• 作成日 : 2020年5月1日
  • 更新日 : 2020年5月28日

事業開始までに必要な5つの手続き

日本では毎年約12万社の会社が設立されています。現在起業の準備をされている方、いつか起業を考えられている方も多いのではないでしょうか。
一方で起業をしても10年後には3割の会社しか生き残らないともいわれています。
会社を存続させ成長を続けるためには、創業前後に正しい知識をもっておくことが重要です。

今回は、起業の準備をされている方、そして設立を終えいよいよ事業をスタートされる方に向けて、はぎぐち公認会計士・税理士事務所 萩口氏より、会社設立前後に押さえておくべきポイント」について、全3回のシリーズでお伝えしていきます。

第1回では、「設立前に知っておきたい登記事項の決め方」についてお伝えしましたが、第2回では、「事業開始までに必要な5つの手続きについて」解説します。

事業開始までに準備しておきたい5つのこと

会社設立は登記がゴールではありません。設立後に行わなければならない手続きは沢山あります。期日のあるものもあるのでしっかり確認いただき、円滑に事業開始ができるよう進めていきましょう。

税務署への届け出

法人を設立したら、会社所在地を管轄する税務署へ税務関連の手続きを行う必要があります。多くの会社で届出が必要な書類は以下のとおりです。

  • 法人設立届出書
  • 青色申告の承認申請書
  • 給与支払事務所等の開設届出書
  • 源泉徴収の納期の特例の承認に関する申請書(給与支給10名未満の会社のみ)

法人設立届出書は税務署に提出したものと同じものを都道府県と市区町村にも提出します。

設立後の手続きには期日があります。例えば、「青色申告承認申請書の届出」は設立から3ヶ月以内に提出する必要があります。届け出をして青色申告をすれば税金がお得になりますので、忘れずに対応しましょう。
青色申告をすることで、仮に今期が赤字であっても、翌期以降にその赤字を繰越することができ、翌期以降に黒字となった場合、繰り越された赤字と相殺することができます。
また、固定資産も30万円未満の減価償却資産については一括で経費にできるなど、いくつかの税制優遇が受けられます。

>>会社設立したら青色申告の届出を!提出期限やメリットついて解説
>>【会社設立後の手続き税務編】税務署・自治体で行う6つの手続きと必要書類

銀行通帳を作る

「銀行口座開設の審査に落ちてしまった」「法人口座が作りにくい」といった声を最近よく聞くようになりました。
本店所在地がバーチャルオフィス等の場合、経営者の実在がわかりにくく、詐欺やマネーロンダリング等の拡大防止のために審査が長くなる・厳しくなることがあります。本店登記は、バーチャルオフィスよりは自宅で登記をする、個人のときから付き合いのある銀行で法人口座を作るなど、工夫をするとよいでしょう。

>>バーチャルオフィスで法人登記する際の注意点

社会保険の届け出

会社から、誰か1人(社長含む)に1円でも給与を支給する場合、社会保険に加入する必要があります。
厚生年金と健康保険の加入(年金事務所)、従業員がいる場合には労災保険の加入(労働基準監督署)や雇用保険の加入(公共職業安定所)の手続きが必要になります。

社会保険については社会保険労務士の方に相談するか、年金事務所に相談しましょう。

【会社設立後の手続き保険関係編】保険関係の手続きが必要な書類とは

役員報酬の決定

第一回でもお伝えしましたが、役員報酬はいつでも自由に役員に対して支給してよいわけではありません。設立後、3ヶ月以内に定期総会を開き1期目の役員報酬を決定し支払を開始する必要があります。「定期同額給与」といい、毎月一定額で支払うことで役員報酬を損金に算入することができます。

1期目は過去の実績がないのでその設定が難しいのですが、どのくらい利益が見込めるのか計画を立てて決めましょう。

また、役員の給与支給の制度には、「事前確定届出給与」というものもあります。税務署へ事前に期末に支払う賞与の額を届け出しておけば、支払った際に経費として計上できるというものです。
例えば100万円と決めた場合、期末に100万を支払うか、支給しないかを選択できます。(50万支給するのはNGです。)賞与を支払うか支払わないかというオプションを期末に残しておくことができるのです。

