• 作成日 : 2024年6月12日

イタリアン料理店の事業計画書の書き方とは?ひな形を基に成功のコツを解説

ピザやパスタなどを提供するイタリア料理は日本でも大人気。イタリアンレストランを開店したいと思うもいらっしゃるかと思います。

この記事ではイタリア料理店の開業を考えている方のために、事業計画書の書き方や計画を立てる際のポイントについてご紹介します。

イタリア料理店の事業計画書とは?

日本の外食市場は非常に大きく、30兆円規模の巨大産業となっています。新型コロナ禍の影響で2020年度は26兆円に落ち込んだものの、感染が収束に向かい始めてからは盛り返しを見せてきており、22年度は28兆円にまで回復しました。今後も反動需要やインバウンドの増加にともない、成長は十分に期待できます。

事業の見通しを立てる

イタリア料理は中華料理やフランス料理と並んで外食の定番です。繁盛店になれば大きな利益が見込めるでしょう。一方で競合も多く、格安チェーン店やファミリーレストラン、デリバリーピザのチェーンも含めれば激戦となっています。そうした状況下でプランもなく、行き当たりばったりの経営をしてもすぐに行き詰まってしまうでしょう。

お店のコンセプトや経営戦略、必要資金、資金調達法、収支の見通しなどしっかりと考えましょう。事業計画書にこれらをまとめることで自分の考えが整理でき、後から確認できるようになります。

金融機関からの融資を受ける

イタリア料理店を開業する際には物件や内装工事、キッチン設備、調理器具、家具、仕入、人件費など、さまざまな費用がかかります。そのため、銀行や信用金庫、日本政策金融公庫から融資を受けて資金を調達するのが一般的です。

融資を受ける際には審査があり、事業計画書にもとづいて必要資金の内訳や事業の見通しについて説明しなければなりません。

イタリア料理店の事業計画書のひな形、テンプレート

イタリアン料理店の事業計画書の書き方とは?ひな形を基に成功のコツを解説

特にはじめて飲食店を開業される方は、事業計画書をどのように書いていいのか、どのような項目を設ければいいのか、戸惑われるかと思います。そこで、当サイトではイタリア料理店用の事業計画書のテンプレートを作成しました。以下のリンクよりダウンロードいただけます。

イタリア料理店の事業計画書の書き方・記入例

ここからは先ほどご紹介したテンプレートをもとに、項目別に事業計画書の書き方やポイントについてご紹介します。

創業の動機・目的

なぜイタリア料理店を開業しようと思ったのか、動機や目的を記載しましょう。ご自身の経験や気付きから開業しようと思うに至った経緯を説明することで、想いや熱意が伝わりやすくなります。

職歴・事業実績

学歴や職歴、修業歴などご自身のこれまでの経歴について記載します。履歴書の学歴・職歴欄のように、年次と学校名・勤務先名を簡潔に書きます。また、飲食店の勤務経験や海外での修業経験、取得資格やコンクール入賞などの実績があれば、補足説明を記載しましょう。

取扱商品・サービス

取扱商品・サービスの内容、セールスポイント・販売ターゲット・戦略、競合・市場などの分析という三つの項目について記載します。

取扱商品・サービスの内容に関しては「ランチメニュー」「ディナーメニュー」というようなメニュー別に単価を記載します。

セールスポイント・販売ターゲット・戦略については、「どのようなお店にしたいのか」「どのようなメニューをどのようなお客様に提供したいのか」「どのように宣伝をしていくのか」といった構想を記載しましょう。

競合・市場などの分析については出店候補地の競合(他のイタリア料理店・飲食店など)の出店状況や地域の特色(住んでいる人の特性や住民の行動傾向、地域の都市開発状況など)について調査・分析してまとめましょう。

取引先・取引関係

販売先、仕入れ先、外注先の名称と取引のシェア、掛け取引の割合、回収・支払いの条件(〆日と回収・支払日)を記載しましょう。イタリア料理店の場合は顧客はほとんどが個人なので、販売先は「一般個人」で問題ありません。仕入れ先に関しては具体的な会社名や商号を記載します。

