- 作成日 : 2022年7月8日
起業をするために役立つ資格のおすすめを紹介
起業を検討している方の中には、資格を取るべきか迷っている方も多いと思います。「起業するなら資格は必須」というわけではありません。しかし、資格があると集客に役立ったり、自らできる業務の幅が広がったりするなど、起業家として有利になることも多いでしょう。
そこで本記事では、起業するために取得すると役立つ資格や、特定の業種におすすめの資格について解説します。
目次
起業するなら資格は必要?
起業するうえで、必ずしも資格が必要なわけではありません。しかし業種によっては、資格を取得する際、有利になることもあるのです。資格がないとできない専門的な仕事を請け負えるようになれば、業務の幅が広がるというメリットもあります。
さらに、資格を取得することで、その分野に関する知識やスキルを証明でき、対外的な信頼アップにもつながります。よって、競合との差別化を図り、集客に役立てたい方にもおすすめです。また、資格を取得するための勉強を通じて、ビジネスに必要なスキルを身につけられます。
起業におすすめの資格
ひと口に資格と言ってもさまざまな種類があり、どれを取るべきか迷ってしまう方も多いでしょう。ここでは、起業するうえでおすすめの資格について、資格の内容と取得するメリットを紹介します。
資格を選ぶ際には、資格をどの業務に役立てたいかを考えることが大切です。また、資格を取ることだけを目的にせず、資格の勉強を通じてスキルや知識を身につけることを意識しましょう。
日商簿記
簿記は企業の日々の経営活動を記録し、財務状況の把握や経営管理を行うために必要なスキルです。簿記検定試験でも、日商簿記検定試験は多くの受験者数を誇ります。
日商簿記は、日本商工会議所と各地の商工会議所が実施する検定試験です。1〜3級と初級があり、難易度が最も高いのは1級です。級によって試験範囲も異なります。初級と3級は商業簿記のみで、2級から商業簿記・工業簿記が範囲になります。肩書きとして明記するのであれば、2級以上の取得がおすすめです。
実際の経理業務は経理担当者が行うことが多いですが、簿記を身につければ会社の経営管理や分析、取引先の選定の際にも役立つでしょう。そのため、会社経営をするうえで取得しておきたい資格といえます。
簿記について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
参考:各地商工会議所 簿記 商工会議所の検定試験|日本商工会議所
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー(FP)とは、お金に関するさまざまな相談を受け、アドバイスを行うお金の専門家です。FPに関する資格は複数ありますが、日本における国家資格はFP技能士検定です。勉強することで保険や税金、年金、不動産など、お金に関する幅広い知識が得られます。
FP技能士検定には1〜3級があり、最も難易度が高いのは1級です。1級と2級の受験には実務経験が必要ですが、3級は実務経験がなくても受験できます。そのため、ビジネスをするうえで必要なお金の知識を幅広く身につけたいという方は、3級を取得するのがおすすめです。
参考:日本FP協会
中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業の経営状態を診断し、分析に基づいてアドバイスを行う国家資格のことです。経営コンサルタントとして起業しようとしている方はもちろん、経済学やマーケティングなど、経営する上で必須の基礎知識を幅広く学べます。また、取得することで、経営者自ら自社の経営状態を分析できる点がメリットです。
なお、中小企業診断士について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
参考:中小企業診断士試験|J-SMECA
宅地建物取引士
宅地建物取引士は、通称「宅建」と呼ばれ、不動産の売買や賃貸契約を行うことが唯一認められている国家資格です。宅建を勉強することで、不動産取引に関する知識や、不動産法・宅建業法といった不動産に関する法律についての幅広い知識を得られます。
不動産取引を行う場合には必須の資格であり、不動産関連のビジネスで起業する際にも非常に有利になる資格です。
参考:宅建試験|RETIO
行政書士
行政書士は、官公庁に提出する書類の作成を代行できる資格です。登記以外の会社設立および経営に関する書類の作成を担います。そのため、経営者が取得すれば、法的な重要書類を委託せずに自ら作成できるのがメリットです。
また許認可が必要な場合も、外部に依頼せず自ら書類を作成できるようになります。資格取得の際には法律に関する幅広い知識が必要になるため、法律の知識を身につけたい方にもおすすめです。
税理士
税理士は税務のスペシャリストです。取得することで、税務関係の書類の作成や、税法に関する業務を行えます。税理士試験は、大学・短大・高専で指定の科目を1つ以上履修している、実務経験があるなど、受験資格に細かい条件が設けられているのが特徴です。
