• 更新日 : 2023年12月5日

マッサージ店を開業するには?必要な資格と資金、助成金について解説

マッサージ店を開業すれば、年収1,000万円も目指せます。あん摩・マッサージ・指圧やはり・きゅう、接骨院などは国家資格が必要ですが、もみほぐしや足つぼマッサージ、カイロプラクティックなどは、資格は必要ありません。開業を成功させるには、開業前からのSNSでの集客や、コンセプトとターゲットの明確な設定などが必要となります。

マッサージ店の開業・経営の現状は?

マッサージ店の開業・経営の現状はどのようになっているのでしょうか?株式会社リクルートの調査機関「ホットペッパービューティーアカデミー」によるリラクゼーションサロンの実態調査『美容センサス2023年上期《リラクゼーションサロン編》』を元に、マッサージ店の現状を見てみましょう。

まず、マッサージ店の利用率は、コロナ禍の影響が出始めた2021年に大きく低下したものの、それ以降は横ばいといえる状況です。その一方、1回あたりの利用金額は、男女ともに調査前年(2022年)より増加しています。また、マッサージ店で販売している商品の購入金額は、特に女性が前年比で大幅な増加となっています。

以上のことから、コロナ禍により利用回数は抑えつつも、1回当たりに使う金額は増えているという傾向があるといえそうです。

次に、利用メニューの上位は、男女とも以下のとおりとなっています。

  1. ボディケア・もみほぐし・クイックマッサージ
  2. 整体(カイロプラクティック含む)・骨盤矯正・ストレッチ
  3. アロマトリートメント・リンパドレナージュ

また、前年比で利用率が最も増加したのは、女性は「ヘッドスパ・ドライスパ」、男性は「フットケア・角質除去」でした。

なお、サロン選びで重視したポイントは、男女とも「ネットの口コミが良い」が1位で、以降は「料金がリーズナブル」「友人・知人の口コミが良い」などが続きます。集客にあたっては、ネットの口コミを重視する必要があるといえるでしょう。

マッサージ店開業ができる資格

マッサージ店の開業に必要な資格について解説します。

あん摩マッサージ指圧師

器具を使わず、手や指で押したりもんだりする施術であるあん摩・マッサージ・指圧を行うためには、国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」の資格が必要です。資格の取得には、文部科学大臣または厚生労働大臣に認定された学校へ決められた年数通い、試験に合格しなくてはなりません。

はり師・きゅう師

はりやおきゅうなどの器具を使って施術を行うためには、はり師やきゅう師の国家資格が必要です。やはり文部科学大臣や厚生労働大臣、都道府県知事が認定した学校へ決められた年数通い、試験に合格すると資格が得られます。

柔道整復師

骨折や脱臼などを、手術をせずに治療するほねつぎ・整骨院・接骨院を開業する場合には、柔道整復師の資格が必要です。文部科学大臣や都道府県知事が指定する学校へ決められた年数通い、試験に合格すると資格が得られます。

その他の資格・民間資格

その他の資格・民間資格として、以下のようなものもあります。

  • アロマテラピーを行うアロマテラピー検定・アロマテラピーアドバイザー
  • リンパマッサージを行うリンパケアセラピスト・医療リンパドレナージセラピスト
  • 足つぼマッサージを行うリフレクソロジスト
  • ストレッチを行うストレッチングトレーナーパートナー
  • 整体を行う整体師
  • カイロプラクティックを行うカイロプラクター

それぞれの資格は、認定団体の規定により講習を受講したり、試験を受けたりすることにより得られます。

マッサージともみほぐしの違い

国家資格の取得者であるあんま・マッサージ指圧師が行う「マッサージ」は、治療を目的として行うもので、施術には健康保険も適用されます。それに対して、同様に手や指を使って行う「もみほぐし」は、心身のリラックス・緊張緩和などのリラクゼーションを目的として行うもので治療ではないため、資格は不要です。

ただし、ぎっくり腰や寝違えなどの痛みをともなう不調、あるいはねんざのようなケガの診察・治療は、もみほぐしではできません。もし治療目的のマッサージを行いたいなら、資格を取得しなくてはなりません。

マッサージ店は儲かる?開業後の年収の目安

マッサージ店は儲かるのでしょうか?

