- 更新日 : 2023年1月16日
自宅開業のやり方とは?個人事業主必見!おすすめの業種とメリット注意点を解説
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、テレワークをする人が増えました。自宅で仕事をすることのメリットに気付き、在宅起業を考えるようになった人も多いのではないでしょうか?
本記事では、自宅開業のやり方について説明しますので、必要な手続きも含めて知っておきましょう。
自宅開業が可能な業種
まず、自宅開業できる仕事や自宅開業に向いている仕事をピックアップしてみます。
ネットショップ
インターネットを利用して商品を販売するネットショップなら、店舗が必要ありません。在庫を保管するスペースを確保できれば、自宅で開業できます。
ネイルサロン
ネイルサロンは施術する場所さえあればできるため、自宅での開業が可能です。ただし、実際にお客さんを取るためには、ネイル関係の資格やネイルサロンでの勤務実績が必要になるでしょう。
マッサージ・セラピー
リラクゼーション、アロマテラピー、トリートメントなどの施術は、自宅でも可能です。主に女性向けの施術を行う自宅サロン起業は、主婦にも人気となっています。
習い事の先生
ピアノや書道、生け花などの教室を自宅で開業することもできます。人に教えられるような特技や技術があれば、比較的簡単に開業できるでしょう。
コンサルティング業・代行業
各種のコンサルタントとして働く場合や、家事代行や掃除代行などをする場合には、顧客が指定する場所に出張して仕事をするケースが多いでしょう。自宅を事務所として、開業することが可能です。
その他
現在はWeb会議サービスなどのITツールを活用し、遠隔地にいる顧客に対してもビジネスが可能になっています。いろいろな業種で、自宅開業の選択肢があると言えるでしょう。
自宅開業のメリットとは?
ここまで見てきたとおり、自宅開業が可能な仕事はたくさんあります。では、自宅で開業するメリットとしては具体的にどんなことがあるでしょうか?
少ない資金で開業できる
開業のために店舗や事務所を借りるとなると、保証金や敷金の支払いが発生しますし、机や応接セットなどもそろえなければならないでしょう。自宅で開業すれば、開業にかかる費用を抑えられます。
通勤に時間をかけなくてすむ
どこかへ通勤しなければならないとなると、そのための時間が無駄になってしまいます。自宅にいるまま仕事をすれば、通勤に使うはずの時間を有効活用できます。
好きな時間に仕事ができる
自宅開業の場合、自分の都合でスケジュールを組みやすくなります。昼間に時間が取れなかった日は、夜に仕事をするといったことも可能になります。
家事・育児・介護との両立が可能
小さい子どもがいる主婦にとっては、子どもの世話をしながら自宅で仕事ができると安心でしょう。介護が必要な家族がいて、外に働きに行くのが難しい人などにとっても、自宅開業は魅力です。
家賃などの固定費を抑えられる
自宅開業の場合、店舗や事務所を借りた場合に必要となる家賃や光熱費がかかりません。毎月の固定費を削減できるので、その分利益が大きくなります。
自宅開業にデメリットはある?
