• 更新日 : 2022年12月16日

起業家ビザの取得でオランダへ移住できる?家族へのメリットも解説!

起業家ビザの取得でオランダへ移住できる?家族へのメリットも解説!

海外に長期滞在や移住する日本人は増加傾向にあります。新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響でここ数年、減少しているものの、長期的には増加傾向は変わりません。本記事では、2021年に増加に転じたオランダへの移住について、人気の秘密や、起業家ビザの取得条件、申請方法などについて詳しく解説していきます。

日本人にオランダでの起業がおすすめな理由は?

オランダの在留邦人(3か月以上の長期滞在者・永住者)は、外務省の海外在留邦人数調査統計2021年版によると国別では上位22位の1万670人です。

参考:外務省「海外在留邦人数調査統計」

2020年は前年度比マイナスでしたが、翌2021年にはプラス2.0%に転じました。オランダで起業する人も増えていますが、人気の理由はいくつもあります。

日本人の個人事業主は優遇措置がある

日本とオランダ間では1858年、日蘭友好通商条約が締結されています。

この条約は、双方の国の貿易、商業、海運を促進するため、最恵国待遇を原則とするもので、その後、1912年の改正および戦後の復活手続きを経て継続しています。

日本人に対して労働許可が不要とされていましたが、1912年の改正日蘭友好通商条約の根拠とされていたオランダ・スイス友好通商条約が2016年に無効となりました。これにより、日本との関係でも2017年1月1日からは労働許可が必要となっています。

しかし、後述の起業家ビザを取得した個人事業主であれば、労働許可は不要という扱いは変わっていません。日本人の場合、オランダ経済において革新的な製品やサービスを提供する起業家、自営業者で滞在許可を持っていることを証明する必要もありません。

個人事業主の場合、従来、事業を営むためにはpoint-based assessment(注:業務経験年数や年収、資産額等をポイント制で計算)による審査に合格する必要がありましたが、2017年1月1日からは不要となりました。

参考:在オランダ日本大使館「労働許可、居住許可、起業許可に関するお知らせ」

また、オランダに90日以上長期滞在する場合、仮滞在許可(MVV)の取得が必要とされていますが、日本人は取得が免除されています。

正式の滞在許可は必要ですが、日本人の場合、比較的少額の資本金があれば取得しやすく、許可後は事業に使うことができます。家族については、収入面の審査はなく、滞在許可も不要です。

生活水準が高く住みやすい

オランダの一人当たりのGDP(2021年IMF数値)は6万2,685ドルで、国別ランキングでは15位です。

一人当たり購買力平価GDPは、実質的な国民の豊かさを表す指標であり、日本は37位の4万4,671ドルとオランダの7割程度に過ぎません。

オランダは、かつては欧州債務危機の影響によって脆弱な経済成長率でしたが、その後、財政支出削減等により2014年から継続的にプラスで推移してきました。高い水準にあった失業率もコロナ禍前には3%台に減少しています。

オランダの人口は1,755万人、在留邦人数は1万460人と1万人を超えています(2021年:外務省統計)。日本との関係は、4世紀に及ぶ長い交流の歴史があり、経済関係も良好です。

また、オランダ西部の北ホラント州にあるアムステルフェーン周辺には日本企業が多いこともあり、日本人が多く住む街として知られています。日本料理店も多く、ヨーロッパの中では治安が良く、住みやすい街といえるでしょう。

さらに、日本と同様に春夏秋冬、四季があるのも特徴です。一方、日本では当たり前の地震や台風などの甚大な被害をもたらす災害はほとんどありません。

子どもの幸福度が高い国

オランダは、国際連合児童基金(ユニセフ)の「子どもの幸福度ランキング」でこれまで3回(2007年、2013年、2020年)1位を獲得しており、「世界一子どもが幸せな国」として知られています。

オランダでは、「イエナプラン」という子どもの自発的な学びへの関心や共同性を重視する教育が定着しています。子どもたちがアクティブであること、一緒に学習すること、異年齢のグループをつくること、生きる学びを行うことの4つが特徴です。時間割は自分で決められるほか、宿題と試験勉強がないなど、のびのびと育てられています。

家族で移住し、オランダで子どもを育てる場合、こうした環境は大きな安心材料となるでしょう。学校教育はオランダ語で行われますが、日常生活ではEU圏で最も英語が通じる国でもあります。

オランダの起業家ビザとは?

