- 作成日 : 2025年4月10日
個人事業主で廃業届を出さないとどうなる?書き方や手続きを解説
個人事業主の廃業届とは、事業を終了した際に税務署に提出する書類です。事業を廃止した日から1ヶ月以内に提出する必要があります。
この記事では、廃業届の書き方や提出期限、確定申告の必要性、個人事業主が廃業届を提出しない場合の問題についてもなどについて詳しく説明します。
目次
個人事業主の廃業届とは?
個人事業主の廃業届とは、個人事業を終了する際に税務署に提出する書類のことを指します。これは、個人事業主が事業を終了したことを税務署に正式に通知するための手続きで、事業の終了日から1ヶ月以内に提出する必要があります。
廃業届を提出しないと、税務署から督促状が届いたり、各種保険料の支払いが継続してしまったりと、様々な問題が生じる可能性があります。そのため、事業を廃止した際は、速やかに廃業届を提出することが重要です。
廃業届の提出先
廃業届は、事業主が所在地を管轄する税務署に提出します。
廃業届の提出はいつまで
廃業届の提出期限は、事業を廃止した日から1ヶ月以内とされています。ただし、事業を廃止した年の12月31日までに提出すれば、期限内に提出したとみなされます。
例えば、2023年6月15日に事業を廃止した場合、廃業届の提出期限は2023年7月15日となります。ただし、2023年12月31日までに提出すれば、期限内に提出したとみなされます。
個人事業主で廃業届を出さないとどうなる?
個人事業主は事業を廃止して原則1カ月以内に廃業届を出す必要がありますが、提出しないことついて罰則はありません。しかし、税務署は事業が継続していると判断するため、事業が存在しないにも関わらず、税金が課せられる可能性があります。
廃業届を出さないと、税務署は事業が継続していると判断します。そのため、事業が存在しないにも関わらず、所得税や消費税などの税金が課せられる可能性があります。また、このようなケースで確定申告をしないと、無申告としてペナルティが課せられるケースがあります。無申告加算税や重加算税、遅延税が課せられる可能性があるため注意しなければなりません。
個人事業主の廃業届の書き方
個人事業主が事業を廃業する際は、複数の書類を税務署や関連機関に提出する必要があります。ここでは、主な提出書類とその書き方について説明します。
個人事業の開業・廃業等届出書
「個人事業の開業・廃業等届出書」は、事業の開業や廃業を税務署に報告するための書類です。この書類には、事業の内容や廃業の日付などを記入します。
この書類には、事業の内容や廃業の日付などを記入します。具体的には、税務署長、納税地、住所地、居所地、事業所等の該当する項目にチェックを入れ、納税地の住所を記入します。また、提出者の氏名、フリガナ、生年月日、職業、個人番号を記入し、氏名の右横に認印の押印が必要です。
提出方法としては、持参または郵送での送付、パソコンからe-Taxにより提出します。
e-Taxにより提出される場合は、本人確認書類の提示または写しの添付は不要です。ただし、書面によりマイナンバー(個人番号)を記載した申請書等を提出する際は、その都度申請をする方の本人確認書類の提示または写しの添付が必要になります。
所得税の青色申告の取りやめ届出書
「所得税の青色申告の取りやめ届出書」は、青色申告を取りやめるための書類です。この書類には、取りやめる理由や日付を記入します。
この書類には、青色申告を取りやめる理由などを記入します。具体的には、書類の上段には「納税地」や「氏名」「職業」「屋号」などを記入し、下段には「青色申告の承認を受けていた期間」と「青色申告を取りやめる理由」を記入します。
所得税および復興特別所得税の予定納税額の減額申請書
「所得税および復興特別所得税の予定納税額の減額申請書」は、予定納税額が多いと感じた場合や、事業の状況が大きく変わった場合などに提出することで、予定納税額を減らすことができる書類です。
この書類には、予定納税額を減らす理由や具体的な金額などを記入します。具体的には、申告納税見積額の計算の基礎となる事実を記載した書類を提出することが求められています。
事業廃止届出書
事業廃止届出書は、事業を廃止したことを税務署に報告するための書類です。この書類には、廃業の日付や理由を記入します。提出期限は特に定められておらず、「事由が生じたら速やかに」となっています。
この書類には、事業廃止の年月日や個人情報などを記入します。具体的には、書類の上段には「納税地」や「氏名」「職業」などを記入し、下段には「事業廃止年月日」や「個人事業の廃業日」などを記入します。
給与支払事務所等の廃止届出書
給与支払事務所等の廃止届出書は、給与を支払う事務所を廃止するための書類です。この書類には、廃止の日付や理由を記入します。
個人事業主は廃業後にすぐ開業できる?
