• 更新日 : 2022年8月10日

起業・会社設立時の融資に「新創業融資制度」がおすすめな理由とは?

おすすめな理由とは?

自己資金なしでいざ起業をしようとしたときに起業家が直面する問題は、「資金調達をどのようにするべきか」ということです。

資金調達は、銀行などの民間金融機関を頼るのが一般的です。しかし、新規創業の場合は、まだ会社としての実体がないことから、民間企業である銀行に融資を承認してもらうことがなかなかできません。

このような、新規創業の起業家であれば、民間金融機関ではなく、公的金融機関から融資を受けることをおすすめします。今回は、起業家向けの、公的金融機関の融資制度である「新創業融資制度」や、融資を受ける際の注意点などを紹介します。

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起業・会社設立時に使える日本政策金融公庫の融資制度は?

日本国内には、公的金融機関はいくつか存在していますが、中小企業や新規起業家に対しての手厚い融資制度を有しているのは「日本政策金融公庫」です。日本政策金融公庫は、主に起業や独立を目標とする起業家を手助けすべく、財務省所管の特殊法人として2008年10月1日に設立されました。

その日本政策金融公庫の融資制度の中でも創業者向けの融資としては、大きく分けて新規開業資金と女性、若者/シニア起業家支援資金との2つが存在しています。

融資制度ご利用いただける方融資限度額融資期間(うち据置期間)
新規開業資金新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方7,200万円
(うち運転資金4,800万円)
設備資金:20年以内(2年以内)
運転資金: 7年以内
(2年以内)
女性、若者/シニア起業家支援資金女性または35歳未満か55歳以上の方で、
新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方
7,200万円
(うち運転資金4,800万円)
設備資金:20年以内(2年以内)
運転資金: 7年以内(2年以内)

参照:新企業育成貸付|日本政策金融公庫

こちらの表のように、それぞれに違った条件があるものの、どちらも会社を興したい起業家や、起業して間もない起業家を対象とした融資制度となっています。それでは、それぞれの融資制度について簡単にご紹介したいと思います。

新規開業資金

新規開業資金は、新たに事業を始めようという方や事業開始後7年以内の方を対象としている融資制度です。融資限度額は7,200万円となっており、そのうち4,800万円は運転資金として利用でき、残りの2,400万円は設備資金としての融資となり、運転資金への流用は認められません。

返済期間は、運転資金が7年以内、設備資金が20年以内です。なお、据置期間として設備資金の元本の返済を2年、運転資金の元本の返済を2年まで延長することが可能です。

また、融資を受けるためには、原則として担保や第三者による保証人の設定が求められます。

女性、若者/シニア起業家支援資金

女性、若者/シニア起業家支援資金は、女性の方、または30歳未満か55歳以上で新たに事業を始めようという方や事業開始後7年以内の方を対象としている融資制度です。

融資内容については、新規開業資金と同じですが、性別や年齢制限さえクリアすれば融資を受けることが出来るので、自由な起業をしやすい制度です。設備資金及び運転資金とも、返済期間と据置期間は新規開業資金の場合と同じです。

また、融資を受けるためには、原則担保や第三者による保証人の設定が必要となることも新規開業資金の場合と同じです。

これらの融資制度は、民間金融機関に比べると利用しやすい制度です。一見敷居が高いように思えますが、起業前や起業間もない会社であっても、融資を受けやすい制度となっています。しかし、それでも担保や第三者による保証人の設定はネックとなります。そこでより確実に融資を受けるためにおすすめしたいのが、新創業融資制度という特例措置の適用です。

新創業融資制度とは?

新創業融資制度とはいったいどのような融資制度なのでしょうか?

新創業融資制度とは、2014年3月1日に「新創業融資制度の改正」により新たに制定された制度です。事業開始から2期未満の方(税務申告2期未満)を対象とした、担保および保証人が不要となる制度です。

新創業融資制度の要件など、詳細は以下の記事をご覧ください。

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新創業融資制度のメリット・デメリット

新創業融資制度には、次のようなメリット・デメリットがあります。

新創業融資制度のメリット

  • 無担保・無保証・連帯保証人が不要
  • 融資実行までが早い

最大のメリットは、新規起業家が融資を受ける上で最大の難関である、担保や第三者による保証人が要らない点にあります。さらに、法人に融資するということで起業家本人の個人保証も必要ないため、起業家に有利な条件で資金調達を行えます。

また、申請から融資実行までのスピードが速いのも大きなメリットです。新創業融資制度や女性、若者/シニア起業家支援資金は、融資審査に通常2~3ヶ月ほどかかります。しかし、新創業融資制度を適用すると1ヶ月半ほどで融資が実行されるため、非常にスピーディに資金調達することが可能です。

新創業融資制度のデメリット

  • 通常融資に比べて年間金利が上がる
  • 融資の上限が3,000万円(内、運転資金1,500万円)になる

デメリットに挙げられることとしては、無担保・無保証人の新創業融資制度は、日本政策金融公庫のほかの融資制度と比べると金利が上がってしまうことです。また、融資限度額も3,000万円、うち運転資金も1,500万円に限度額が下がります。

さらに、新創業融資制度を利用するには、新規開業資金や女性、若者/シニア起業家支援資金の適用要件に加え、原則、創業資金総額の10分の1以上の自己資金の用意が必要となりますのでご注意ください。

起業・会社設立時に融資を受けるときの注意点は?

