• 作成日 : 2024年5月23日

キャンプ場・グランピング開業の事業計画書とは?テンプレートを基に解説

キャンプ場やグランピングを開業するなら、丁寧に事業計画書を作成することが必要です。事業計画書の作成は、計画的に開業を進めるためだけでなく、金融機関から融資を得るときや補助金・助成金に申請するときにも求められます。キャンプ場・グランピング開業の事業計画書のひな形と書き方を紹介します。ぜひテンプレートとしてご利用ください。

キャンプ場・グランピング開業に必要な事業計画書とは?

事業計画書とは、創業動機や事業の目的、資金計画、事業の見通しなどを記載した書類のことです。創業者自身が見るためだけでなく、対外的に見せるためにも必要とされています。

事業計画書を丁寧に作成しておくと、創業者自身が折に触れて見返すことで、創業時の目的を見失わずに計画的に事業を進めていけます。キャンプ場・グランピング施設の運営が始まると、膨大な業務に忙殺され、とりあえず目の前の仕事をこなすだけの日々が続くかもしれません。ときには事業計画書を見返し、創業時の思いや本来の目的を振り返るようにしてください。

また、融資を受けるときや補助金事業・助成金事業に申請するときに、事業計画書の提出を求められることがあります。創業資金だけでなく運転資金も必要になるため、何度か提出することも想定されるでしょう。スムーズに資金調達の手続きを済ませるためにも、事前に事業計画書を作成しておくことが必要です。

キャンプ場・グランピングの事業計画書のひな形、テンプレート

キャンプ場・グランピング開業の事業計画書とは?テンプレートを基に解説

キャンプ場・グランピング施設の事業計画書には、決まったフォームがあるわけではありません。創業動機や事業目的、事業の見通しなどの必要と思われる事柄を網羅して作成すれば、オリジナルの事業計画書が完成します。

どのように事業計画書を作成するか迷ったときは、ぜひ次のテンプレートをご利用ください。融資や補助金事業に申請する際に求められる情報も網羅しているため、対外的資料としてもご活用いただけます。

キャンプ場・グランピングの事業計画書の書き方・記入例

キャンプ場・グランピング施設の事業計画書には、次の内容を含めます。

  • 創業の動機・目的
  • 職歴・事業実績
  • 取扱商品・サービス
  • 取引先・取引関係
  • 従業員
  • 借入の状況
  • 必要な資金と調達方法
  • 事業の見通し

それぞれの書き方について解説します。

創業の動機・目的

まずは創業の動機と目的を記載します。創業の動機・目的が単なる「思いつき」であれば、事業計画そのものに説得力が生まれません。創業の動機・目的が、今までの経験や経歴に結びついたものであることをアピールしてください。

また、独自性や新規性があると、事業として成功する可能性が高まるため、さらによいと考えられます。一例を紹介します。

創業の動機・目的

小学生の頃からキャンプが好きで、月に一度は地域のアウトドアサークルに参加。また、大学生のときはボランティアとして、キャンプリーダーを務め、子どもたちにキャンプの楽しさやルールを教える活動に取り組んだ。

理想のキャンプを実現するため、山林を購入。一人でも仲間・家族とでも楽しめるキャンプ場を作りたい。

職歴・事業実績

職歴や事業実績はすべてを記載する必要はありません。しかし、事業と関連する場合は、忘れずに記載しましょう。また、事業と関連ある学歴・留学歴・研修歴なども記載すると説得力が高まります。

職歴・事業実績
年次内容
2015年5月NPO団体〇〇でキャンプリーダーを経験(大学4年間)
2019年4月キャンプ用品メーカー〇〇に就職
2024年7月退職予定

取扱商品・サービス

事業で取り扱う商品やサービスを紹介します。商品・サービスの魅力、その商品・サービスを取り扱う妥当性がわかるように記載してください。

取扱商品・サービス
商品・サービスの内容日帰りプラン(バーベキュー&川釣り)
手ぶらプラン(準備物なしで楽しめる)
セールスポイント・販売ターゲット・戦略大阪中心部から約2時間で行ける立地を活かし、「手軽さ」をアピールしたキャンプ場を開設。日帰りプランは、料金の手軽さが特徴。食材と食器、釣り竿だけで楽しめる。手ぶらプランは、食材も使い捨て食器もすべて提供するため、準備物なしでバーベキューができる。

