功させたイギリスのリチャード・ブランソン氏、Half.comやTurnTideなどを設立したジョシュ・コペルマン氏、BluenestやSpotcapなどのインターネット企業を次々に設立したドイツのサムワー兄弟、ThreatAwareやDiscover.Filmなどを立ち上げたイギリスのサラ・ジェーン・トムソン氏などが挙げられます。

日本にもシリアルアントレプレナーはいる?

現代でいうシリアルアントレプレナーとして日本で有名なのが、資本主義の父ともいわれる渋沢栄一です。1869年に商法会所を設立したり、官営富岡製糸場の設置主任となったりと、生涯を通して創設や育成に関わった企業は約500にものぼるとされています。

また、近年のシリアルアントレプレナーの事例として、株式会社メルカリの代表取締役社長としても知られている山田進太郎氏、有限会社paperboy&co.(現在のGMOペパボ)やBASE株式会社などを設立した家入一真氏、フォートラベルやトリップノートを立ち上げた津田全泰氏などが挙げられます。

シリアルアントレプレナー(連続起業家)に必要なものは?

何度も新規事業を立ち上げて売却や譲渡を繰り返すシリアルアントレプレナーは特殊に感じるかもしれません。とはいえ、創業の専門家ともいえるシリアルアントレプレナーでも事業に失敗することはあります。あえて他の人との異なる点を挙げるとすれば、リスク許容度が高いこと、また以下に紹介する要素が備わっている人が多いことがシリアルアントレプレナーの特徴といえます。

ビジネスが好き

シリアルアントレプレナーは、「これはビジネスになりそうだ」「このアイデアは良さそうだ」など、仕事の時間でなくても常にビジネスについて考えている傾向にあります。ビジネスについて考えたり、ビジネスの実現に向けて行動したり、ビジネス自体を好む人が多い傾向です。しかし、事業の立ち上げには苦労する部分も多く、失敗することもあります。そうしたリスクだけでなく、ビジネスについてプラスに考えられることがシリアルアントレプレナーになるには必要です。

挑戦するモチベーションの高さ

有名なシリアルアントレプレナーでも新規事業がうまくいかなかったケースもあります。しかし、彼ら彼女らは、たとえ事業が失敗したとしてもそこで諦めません。なぜなら、その失敗を糧に次の事業につなげられる挑戦心の高さとモチベーションの高さを持っているためです。いつでも挑戦する心を忘れずに、事業が良い立ち上がりを見せても安心せずに、高いモチベーションで数々の事業の立ち上げを成功させています。

独創的かつ柔軟な思考

何度もビジネスを立ち上げるには、これまでにない発想や既存のアイデアの転換など、独創的で柔軟な思考が求められます。誰もが思いつかないようなビジネスや、かゆいところをカバーするビジネスを思いつくなど、新規事業を何度も成功に導くシリアルアントレプレナーには共通してそうした傾向が見られます。また、豊かな想像力があるだけでなく、思い描くアイデアをビジネスにできる実行力の高さもシリアルアントレプレナーには必要です。

豊かなコミュニケーション力

シリアルアントレプレナーになるには、短期間のうちに事業を立ち上げ、事業の売却や譲渡などに向けてある程度事業を軌道に乗せる必要があります。短期間のうちに何度も創業をするには、業界での人望や協力してくれる人も必要です。人を集めるには、豊かなコミュニケーション能力があることも重要になるでしょう。

スピード感

事業を立ち上げたばかりの頃は十分な資金やリソースがないことも多いでしょう。そうした中で良い結果を得るには、スピード感が必要です。また、新規事業が軌道に乗るかどうかは、事業を立ち上げるタイミングやサービスを開始するタイミングなども重要になってきます。タイミングを見極めつつ、ここぞというときに開始できるようにするには、常にスピード感を持って決断したり、行動したりすることが求められます。

日本でシリアルアントレプレナー(連続起業家)が出にくいのはなぜ?

日本は諸外国と比べて起業家の人数自体も少なく、シリアルアントレプレナーは生まれにくいとされています。日本でも成功している若手のシリアルアントレプレナーはいますが、なぜ海外と比べて少ないのでしょうか。ここでは3つの理由を取り上げます。

M&Aに対する考え方の違い

日本でもM&A(企業合併・買収)のプラットフォームの誕生で、大企業による買収だけでなく、中小企業間での小規模なM&Aも行われるようになるなど、M&Aに対する意識は変わってきています。しかし、まだまだM&Aの活発なアメリカなどと比べるとM&Aの市場規模は小さいといえます。

これは、事業売却に抵抗感を持つ起業家が多いこと、アメリカなどのように既存の事業を買収して起業する方法などが一般化していないことが理由として挙げられます。また、買収する側において買収に関する知識やスキルを持った人材不足も指摘されています。

新しいことに挑戦する人が少ない

少し前のデータになりますが、2001年から2015年の日本の開業率が4.5~5.0%前後であるのに対して、アメリカは9~10%前後、イギリスは12~14%前後、フランスは9~18%前後と、日本よりも高い割合で開業が行われています。

開業率が高いことは、それだけ起業家も多いということです。先に挙げた数値データからわかる通り、自分で事業を立ち上げるなど新しいことに挑戦する人が日本では少ないことがうかがえます。自分自身のアイデアを事業として立ち上げるよりも、安定した雇用に関心がある人が多いことがその理由の一つといえるでしょう。

参考:2017年版中小企業白書 第2部 中小企業のライフサイクル 2 起業の実態の国際比較|中小企業庁

終身雇用が今でも一般的

以前と比べて転職の機会なども増えてきましたが、新卒を重視する企業もあるなど終身雇用は慣行として残っています。このような考えがまだ残っているため、転職をしたり、会社を辞めたり、立ち上げた事業から離れたりすることに抵抗を感じる人が多いのです。人の流動性が低いことも日本でシリアルアントレプレナーが生まれにくい理由といえるでしょう。

事業立ち上げを考えている方はシリアルアントレプレナーも参考にしてみては?

自分で立ち上げた事業を育てるのも一つですが、事業を立ち上げて、ある程度軌道に乗ったら売却し次の事業に取りかかるシリアルアントレプレナーという道もあります。

シリアルアントレプレナーと聞くと特殊なイメージを抱くかもしれませんが、起業家として参考にできる部分も多いのではないでしょうか。シリアルアントレプレナーを目指す必要は必ずしもありませんが、事業立ち上げのプロとしての思考を参考にしてみるのもよいでしょう。

よくある質問

シリアルアントレプレナーなんて特殊な人に見えますが?

何度も新規事業を立ち上げられる点で特殊な人に見える可能性はありますが、世界基準だとそこまで珍しいことではありません。詳しくはこちらをご覧ください。

堅実な経営をしたいが彼らの考えが参考になりますか?

事業をしっかり継続させるためには、挑戦することや柔軟な思考など、彼らの思考が参考になることもあります。詳しくはこちらをご覧ください。


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