東洋療法学校協会が、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師の養成施設を卒業した人に対するアンケート調査によれば、マッサージ店を開業している人の年収は、平均値は約215万円であるものの、600万円以上の人が全体の6.1%とされています。

経営の工夫と働き方次第では、年収1,000万円を目指すことも十分可能といえるでしょう。

マッサージで独立・開業する方法

マッサージで独立・開業する方法を解説します。

自宅で開業する

マッサージで独立・開業の方法としてまず挙げられるのは、自宅での開業です。自宅での開業は家賃が不要となるため、コストを抑えて開業できます。その一方、住宅地での営業は集客が難しい、あるいはお客様に生活感を感じさせない工夫が必要、などの課題もあります。

なお、賃貸マンションが自宅の場合は、自宅で店舗を開業してしまうと契約違反になる場合もあります。営利目的での開業が可能かどうかを、管理会社に事前に問い合わせることが必要でしょう。

貸店舗で開業する

貸店舗での開業は一般的です。施術メニューとターゲットに合わせて自由に立地を選べること、および看板や内装などを思い通りに作れることがメリットです。その一方、貸店舗は契約費用や家賃が高額になることがデメリットとなります。賃貸マンションの一室を利用すれば、家賃を抑えることは可能でしょう。

賃貸マンションの一室を利用する場合には、前述のとおり店舗の営業が可能な物件を選ばなくてはなりません。その点、SOHO物件は、住居、自宅、店舗のいずれにも使えるためおすすめです。内装が充実しているSOHO物件は、内装工事費を抑えられるメリットもあります。

フランチャイズ契約で開業する

フランチャイズ契約での開業も考えられます。有名サロンのブランドを利用できる上、技術や設備、宣伝などのサポートも受けられることがメリットです。その一方、経営方針や施術方法は本部に従わなければならないため、自分の思い通りにはできないこと、および毎月のロイヤリティーの支払いが必要なことがデメリットといえるでしょう。

レンタルサロンで開業する

日時を指定して借りるレンタルサロンで開業すれば、店舗の契約費用や継続的な家賃がかからないため、店舗を借りるのと比較して固定費を大幅に抑えられます。その一方、内装の変更や家具の持ち込みができないこと、アロマオイルなど匂いの出るものを使えないことなどがあるため、施術内容に制約が出るかもしれません。

出張訪問サービスで開業する

店舗を持たず、お客様の自宅へ出張して施術を行う出張訪問サービスでの開業は、店舗へ通えない高齢者などをターゲットにできます。店舗がないため、店舗の契約費用や家賃などの固定費がまったくかからないのがメリットです。その一方、看板などの設置ができないため、集客の工夫が必要となるでしょう。

高齢者を集客するためには、チラシのポスティング、あるいは新聞・タウン誌の広告、電車やバス、駅などの交通広告など、高齢者が目にしやすい広告媒体を使用することがポイントとなるでしょう。

マッサージ店の開業資金

マッサージ店の開業に必要な資金を見てみましょう。

店舗にかかる費用

店舗にかかる費用は、レンタルサロンや出張訪問サービスでの開業ならまったくかかりません。自宅での開業は、店舗の契約費用はかからないものの、自宅の生活感を抑えるために改装が必要です。改装は、リフォームや家具一式をそろえるのに50万円程度がかかるでしょう。

貸店舗で開業する場合には、店舗の契約費用(敷金や礼金、仲介手数料、初月の家賃など)に100万円程度、改装費用に50万円程度を見込む必要があります。

設備や備品のための費用

設備や備品のための費用として、自宅や貸店舗で開業する場合には以下のものがかかります。

  • 施術用のベッドや椅子:5~10万円
  • 施術用の家具類:5~10万円
  • パソコンなどの事務用品:0~10万円(持っているものを使用できれば不要)
  • 洗濯機などの電化製品:0~20万円(持っているものを使用できれば不要)
  • タオルやシーツ・施術着などの消耗品費:5万円程度

ランニングコスト3カ月分

上記のほかに、開業当初は売り上げがなかなか上がらないため、毎月かかるランニングコスト3カ月分程度の現預金を持っておく必要があります。ランニングコストには、以下のようなものがあります。

  • 毎月の家賃や管理費・駐車場代
  • 水道光熱費
  • 消耗品費
  • スタッフを雇っている場合は人件費
  • 携帯電話やインターネットなどの通信費
  • 広告宣伝費
  • 税金や保険料 など

