• 更新日 : 2023年11月30日

パーソナルジム経営の基礎知識!失敗しないためのポイントは?

パーソナルジム経営の基礎知識!失敗しないためのポイントは?

ダイエットブームや健康志向の高まりで、トレーナーがマンツーマンで指導してくれるパーソナルジムの需要も増えています。それに伴って、個人でパーソナルジムを開業される方も増えてきているのですが、事業として儲かるのでしょうか?

今回はパーソナルジムを経営するポイントについてご紹介します。

パーソナルジム経営は儲からない?

まず気になるのは果たしてパーソナルジム経営は儲かるのか、儲からないかということだと思います。パーソナルジム経営者の平均年収や利益率について見ていきましょう。

パーソナルジム経営者の平均年収はどれくらい?

パーソナルジム経営の平均年収に関するデータはありませんが、おおむね年収500万円程度の方が多いようで、成功している方では1,000万円以上を稼いでいるようです。

料金が月額10万円、会員が10人いると仮定すると、月の売り上げは100万円となります。パーソナルジムは客単価が高く、毎月コンスタントに収入が入ってくるビジネスです。もちろん、売り上げから家賃や人件費などの経費を差し引いたものが年収となるため、売り上げ=年収となるわけではないのですが、会員を獲得できれば安定的な収入が得られる可能性は十分にあるといえます。

パーソナルジム経営の利益率は?

パーソナルジムの経営にかかる経費としては家賃、水道代、光熱費、通信費、広告費、人件費(トレーナーやスタッフを雇う場合)が挙げられます。例えば、家賃15万円の賃貸マンションの一室を使って1人で開業した場合、毎月25万円ほどが経費としてかかります。仮に月間の売り上げが100万円とすると、利益率は75%です。

年収は900万円です。もちろん一概にはいえませんが、パーソナルジムは大規模な物件や設備が不要。仕入れも必要ないので利益率が高く、比較的儲かりやすいビジネスモデルといえます。

パーソナルジム経営の売上高・利用者数の現状

経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると、2023年5月現在、日本国内にはフィットネスクラブが1501軒あり、約3万3千人のトレーナーが活躍。売上高は234億33百万円となっています。2022年5月は売上高が219億8百万円だったので、市場規模はおおよそ7%程度拡大しています。

今は特にしっかりと指導をしてくれて高いダイエット効果が期待できるパーソナルジムの需要が高まっているため、今後も市場が伸びていく余地は十分にあると考えられます。

パーソナルジムの開業資金はどれくらい?

パーソナルジムを開業するためには主に「物件取得費」「内装費」「設備費」という3つの初期費用が必要で、トータルで300万円程度は想定しておかれることをおすすめします。それぞれ詳しく見ていきましょう。

物件取得費

まず挙げられるのが物件を取得するための費用です。前述のとおり、パーソナルジムは賃貸マンションの一室を使って開業することができます。物件取得費の主な内訳は敷金・礼金で、家賃の半年分が目安です。例えば、家賃15万円の物件の場合は90万円程度がかかります。

物件取得費用を抑えられれば開業費用も安くはなりますが、立地が悪いと会員が集まりにくくなってしまうので、予算面と集客面の両方を考慮して選ぶことが大切です。

内装費

物件を取得したら内装工事を行います。具体的には壁紙や床材の張り替え、電気や空調、換気、水まわりの設備費用などです。内装費は幅があり、壁紙や床材の張り替えなど軽微なものであれば20~30万円、トイレのリフォームは10~30万、浴室のリフォームは50~150万円ほどです。マンションの一室の内装をまるごと変更するとなると400~1,000万円ほどかかります。

賃貸マンションの場合は内装がそのまま使えるケースも多いでしょう。本当に変えなければならない部分や老朽化が目立つ設備だけ交換することで、内装費を抑えることができます。

設備費

パーソナルジムの場合は本格的なトレーニングマシーンを何台も置く必要はありません。特に個人経営レベルであれば15~50万円程度の家庭用のトレーニングマシーンを数台置いておけば事足ります。リースやレンタルを使えば初期費用を抑えることも可能です。

中古品を購入することでも費用を抑えることはできますが、あまりにも古いものであると安全性が低かったり、故障してセッションが提供できなくなってしまったり、不衛生な印象を与えてしまったりといったデメリットもありますので、極力新品のものを選ばれることをおすすめします。

パーソナルジムの経営で失敗しないためのポイント

市場規模が拡大しているパーソナルジムの経営は儲かる可能性が十分にありますが、それだけにライバルも数多く進出しています。なんとなく開業しただけではなかなか成功するのは難しいでしょう。ここからはパーソナルジム経営に失敗しないためのポイントをご紹介します。

大手企業との差別化を図る

パーソナルジムは大手企業もフランチャイズ展開をしている市場です。個人事業主や個人企業では、知名度の面でも資本力の面でも、大手にはかなわないでしょう。

例えば、競合が取り入れていない独自のメソッドを開発して訴求する、大手が進出していない地域で開業する、あるいは料金設定を低くするなどが挙げられます。まずは大手企業も含めてライバルを徹底的に調査し、独自の強みを作り出しましょう。

