- 作成日 : 2023年2月17日
1,000円カットで開業するには?儲かる仕組みや経営方法を解説!
昨今の物価上昇などの影響もあり、1,000円~1,200円程度の低価格でカットできる理髪店や美容室を利用する人が増えています。その需要の波に乗って、1,000円カット店を開業したいと考えている方もいるのではないでしょうか。
今回は、1,000円カット店を開業する方法や、儲かる仕組み、経営方法について解説します。
目次
1,000円カットで開業するための手続きは?
1,000円カット店を開業するには、どのような準備が必要なのでしょうか。
事業計画書を作成する
1,000円カット店を開業するためには、いくつかの要件や手続きが必要ですが、まずは事業計画書を作成することから始めましょう。お店の名前やコンセプトを考え、ある程度、立地の下調べをして、開業資金がどのくらい必要なのかを計算していきます。1,000円カット店の開業において、事業計画書をしっかり作成することが重要です。
保健所の検査を受ける
事業計画書を作成して、立地選びと資金調達等が完了したら、お店に必要な設備をそろえましょう。そして、開業予定日の1週間前までに、店舗の構造や設備が一定の衛生基準をクリアしているかどうか、保健所の検査を受けます。無事に基準を満たしていれば、営業を開始できます。
開業届を提出する
また、個人事業主として開業する場合は、税務署に開業届を提出しましょう。法人として会社を設立する場合は、定款の作成や法務局での法人登記、税務署に法人設立届出書などを提出する必要がありますが、一般的には個人事業からスタートして、事業が拡大したら法人化するのが理想的です。
1,000円カットで開業するために必要なスキルは?
1,000円カット店を開業するには、理容師資格または美容師資格が必要です。こちらは、理容所として開業するか、美容所として開業するかで必要資格が決定します。また、それ以外にも店舗の規模によっては必要となる資格が出てきます。ここでは、1,000円カット店の開業に必要な資格やスキルを見ていきましょう。
理容師資格または美容師資格
理容師資格または美容師資格は、養成施設で2年(通信課程3年)の学習後、理容師試験または美容師試験に合格する必要があります。経営者自身が理容師資格または美容師資格を取得していることのほか、理容師資格者または美容師資格者を雇用する形であっても問題ありません。
管理理容師または管理美容師
理容師または美容師が2名以上勤務する場合には、理容師資格・美容師資格とは別に、管理理容師または管理美容師の資格が必要です。理容師または美容師として、3年以上の実務経験と各都道府県で実施される講習を修了することで、管理理容師または管理美容師の資格を取得できます。
また、理容師および美容師双方の資格を有する者のみからなる事業所に限り、理容所と美容所の併設が認められていますが、店舗で働くスタッフ全員が理容師資格と美容師資格の2つを持っていなければなりません。そのため、基本的には理容師と美容師が同じ店では働けないことになっています。
カットスキル
1,000円カット店は低価格のため、利益を出すには回転率を上げることがとても重要です。そのため、スタイリストのスキルも大事な要素です。自分の腕はもちろん、従業員を雇用する場合は、実務経験がどのくらいあるのかなど、しっかりとした視点で人選を行いましょう。
1,000円カットの開業資金はいくらかかる?
1,000円カット店の開業資金のうち大きく占めるのが、物件の取得費と内装工事費用です。
居抜き物件、スケルトン物件に関わらず、立地によって物件の取得費用は大きく変動します。1,000円カット店は回転率が大きなポイントになるため、ショッピングセンターや駅の近くなど、たくさん人が集まる場所を選ぶ必要があります。そのため、どうしても物件の取得費用は高くなるでしょう。
内装工事では、洗髪台などの水回りや空調設備、コンセプトに沿ったデザイン、インテリアなどに費用がかかります。既存の1,000円カット店はたくさんありますので、多店舗との差別化を図り、こだわりを持ったお店づくりを考えましょう。
また、複数のヘアカットチェアや鏡台などの店内設備などもそろえておかなければなりません。その他、1,000円カットに必要な備品や、広告宣伝費、雑費などを含めると、1,000~1,500万円ほどの開業資金が必要になるでしょう。
1,000円カットの開業で儲かる仕組みは?
1,000円カット店で儲けを出すためには、利用客を増やして回転率を上げることが重要です。
一般的な美容室や理容室は、1人の利用客に対して、30分から1時間程度をかけてカットやシャンプー、ブローを行います。オーダーによっては、数時間かけてカラーリングやパーマを施しますが、1,000円カット店で行うのは基本的にカットのみ。そして、1人あたりの施術時間は15分程度と短く設定しているお店が大半です。そのため、いかにたくさんの利用客に来店してもらえるかが重要なカギとなります。
例えば、1日8時間営業で、1時間あたり3人施術できると想定すると、1人のスタイリストで1日あたり24人の施術ができます。客単価が1,000円なため、1日で2万4,000円の売上となる計算です。仮に1カ月に30日営業すると、1カ月の売上は72万円です。これをベースに計算すると、自分1人で経営する場合の年収は、約860万円です。
しかし、これはあくまで常に1時間3人のペースで施術した場合であり、平日や休日、天候などによって売上は変動するため、ずっとそのペースで施術し続けることは難しいでしょう。
そのため、1日あたりの利用客は、半分である1日12名程度が現実的です。この場合、1カ月の売上は36万円、年収は400~500万円です。
ここまではあくまで売上だけの計算で、現実的には売上から経費を差し引いた利益を考える必要があります。1,000円カット店の経営は、他の業種と比較して仕入れがほとんどかからないのが特徴ですが、店舗の家賃や従業員を雇用した場合の人件費は固定費として大きな負担が発生します。やはり、立地選びとお店の規模、従業員を雇用するのか、開業前にしっかり計画しておくことが重要です。
そして、1,000円カット店の経営で成功するためには、リピーターを獲得できるかがとても大切です。「安い・早い・丁寧」が基本原則で、その上で多店舗との差別化を図り、お店独自のサービスを提供して、お客さんから愛されるお店を目指しましょう。
1,000円カット開業後の経営計画をきちんと立てましょう
事業計画書は、立地選びや資金計画、コンセプトをしっかりと決めた上で作成することが最も重要です。そして、各種届出を済ませて無事に営業できた後は、次のステップとして事業の安定と拡大を目指しましょう。顧客名簿を作成して、無事にお客さんがリピートしているかなどを確認しつつ、目標の顧客人数や目標金額を作成するなど、開業後にも定期的に経営計画を見直していくことが重要です。
よくある質問
1,000円カットで開業するための手続きは?
開業予定日の1週間前までに、店舗の構造や設備が一定の衛生基準をクリアしているかどうかなど保健所の検査を受けます。無事に基準を満たしていれば営業を開始できます。詳しくはこちらをご覧ください。
1,000円カットの開業で儲かる仕組みは?
1人あたりの施術時間を短くして、利用客を増やし回転率を上げることで、儲けを出すことが可能です。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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