個人事業主が事業を廃止した後でも、新たな事業をすぐに開始することは可能です。ただし、新たな事業を開始する際には、再度、開業届を税務署に提出する必要があります。
開業届は、新たに事業を開始する際に税務署に提出する書類で、開業日から1ヶ月以内に提出することが求められています。この書類には、事業の内容や開業の日付などを記入します。
個人事業主が廃業したら確定申告は不要?
個人事業主が事業を廃止した場合でも、その年度の所得については確定申告を行う必要があります。これは、事業を通じて得た所得に対する税金を正確に計算し、納付するためです。
事業を廃止した後の年度については、所得がなければ確定申告の必要はありません。ただし、所得がある場合や、特定の控除を受ける場合などは、確定申告を行う必要があります。
また、事業を廃止した年度の確定申告には、廃業に伴う様々な手続きが必要となります。例えば、事業用の資産の処分に関する情報や、廃業による損失の情報などを正確に記入する必要があります。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
組合の法人登記は必要?メリットデメリット、手続きを解説
労働組合や協同組合などの組合組織は、法人化することで有利に働くことはあるのでしょうか。そもそも組合とはどのような組織なのか、法人化することでどのような変化があるかを理解しておくことが大切です。 本記事では、組合が法人化するメリットと手続きの…
詳しくみる弁護士が法人化すべきタイミングは?目安やメリット、デメリットを解説
弁護士は、法人化することが可能です。法人設立のタイミングによっては、節税にもつながります。 この記事では、弁護士が法人化を検討すべきタイミングの目安やメリット・デメリット、法人設立の流れや法律事務所(個人事業主)との違いについて解説します。…
詳しくみる法人化すると節税できる?メリットや税金が安くなる年収(所得)を解説
事業の規模が大きくなり、法人化を検討している個人事業主の方もいらっしゃるかもしれません。法人化すれば法人税を支払うことになりますが、これによって節税できる場合があります。 一般的に所得が800万円を超えるタイミングで法人化するといいと言われ…
詳しくみる飲食店が法人化すべきタイミングは?メリット・デメリットや必要な手続きを解説
飲食店の法人化とはそれまで個人事業主として経営していた飲食店を、株式会社や合同会社といった法人を設立して飲食店事業を展開することです。 一定以上の売上がある飲食店であれば、法人化することで節税対策になったり、社会的信用が向上したりなどの、メ…
詳しくみる個人事業主の会社設立マニュアル!法人化するタイミングは?どっちが得?
「個人事業主」とは、個人として継続的に事業を営む方を指します。これに対して「法人」は、個人とは別の法的な人格(法人格)を持つことで、会社として事業を運営する組織形態です。本記事では「個人事業主」と「法人」の違いや経費の捉え方、個人事業主のメ…
詳しくみるYouTuberが法人化すべきタイミングは?メリット・デメリットや必要な手続きを解説
YouTuberとして安定した収益を得ているクリエイターの中には、法人化して自分の会社を立ち上げる方もいらっしゃいます。出資者(オーナー)と経営者が同じという一人会社を設立するケースが多い傾向です。 本記事ではYouTuberの法人化につい…
詳しくみる