- 更新日 : 2024年4月30日
100万円以内で開業・起業して独立するには?成功のコツや資金調達方法も解説
「起業するにはお金がかかる」「お金がないとビジネスを立ち上げられない」。このように思い込んでいる人は少なくないでしょう。確かに、ある程度の規模のビジネスを立ち上げる場合、それなりの金額の初期投資が必要となります。一方で、50万円や100万円程度の資金で起業し、ビジネスとして成功させているケースも少なくありません。
本記事では、起業を検討中の方に、100万円以内で開業・起業する方法をお伝えします。
目次
100万円以内で開業・起業はできる?
「100万円以内で開業・起業はできる?」という問いに対する答えは「Yes」です。実際に多くの人が、100万円以内という低資金でも開業・起業をしています。中には資金0円の「0円起業」を実現している人も少なくありません。
ただし、100万円以内の低資金で起業するには、それなりの準備をしなければなりません。具体的には、「自己分析をする」「事業計画を立てる」「お金の知識を身につける」「家族からの協力を得る」「ビジネスモデルを考える」ことなどが考えられます。開業・起業するためにすべきことについては、以下の記事が詳しいのでご覧ください。
また、100万円以下の低資金で開業・起業している人の多くが、個人事業主で開業しています。個人事業主の開業時にかかる費用については、以下の記事で詳しく解説しています。
100万円以内で開業・起業する方法
実際に、100万円以下の低資金で開業・起業する方法には、どのようなものがあるのでしょうか。飲食店の開業のように一定の設備投資や、仕入れや在庫を必要としない仕事で開業・起業するケースが多いようです。
なお、飲食店の開業には設備投資、仕入れ、在庫に加えて、家賃、人件費、水道光熱費といったランニングコストも必要になります。飲食店の開業資金については、以下の記事をご覧ください。
コンサルタント
資金が100万円以下で開業・起業できる仕事の筆頭は、コンサルタントです。コンサルタントは身ひとつで仕事が始められます。仕入れがないため、粗利益率はほぼ100%で、人を雇わなければ人件費や福利厚生費もかかりません。在庫や在庫スペースも必要なく、自宅をオフィスにするなどすれば、家賃も払う必要がありません。事務用機器もパソコンやスマートフォンなどの必要最低限のものに抑えられます。個人事業主で開業すれば、資金0円で起業をすることも十分に可能です。
Webデザイナー
Webデザイナーも資金100万円以下で開業・起業できる仕事です。多くのWebデザイナーが複数の企業から仕事を受託するフリーランスのWebデザイナーとして起業しています。その多くは、資金0円で起業を果たしています。
Webデザイナーの仕事も、基本的には身ひとつでできます。コンサルタントと同様に在庫や在庫スペースも必要なく、自宅で仕事を行えば家賃を払う必要もありません。仕事道具として、PhotoshopやIllustratorなどの高額ソフトウエアや比較的ハイスペックのパソコンを購入する必要がありますが、それでも総額で数十万円でしょう。
ネットショップオーナー
ネットショップオーナーも100万円以下の低資金で開業・起業できる仕事です。多くのネットショップオーナーが無料ネットショップのBASEなどを使用し、初期費用0円でネットショップを立ち上げています。
Yahoo!ショッピングも初期費用完全無料で出店でき、さらに月額システム利用料と売上ロイヤリティもすべて無料です。現在のインターネット環境下では、以前では想像もできない低予算でネットショップオーナーになれるのです。
100万円以内で開業・起業してビジネスを成功させるコツ
100万円以内の低資金で開業・起業してビジネスを成功させるコツは、何でしょうか。コンサルタント、Webデザイナー、ネットショップオーナーという、比較的身軽に始められて、初期投資が必要ない仕事で起業することが大事なポイントですが、それらに加えて、以下のようなコツがあります。
自分のノウハウが活かせる仕事で起業する
資金が100万円以内で開業・起業してビジネスを成功させる1つ目のコツは、自分のノウハウが活かせる仕事で起業することです。つまり、ノウハウがない、またはノウハウが活かせない場合は、起業しないほうがよいことになります。
それでは、ノウハウがない場合はどうすればよいでしょうか。答えは、「ノウハウを身につける」ことです。Webデザイナーの知識や経験がないけれど、Webデザイナーとして起業したいのであればWebデザイナーの知識と技術を身につけるしかありません。実際に、まったくの素人が独学でWebデザインを学び、Webデザイナーとして成長していったというケースもあります。
最初は個人事業主で起業する
2つ目のコツは、最初は個人事業主で起業することです。起業希望者の多くが法人設立による起業を希望します。しかし、法人設立には定款認証や登記などに一定の費用がかかり、その費用は起業する上での負担になります。個人事業主での起業であれば、法人設立にかかる費用負担を回避できます。このことは、100万円以下の低資金での開業・起業を目指す場合には、とりわけ重要なことです。
なお、個人事業主の開業時にかかる費用については、以下の記事が詳しいのでご覧ください。
ローコストオペレーションに徹する
3つ目のコツは、ローコストオペレーション(コストを極力圧縮した経営)に徹することです。スタートアップ企業が、1カ月の売上で得たキャッシュの総額から費用の総額を引いた金額をネットバーンレート(Net Burn Rate)といいます。
