親のサポートなくして成功なし!「子ども起業家」のために親ができること

近年、30歳前後で独立して活躍する若手社長が目立つようになりましたが、最近では更に若い中学生や高校生の起業家も増えています。

しかし、子どもといえば当然まだ未成年者。それ故に、どんなに起業をしたくても、親の力を頼らなければならないケースが出てきます。

それでは、子ども起業家を目指す我が子を応援するために、親は一体何をしてあげればよいのでしょうか、見ていきましょう。

子どもが起業するとどうなるのか

子どもが起業する場合のメリット

まず期待できるのは、子どもならではの独創性の高さ。新しい商品やサービスを作る際には、消費者に「この商品(サービス)でないとダメ!」と思わせるような差別化ポイントが必要になります。子どもの柔軟な思考力を活かせば、それを容易に見つけられる可能性が高いのです。

また、「子どもが社長」という珍しさから、宣伝効果が高まるというメリットもあります。子ども起業家の数が増えているとはいえ、現時点ではまだまだ希少価値の高い存在です。そのため新聞や雑誌・ネットなどで取り上げられやすく、広告宣伝費をかけずに企業PRを行うことができます。

子どもが起業する場合のデメリット


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起業家と言っても、まだ未成年者。特に小中学生だと義務教育も終わっていない段階なので、ビジネスの世界でも半人前と見られる可能性が高くなります。子どもというだけで信用してもらえなかったり、足元を見られて与信金額を低く抑えられたりすることもあるでしょう。

また、金銭面の不安定さも悩ましい問題の1つ。たとえビジネスのアイデアは素晴らしくても、資金調達やお金の管理に関する知識はやはり大人と比べてかなり劣るはずです。

起業以外にも選択肢はある

子どもは、とにかく「自分の想いを形にする=起業」という考えになりがちです。しかし、その夢を実現する道は何も起業だけではありません。学校を卒業した後、しかるべき企業に就職して、そこでやりたいことをとことんやれる可能性だって十分にあります。

親としては、起業する以外にも様々な選択肢があると子どもに気付かせるきっかけを与えたいものですね。

子どもが起業する際にやるべきこと

「子ども」にもいくつかの定義がある


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親目線では、つい「子ども」と1つの言い方で括ってしまうもの。しかし実は年齢や各種条件によって、法律で厳密に定義されています。

たとえば、幼児は乳児期満了(満1歳)から学齢(小学校就学)までと児童福祉法で定められています。また、児童福祉法・労働基準法によると、年少者とは18歳未満の労働者を指す言葉です。さらに未成年者とは、満20歳に満たない人であると民法に書かれています。

該当する区分によっては、起業をする上で一定の制限がかかる場合があるので、予め意識しておくことが大切です。

商号を決める

一言で言うと、商号とは会社名のことです。基本的に好きな商号を付けて構いませんが、決めるにあたっては幾つかのルールがあります。例えば、商号の先頭に特定の記号をつけることができません。また、会社法によれば、同一住所で同じ商号を使用することもNGです。

子どもが名付けたい社名が分かりやすく覚えられやすいものかどうか、きちんとルールに則っているかどうか、大人の目線からもチェックしてあげましょう。

本店所在地を決める


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起業する際には、本店所在地を設定する必要があります。子どもが親と住んでいる場所を本店所在地とする場合、特に問題はありません。しかし、本店所在地用に物件を借りる場合は要注意です。

未成年者が一人で賃貸契約を結ぶことはできません。親の同意を得て本人が契約するか、親が代理人となって契約することになります。万一、親の同意を得ずに未成年者が契約をした場合には、賃貸側も契約を取り消すことが可能です。子どもにはこのルールをしっかり教えておきましょう。

会社の銀行口座をつくる

子どもが銀行口座をつくる場合、必要書類を準備した上で、本人が親と一緒に銀行に行かないと原則として口座を開設できません。

なお、一部のネット銀行の中には、15歳以上なら未成年者でも親権者の同意なく銀行口座をつくれる会社がありますが、あまりオススメはしません。ネット銀行よりも店舗を有する銀行の口座を持っている方が、会社としての信頼度が高まるからです。

「法人設立届出書」を提出する


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会社を設立する際、取締役が就任を承諾したことを証明する書面に実印を押して、その押印に使った印鑑登録証明書を添えて提出する必要があります。ただし、印鑑登録証明書を取得できる条件は「15歳以上」であること。つまり、15歳未満の未成年者だけでは取締役になることができません。

なお、15歳以上であっても親権者双方による同意書(親権者双方の実印を押印)や印鑑登録証明書は必要になるので、注意しましょう。

「給与支払事務所等の開設」を届け出る

会社の登記が終わっても、役所の手続きはまだ終わっていません。そのうちの1つが、「給与支払事務所等の開設」を報告する届出書の提出です。事務所を設立してから、1か月以内に税務署へ提出する必要があります。この書類にも会社の代表者の記載が必要であるため、法人設立届出書と同様、15歳未満の子ども1人では申請することができません。

「確定申告」に関する書類を提出する

任意ではありますが、青色申告の承認申請書の提出をする場合は、原則として会社設立から3か月以内に行います。

子どもが扶養控除を受けるには、対象となる扶養親族の所得金額が一定以下でないといけません。それを証明するには、年末調整で扶養親族の所得金額が確定される必要があります。

「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出する


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これも任意ですが、従業員が常時10人未満の会社であれば、源泉所得税を半年に一度まとめて納付することができる「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出するのがオススメです。

ただ、この書類にも会社の代表者の署名捺印が必要なので、子どもが15歳未満の場合は注意してください。

従業員を雇う場合に提出する書類

もしも従業員を雇うようになる場合、必要な書類は以下の通りです。

・雇用保険 適用事業所設置届・被保険者資格取得届
・健康保険・厚生年金保険新規適用届
・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
・健康保険被扶養者(異動)届

これらは人を雇用する上で重要な書類ですので、親がサポートに入るだけでなく、社会保険労務士のような専門家に依頼したりする方がよいでしょう。

そうすれば子どもも、何でも1人で対応するのではなく、周りの人を上手に巻き込むことを学べます。そんな学びの機会をつくってあげるのも、親の務めではないでしょうか。

まとめ


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法律では、未成年者は判断力が備わっていない者として、不利益を被らないように様々な形で保護されています。一方で、未成年者が起業したいと思った時に、民法や児童福祉法などがかえって足かせになっているケースも散見されます。

もしも色々な方法を説明した上で、それでも子どもが起業家の道を選ぶのであれば、法律面でも資金面でも親のバックアップは必要不可欠です。我が子が夢を実現できるように、家族みんなで「子ども起業家」を支えてあげましょう。

監修:三井 啓介 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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