- 更新日 : 2024年9月3日
開業届を出してないけどインボイス制度は大丈夫?関係性を分かりやすく解説
消費税のインボイス制度は、法人だけでなく個人事業主にも影響を与えます。取引先との関係などから、インボイス制度に登録するかどうか悩んでいる個人事業主も多いでしょう。
インボイス制度に加入する際に注意したいのが、開業届との関係です。ここでは「開業届を出していないとインボイス制度に登録できないのか」など、インボイス制度と開業届の関係性について解説します。
目次
インボイス制度と開業届の関係性
はじめに、開業届とインボイス制度がそれぞれどのようなものか見ていきましょう。
そもそも開業届とは?
開業届とは、個人が事業を開始したことを税務署に伝えるために作成する書類で、開業後1か月以内に提出します。
法人では設立する際に、法務局で設立登記を行います。そのため、いつ設立したのかが明確になります。一方で個人の場合は、開業の際に登記をすることはありません。そこで、開業届を提出することでいつ開業し、いつから確定申告が必要かなどを税務署に知らせることができます。
インボイス制度とは?
インボイス制度とは、売り手が買い手に対し、販売商品などにかかる消費税の税率や消費税額などを正確に伝えるための制度です。
インボイス制度に登録すると、適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)の名前や登録番号、消費税率(金額)などの一定事項を記載した書類(インボイス)の発行が可能になります。適格請求書とは、インボイスの正式名称です。
商品やサービスなどを提供する事業者(売り手)は、提供を受ける側(買い手)からインボイス制度への登録を求められることが多いです。なぜなら、買い手が消費税を納める事業者である場合、売り手がインボイス制度に登録しているか否かで、国に納める消費税額が変わるからです。
事業者が国に納める消費税額は、簡単にいうと「売上に係る消費税額-仕入や経費に係る消費税額(仕入税額控除)」で計算します。買い手が仕入税額控除を適用するには、売り手からインボイス(適格請求書)の発行を受ける必要があります。つまり、インボイスがないと納める消費税額が多くなるのです。そのため、売り手にインボイス制度への登録を求める買い手が多いのです。
個人事業主であっても、インボイスの発行を求める取引先が多い場合は、インボイス制度に登録する必要があります。
注意しなければならないのは、インボイス制度に登録した事業者は、強制的に消費税の課税事業者になることです。開業したばかりの個人事業主は消費税の免税事業者であることが多いため、取引先との関係や納める消費税額などの状況をよく考えてインボイス制度に登録するかどうかを決めましょう。
開業届を提出していなくてもインボイス制度に登録できる?
次に、開業届とインボイス制度の関係について見ていきましょう。
インボイス発行事業者が開業届を提出すべきタイミングは?
開業届は原則、開業後1か月以内に税務署に提出します。一方、インボイス制度に登録するには、適格請求書発行事業者の登録申請書を税務署に提出する必要があります。インボイス制度の登録に必ずしも開業届の提出は必要ありませんが、通常、適格請求書発行事業者の登録申請書の提出時点では、開業届を提出しておきます。
インボイス発行事業者が開業届を出すべきタイミングは、以下のとおりです。
【開業直後】
- インボイス制度への登録が未定の場合:開業届の期限が開業後1か月以内なので、先に開業届を提出する
- インボイス制度への登録をすでに決定している場合:インボイス制度への登録と開業届提出を同時に行う
【開業後数年経過】
- 開業届を出していない場合、速やかに提出する
インボイス発行事業者の開業届の書き方は?
ここからは、インボイス発行事業者の開業届の書き方について見ていきます。
職業欄の書き方
開業届の職業欄は、個人事業の業種を記載します。特に書き方が決まっているわけではないので、分かりやすく記載すれば問題ありません。例えば、中古自動車小売業やラーメン店経営、著述家業(ライター)など、第三者が見て職業が理解できるように記載しましょう。
屋号の書き方
屋号とは、お店の名前やペンネームなどのことを指します。お店を経営している場合はお店の名前を、ライターや芸能人などペンネームや芸名があればその名前を記載します。屋号がない場合は、記載の必要はありません。
開業届をネットで簡単に作成する方法
マネーフォワード クラウド開業届(サービス利用料0円)の場合、ソフトのインストールなどは一切必要なく、オンライン上でいくつかの質問に答えるだけで簡単に開業届の作成・提出ができます。
\電子申告でラクに開業届を提出/
e-Taxソフトで開業届を作成する際は、e-Taxソフトのインストールなどが必要です。
ソフトのインストールが不要でオンライン上で利用できる、マネーフォワード クラウド開業届のような開業届作成サービスは、デザインや使いやすさが初心者向けに設計されているのが特徴です。
開業届はスマホで電子申請・提出がラク!
開業届を提出するには、スマホで電子申告(e-Tax)・インターネット(e-Tax)・郵送・税務署の窓口に持参の4つの方法があります。
完全無料で使える「マネーフォワード クラウド開業届」で、フォームに沿って必要な情報を入力したのち、スマホから電子申告(e-Tax)が簡単にできます。
インターネットで完結するので、個人事業主やフリーランスの方など、非常に多くの方にご利用いただいております。
\スマホで簡単に開業届を提出/
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
ドーナツ屋の開業と経営のコツは?必要な資格や設備も解説
ドーナツ屋は、狭い坪数で特別な修行がなくても開業が可能なため、個人事業として開業するには比較的ハードルが低いといわれています。そのため「ドーナツ屋を開業したい」と考える方もいるのではないでしょうか。この記事では、ドーナツ屋の開業と経営のコツ…
詳しくみる川崎市の開業届の提出方法(ネット・郵送)税務署一覧まとめ!
川崎市で開業届を提出する際は、ご自身がお住まいの地域を管轄する川崎市内の税務署に提出する必要があります。 開業届は、事業所得や、不動産所得・山林所得が発生するような事業を開始をした方が、川崎市の税務署に提出しなければならない書類です。 青色…
詳しくみるカレー屋の開業方法 必要な資金や許可、資格も解説!
国民食となって久しいカレーですが、おうちカレーはもちろん、外食でも人気があります。都内では、老舗がひしめく神田以外にも新しいカレー激戦区が生まれています。そこでこの記事では、カレー屋を開業したい方に向けて、カレー屋の開業で必要な資金、許可、…
詳しくみるさいたま市の開業届の提出方法(ネット・郵送)税務署一覧まとめ!
さいたま市で開業届を提出する際は、ご自身がお住まいの地域を管轄するさいたま市内の税務署に提出する必要があります。 開業届は、事業所得や、不動産所得・山林所得が発生するような事業を開始をした方が、さいたま市の税務署に提出しなければならない書類…
詳しくみる板橋区の開業届の提出方法(ネット・郵送)税務署まとめ!
板橋区で開業届を提出する際は、板橋区の管轄税務署に提出する必要があります。 開業届は、事業所得や、不動産所得・山林所得が発生するような事業を開始をした方が、板橋区の管轄税務署に提出しなければならない書類です。 青色申告を開始する場合は、原則…
詳しくみるテイクアウトカフェを開業するメリットは?開業までの流れも解説!
「いつかカフェを経営してみたい」という夢を持っている方は多いのではないでしょうか。店舗の用意から始めないといけないためハードルを高く感じているかもしれませんが、テイクアウト専門店であれば個人事業としても比較的始めやすいといえます。具体的に、…
詳しくみる