- 作成日 : 2023年1月27日
サウナを開業するには?必要な営業許可や資金を解説
現在、コロナ禍の影響で様々な行動制限がある状況において、近場の娯楽施設として人気が高いのがサウナです。サウナで日々の疲れを取れたり、気軽にリフレッシュができたりすることから、老若男女を問わず年々サウナの人気が高まっています。
温泉やスーパー銭湯にある大人数で利用するサウナや、個室で使用するプライベートサウナなど、種類も多岐にわたります。
そんなサウナブームの中、サウナ経営に興味がある方もいるのではないでしょうか。
今回は、個人事業主としてサウナを開業するための方法と必要な営業許可や資金について解説します。
目次
サウナを開業するメリット・デメリット
「サウナを経営したい」と考える方がまず知っておく必要があるのは、サウナを開業することのメリットとデメリットです。ここではまず、サウナを開業するにあたってのメリットとデメリットを把握しましょう。
メリット:自己資金がなくても開業できる
サウナを開業する場合、ある程度の資金がかかると思う方は多いでしょう。たしかに、サウナ施設や設備などが必要となるためサウナ開業には多額の資金を要しますが、銀行や日本政策金融公庫などの融資制度を利用することができます。そのため、仮に自己資金が0円でも開業できる場合もあります。
デメリット:ランニングコストがかかる
サウナを維持するための燃料費や光熱費、水風呂にかかる水道代など、いずれもここのところ高騰を続けています。こうした費用の高騰がいつまで、どこまで続くか分からない点は現段階でサウナを開業することの最大のデメリットでしょう。また、物件の賃料や人件費なども忘れてはいけないコストです。
サウナを開業する上で押さえるべきポイント
次に、サウナに限ったことではありませんが、一般的に店舗を開業する上で押さえるべきポイントは、入念な準備と計画です。
まず、コンセプトを考えて事業計画書を作成します。「どのようなサウナにしたいのか?」を明確にする必要があります。特に、サウナ開業の立地や物件、価格設定は重要です。また「周りに競合店がないか?」など、入念な準備と計画が大切です。
サウナの開業資金の目安
コンセプトと事業計画書を作成したら、開業資金について考えましょう。サウナの規模や立地によって必要な金額が異なりますが、一般的に、サウナは小規模な施設であっても多額の開業資金が必要となります。
初期費用
サウナの開業資金は、他の業種と比較すると高くなります。それは、物件の取得費用やサウナ設備の導入費用が必要だからです。
さらに、サウナといえば水風呂や外気浴スペースは欠かせません。これらにも少なくない費用がかかります。その他、休憩スペースや受付スペース、トイレやバックヤードなども必要ですので、物件の広さをある程度確保しておく必要があります。
規模にもよりますが、小規模なサウナ施設の場合であっても、数千万円は必要でしょう。
ランニングコスト
初期費用のほか、物件の賃料やサウナの燃料費、水風呂にかかる水道費、休憩スペースで使用するエアコンの光熱費など、ランニングコストも高額になります。もちろん、従業員に支払う人件費なども必要です。1カ月あたり数百万円かかるケースもあるでしょう。
開業資金の調達には補助金の支援や融資もおすすめ!
サウナの開業には多額の資金が必要です。自己資金のみで開業することはかなり難しいので、借り入れを検討しましょう。
銀行や日本政策金融公庫に融資してもらうことになりますが、一般的には行よりも日本政策金融公庫の方が有利な条件で借り入れができます。
日本政策金融公庫の「新規開業資金」の場合、融資限度額が「7,200万円」で、担保や保証人に関しては相談の上、柔軟に対応してもらえます。銀行と日本政策金融公庫で迷っている方は、まず日本政策金融公庫に相談してみるとよいでしょう。
また、年々注目度が高まっているクラウドファンディングを活用するのも一つの手段です。クラウドファンディングを活用する際には、SNSなどを使ってアピールしましょう。クラウドファンディングが上手く行くことで、資金調達以外に「宣伝効果」や「顧客獲得」の期待もできます。
融資とは異なりますが、商工会議所が窓口の「小規模事業者持続化補助金」という制度も開業の際に利用できます。「小規模事業者持続化補助金」は、売上を得るためにかかる経費の一部を支援する補助金制度です。事業計画の作成など一定の条件がありますが、審査が通れば返済する必要はありませんので、ぜひ活用したいところです。
サウナは儲かるのか?