補助金・助成金が使えるかを確認する

個人が起業をする際には国や地方自治体の補助金を使うことができますので、積極的に活用しましょう。

例えば、中小企業庁では「地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)」という制度を用意しています。中小機構や都道府県、金融機関などが資金を出し合って基金を造成し、その運用益によって中小企業を支援する制度です。また、商工会議所の「小規模事業者持続化補助金」では、小規模事業者が販路開拓を行う場合、最大200万円の補助を受けることができます。

他にも東京都であれば「創業助成事業」「商店街起業・承継支援事業」など、大阪府であれば「大阪起業家グローイングアップ補助金」、愛知県であれば「あいちスタートアップ創業支援事業費補助金(起業支援金)」など、都道府県によって助成金・補助金制度があり、さらには東京都江東区の「創業支援事務所等賃料補助金」、愛知県名古屋市の「令和5年度名古屋市スタートアップ企業支援補助金」というように、市区町村にも独自の補助・助成制度があります。

※上記の補助金・助成金制度は2023年8月現在のものです。

集客方法を綿密に練る

パーソナルジムの収益源は会員からの会費であるため、会員が集まらないことには収入が得られません。特に開業間もない場合は知名度が低いため、まずは宣伝をしてジムの存在を知ってもらう必要があります。

チラシを作成して配布やポスティングをする、飲食店などに置いてもらう、新聞の折り込み広告を活用する、ポスターを掲示する、雑誌広告を掲載する、看板を設置するなどさまざまな方法があります。また、今はネットで情報収集をする時代です。ホームページを開設する、SNSで情報発信をする、動画サイトに投稿するなどのインターネットを活用した集客も有効です。

地域やターゲットによって集客方法も工夫しましょう。スマホやパソコンを当たり前に使える若い世代をターゲットにするのであれば、ホームページは必須といえます。逆に比較的年代が高い人が多い地域であれば、チラシや新聞の折り込み広告の方が効果を得られるかもしれません。

集客は戦略を立てるのが難しいといえます。チラシを作るにせよ、ホームページを開設するにせよ、デザインや原稿を工夫しなければなりません。場合によっては広告代理店やWEB制作会社などの専門家の力を借りるのも手です。

出店予定エリアの商圏分析をしっかりと行う

パーソナルジムのような店舗ビジネスは出店場所が肝となります。見込み客がいない地域、会員が通いにくい地域に開業しても、なかなか集客は見込めません。物件を選ぶ際には商圏分析をしっかりと行いましょう。

例えば、オフィス街の近くであれば、経営者や会社員が仕事帰りに通ってくれる可能性があるため、駅の近くや通勤経路上にパーソナルジムを構えて夜間の営業をメインにすることで、通いやすくなります。主婦・主夫の方がターゲットであれば、買い物や子どもの送り迎えの際に寄れるよう、スーパーや幼稚園・保育園、学校の近くで開業するのがいいかもしれません。地域に高齢者が多いのであれば、高齢者向けの訴求をしてバリアフリー型の内装にすることで、安心感を与えられます。

その地域にどんな人がいて、その人たちがどのようなライフスタイルで暮らしているかをチェックしてみましょう。

スモールスタートで始める

儲けるなら大きい立派なジムを作って、トレーナーやスタッフも雇った方がいいと思われるかもしれません。しかし、最初からお金をかけて大規模なパーソナルジムを開業したとしても、会員が集まるとは限りません。売り上げが立たない場合、赤字になってすぐに廃業してしまう事態もあり得ます。

まずは小規模でスタートしましょう。マンションの一室や自宅の一部を使って開業し、ご自分がトレーナーとしてセッションを行えば、経費も少なくて済みます。会員数が増えてきたら人を雇う、広い物件を借り直すなど、徐々に規模を拡大させていくことが、パーソナルジム経営を長続きさせるコツです。

フランチャイズも検討してみる

会員が増えて売り上げがしっかり立つようになってきたり、ジムが手狭になってきたりした場合は、多店舗展開も視野に入ってきます。しかし、すべてのジムを直営店として運営し、経営者が1人で面倒を見るのは大変です。

そこで、多店舗展開する場合はフランチャイズも検討してみましょう。フランチャイズとは商標や商材、経営ノウハウなどをフランチャイジー(加盟店)が利用することができる代わりに、ロイヤリティーをフランチャイザー(本部)に支払う契約のことを指します。

フランチャイズ契約を締結することでフランチャイジーに店舗運営を任せることができ、ロイヤリティー収入が得られるようになります。

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パーソナルジムを開業する際には綿密な準備を

パーソナルジムは客単価が高く利益率も良いため、儲かりやすいビジネスといえます。人々の健康意識も高まっているため、今後も需要は伸びていくでしょう。

しかし、それだけに大手、中小、個人問わず競合がひしめく業界でもあり、失敗するリスクもあります。ぜひ今回ご紹介したポイントを意識して、綿密に開業準備を進めましょう。


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