ただし合格した後、税理士を名乗るためには、日本税理士会連合会への登録が必要になります。そのため、税務に関する仕事を請け負いたいという方は、取得がおすすめです。なお、知識をつけたいだけであれば、税理士試験の勉強をするだけでも効果的でしょう。
税理士について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
参考:税理士とは|日本税理士会連合会
社会保険労務士
社会保険労務士は、労務に関する国家資格です。従業員を雇用する場合は、取っておくと便利な資格です。勉強することで、労働基準法など雇用主として最低限知っておくべき法律や、労務管理について学べます。取得すれば、経営者自ら適切な雇用条件の設定や、人事労務に関する従業員への対応ができるようになるためおすすめです。
ビジネス実務法務検定
ビジネス実務法務試験は、民法・会社法・労働法など、ビジネスに関わる法律に関する資格です。資格の勉強をすることで、経営者として最低限の法律の知識を学べます。
経営においては、事業の法的リスクを理解することが大切です。また、法的な実務は弁護士などに依頼することが多いですが、経営者自らが法律の基礎を押さえていれば、適切に依頼・説明ができるようになることもメリットです。
特定の業種の起業におすすめの資格
業種によっては、その業種に特化した資格を取得することで有利になることもあります。特に、エステやネイルサロン、ヨガ教室などを自宅開業しようとしている方は、専門の資格を取得することで、信頼性が高まり集客につなげられるでしょう。
本章では、特定の業種で起業する際におすすめの資格を、業種ごとに紹介します。
IT業界での起業ならITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基本的な技術や専門知識を保持していることを証明できる資格です。そのため、IT業界で起業するなら取っておくべき資格といえるでしょう。特にフリーランスとして独立を考えているエンジニアの方は、ITパスポートを取得することで信用を獲得でき、より多くの案件の受注につながる可能性が高いです。
エステサロン開業なら日本エステティック協会認定資格
日本エステティック協会認定資格は、協会が認定するさまざまな資格の総称です。JESTHE認定エステティシャンやAJESTHE認定フェイシャルエステティシャンなど、キャリアに応じて資格が設けられています。
エステに関する幅広い技術を持っていることを対外的に証明できる資格で、自宅でエステサロンを開業するうえでは非常に有利になる資格です。開業したいエステの種類に応じて、取得する資格を選びましょう。
自宅でネイルサロンを開業するならネイリスト技能検定試験
ネイリスト技能検定試験は、数あるネイリスト関連の資格の中でも特に認知度が高い資格です。資格取得を勤務条件としているネイルサロンも多く、取得することでネイリストとしての知識とスキルを対外的に証明できます。自身のスキルアップや信頼獲得につながるため、ネイルサロンを開業しようとしている方におすすめの資格です。
参考:ネイリスト技能検定試験(JNEC主催)|NPO法人日本ネイリスト協会
ヨガ教室ならヨガインストラクターの取得
ヨガ教室を自宅で開業する場合は、ヨガインストラクターの取得がおすすめです。ヨガインストラクターの資格を持っていると、肩書きに使用できるため集客に役立ちます。
なお、ヨガインストラクターに関する資格には、大きく以下の4つがあります。
- 全米ヨガアライアンス認定資格
- インド中央政府公認資格
- 国内ヨガ団体のヨガ資格
- そのほか、ヨガ流派ごとの認定資格
最も有名で一般的なものは、全米ヨガアライアンス認定資格です。日本だけでなく、国際的にも通用する資格で、ヨガに関する知識をバランスよく習得する必要があります。
起業する業種に応じて有利な資格を取得することが大切
本記事では、起業する際に取得すると有利になる資格について紹介しました。起業において資格の取得は必須ではありませんが、取得すると業務の幅が広がったり、信頼を獲得して集客が有利になったりするなど、事業を進めるうえでのメリットが多いです。
また資格の勉強を通じて、知識やスキルを身につけられます。起業する業種によって、おすすめの資格は異なります。本記事を参考に、取得すべき資格を選んで挑戦してみてください。
よくある質問
起業に資格は必要か?
資格がないと起業できないわけではありませんが、取ると有利になる資格はあります。資格を取得することで信頼を得たり、できる業務の幅が広がったりします。詳しくはこちらをご覧ください。
起業するならどんな資格を取得するのがおすすめ?
業種ごとに異なりますが、基本的には日商簿記・ファイナンシャルプランナー・中小企業診断士・宅地建物取引士・行政書士・税理士・社会保険労務士・ビジネス実務法務検定がおすすめです。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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