会社の財務面を考慮すると、赤字を出したくはないので、定期同額給与は(生活できる範囲で)できるだけおさえて、決算前に一定額利益が出ていたら事前確定届出給与で調整するというのがおすすめしている方法です。役員報酬の決め方で会社に残る利益が大きく異なるので、慎重に設定し、会社を成長させていただきたいと思っています。

>>会社設立時に押さえておきたい役員報酬の税務手続きのポイント

許認可の申請

設立して始める事業が許認可事業であれば、営業開始前に申請が必要になります。業種によってはご自身でできるもの、申請を代行できる行政書士に依頼したほうがよいものがありますので事前にご確認ください。創業融資を受ける際にも、法的な営業許認可が必要な業種は、確認必須になります。

>>設立前に押さえておきたい「許認可が必要な業種とその手続」

創業時こそ本業に専念!クラウドでバックオフィス業務を効率化

創業時は、営業以外のことも含めすべてをやらなければならないので、ただでさえ時間がありません。その上、売上や仕入、経費、人件費の管理には、多くの時間を割かなくてはなりません。クラウド会計を活用することによって間接業務を減らし本業に専念できる時間を増やしましょう。

クラウド会計で経理を自動化

設立時に、社内に経理の専任の方がいるということはほとんどないと思います。IT、クラウドを活用して、効率的な経理処理ができるようにし、利益を上げることに専念できるようにしましょう。
弊所では、一番信頼性・利便性が高いと考えて、マネーフォワード クラウドシリーズを利用しています。インターネットバンキングやクレジットカードと連携することにより、入力の手間を減らせますし、クラウドなので税理士とのやりとりもスムーズです。

インターネットバンキング・法人カードを作ろう

クラウド会計を使えば、なんでも効率化するかといえばそうではありません。現金で支払って領収書をもらっていては、どこかで手入力が必要になります。クラウド会計を導入するのであれば、インターネットバンキングやクレジットカードを利用し、クラウド会計に適したお金の流れを作ることで、より大きな効果を得られるでしょう。

税理士との契約について

クラウド会計を利用すれば税理士はいらないのか、という質問もよく聞きます。
クラウド会計を利用している方の中には、銀行口座とクレジットカードの連携はできているものの処理の方法が間違っていたり、クラウド会計と連携できない現金の計上方法が間違っていたりすることがあります。
もともと、経理経験のない経営者ですと、会計の全体像や、チェックするべき点はどこなのか、完成形はどんななのか、知らないことが多いかと思います。自動処理の部分が増えたとしても、決算や申告を本来の完成形までもっていくためにもれなくチェックできるのは税理士だと考えます。正しい決算を行うためには、税理士に相談するのがよいでしょう。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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設立後は、年金事務所、税務署、都道府県税事務所に提出する書類を作成できるほか、法人銀行口座、クレジットカード、バックオフィスサービスなど、会社運営に必要なサービスがお得にご利用いただける特典もご用意しております。

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監修:萩口 義治

はぎぐち公認会計士・ 税理士事務所/ 株式会社 HG&カンパニー 代表。
2003年会計士試験合格後、大手監査法人、中小コンサル会社を経て、「創業支援に特化した資金調達に強い会計事務所」として 2012年開業。
「創業補助金の採択支援数 都内会計事務所で1位」、
「マネーフォワード クラウドを顧問先50社に導入した関東で最初の会計事務所」などの実績を上げる。
2018年から2019年にかけて、全国4ヶ所で税理士向けにAI・マネーフォワード クラウドセミナーを行うなど、税理士業界でもIT活用推進事務所として、有数の実績を持つ。
“融資に強い税理士に頼んでも、融資を受けられなかった案件”も通してしまうくらい融資に強い税理士を言われている。