従業員

常勤役員、従業員(3カ月以上継続雇用)の人数を記載します。また、従業員の中に家族従業員やパート従業員がいれば、その人数も記載しましょう。

借り入れの状況

代表者が借り入れをしている場合、借入先と区分、借入残高、年間返済額を記載します。事業に関わるものだけでなく、住宅ローンや自動車ローンなどプライベートに関わる借り入れについても状況を記載しましょう。

必要な資金と調達方法

必要資金については設備資金と運転資金に分け、それぞれ明細と金額を記載します。資金調達の方法については、「自己資金」「親、兄弟、知人、友人からの借り入れ」というように、やはり資金調達の方法別に金額を書きましょう。また、必要資金と調達資金は一致させるよう試算しておくことが大切です。

事業の見通し(月平均)

売上高、売上原価、経費(人件費や家賃など)、利益について、創業当初と1年後もしくは軌道に乗ったときの見込み額を記載しましょう。また、それらの見通しを立てた根拠についても明確にします。

イタリア料理店の事業計画書成功のポイント

イタリア料理店を開業して成功するかどうかは事業計画で大きく左右されます。ここからは事業計画書を作成するポイントについて見ていきましょう。

コンセプトを明確にする

まずはお店のコンセプトを決めましょう。これが定まっていないと行き当たりばったりの経営になってしまい、客足が伸びません。パスタを中心に提供する、窯焼きのピザを提供するといったメニューのバリエーションはもちろん、若年層向けに値段の安さで勝負する、富裕層に向けて少し値段が高くても素材にこだわった料理を提供したい、カップルを対象におしゃれな内装で特別な空間を提供したいなど、ターゲットとコンセプトをしっかりと定めておくことが大切です。

立地調査を行い商圏や競合を把握する

飲食店は立地が成否を大きく分けます。たとえば駅の近くなど人通りが多く通いやすい場所であれば集客が見込めます。ただ、こうした場所は賃料が高い上、競争も厳しい傾向にあります。ただ人通りだけを考えるのではなく、通いやすさ、賃料、競合の出店状況などを総合して出店地を選ぶことが大切です。

客観的な売り上げ予測・価格設定をする

売り上げの予測については「だいたいこれくらい」とどんぶり勘定で考えたり、「これくらいあればいいな」と願望も織り交ぜたりして試算してしまいがちです。しかし、試算が甘いと資金計画も甘くなり、想定よりも客足が少なかった場合に資金難に陥ってしまうおそれがあります。売り上げ予測は客観的に、少しシビアに立てましょう。

また、価格設定についても原価や利益率、周辺の競合店の相場など、さまざまな要素を考慮して戦略的に決める必要があります。

独自のメニューやサービスで差別化する

イタリア料理店は非常に競争が激しいのです。他のお店と同じようなことをしていてもなかなか客足が伸びません。他のお店では扱っていないようなオリジナルメニュー、独自のサービスを提供できれば差別化が図れ、集客力がアップします。

人材の確保と育成に注力する

今、飲食業界は人手不足に陥っています。従業員を雇うのであれば早めに採用活動を開始しましょう。また、人材が採用できても飲食経験者でない限り一定期間は教育が必要となります。回転と同時に従業員が問題なく店舗のオペレーションができるよう採用から教育まで計画的に行っていきましょう。

イタリア料理店を開業するなら事業計画書をしっかりと作成しましょう

飲食店は非常に競争が厳しい業界で、成功している店舗もある一方で、開業しても多くの店舗が廃業に追い込まれてしまっているのも実情です。イタリア料理店を開業するのであれば、融資を受ける受けないにかかわらず、しっかりと事業計画書を作成して戦略的に店舗を経営していきましょう。

法人を設立してイタリア料理店を開業する場合は定款を作成する必要があります。特に重要となるのは事業目的です。こちらの記事を参考に考えてみましょう。

また、飲食店の経営を成功させるためのコツについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。


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