• 更新日 : 2023年6月23日

コインランドリー開業の手順と必要な資金や手続き、店の作り方を解説

コインランドリー開業の手順と必要な資金や手続き、店の作り方を解説

個人で経営しやすいコインランドリーは、利回りが比較的高く、土地活用につながるなどのメリットがあるビジネスです。個人経営とフランチャイズに加盟して営業するパターンがあり、どちらも儲かるためには入念な準備が欠かせません。今回は、コインランドリー開業に必要な資金や手続き、リピーターを増やすポイントなどを解説します。

コインランドリーの開業、個人でやるか?FCに入るか?

「開業に挑戦してみたい」「使っていない土地があり、有効活用したい」という方は、コインランドリーの開業に挑戦するのがおすすめです。

コインランドリーの開業には、主に以下の2パターンがあります。

  • 個人でゼロから開業する(個人経営)
  • FC(フランチャイズ)に加盟して開業する

どちらを選ぶべきかは、コインランドリーをどのように運営したいか、何を目的に開業したいのか、などによって異なります。まずは、それぞれの開業方法のメリット・デメリットについて見ていきましょう。

個人経営の場合はしっかりとした事業計画が必要

自分でゼロからコインランドリーを立ち上げ、自由に運営したい場合は、個人経営がおすすめです。

個人経営のメリットとしては、経営方針や運営スタイルなどを制限されることがない点が挙げられます。収益が、そのまま自身の手元に残るのも魅力です。

一方、開業準備をすべて自身で行わなければならない点や、はじめのうちは集客に苦労する可能性が高い点はデメリットです。個人経営に成功するためには、しっかりとした事業計画を立て、開業準備を進める必要があります。

サポートを受けながら開業したいならFC

サポートを受けながら開業準備を進めたい方には、FCへの加盟がおすすめです。

FCに加盟して開業すると、開業準備や開業後の運営などを本部からサポートしてもらえます。そのため、個人経営に比べると、開業準備にかかる負担は少なく済みます。さらに、本部のロゴやブランド力も活用できるため、集客で有利にはたらく可能性が高いです。開業当初から事業を軌道に乗せやすい方法と言えます。

一方、本部のマニュアルに従って運用しなければならないため、経営の自由度が低いのは難点です。また、本部にロイヤリティを支払わなければならない場合も多く、収益のすべてが手元に残るわけではない点に注意しましょう。

コインランドリー開業までの流れ

コインランドリーは、以下のような流れで開業しましょう。

  • お店のコンセプトを決める
  • 収支計画を練る
  • 出店場所の選定・店舗の改装
  • 機器の選定・準備

ここでは、コインランドリー開業までにやるべきことを、それぞれ解説します。

お店のコンセプトを決める

まずは、お店のコンセプトを決めます。コンセプト設計は、その後の開業準備を進めるために欠かせません。

24時間営業にするのか、無人で効率的に運営するのか、安全やきめ細やかなサービスのために管理人を常駐させるのかなど、コンセプトを具体的に決めましょう。

同時に、ほかのコインランドリーとの差別化ポイントも考えることが大切です。コインランドリーは、事業内容で差別化することが難しく、参入障壁も低いため、集客のために工夫しなければなりません。「待ち時間に利用できるようテレビやWi-Fiを設置する」「洗剤アレルギーを持つ方も利用できるような設備を導入する」「カフェや漫画喫茶を併設して利用者の満足度を高められるようにする」など、魅力的な差別化ポイントを考えましょう。

収支計画を練る

コインランドリー経営を続けるためには、事前に収支計画を入念に立てる必要があります。

近隣のコインランドリーを調査し、稼働率や単価を計算して売上を予測しましょう。

このとき、売上は少なめに、支出は多めに見積もることが大切です。特に開業当初は、集客になかなか成功しなかったり、思ったとおりに経営が進まなかったりするリスクがあります。

コインランドリーは、周辺住民に対して認知度を高め、リピーターを確保することで売上を伸ばせるビジネスです。初年度は売上を低めに見込み、余裕のある資金計画で安心して経営を進められるようにしましょう。

出店場所の選定・店舗の改装

開業の見通しが立ったら、いよいよ店舗づくりに移ります。コンセプトをもとに、出店場所や物件を選定し、店舗の改装を行いましょう。

コインランドリー用の店舗を準備する際は、以下の3つの選択肢があります。

  • 新規で店舗を建てる
  • 居抜き物件を利用する
  • 所有している土地や物件を活用する

開業にかかるコストを抑えたい場合は、居抜き物件の利用がおすすめです。店舗設計の自由度は下がりますが、店舗建築や内装工事、機器設置などにかかるコストを削減できます。

店舗内だけでなく、駐車場をどうするかも重要です。単身世帯が多いエリアや、都心の駅近くに出店する場合は、駐車場がなくても問題ないケースが多いでしょう。交通アクセスが悪い場合や、ファミリー層の利用が見込まれるエリアに出店する場合は、車でコインランドリーに行けるよう、店舗の近くに広めの駐車場を設ける必要があります。

機器の選定・準備

コインランドリーでは、当然ながら洗濯機や乾燥機、洗濯乾燥機といった機器が必要です。

用意すべき機器のサイズやスペック、台数などは、ニーズによって異なります。

たとえば、単身世帯が多いエリアに出店する場合は、気軽に利用できる小型洗濯機を多めに置くのがおすすめです。ファミリー層が多いエリアなら、一度で複数人の洗濯物をまとめて洗ったり、布団を洗えたりできるよう、大型洗濯機を導入しましょう。

コインランドリー開業のために必要なもの

コインランドリーの開業にあたって、特に重要なのが資金の準備です。決して少ないとは言えない金額がかかります。資金が足りずに開業に頓挫することがないよう、必要な金額を想定して早めに確保しておきましょう。