起業家ビザ(個人事業主ビザ)とは、個人事業主としてオランダに移住することを認めてもらう滞在許可証のことです。取得条件や登録申請方法、費用はどうなっているのでしょうか。

起業家ビザを取得する条件

オランダで起業家ビザを取得するには、次の5つの条件があります。

  1. 一般的な取得条件を満たしていること
  2. 有効なパスポートを所持していること、および公序良俗や国家安全保障に対する脅威ではないことが必要です

  3. 日本国籍があること
  4. オランダで事業を行うこと
  5. オランダの商工会議所で事業登録があること
  6. 最低4,500ユーロ (約65万円、2022年11月現在のレート:1ユーロ=約145円)の投資をすること

起業家ビザに年齢制限はありません。出資金については、在留許可が得られた場合、事業に用いることが可能です。

起業家ビザの登録申請方法・手順

起業家ビザの取得方法は、決して難易度の高いものではありません。次のような流れになります。

出国前の手続き

  • 戸籍謄本を市町村役場で取得し、外務省でアポスティーユ(認証)を付与してもらう
  • 銀行口座の英文の残高証明(4,500ユーロ以上)を作成する
  • パスポート、航空券などの準備をする

なお、オランダ入国後のビザ申請のために出国前に申請用紙をダウンロードし、可能な部分は記入しておきます。

参考:オランダ移民局(IND)「起業家ビザ」のサイト

参考:オランダ移民局(IND)「起業家ビザ申請書」

また、入国後、物件の賃貸借契約をする際、本人の収入証明を求められることがあります。スムーズに物件を見つけて契約するには、出国前に銀行の残高証明や確定申告書の写しなどを準備しておくとよいでしょう。

入国後の手続き

  • 日本大使館、オランダ外務省でビザ申請に必要な書類を準備する
  • 日本大使館でアポスティーユ付き戸籍謄本を翻訳してもらい、それをオランダ外務省で認証してもらいます。
  • オランダ移民局(IND)にオランダ外務省で認証された書類等を提出する
  • 住居を探して賃貸借契約を締結する
  • 市役所で住民登録して住民登録番号(BSN)を取得する
  • 商工会議所で個人事業主の登録をしてKVK番号取得する
  • 銀行でビジネス口座を開設して4,500ユーロ以上を入金する
  • 会計士に英文のバランスシートとビジネスプランを作成してもらう
  • オランダ移民局に追加書類(KVK番号、残高証明、バランスシート、ビジネスプランなど)を提出する

以上の手続きがなされれば、移民局からビザ発行予定の書類が届きます。滞在許可の期間は2年間ですが、銀行口座に4,500ユーロ以上が残っている場合、さらに5年間延長することができます。その上で所定の条件を満たしている場合、永住権を取得することも可能です。

なお、オランダの窓口での手続きは基本的にすべて予約制です。ただし、移民局については、現在は新型コロナウイルス感染症の影響もあるためか、郵送で行っています。

市役所、商工会議所についてはオンライン予約が一般的です。

起業家ビザを申請するために必要な費用

移住のためにはさまざまな費用がかかりますが、起業家ビザを取得するための費用としては、初期投資金4,500ユーロとビザ申請費1,446ユーロが主となります。合計では5,946ユーロ(2022年11月時点で約86万円)です。

この他、会計士への文書依頼料、商工会議所での個人事業主登録料などで400ユーロ程度が必要となります。

起業家ビザを取得すれば家族にもメリットが!

オランダでは、2020年から起業家ビザの保有者と一緒に居住する家族は、現地での就労ができるようになりました。現地企業でのアルバイトはもちろん、正社員として働くこともできます。

起業した配偶者の一方が起業家ビザを申請し、配偶者と子どもは家族ビザを申請することになります。その際、労働許可証は不要です。

オランダは、GDPが日本よりも高いだけあり、家賃などの物価も高額です。事業が軌道に乗るまで夫婦共働きができるのであれば、利用するメリットは大きいでしょう。

起業家ビザでオランダ移住も検討してみては?

日本人にとって比較的ハードルが低く、優遇措置もあるオランダでの起業家ビザでの移住について解説してきました。

もちろん、手続きとしてやるべきことは多々あります。しかし、思い切って国外での起業を考えているのであれば、オランダで羽ばたいてみてはいかがでしょうか。

よくある質問

日本人にオランダでの起業がおすすめな理由は?

生活水準が高く住みやすいこと、子どもの教育環境が素晴らしいことなどが挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。

オランダの起業家ビザを取得する条件は?

一般的な取得条件を満たしていること、日本国籍があること、最低4,500ユーロを投資することなど諸条件があります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事