• 作成日 : 2022年10月22日

運転資金とは?計算方法や種類、調達方法についてわかりやすく解説

運転資金とは?計算方法や種類、調達方法についてわかりやすく解説

事業を始める際、一番に考えなければならないのは運転資金についてです。事業のために絶対に必要な運転資金ですが、どのような種類の費用が運転資金と呼ばれるのでしょうか。

この記事では、運転資金とは何かを詳しくご紹介します。運転資金の種類だけでなく考え方や計算方法についても解説します。

これから事業を始めようと考えている方、また、改めて運転資金について詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。

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運転資金とは

運転資金とはどのようなものなのでしょうか。考え方や内訳、そして混同しがちな設備資金との違いについて確認していきましょう。

運転資金の考え方

運転資金とは、会社の運営上必要な費用をまかなうための資金のことです。例えば、次のようなものが運転資金とされています。

  • 材料費や仕入に関する費用
  • 事務所の賃貸費用・光熱費
  • 通信費 など

運転資金は、売上等によって変動する「変動費」と、売上等に左右されず、毎月同額の費用がかかる「固定費」とに分かれます。変動費と固定費のバランスを見ながら運転資金の使い方を考えるようにしてください。

また、売掛や買掛で取引をする場合も多くあるでしょう。その際は、毎月の運転資金に不足が出ないよう、入金・出金のタイミングを把握しておく必要があります。

運転資金の内訳

先ほどご紹介したように、運転資金には「変動費」と「固定費」があります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

変動費
売上によって変動する費用です。「材料費」「仕入費」などがこれに当たります。

例えば、商品が多く売れれば、さらに製造するために「材料費」や「仕入費」が多くかかるようになります。反対に、売れなくなればこれらの費用は少なくなります。売れ行きによってかかる費用が変動するため、変動費のカテゴリーに入るのです。

固定費
売上が変わっても変動しない費用です。例えば、「リース料」や「賃貸費用」は売上が全くない月でも決まった金額がかかります。

運転資金と設備資金の違い

運転資金と混同しがちな資金に「設備資金」というものがあります。設備資金とは、事業に必要な資産を購入するための資金のことです。設備資金は定期的にかかる費用ではないため、運転資金とは別にされています。

設備資金とされるものには以下の費用があります。

  • 機械の購入資金
  • 事業用車両の購入資金(※)
  • 工場の増改築資金
  • 事務所を賃貸する場合にかかる敷金、保証金など(賃料・礼金は運転資金)

※事業用車両は、配達・運送事業等で使うものであることが前提です。バスやタクシー、営業用のトラック、バン(4ナンバー)、キッチンカーがこれに当たります。プライベートと併用して使うという場合は認められません。設備資金として金融機関から融資を受ける場合は、見積書の提出が必要ですので注意してください。

また、「設備資金のため」として融資を受けたお金を運転資金へ流用すると、融資の取消処分の対象となる場合もあります。判明した場合、資金の即時返還を求められたり、今後融資を受けられなくなったりする可能性もありますので、絶対に行わないようにしましょう。

運転資金の種類

運転資金は4つの種類に分けられます。それぞれ確認してみましょう。

経常運転資金

通常「運転資金」といえば、経常運転資金のことを指します。急遽必要になったお金はこの中に含まれません。具体的には「仕入費」「人件費」「賃貸費用」「通信費」などです。

増加運転資金

事業を拡大する際にかかる資金を増加運転資金といいます。事業を拡大するにあたっては、例えば、売上の増加を見込んでこれまでよりも仕入れを増加させたり、人員を増員したりする必要が生じます。このように、事業にアクセルを踏む際にかかるお金が増加運転資金です。

なお、日本では「掛け」で取引をすることが多いため、増加運転資金が必要なときに手元に現金がない、というおそれもあります。掛けで取引をしている場合、運転資金が増える可能性も考え、入金・出金のタイミングをしっかり把握しておきましょう。

減少運転資金

事業縮小時にかかる資金のことです。事業を縮小するときには、例えば、店舗の閉鎖や資産の除却など、追加的なコストが発生します。このように、事業にブレーキをかける際にかかるお金が減少運転資金です。

なお、売上が下がって見込み通りのお金が入ってこなくなっても、事務所の賃貸費用や人件費などはかかりますので、資金管理には十分留意する必要があります。

季節運転資金

特定の季節にのみかかる運転資金です。具体的には以下のような場合となります。

  • 正月:正月商品の仕入れのための資金
  • クリスマス:クリスマス商品の仕入れのための費用。店舗内のクリスマスディスプレイにかかる費用
  • 夏・冬:事務所で使うエアコンの購入資金
  • ボーナス時:従業員に支払うボーナスのための資金
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運転資金の計算方法

