• 作成日 : 2024年9月25日

キッチンカーの開業届を出さないとどうなる?書き方も簡単に解説

キッチンカーで飲食物やグッズを販売し収入を得ている場合、営業許可の取得や食品衛生責任者の届出が必要です。加えて、事業を行うこと自体に届出をする必要があるのかを疑問に思う方もいるでしょう。今回は、キッチンカーによる販売を事業規模で行う場合の「開業届」の提出や、提出することのメリット、注意点などについて解説します。

キッチンカーの開業届を出さないとどうなる?

はじめに、キッチンカーの事業について開業届を提出しない場合どうなるかについて解説します。

開業届の提出は義務

所得税法では、開業届を「事業の開始等の事実があった日から1ヶ月以内(所得税法第229条)」に提出するよう定めています。事業を開始する際の「開業届」の提出は義務であり、届出が必要であることを知らずに提出を忘れていた場合、期限後であっても必ず提出しなければなりません。

提出しなくてもペナルティはない

しかし、開業届の提出をしなかった場合でもペナルティを課されることはありません。税務署から開業届の未提出を指摘されることもありません。なお、開業届は期限後に提出することもできます。延滞税等のペナルティもないため、未提出の場合はすぐ提出するようにしましょう。

金融機関や保育園の審査で必要になることも

金融機関から運転資金等の融資を受ける際、開業届の提出を求められることがあります。個人事業主が間違いなく事業を行っていることを証明する資料の1つとして、開業届が提出されているか確認するためです。同様の理由により、保育園の審査を受ける場合も開業届を提出し、事業を行っていることを証明しなければならないケースがあります。

キッチンカーの開業届を提出するメリットは?

開業届を提出する一番のメリットとして挙げられるのは、所得税の青色申告制度を受けられる点です。青色申告制度とは、所得税の各種優遇措置の総称であり、一定要件を満たした帳簿書類を備え付け、それに基づき所得税を計算し申告する場合に限り「青色申告特別控除」「青色事業専従者給与」といった所得税の優遇措置が受けられる制度です。

青色申告制度を受けるためには、「青色申告承認申請書」を税務署に提出しなければなりませんが、青色申告の承認を受ける要件として「開業届」の提出が必須となっています。

キッチンカーの開業届を提出する時の注意点は?

キッチンカーで開業届を提出する際の注意点について、いくつか挙げてみましょう。

キッチンカーで開業届を提出すべきタイミング

所得税法は、開業届の提出期限を「事業開始等の事実があった日(開業日)から1ヶ月以内」と定めています。キッチンカーの開業日としては、車の準備が完了した日、実際に販売を開始した日などが挙げられます。開業日は事業主が決められますが、一度届出すると変更できないため注意してください。

事業として行わない場合は提出不要

キッチンカーによる販売でも、非営利目的やスポットで販売するようなケースでは「生計を立てるための主たる事業」でも「反復継続して行う事業」とは言い難いため「事業所得」ではなく「雑所得」として扱われるのがほとんどです。「雑所得」の場合、そもそも「開業届」の提出は不要です。

キッチンカーの開業届の書き方は?

次に、キッチンカーで開業届を記入する際に注意すべき点について解説します。

納税地、上記以外の住所地・事業所等の書き方

キッチンカーは各地を移動しながら商品を販売するため、納税地はどこになるのか疑問に思う方もいるでしょう。開業届の「納税地」に記入する住所は、個人事業主の住所を記入します。また、事業所がある場合には「納税地」の下の「上記以外の住所地・事務所等」に記入します。

職業欄の書き方

キッチンカーの場合、開業届の職業欄には「キッチンカー」「移動販売業」などと記入します。この職業欄をできるだけ正確に詳細に記入する理由は、ここに記載された業種に応じて個人事業税が課税されるからです。

屋号の書き方

キッチンカーを行うにあたって、個人の名前以外に会社名を使用する場合は、屋号欄にその会社名を記入します。個人事業主が事業を行う場合、屋号の使用は任意ですので、もし屋号がない場合は空欄にしておきます。

そもそも開業届とは?

開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)とは?

開業届は、正式名称が「個人事業の開業・廃業等届出書」で、個人が事業を始めたことを税務署に知らせるための書類のことです。

所得税を納める方法として、会社員の場合は毎月の給料から天引きされることが一般的です。一方、会社に属さず個人で事業をする場合は、自身で所得税を計算し、確定申告を行う必要があります。

開業届を税務署に提出すると、「個人事業主として所得税を納めます」と税務署に知らせることになります。それ以降、税務署は確定申告に必要な情報を事業主に通知し、また、事業主がきちんと申告・納税しているか管理します。

開業届は誰が提出する?

基本的に手続き対象者は本人となりますので、本人が税務署に対して、開業届を提出します。

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開業届の提出期限は?

開業届は、事業を開始した日(開業日)から1カ月以内に、事業所を管轄する税務署へ提出します。開業日といっても個人事業主の場合は、事業を始めた日があいまいなこともあるでしょう。この点については決まったルールがあるわけではなく、本人が「開業した」と考える日が開業日となります。

したがって、実質的には特に1カ月以内にこだわる必要はないと言えます。事業を始めた年の内に開業届を提出するようにしましょう。

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