自宅開業はメリットばかりではありません。デメリットや注意点についても知っておきましょう。
店舗は改装が必要になることがある
自宅開業の場合、サロンや教室ならそれほど問題ないかもしれません。しかし、飲食店などの店舗を始めるとなると、自宅を改装する必要がある場合もあります。
賃貸では開業できないことがある
自宅が賃貸住宅の場合、開業には基本的に家主の許可が必要です。賃貸借契約で事務所利用が不可となっている場合、勝手に開業すると契約違反になってしまうので注意しましょう。
仕事とプライベートの区別がつけにくい
好きな時間に仕事ができるのはメリットにもなりますが、仕事とプライベートの境目がなくなり、家族に迷惑がかかることもあります。自宅だと気持ちがゆるみ、だらだらと仕事をしてしまう可能性もないとは言い切れません。自宅開業には、自己管理能力が必要になります。
セキュリティ面に不安がある
システム管理がなされたオフィスなどと比較すると、自宅はどうしてもセキュリティ面に不安があります。顧客の重要な個人情報を扱う場合、その情報が漏洩してしまうと、大きなトラブルにつながります。
重要な書類は金庫に保管したり、パソコンのセキュリティを強化したりするなど、対策をとっておきましょう。
対外的な信用が得にくい
事務所を借りずに自宅で仕事をしている場合、企業などからは信用されにくいというデメリットがあります。これは、事務所を借りられるほどの収益がないと判断されてしまうからです。
業種や地域にもよりますが、名刺に記載する住所がビルである方が、信用度は高い傾向があるでしょう。
自宅開業するまでの流れ
メリットとデメリットを考慮した上で、「やはり自宅で開業したい!」と考える人は多いでしょう。以下、自宅開業の一般的な流れを説明します。
1. 事業計画を立てる
たとえ自宅開業でも、行き当たりばったりの起業では成功しません。開業を決めたら、事業計画を立てましょう。
事業計画では、コンセプトやターゲットを明確にします。資金が必要な場合にはどのようにして調達するかを考え、毎月の売上を予測し、利益がどれくらいになるかを計算しましょう。
2. 許認可の取得など
例えば、マッサージをするには「あん摩マッサージ指圧師」、まつげエクステの施術を行うには「美容師」の資格が必要です。サロン系起業の場合、施術の内容が無資格でも問題ないかどうか事前に確認しましょう。
その他にも、飲食店は保健所、リサイクルショップには警察の許可が必要になります。事前に手続きを行っておきましょう。
3. 備品等をそろえる
仕事をするためのパソコンやプリンター、専用の電話などを用意します。お客さんを呼ぶ場合には、専用のスペースを設けましょう。
4. 広告・ホームページ等を作成
集客のためのチラシを印刷したり、ホームページを制作したりします。
5. 税務署に開業届を提出
開業したら1カ月以内に税務署に開業届を出す必要があります。確定申告で青色申告をしたい場合には、青色申告承認申請書も提出しましょう。
6. 銀行口座の開設
プライベートのお金と事業資金が混同しないように、事業用口座は別に作っておきましょう。銀行によっては、開業届の控えを提出することで、屋号が入った口座を開設できます。
自宅開業の場合の確定申告の注意点
自宅開業で利益が出ると、税金を支払う義務も生じます。自宅開業するなら、確定申告のことも考えておきましょう。
開業後は毎年確定申告が必要
確定申告義務が生じるのは、原則として、事業所得から所得控除を差し引いた残額がある場合です。しかし、開業届を出した後は、所得にかかわらず、確定申告をした方がよいでしょう。
特に、青色申告の場合には、赤字を3年間は繰り越しできるので、赤字でも確定申告するメリットがあります。通常2月16日から3月15日の間に確定申告しなければなりませんので、手続きを忘れないようにしましょう。
帳簿付けをして領収書類は保存しておく
事業を始めたら、日々の取引について帳簿に記録しておく必要があります。白色申告の場合には単式簿記(簡易簿記)で、青色申告の場合には複式簿記で記帳を行わなければなりません。領収書を保存しておくことも忘れないようにしましょう。
家賃や光熱費も経費に含められる
自宅開業の場合には、家賃や光熱費も仕事のためにかかる経費と考えることができます。ただし、全額を経費に含めることはできず、仕事に使っている割合分のみ経費にできます。
確定申告の際には、プライベートのための部分と仕事に使っている部分の割合を決めて計算する「家事按分」という処理が必要になることを知っておきましょう。
家族が既に開業していても問題ない
他の家族が既に自宅で開業しているという場合、同じ住所で開業しても特に問題はありません。ただし、家賃や光熱費をそれぞれが二重に経費にするといったことはできませんので注意しましょう。
自宅のメリットをいかして開業しよう
起業するとなると、資金を用意したり店舗を探したりしなければならず、なかなか思うようにいかないこともあります。自宅開業なら起業のハードルは大きく下がりますので検討してみましょう。
もちろん、自宅開業の場合でも、計画的に進めることは大事です。必要な手続きも怠らないようにしましょう。
よくある質問
自宅開業のメリットとは?
少ない資金で開業できること、通勤に時間をかけなくてすむこと、好きな時間に仕事ができることなどがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
自宅開業にデメリットはある?
店舗は改装が必要になること、賃貸では開業できない場合があること、仕事とプライベートの区別がつけにくいことなどがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
自宅開業の場合の確定申告の注意点は?
開業後は毎年確定申告が必要であること、帳簿付けをして領収書類は保存しておくこと、家賃や光熱費も経費に含められることなどに注意しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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