取引先・取引関係

すでに取引先が決まっている場合は、具体的な名称で紹介します。資金の流れが明確になるだけでなく、事業の確実性が高まり、融資を受けるときにもアピール材料になることがあります。

取引先・取引関係
取引先名シェア回収・支払条件
販売先関西圏の20~40代、家族・グループ30%現金、電子マネー
関西圏・四国の20~60代、一人50%現金、電子マネー
関西圏・四国の学校やNPO団体20%現金
仕入先〇〇畜産株式会社(業務用卸)肉関連は100%現金
〇〇農業組合時期による現金

従業員

従業員が決まっている場合は紹介します。従業員が多すぎると人件費の負担が大きくなるため、融資を受ける際に不安視されることがあります。

従業員
常勤役員 1人従業員 5人うち家族従業者 0人

うちパート従業員 5人

借入の状況

借入があるときは、正直に記載しましょう。ただし、事業計画書作成時点と融資申し込みの時点では借入残高が変わるため、そのときの状況を正確に記載してください。

借入の状況
借入先名使途借入残高年間返済額
〇〇銀行△△支店土地・設備2,000万円200万円

必要な資金と調達方法

設備資金・運転資金として必要な金額を記載します。調達方法が決まっている場合は具体的に記してください。

必要な資金と調達方法
必要な資金見積先金額調達方法金額
設備資金本部設置500万円自己資金1,000万円
土地購入2,000万円銀行融資2,000万円
洗い場200万円
運転資金人件費250万円
仕入など50万円
合計3,000万円合計3,000万円

事業の見通し

どの程度で黒字化するかわかるように記載してください。

事業の見通し(月平均)
創業当初軌道に乗った後見通しの根拠
売上高(A)30万円100万円日帰りプラン(1人3,000円×100人)、手ぶらプラン(1人7,000円×100人)
仕入高(B)10万円20万円
経費人件費30万円(土日)30万円(土日)
家賃0円0円
支払利息5万円5万円
その他5万円5万円
合計(C)40万円40万円
利益(A-B-C)-20万円40万円

キャンプ場・グランピングの事業計画書の作成ポイント

事業計画書を作成するときに、押さえておきたいポイントを紹介します。いずれも融資審査に関わるポイントのため、チェックしておきましょう。

事業の必然性がわかるように記載する

事業は夢を実現するものでもありますが、今までの経験と合致していることが望ましいとされています。趣味や業務として関わってきた経験があるなら事業を熟知していると考えられるため、事業が成功する確率も高いと判断されることがあります。

根拠のある数字を記載する

数字はすべて根拠のあるものを記載してください。売上や仕入の予測がつかないときは、類似する事業の事業計画書を参考にしましょう。

想定より収益が上がらないときの対応も記載する

予定通りに収益が上がるとは限りません。たとえば、黒字化するまでの期間が長引くことも想定されます。収益が思わしくない場合にどのような対応(従業員を減らす、営業日を増やすなど)をするのかも記載しておきましょう。以下もご覧ください。

キャンプ場・グランピングのための資金調達の方法

キャンプ場やグランピング施設の資金調達方法としては、次のものが挙げられます。

  • 自己資金
  • 金融機関から融資を受ける
  • クラウドファンディング
  • 補助金・助成金に申請する
  • 知人や親戚から借りる

資金を借りる場合には、事前に返済計画を立てることが大切です。返済額が事業継続を圧迫しないように、無理のない計画を立ててください。

事業と資金の流れが見える事業計画書を作成しよう

事業計画書は、創業者自身のためだけでなく、資金調達のときにも必要な書類です。ひな形を使い、事業と資金の流れが見える事業計画書を丁寧に作成しましょう。

また、根拠のある数字を使うこと、想定以上に売上が上がらないときの対策について記載することも大切です。現状を客観的に分析し、説得力のある事業計画書を作ってください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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