業種によっては、起業時に多額の資金を要します。このような業種の起業では、どのくらい融資を受けられるかが重要になるでしょう。しかし、融資はあくまで借入金のため、返済が必要です。起業後のことも考えた資金計画についても検討しておく必要があります。ここでは、起業や会社設立時に融資を受けるときの3つの注意点を取り上げます。

審査に通過しないと融資は受けられない

日本政策金融公庫の「新創業融資制度」をはじめ、自治体の創業支援、金融機関、いずれも融資にあたって審査が行われます。そして、審査に通過しないことには融資は受けられません。

具体的な審査内容や基準を知ることは難しいですが、募集要項などから審査内容を推測できるでしょう。また、日本政策金融公庫の創業支援事業では、自己資金だけでなく、創業計画がしっかりしているかも重要な要素であると公式サイトに記載されていますので、しっかりと計画を練り込んでおくことが審査通過に役立ちます。

無事に融資を受けられるようにするためにも、募集要項や公式サイトなどの情報はしっかり確認しておきましょう。日本政策金融公庫は、創業支援として公式サイトでの創業計画書の作り方や手引きを紹介しているほか、専門家への相談事業も行っています。このような支援はうまく活用することをおすすめします。

希望する額の融資を受けられないこともある

融資申し込みの際に融資希望額の記入が求められますが、必ずしも希望額満額で審査が下りるわけではありません。融資する機関の審査状況によっては、希望額を下回る融資になることがあります。融資の申し込みをしても希望額の融資が受けられない可能性があることも頭に入れておきましょう。

希望の融資額が通らないことも想定して、起業に充てられる自己資金を準備しておくことは大切です。起業時の融資は、あくまでも起業をサポートしてくれるものだと考えて、融資にばかり頼りすぎないようにしましょう。

返済によって思うように事業を展開できないことがある

融資は、利息とともに返済が必要な借入金です。起業後には融資を受けた機関の返済計画に従って、返済していかなくてはなりません。

起業したばかりの頃は、事業を軌道に乗せるために何かと出費がかさんでしまいます。返済期間や返済額によっては経営が圧迫され、思うように事業を展開できないこともあるでしょう。起業時にいくら融資を受けられるかだけでなく、月々無理なく返済できる計画も事前に検討しておく必要があります。

日本政策金融公庫の公式サイトには、返済額がわかる「事業資金用 返済シミュレーション」が設置されています。こうしたツールを活用し、経営を圧迫しない返済計画を立ててみましょう。

参照:事業資金用 返済シミュレーション|日本政策金融公庫

助成金・補助金を活用した資金調達方法も!

起業にまつわる資金調達は、多くの経営者が抱える大きな課題です。日本政策金融公庫などをはじめとした融資制度のほかにも、行政による助成金や補助金といった支援もありますので、検討してみましょう。

助成金も補助金も、国や自治体の政策目標に合わせ、事業者をサポートするための制度です。融資とは異なり、特定の取り組みにかかった経費の一部を国や自治体が給付という形で支給する制度であるため、多くの場合は返済が不要です。

補助金は公募型であり、受給できる事業者に制限が設けられているケースが少なくありません。そのため、補助を受けること自体は困難ですが、助成金には一定の条件を満たした全ての事業者が受給できるものもあります。国による雇用関係の助成金のように、比較的条件が明瞭で受けやすい助成金もありますので、自分の事業が助成の対象に該当していないか確認してみましょう。

起業時にチェックしておきたい補助金や助成金は以下の記事でも取り上げていますので、こちらも参照ください。


自己資金なしの場合は融資制度の活用を検討しましょう

今回は、起業時の融資制度でおすすめの日本政策金融公庫の融資制度や新創業融資制度などの特例制度、融資を受けるときの注意点、融資以外の資金確保について紹介しました。

起業に関しては、日本政策金融公庫の創業支援をはじめ、さまざまな支援が行われています。起業間もない頃の資金的な負担を軽減し、事業を円滑にするためにも、融資制度を始め、助成金や補助金の活用なども検討してみましょう。

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よくある質問

起業・会社設立時に使える日本政策金融公庫の融資制度は?

新規開業資金・女性、若者/シニア起業家支援資金は会社を興したい起業家や、起業して間もない起業家を対象とした融資制度です。詳しくはこちらをご覧ください。

新創業融資制度とは?

事業開始から2期未満の方(税務申告2期未満)を対象とした、担保および保証人が不要となる制度です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:萱谷 有香(税理士)

叶税理士法人 東京事務所代表。不動産投資に特化した税理士事務所で働きながら収益物件について税務と投資面で多くの知識を得られたことを活かし、自らも不動産投資を手掛ける。
大手管理会社、ハウスメーカーや賃貸フェアなどで講演実績があり、記事執筆も行う。
不動産投資の規模を拡大していくために、なくてはならない金融機関からの融資についても積極的に紹介やアドバイスを行う。
金融機関から融資を引きやすい、または金利交渉しやすい決算書の作成を得意とする。
物件購入前、物件保有中、物件売却時、相続時、どの時点で相談を受けても必ず投資家にプラスになるアドバイスを心掛けている。
著書に『減価償却節税バイブル』(技術評論社)がある。

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