マッサージ店の開業に必要な届出・手続き

マッサージ店の開業に必要な届出・手続きを解説します。

開業届

開業届は、開業してから1カ月以内に、納税者の住所地または事業所の所在地を所轄する税務署に提出する必要があります。詳細は国税庁のホームページを参照するか、税務署に問い合わせましょう。

施術所開設届出書

あん摩マッサージ指圧師やはり師、きゅう師の資格を持つ人が、その施術を行うマッサージ店を開業する場合には、マッサージ店の所在地を管轄する保健所へ開業から10日以内に、施術所開設届出書の提出が必要です。必要な書類は保健所へもらいに行きましょう。

事業開始等申告書

個人事業を開始する場合には、都道府県に事業開始等申告書を提出する必要もあります。開業届と併せて作成・提出するとよいでしょう。

マッサージ店の開業に活用できる助成金・補助金

マッサージ店の開業に活用できる助成金・補助金には、以下のようなものがあります。

名 称概 要
キャリアアップ助成金アルバイトやパートなどを正規雇用すると、1人あたり最大57万円を受け取れる
人材開発支援助成金スタッフの技術向上や資格取得のため休暇制度などを導入すると、最大47.5万円を受け取れる
地域雇用開発助成金指定の地域に開業すると50万円~800万円を1年ごとに最大3回受け取れる
両立支援等助成金育児休暇を実施すると、1人目は57万円、2人目以降は14.25万円(育休5日以上の場合)を受け取れる
自治体独自の助成金そのほかにも、地域独自の助成金がある(例:東京都の「働き方改革助成金」など)

マッサージの開業・経営で失敗を防ぐコツ

マッサージ店の開業・経営で、失敗を防ぐコツを紹介します。

開業前からSNSなどで集客を行う

マッサージ店の経営で最も重要なのは集客です。開業前からSNSなどで集客を行いましょう。また、前述のアンケート結果のとおり、マッサージ店を選ぶ大きな要因となるのが「ネットの口コミ」です。良質な口コミの獲得にも力を入れましょう。

近年では、ネットの口コミとして、以前は有力だったホットペッパーなどのポータルサイトより、Googleマップを参考にしている人が増えています。Googleマップの口コミ評価を高めるためには、サービスや商品の質を向上させながら、お客様に投稿をお願いするとともに、悪い口コミに真摯に対応すること、あるいは悪質な口コミは削除依頼をすることも重要です。

コンセプトとターゲットを設定する

マッサージ店は多数あるため、競合店との競争を勝ち抜かなければなりません。そのためには、一般向けに誰でも相手にするのではなく、コンセプトとターゲットを明確に設定し、競合店との差別化を図る必要があります。

例えば、同じマッサージでも、腰痛や肩こりをほぐす高齢者向けの店舗と、妊活・妊娠中の人に向けた店舗とでは、コンセプトもターゲットも異なります。自分がどのような客層に向け、どのような施術を行いたいのか、しっかりと検討しましょう。

立地・出店場所にこだわる

集客を効率的に行うためには、立地・出店場所にこだわることも重要です。設定したコンセプトとターゲットに合わせた出店場所を選びましょう。

例えば、駅前やオフィス街なら比較的若いサラリーマンやOLの、住宅街であれば子供から年配の方までの来店が見込めます。

顧客のニーズを理解する

マッサージ店の経営を軌道に乗せるためには、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客にリピーターになってもらうことも大切です。顧客のニーズを理解し、その人に合った施術を提供・提案することで、繰り返し来てもらうことを考えましょう。

経理・経営の知識をつける

店舗運営を始めれば、お金の流れをすべて帳簿に記録して、損益計算書貸借対照表などを作成した上で、確定申告と消費税申告を行わなければなりません。経理・経営の知識を身に付ける必要があるでしょう。

帳簿への記録と申告作業は、会計ソフトを導入するとよいでしょう。また、決済方法としてスマホ決済やクレジット決済などを導入すれば、顧客の利便性も高まります。

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集客をしっかり行い、マッサージ店を成功させよう

マッサージ店の開業を成功させるためには、集客が何よりも重要です。集客を効率的に行うためには、開業前からのSNSなどでの告知や、コンセプトとターゲットの明確な設定、立地・出店場所にこだわることなどの方法があります。集客をしっかり行い、マッサージ店を成功させましょう。


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