• 更新日 : 2023年9月8日

経営幹部とは?管理職との違いや平均年収も紹介!

経営幹部とは?管理職との違いや平均年収も紹介!

経営幹部とは、会社の業務執行権を持っている取締役や執行役などの人材を意味します。管理職との違いは、管理職が特定の部門や部署の管理をするのに対し、経営幹部は会社の事業全体の経営判断を行うことです。この記事では、経営幹部の意味や管理職との違い、平均年収、必要な能力、育成方法や研修の内容を解説します。

経営幹部とは?

経営幹部とは、会社の業務執行権を持っている取締役や執行役などの人材のことです。会社の経営は経営者が1人でやっていけるものではありません。たとえ経営者がどれほど優秀でも、専門外の領域についての意思決定や、情報が不足している状況での判断では誤りを犯す可能性があります。そこで、経営者にはない専門性を有しており、現場の状況を把握している経営幹部が経営者のサポートをする必要があるのです。

経営幹部は経営者のサポートをしながら、会社の事業の内容や状況を総合的に分析し、成果や利益を上げられる方策を考え、提案します。最終決定は経営者が行うものの、経営幹部自身が会社の将来にとって重要な決断を下す局面もあるでしょう。

そのような重要な職責を担う経営幹部は、決して誰もがなれるわけではありません。経営スキルや財務スキル、ヒューマンスキルなどとともに、先見性や問題提起力を持った、優秀な人材を選ぶ必要があります。また、そのような優秀な人材は、ある日どこからか突然現れるわけではありません。従業員を経営幹部に育成していくための体制の構築も必要です。

経営幹部と一般的にみなされやすい役職は?

経営幹部がどの職位から上を指すかは決まっているわけではなく、会社によって異なります。ただ、一般的に経営幹部とみなされやすい役職は、以下の通りです。

  • 専務取締役・常務取締役
    専務取締役は会社の業務管理や監督を、常務取締役は会社の日常業務についての監督を行います。
  • 取締役
    取締役は会社の業務執行に関する意思決定を行います。
  • 執行役員
    執行役員は取締役などの役員が決定した事業計画や運営方針を実際に執行します。
  • 事業部長・本部長
    事業部長は事業部制の会社において1つの事業部を、本部長は事業本部を統括し、最終的な意思決定を行います。
  • 部長
    部長は1つの部門のリーダーとして、現場のマネジメントや情報管理を行います。
  • CEO(Chief Executive Officer)
    日本では代表取締役が務めることが多いCEOは、会社の経営について最終的な責任を持ち、経営方針や事業計画の決定、長期的な経営管理を行います。
  • COO(Chief Operating Officer)
    COOは会社の業務執行について責任を持ち、CEOが決定した経営方針に基づいて、製造や開発、マーケティングなどの事業活動を統括します。
  • CFO(Chief Financial Officer)
    CFOは日本語では「最高財務責任者」と呼ばれ、資金調達や、財務戦略の立案・執行、上場に向けた準備などを行います。

経営幹部と管理職の違い

経営幹部は経営者のサポート役として、会社の事業全体を見て経営判断を行います。それに対して管理職は、特定の部門や部署の部下を管理するのが仕事です。経営幹部と管理職は、担当する組織や手掛ける業務の範囲が違います。

経営幹部と役員の違い

経営幹部と役員は、重なることが多いと見てよいでしょう。ただし、経営幹部は法律による規定がないのに対して、役員は会社法で規定されているため、同じものではありません。また、中小企業の場合には、経営幹部は役員だけでなく部長クラスも含まれることが一般的です。

経営幹部の平均年収は?

経営幹部の平均年収はどれくらいなのでしょうか。ここでは、経営幹部とされることが多い役員の平均年収を紹介します。

一般財団法人 労務行政研究所が2022年7月~9月に、上場企業と上場企業に匹敵する非上場企業計3,857社を対象に実施した調査によれば、役員の年収は以下の通りです。

役位平均年収
会長4,641万円
社長5,039万円
副社長4,179万円
専務取締役3,055万円
常務取締役2,307万円
取締役
(兼務は除く)
2,009万円
従業員兼務取締役1,665万円
監査等委員の
取締役
1,488万円
常勤監査役1,391万円

出典:2022年役員報酬・賞与等の最新実態|一般財団法人 労務行政研究所

経営幹部に必要な能力

経営幹部に必要な能力として、経営スキル、財務スキル、ヒューマンスキル、先見性、問題提起力が挙げられるといわれます。それぞれの能力について詳しく見ていきましょう。

経営スキル

経営スキルとは具体的には、会社経営に関する幅広い知識と、経営的な視点で物事を捉える力のことです。経営幹部は会社の経営に主体的に関わり、経営戦略を策定して、その戦略に基づいて経営資源を動かします。経営に関する知識・視点がなければ、経営幹部としての役割が果たせません。

経営戦略の策定に際しては、自社の現状や、競合他社や業界の動向が自社に与える影響などを考慮し、広い視野で意思決定を行う必要があります。また、管理職や一般従業員を配置し、動かすためには、経営幹部としてのマネジメントスキルだけでなく、現場におけるマネジメントスキルも必要とされるでしょう。

