• 更新日 : 2021年12月14日

会社設立時の事業目的の書き方を業種別に解説|記載例一覧付き

会社設立時の事業目的の書き方を業種別に解説|記載例一覧付き

会社を設立する場合、必ずその会社の事業目的を決めなければなりません。それはどのような事業を行うのか、他の会社や銀行に明示するためです。事業目的とはどのように決めていけばいいのか、そのポイントについて解説します。

事業目的とは

定款とは、会社の組織活動の根本規則のことであり、会社設立にあたって作成する必要があります。定款作成にあたって、必ず記載しなければならない事項に「事業目的」があります。
事業目的とは、その会社が何を事業内容とするか明示するためのものです。事業目的で、その会社がどのような事業により収益を得るかを明らかにします。

事業目的の書き方

事業目的の書き方には、3つのルールがあります。

1.目的が適法であること(適法性)

当然のことですが違法性を有するような事業内容、犯罪を目的とする事はできません。

2.目的が営利性を有すること

会社は一部の種類の会社を除いて「営利追及」を目的とする必要があります。営利性のない事業を事業目的とすることはできません。

3.目的が明確性を有すること

目的の中に使う用語や全体の意味が明確であり、誰でもそれを理解できる必要があります。世間一般の人たちに浸透していない言葉は使用できません。
また、「目的の具体性」もある程度必要です。例えば、事業目的の最後に「前各号に付帯関連する一切の事業」という事業目的を入れる会社が多いのですが、それを「その他の事業」といった記載をしたいと依頼されることがあります。つまり、世の中に存在するすべての事業を事業目的としている会社となります。

具体性が必要というルールはないため、このような目的も可能かもしれませんが、定款認証の手続きや登記申請で実際に受理されるかどうかはわかりません。事業目的は自分の会社がどんな会社なのか、自己紹介をする部分にもなりますので、不明確な目的を記載する必要はないと考えます。

事業目的を記載する際の注意点

事業目的の作成にあたっては、適法性、営利性、明確性、そして具体性に留意します。以下、注意点を見ていきましょう。
なお、事業目的の中には、会社設立当初ではまだ準備中や構想中でも、将来的に始めたいと考えている事業も入れておきましょう。

許認可が必要な業種かどうかを確認する

国や地方自治体の許可や認可がないと、その事業を行うことができないものがあります。
そういった事業を行う場合は、その事業目的の記載方法で許認可が下りるのか必ず事前に確認をしてください。許認可が必要な主な事業には下記のようなものがあります。

  • 食品製造、販売や飲食店の経営
  • ガスや灯油の販売
  • 中古品の販売
  • 宅地建物取引業
  • 旅行業、旅館業
  • 産業廃棄物処理業
  • 運送業
  • 介護事業

許認可が必要な業種とその手続きについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。

事業目的を記載しすぎない

設定する事業目的の数に制限はありません。しかし、会社設立時にあまりにも多岐にわたる事業目的の設定はおすすめしません。会社設立してすぐに融資を受ける場合には、事業目的はメイン事業及び5年くらいで行いたい事業目的に絞った方がいいでしょう。

融資を受ける場合には必ず5年から10年の事業計画書を提出します。銀行は実績が何もない会社に対して融資を行い、本当にお金が返済されるのかを審査します。会社の信用度を測るには事業計画書しかありません。

事業者は借入金の返済をどのようにして可能にするか、事業計画書とともに融資担当者に口頭で説明します。そして銀行本部の融資課で融資をするかしないかを判断するのです。窓口担当者には対面で説明でき、事業に対する想いを伝えることが可能ですが、本部の融資課の担当者は資料だけを見て判断します。

その際、事業目的が多すぎるとこの会社は一体何を目的として事業をやっていく会社なのか、判断しにくくなります。そのため、審査が長引くことや、融資が下りない可能性が出てくるのです。

「前各号に付帯関連する一切の事業」を入れる

事業目的の作成にあたっては、「前各号に附帯関連する一切の事業」と各目的の最後に入れておくと、定款に記載していない事業でも関連事業であればできるようになります。
将来の事業に幅を持たせるためにも入れておくことをおすすめします。

【事業目的 付帯事業の記載例】

(目的)
第2条 当会社は、次の事業を行うことを目的とする。

  1. ○○の製造及び販売
  2. ××の輸入及び販売
  3. 前各号に附帯又は関連する一切の事業

引用:日本公証人連合会 定款の記載例(小規模な会社より)

事業別・業種別の事業目的一覧

事業別に各分野の事業目的例を一覧にしたものです。事業目的の記載方法が各分野により特徴があるのがわかります。
上述のように許認可の必要な業種においては、事業目的に盛り込まなければなりません。

定款については、法務局で「登記事項証明書」を取得すると、定款の一部である事業目的を見ることができます。ただし、手数料がかかります。

また、事業目的そのものではありませんが、ホームページに企業情報などが掲載されている場合、「業務内容」や「事業目的」として記載されているものを見ることができ、参考になります。

【業務内容例 日本マクドナルド株式会社】
業務内容例 日本マクドナルド株式会社

引用:会社概要 | 会社情報 | McDonald’s Japan

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会社設立時に適切な事業目的を記載しましょう

定款の作成によって、会社設立の意義が明らかになると言えます。
事業目的は、定款の中でも中枢部分ともいうべき重要な部分です。
事業目的とは会社設立目的でもありますので、よく検討し、必要であれば専門家の意見も聞きながら、自社に適切な事業目的を設定しましょう。

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よくある質問

事業目的とは?

事業目的とは、その会社が何を事業内容とするか明示するためのものです。会社設立の際には必ず定款に記載しなければなりません。詳しくはこちらをご覧ください。

事業目的の決め方のルールは?

「目的が適法であること」「目的が営利性を有すること」「目的が明確性を有すること」がルールとして挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。

事業目的の決め方のポイントは?

事業目的は、会社の自己紹介を簡単にする部分です。メイン事業から順番に記載することをおすすめです。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

大学卒業後、2年間の教職を経て専業主婦に。システム会社に転職。 システム開発部門と経理部門を経験する中で税理士資格とフィナンシャルプランナー資格を取得。 2019年より税理士事務所を開業し、税務や相続に関するライティング業務も開始。

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