• 作成日 : 2022年9月2日

個人事業主も銀行融資が受けられる?銀行以外の資金調達方法も解説!

個人事業主であっても銀行融資を受けられます。ビジネスローンやカードローンなどを利用して資金調達することも可能です。また、日本政策金融公庫をはじめとした銀行融資のほかにも助成金や補助金を申請する方法もあります。

今回は、個人事業主の資金調達について、返済方法や金利、税金への影響など、どの種類の調達手段を選択するのが一番メリットが大きいのか等について解説します。

また、個人事業主の方が融資を受ける際に必要となる「開業届」等の必要書類などについても併せて説明します。

個人事業主も銀行融資が受けられる?

金融機関が貸し付けの対象者とするのは法人ばかりではありません。個人事業者も同様に金融機関からの借入ができます。

金融機関は「事業」に対して貸し付けを行いますが、「事業」に法人、個人の隔たりはないからです。

銀行融資の種類・金利の目安

一言で銀行融資といっても、融資の種類は金融機関ごとに様々なものがあります。また、金利も融資の種類や借主の与信情報等に応じて変わってきます。

詳細な融資内容の違いはありますが、ここでは大まかな融資の種類について解説していきます。

1.銀行融資

手形借入や証書借入のように、金融機関の書類審査を受けて借入する一般的な融資です。資金の利用目的(運転資金、設備資金)や返済期間を申請して審査を受けますが、金利が低い分、より厳格な審査が行われるのが特徴です。

2.ビジネスローン

資金の利用目的を明確にするという点では銀行融資と似ていますが、こちらは融資スピードが重視されます。タイムリーな融資実行をするため、審査は銀行融資よりハードルが下がりますが、その分銀行融資より金利は高く設定されるのが一般的です。

3.カードローン

1や2がビジネス専用の融資であるのに対し、カードローンは利用目的を限定せずに融資を受けることができるものです。事業を行わない個人向けの融資ですが、個人事業者であっても与信さえ通ればもちろん融資を受けられます。

銀行融資を受けるメリット

事業を営むには当然、運転資金が必要です。個人事業を開業する前に十分な運転資金を用意できれば問題はありませんが、運転資金を確保できないまま開業するケースも見られます。
将来にわたる事業の収益性は確実なのに運転資金が用意できずに躊躇している、といった場合には銀行融資を受けて先に事業をスタートさせられます。

また、事業を営んでいく過程で、事業拡大のため、ある程度まとまった設備資金が必要になるケースも出てくるでしょう。そんな時も、設備資金が貯まるのを待つより、銀行融資を受けて事業拡大を進めたほうがビジネスチャンスを掴む可能性が高くなります。

個人事業主が銀行融資を申し込む際の必要書類は?

個人事業主の方が融資を受ける際に必ず必要となる書類をいくつか挙げてみましょう。

  1. 事業計画書
  2. 直前2年(あるいは3年)の確定申告書、決算書
  3. 資金繰り計画表
  4. 直近の経営状況がわかる資料(月次試算表など)
  5. 事業開始時の「開業届」

融資申し込み直近までを含めた、現在までの事業成績や、資金の利用目的や将来的な事業計画、それに伴う資金繰り計画までを審査します。また、事業が間違いなく行われているのかを確認するため、個人事業者については「開業届」の提出を求めるのも特色です。

個人事業主が銀行融資を申し込む際の注意点は?

個人事業主が銀行融資を申し込む際の注意点について解説します。

先にも述べた通り、金融機関は「事業」に対して融資を実行します。経営者本人の信用格付も大事ですが、まずは営む事業の事業計画や業種の将来性など、事業が将来に渡って継続的、安定的に収益をあげられるのかを審査します。

返済が滞りなく実行できることをアピールするためにも、将来を見越した確実な事業計画の作成が求められます。

また、個人事業主の融資で必要となるのが、税務署に提出した「開業届」です。

金融機関は、事業を間違いなく営んでいることを証明するための資料として「開業届」を確認します。個人事業を開業したものの「開業届」の提出を忘れていた、といったケースでは銀行融資やビジネスローンは利用できません。開業届を提出せず、確定申告で税金の納付もしていない個人事業主を、金融機関は事業者とはみなさないからです。

銀行融資のこともありますので、事業を始める際には忘れずに「開業届」を所轄の税務署に提出しましょう。

個人事業主の銀行融資以外の資金調達方法は?

次に、個人事業主が銀行以外で資金を調達する3つの方法をご紹介します。

日本政策金融公庫からの融資

事業者の方がよく利用する政府系金融機関の代表として、日本政策金融公庫があります。日本政策金融公庫の融資には「創業支援」や「新事業育成支援」「海外展開支援」など、実に様々な融資制度が用意されています。

これらの融資制度のなかで、個人事業主の方が受けられないものはありません。事業規模や融資目的、経営者の信用格付や事業を営んでいる期間等により、融資額や金利に差が出ることはあります。しかし、法人、個人を問わず、事業を営んでいれば融資対象となることができます。

信用保証協会からの融資

金融機関から借り入れをする際に「信用保証協会付き」になるケースがあります。信用保証協会の役割は、借主の返済が滞って貸付金が貸倒れる状況になった際、金融機関に対して貸付残高を借主にかわって弁済することです(その後、信用保証協会が借主から弁済を受けることになります)。

金融機関の借入に保証協会の保証が付くことを「保証付融資」と呼びますが、保証するための利息(保証料)を支払う分、融資を受けやすくなるメリットがあります。

助成金や補助金の活用

助成金や補助金として理解しやすいのは、新型コロナウイルス感染症に対する事業者支援を目的とした「持続化給付金」や「事業復活支援金」です。その他にも、国や地方公共団体が行っている事業者支援は継続的に数多く存在します。

例えば、中小企業庁が主導する「創業・ベンチャー支援」や「IT導入補助金」などは個人事業主であっても給付を受けることができます。また、従業員を雇っている個人事業主であれば、厚生労働省の「キャリアアップ助成金」「人材開発支援助成金」を受けることもできます。

ビジネスローン・カードローンの活用

銀行融資に比べて金利が高く設定されているのがビジネスローン、カードローンです。長期的に見た金利負担は銀行融資より大きくなりますが、審査の時間が短く、求められる書類も簡素化されています。資金調達を急ぐようなケースでは、銀行融資が間に合わない事態も想定されますので、これらのローンを活用するのも選択肢の一つです。

無理のない返済計画で銀行融資を申し込みましょう

個人事業主であっても、運転資金や設備資金は必要です。金融機関もそこは承知していますので、法人と同様の融資制度を用意しています。創業したばかりだから、事業規模が小さいから、と考えず、まずは金融機関に相談してみてはいかがでしょうか。

よくある質問

個人事業主も銀行融資を受けられますか?

法人と同様に銀行融資を受けられます。詳しくはこちらをご覧ください。

融資にはどのような種類がある? 

大きく分けて「銀行融資」「ビジネスローン」「カードローン」の3つがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

個人事業主が借入をする際に注意すべき点は?

事業を開始する際に「開業届」を所轄の税務署に忘れずに提出しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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