財務スキル

財務スキルとは、財務諸表から自社の経営状態を把握できる能力と、それを経営戦略の策定に活かせる能力です。会社が成長するためには、売上を上げるだけでなく、利益を出さなければなりません。そのためには、いかに無駄なコストを削減できるかが問われる局面もあるでしょう。

ヒューマンスキル

ヒューマンスキルとは、リーダーシップやコミュニケーション力、交渉力、ヒアリング力など、対人関係の能力です。策定した経営戦略の遂行には、社内外でさまざまな調整を行う必要があります。そのため、経営幹部には高度なヒューマンスキルが求められることとなるのです。

経営幹部がヒューマンスキルを持たなければ、管理職や従業員、あるいは顧客や株主、金融機関などのステークホルダーとの信頼関係を構築できず、会社の求心力が低下してしまう恐れもあります。

先見性

先見性とは、3年~5年程度の近い未来をイメージし、動ける能力です。企業を取り巻く環境は、テクノロジーの進歩などにより急速に変化します。そのような環境下でも、先見性がある経営幹部は変化を見越して行動し、競合他社に先んじて成果を上げられるでしょう。また、困難やトラブルに見舞われた際にも、先見性があれば解決の糸口をより素早く発見できます。

問題提起力

問題提起力とは、「そもそも何が必要なのか」の問いを立てる能力です。自社の商品やサービスを多くの顧客に届けるためには、競合他社の商品・サービスを真似るだけでは足りません。これまでは存在しなかった新しい価値を提供することが求められます。

新しい価値を見いだすためには、そもそも顧客は何を求めているのかを、従来の常識などにとらわれず、深く考えることが必要です。問題提起力を持つ経営幹部は、新たな価値を見いだすことにより、会社に大きな利益をもたらす可能性があるでしょう。

経営幹部を育成するには?

経営幹部は時間をかけて、社内で育成する必要があります。どのように育成すればよいかを見ていきましょう。

経営幹部人材の選抜

最初に経営幹部人材を選抜します。選抜に当たっては、まず経営幹部の条件・要件の定義が必要です。上述の経営スキルや財務スキル、ヒューマンスキル、先見性、問題提起力などについて、具体的に整理しなくてはなりません。

ただし、現時点で顕在化しているスキルや実績だけを見ての判断は避けなければなりません。経営幹部には志の高さや、経営に責任を持つ覚悟、組織を引っ張っていける求心力、周囲を明るくする人間性なども必要だからです。幹部候補は多めにリストアップし、徐々に絞る、あるいは自薦を募るなどで決めていくのがよいでしょう。

経営幹部専用の研修を実施

経営幹部人材を選抜したら、次に経営幹部専用の研修を実施しましょう。研修は、社内での実施には限界があるため、外部研修を活用するのがおすすめです。多くの人材育成会社が、経営幹部育成のための研修を提供しています。

外部研修の内容は、一般に以下のようなものがあります。

  • 単なる「部門の長」ではなく「経営者の1人」としてのリーダーシップを身に付ける
  • 自社の現状や市場環境などを正しく分析できる内部分析、外部環境分析などの知識を身に付ける
  • 自社が目指すべき方向性を大きく描く構想力を身に付ける

また、同じ立場の人たちと交流が可能な、異業種交流会などに参加してもらうのもよいでしょう。

重要なポストを任せる

研修とともに、実際に社内の重要なポストを任せ、実戦経験を積ませることも重要です。その場合、新規事業の立ち上げなど、困難が予想されるポジションへあえて任命するのがよいでしょう。

ただし、任命の際には、なぜ困難なポジションへ任命するのか、しっかりと伝えなければなりません。経営幹部人材が意欲的に学び続けるためには、動機づけが重要だからです。

経営幹部の育成が進まない際のよくある原因

経営幹部の育成が進まない場合には、以下の原因が考えられます。

経営幹部がプレイヤーを兼任している

経営幹部人材がマネージャーとプレイヤーを兼任するプレイングマネージャーの立場だと、幹部としての育成がうまくいかないことがあります。

プレイングマネージャーとしての経験は、業務の詳細や組織の実情について多くを学べます。その一方、以下のような問題も発生します。

  • 業務が過多になってしまい、マネジメントに十分な時間を割けなくなる
  • プレイヤーとしての個人目標と、マネージャーとしてのチームの目標が並立するため、評価基準が曖昧になりやすい

経営幹部人材にはプレイヤーを兼任させず、マネージャーに専念させるのよいでしょう。

経営幹部が現場マネジメントに集中してしまう

経営幹部人材が現場マネジメントだけに集中してしまう場合にも、幹部としての育成がうまくいかないことがあります。経営幹部は部門最適に陥ってしまうことなく、経営陣の1人として組織全体の経営を考えていかなければならないからです。

幹部人材が部門最適に陥ることを防ぐためには、幹部候補者であることを面談などできちんと伝えることとともに、組織全体の経営課題を各部門がどのように解決できるかを考える機会が必要となるでしょう。

頼りになる経営幹部を育成しよう

優秀な経営幹部は、経営者の右腕ともなってくれる頼もしい存在です。しかし、そのような優秀な人材は、ただ現れるのを待つのではなく、社内で育成しなければなりません。研修などをしっかり行い、頼りになる経営幹部を育成しましょう。


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