運転資金の計算方法を押さえておきましょう。運転資金として必要な金額は次の式で算出されます。

売掛金棚卸資産(在庫)-買掛金=運転資金

上記は、主に掛けで取引をしている場合の例です。上でも触れましたが、掛けで取引をしていると、入金・出金のタイミングがずれることにより運転資金が足りなくなるおそれがあります。「いつ、いくらお金が入るか(出ていくか)」は必ず把握しておきましょう。

運転資金の調達方法

ここでは、運転資金の代表的な調達方法についてご紹介します。運転資金の調達についての詳細はこちらの記事をご覧ください。

日本政策金融公庫からの創業融資

事業を始めるための運転資金を借りたいという方もいるでしょう。銀行等の金融機関から借りるという方法もありますが、まだ実績がない事業者には審査が厳しく、希望通りの金額を借りられない可能性もあります。そのような場合は、日本政策金融公庫の「新創業融資」がおすすめです。

新創業融資は、開業から2期以内の事業者を対象に、最高3,000万円(うち運転資金は1,500万円)まで融資しています。なお、担保や保証人は不要です。

親族・知人からの借入

申込なしで運転資金を調達するのであれば、親族や知人からの借入も検討しましょう。ただし、お金を「借りる」ことになるため、借用書を作成し、取り決めた通りに返済することが重要です。

もし返済しない場合は「贈与」とみなされ、贈与税の課税対象とされる場合もあります。後々のトラブルを防止するためにも、必ず借用書を作成し、返済を怠らないようにしてください。

ビジネスローン

消費者金融等が行っている事業資金のための融資です。銀行ほど審査が厳しくないため、急ぎで運転資金が必要な場合には検討してもよいでしょう。

ただし、銀行や日本政策金融公庫の融資と比べると金利は高めです。返済が難しくなるおそれもありますので、どうしても必要という場合に留めておいた方がよさそうです。

補助金を利用する

国や自治体には、事業を始めたばかりの法人や個人事業主向けの補助金制度が用意されています。代表者の年齢や事業規模など、補助金を受けるための条件が付く場合もありますので、条件に合ったものを探しましょう。

なお、補助金を受けるためには、事業に関する計画書や報告書など、さまざまな書類の準備が必要です。

クラウドファンディング

インターネット等で賛同者を募り、事業の運転資金を調達する「クラウドファンディング」という方法もあります。金融機関の融資よりも手続きが簡単なのがメリットです。

ただ、クラウドファンディングを利用する場合は自社商品の送付など、出資者へのリターンが必要になります。また賛同者が集まらない場合、資金が予定通りに集まらないというリスクもありますので、気をつけて利用しましょう。

ベンチャーキャピタル

画期的なアイデアがあり、将来上場を目指しているという場合はベンチャーキャピタルからの投資も期待できます。ベンチャーキャピタルは投資家からお金を集め、未上場企業に投資し、上場時にキャピタルゲインを得るのを目的としています。

なお、ゴールは「上場」となるため、上場を考えていない法人や個人事業主にはあまり向かない方法です。

投資・出資してもらう

他の法人などから投資、出資してもらうという方法もあります。出資により協力関係を築けるため、技術協力等で双方にメリットをもたらす可能性もあります。

ただし、思ったほど業績が伸びない場合は、出資が中断されるおそれもあるため、注意が必要です。

運転資金の種類を知り、適切に調達しよう

運転資金は、事業を円滑に行うために必ず必要なものです。どの部分にどれくらいの資金が必要か見極め、調達方法を考えましょう。

上記でもご説明したように、調達方法には「融資」や「補助金」などがあります。事業計画書や報告書の提出を求められる場合もありますので、どのような書類が必要かしっかり確認したうえで利用してください。そして、融資を受けた場合には返済が必要です。後々のことも考えて、無理のない範囲での資金調達を心掛けましょう。

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よくある質問

運転資金の内訳とは?

変動費と固定費があります。詳しくはこちらをご覧ください。

運転資金はどうやって算出する?

「売掛金+棚卸資産(在庫)- 買掛金」で算出できます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岩波 竜太郎 (公認会計士 / 税理士 / 経営学修士)

公認会計士・税理士・経営学修士。大手監査法人、ベンチャー企業を経て、2015年に独立開業。大手監査法人での海外経験や管理本部長としての幅広い経験を武器に会計アドバイザリー業務を主たる業務として行うとともに、東証1部上場企業である株式会社OrchestraHoldingsの社外役員をはじめ、経営アドバイザーとして複数の企業に関与。Webメディア等の記事執筆・監修業務も積極的に行っている。

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