また、保健所へ「コインオペレーションクリーニングの営業を始めるための届出」を提出しなければならないケースもあります。

ここでは、コインランドリー開業のために必要なものとして、開業までに用意する資金の目安と、保健所への届出について解説します。

開業までに用意する資金の目安

コインランドリー開業のために用意する資金の目安は、立地や規模、開業形態などにもよりますが、3,000万〜4,000万円程度と考えておくとよいでしょう。

初期費用としては、以下のような費用がかかります。

  • 洗濯機・乾燥機といった機器にかかる費用
  • 設備工事・内装工事費用

機器の費用目安は、それぞれ以下のとおりです。

  • 洗濯機(縦型):約15万~30万円
  • 洗濯機(横型のドラム式):約50万~200万円
  • 乾燥機:約80万~100万円
  • 洗濯乾燥機:約200万〜300万円

また、開業に向けて以下のような設備工事・内装工事を行う必要があり、工事費として約500万〜1,000万円程度がかかります。

  • 電気工事
  • 給排水工事
  • ダクト工事
  • 外装工事
  • 内装工事
  • 駐車場の整備費用 など

初期費用負担を抑えたい場合は、更地から新規に店舗を建てるのではなく、居抜き物件を利用しましょう。

保健所への届出が必要になることも

コインランドリーの開業にあたって、特別な免許を取得する必要はありません。しかし、適切な管理運営を図るため、各自治体が施設基準を設けているケースがあります。検査済証の取得が必要な場合もあり、そのためには「コインオペレーションクリーニングの営業を始めるための届出」を保健所に提出しましょう。

基本的には、以下のような流れで検査済証を獲得できます。

  1. 保健所にコインオペレーションクリーニングの開設届を提出する
  2. 保健職員が店舗を検査する
  3. 問題なければ、検査済証が交付される

自治体によって手続き方法が異なる可能性があるため、詳しくは開業したい自治体に問い合わせてください。

参考:東京都福祉保健局東京都西多摩保健所 コインオペレーションクリーニング

FCに加盟する場合

FC(フランチャイズ)に加盟してコインランドリーを開業するためには、以下のような準備が必要です。

  1. フランチャイズ契約を結ぶ本部を選定する
  2. 申し込み・契約締結を行う
  3. 店舗の準備を進める
  4. 必要に応じてスタッフの採用・教育を行う
  5. 本部のマニュアルに沿って運営準備を行う

コインランドリーのフランチャイズ募集をしている企業は、複数存在します。まずは資料をよく確認し、説明会にも適宜参加して、自分にあった本部を選定することが大切です。

フランチャイズ契約の締結後は、本部のサポートを受けながら開業準備を進めることになります。マニュアルが用意されているため、開業初心者でも安心して挑戦できるでしょう。

コインランドリーのリピーターを増やすために

コインランドリーは、単価が高いビジネスではありません。そのため、いかに稼働率を上げるかがポイントです。

コインランドリーの利用者は、基本的には近隣エリアに住む住民に限定されます。新規の利用者を集めた後、なるべく多くの方をリピーターにすることが大切です。

ここでは、コインランドリーのリピーターを増やすためのポイントについて解説します。

  • その立地の客層を見極めてから出店計画を作る
  • 開業前後の地道な顧客開発が大切
  • 設備メンテナンス費や人件費はケチらない

その立地の客層を見極めてから出店計画を作る

コンセプト設計や出店計画を立てる際は、顧客のニーズに対応できるよう、出店するエリアの客層を見極めましょう。

客層によって、求める機器のスペックや台数はもちろん、駐車場の有無や、洗濯機器以外に充実させるべき設備、そのほかサービスへの需要は異なります。

コインランドリーは、サービス内容で他店と差別化するのが難しいため、リピーターを増やすためにはきめ細やかなサービスが鍵です。「防犯カメラを設置して女性も安心して利用できるようにする」「おしゃれな内装にする」「キャッシュレス決済を導入する」など、プラスアルファのサービスを提供し、差別化しましょう。

開業前後の地道な顧客開発が大切

リピーターを獲得するためには、まずは多くの方に使ってもらうことが大切です。そのためには、開業前後の地道な顧客開発が欠かせません。

FCに加盟して開業する場合は、本部のロゴや名前を活用できるため、はじめから利用してもらえるケースも多いでしょう。しかし、個人経営の場合は、無名の状態からのスタートとなるため、集客に苦労する可能性が高いです。

チラシを作成して近隣エリアの住民に配布したり、オープニングセールで安い価格でサービスを提供したりと、多くの方に存在を宣伝しましょう。

設備メンテナンス費や人件費はケチらない

利益率を上げようと、設備メンテナンス費や人件費といった必要経費を削減してしまうと、高品質なサービスを提供できなくなってしまいます。

「定期的に清掃に入って清潔な店内を保つ」「洗剤の発注や補充、機器のメンテナンスなどをこまめに行っていつでも問題なく使えるようにする」「問い合わせに随時対応できるように人員を確保する」など、設備メンテナンス費や人件費をケチらないことが大切です。

軌道に乗れば安定した収入が見込める!コインランドリーを開業しよう

コインランドリー開業は、土地の有効活用につながり、利回りも比較的高いため、開業初心者にもおすすめです。洗濯は生活に不可欠の行為であるため、リピーターを獲得できれば、安定した収入が見込めます。個人経営とFC加盟の2つの選択肢があり、自分に合った方法で開業することが大切です。

コインランドリー経営に成功するためには、顧客のニーズに対応できる店舗づくりを進め、きめ細やかなサービスでリピーターを確保できるようにしましょう。


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