アメリカのベンチャー投資の世界ではスタートアップ企業が、起業からいかに早くネットバーンレートをプラスにできるかを重視します。ネットバーンレートをプラスにするためには、売上を上げるとともに、オペレーティングコストを可能な限り下げることが重要です。
100万円以内で開業・起業してビジネスに成功した事例
ここでは、実際に100万円以内の低資金で開業・起業して成功した事例をご紹介します。いずれのケースも初期投資を最小限に抑え、開業・起業し、少しずつ売上を増やしながら収益を確保しています。また、両者で共通しているのは、自分のノウハウを活かせる仕事で起業した点です。
3Dプリンターのコンサルティングで起業したYさん
大手プリンターメーカーE社で研究開発職を務めていたYさん。特に、3Dプリンターの知識と経験が豊富で、社内で3Dプリンターのプロトタイプ作りなどを行っていました。日本で3Dプリンターブームが起きた頃、Yさんのノウハウを求める声が社内外で増え始め、Yさんは3Dプリンターの導入や活用方法を伝授するコンサルタントとして独立することを決意。E社を退職し、都内にレンタルオフィスを借りて開業しました。Yさんのコンサルティングを希望する会社が続出したことで、Yさんは起業からわずか半年で事業を法人化し、現在も続いています。
サイバーセキュリティのビジネスで起業したMさん
Mさんは、もともと大手自動車メーカーで技術職を務めていました。Mさんはパソコンが大好きで、自分でパソコンを組み立ててさまざまなソフトをインストールし、自分でネットサーバーを立ち上げるなどしていました。Mさんの学習意欲はサイバーセキュリティの領域まで及び、その中で日本全体のサイバーセキュリティが脆弱であることを知り、企業のサイバーセキュリティ対策を指導する事業を始めることを決意しました。Mさんの事業の噂は口コミで広がり、今では都内に拠点を構える規模にまで成長しています。
100万円以内で開業・起業するときのリスク・失敗例
あらゆる開業・起業には失敗するリスクが伴いますが、100万円以内という低資金で開業・起業するときは、以下のリスクに注意する必要があります。資金0円起業の場合は、特に注意してください。
資金がショートするリスク
100万円以内の資金で開業・起業するときの最大のリスクは、資金がショートするリスクです。開業・起業時に持っている資金がもともと少ないため、資金がショートするリスクが高いのは当然です。特に開業・起業当初に売上が見込めない場合、起業後すぐに資金が枯渇する可能性があります。
資金のショートを避けるには、開業・起業当初から売上のあてをつけておくことが必要です。売上のあてがないまま低資金で起業することは、非常にリスキーでしょう。
資金調達ができないリスク
資金調達ができないリスクも、100万円以内で開業・起業するときの代表的なリスクになります。例えば、日本政策金融公庫から創業融資を借入する場合、一定額の自己資金が求められます。
日本政策金融公庫の調査によると、創業融資の資金総額に占める自己資金の割合は平均で2割程度です。つまり、創業融資で1,000万円の借入を希望するケースでは、200万円の自己資金が求められるのです。100万円以内で開業・起業するケースでは、たとえ100万円の自己資金を確保していても、最大で500万円しか借入できない可能性があります。
開業・起業するときの資金調達方法
開業・起業するときの資金について、まず考えておきたいのが自己資金です。特に100万円以内の低資金での開業・起業では、自己資金ですべてを賄うのが理想的です。
開業・起業に自己資金以上のお金がかかるケースでは、日本政策金融公庫などからの借入を検討しましょう。日本政策金融公庫では、新たに事業を始める人、または事業開始後、税務申告を2期終えていない人が無担保・無保証で利用できる「新創業融資制度」を用意しています。
日本政策金融公庫以外にも、信用保証協会の「創業関連保証」をつけることで民間の金融機関から借入できる可能性があります。最近は信用金庫なども創業融資に積極的ですので、資金調達が必要な人は相談してみてください。
※(追記)日本政策金融公庫の新創業融資制度は、令和6年3月31日をもってお取扱いを終了しています。
令和6年4月1日からは、新創業融資制度の適用なく、無担保・無保証人で各種融資制度をご利用いただけます。詳しくは「日本政策金融公庫」のホームページを参考にしてください。
個人事業主として開業したら忘れずに確定申告をしよう!
100万円以内の低資金で開業・起業をして、一定の売上がでたら忘れずに確定申告をしましょう。事業所得や不動産所得など他の所得、および不動産などを売却して得た所得(譲渡所得)等の所得合計が20万円を超える場合、確定申告が必要になります。
また、配偶者の扶養に入っている主婦(主夫)が開業・起業した場合の取り扱いや手続きについては、ケースバイケースとなります。以下の記事が詳しいので、参考にしてください。
よくある質問
100万円以内で開業・起業できる?
実際に多くの人が100万円以内の低資金で開業・起業しています。中には資金0円の「0円起業」を実現している人も存在します。詳しくはこちらをご覧ください。
100万円以内で開業・起業するリスクは?
100万円以内で開業・起業する最大のリスクは、資金がショートするリスクです。開業・起業時に持っている資金がもともと少ないため、資金がショートするリスクは高くなります。詳しくはこちらをご覧ください。
100万円以内で開業・起業する方法は?
100万円以内で開業・起業する方法として、コンサルタント、Webデザイナー、ネットショップオーナーなどが挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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