多額の初期費用や結構なランニングコストがかかるサウナ経営ですが、実際のところ、サウナ経営は儲かるのでしょうか。
サウナの平均年収
サウナ経営者の年収は経営するサウナ施設の規模や営業時間、価格設定などによって異なります。そのため、サウナ経営者の平均年収を割り出すのは困難です。
例えば、小規模のサウナ施設で、料金が2,000円、1日あたり10人が来店した場合、1日の売上は2万円です。1カ月30日稼働で60万円、1年で約700万円が売上です。
あくまで参考ですが、仮に、ランニングコストを売上の50%前後として計算すると、この施設のサウナ経営者の年収は300~400万円となります。
サウナ経営者として成功する(失敗しない)ためのポイント
サウナ経営で成功するために重要なのは、「このサウナにしかないサービスをいかに提供できるのか?」という点です。競合店との差別化とオリジナリティ性の高さが求められます。
サウナは「心」や「体」を癒してくれる娯楽施設です。料金が多少高くても、家から遠くても、お気に入りのサウナ屋に足を運ぶお客さんは多いはずです。
衛生面や清潔感はもちろんのこと、サウナにテレビがあるのか、水風呂の温度設定や休憩スペースが充実しているのかなど、細部までこだわりを持って、いかにお客様に満足してもらえるかを考えましょう。
サウナ開業に必要な資格や営業許可
次に、サウナ開業に必要な資格や営業許可について解説します。
サウナ開業に必要な資格
サウナを開業する際に必須の資格はありません。誰でもサウナを開業できます。
サウナに関連する資格として「サウナ・スパ健康アドバイザー」や「サウナ・スパプロフェッショナル」などがあります。サウナに関する正しい知識を身につけることは、お客さんへのサービス向上につながるでしょう。積極的に資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
「その他公衆浴場」での営業許可
法的な位置づけとして、通常の銭湯は「一般の公衆浴場」、サウナは「その他公衆浴場(いわゆる銭湯以外の公衆浴場、サウナ、岩盤浴等)」に該当します。サウナを運営するためには、あらかじめ所管の保健所に対して「公衆浴場法に基づく設備基準に関しての許認可申請」を行う必要があります。
その他、サウナ施設の工事には消防法や建築基準法、都市計画法などの様々な法令が関係してくるため、関係部署にもあらかじめ相談しておくようにしましょう。
サウナ開業の手続きの流れ
サウナを開業するための手続きと流れを確認しましょう。
開業に必要な書類
保健所に対して、以下の書類を提出します。
- 公衆浴場営業許可申請書
- 構造設備の概要書
- 建物の平面図、及び、その諸施設の配置図
- 建築基準法に基づく検査済証の写し
- 消防法令適合通知書
- 許可申請手数料など
申請の手続き
保健所に提出した書類が受理されたら、次に消防機関などと消防法や建築基準法の手続きを進めます。それと同時に、サウナ施設の設計・施工も進めましょう。
浴場、サウナ施設の検査
サウナ施設が完成すると、設備基準などについて、保険所の検査を受けます。その際に「建築基準法に基づく検査済証の写し」が必要となります。
営業許可を取得する
書類の審査と施設の検査が認められると、営業許可を取得できます。
サウナ経営の確定申告
サウナ経営で利益が出ると、税務署に対して「所得税」の申告が必要となります。サウナ経営者の確定申告について、詳しく見ていきましょう。
サウナ経営で確定申告が必要な場合とは?
個人事業としてサウナ経営によって年間に48万円以上の所得がある場合に、確定申告が必要となります。
確定申告の方法
1月1日から12月31日までの1年間の所得を、翌年2月16日から3月15日までの期間に、自宅の住所地にある税務署へ確定申告書を提出します。
確定申告の方法の詳細については、以下の記事を参考にしてください。
設備や確定申告についてしっかり理解した上で、サウナを開業しよう!
サウナ開業は多額の開業資金が必要ですし、ランニングコストも高額になります。きちんと儲けを出し、長く経営を続けていくためには事業計画をしっかり練った上で、オリジナリティ性の高いサウナ作りが重要です。
そして、年間の所得が48万円を超えた場合には、所得税の確定申告も忘れないようにしましょう。
よくある質問
サウナ開業に必要な資金は?
取得する物件の規模によって異なりますが、サウナや水風呂、外気浴スペースなど導入する設備が多く、小規模な施設でも数千万程度かかるのが一般的です。詳しくはこちらをご覧ください。
サウナ開業に必要な資格や営業許可は?
サウナの開業に必要な資格はありません。サウナ施設を運営するためには、あらかじめ、保健所に対して「公衆浴場法に基づく設備基準に関しての許認可申請」を行う必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。
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