株式会社の設立手続「会社設立の流れと必要な期間」

会社の設立と一口に言っても、株式会社か合同会社か、株式会社だとしても発起設立か募集設立か、その違いによって手続や費用、必要な日数も大きく変わってきます。

最短で会社設立をするためには、設立前の準備や、設立までの流れを把握しておくことが重要です。準備を整えてから手続をすることで、会社設立までの期間を短縮できるでしょう。
今回は、最もよく利用される株式会社の発起設立についてご紹介します。株式会社を設立する際の流れや期間について触れた上で、合同会社との違いについても説明していきます。

会社設立の流れ

まずは、会社の設立に関する手続を、「1. 設立前の準備」「2. 設立手続」「3. 設立後の各種届出」という3つの段階に分けて見ていきましょう。

1. 設立前の準備

株式会社設立前に決めておくべき主な事項は、次のとおりです。

商号:
商号は基本的には自由に決められますが、使用できる文字に制限があります。使用できるのは、漢字、ひらがな、カタカナの他、ローマ字とアラビア数字と、一部の記号だけです。

本店:
会社の本店所在地をどこにするかを決めます。

事業目的:
会社がどのような事業を行うのか、設立直後だけではなく、近い将来行う予定も含めて決めましょう。

発起人が出資する金額:
誰がいくら出資するのかを決めます。出資額が資本金になるため、十分に検討しましょう。

資本金額の決定:
資本金額は会社の体力を表すと言われ、大きければ大きいほど、対外的な信用は増します。
ただし、1,000万円を境に税務上の負担も増えますので、慎重に決定しましょう。

発行可能株式総数:
会社が株式を何株まで発行できるかは登記事項ですので、あらかじめ決めておく必要があります。

譲渡制限:
株式の譲渡を制限するかどうかの定めで、定款に記載することで効力を生じます。

取締役の任期:
株式の譲渡制限を設けた会社では、取締役の任期を最長10年まで伸ばすことができます。譲渡制限と同様、定款に記載することで効力を生じます。

公告の方法:
公告の方法は登記事項なので、設立登記までに決める必要があります。「官報に掲載して公告する」というのが一般的です。

一方、合同会社には、発起人や取締役、株式は存在しないため、それらに関する取り決めは不要です。合同会社では出資者を社員と呼び、社員に関し次の項目を定款に記載します。

社員の氏名又は名称及び住所
社員全員が有限責任となる旨
社員の出資の目的及びその価額又は評価の基準

また、設立手続の前に、以下のものを準備しなければなりません。

印鑑証明書:
発起人全員分の印鑑証明書 各1通
【取締役会を設置しない会社】
取締役就任予定者全員分の印鑑証明書 各1通
【取締役会を設置する会社】
代表取締役就任予定者全員分の印鑑証明書 各1通
発起人で取締役または代表取締役就任予定者は、印鑑証明書が2通必要です。

一方、合同会社の設立に必要となる印鑑証明書は、代表社員に就任予定者の1通だけです。
なお、これらの印鑑証明書は、いずれも発行後3カ月以内のものでなくてはなりません。

会社の印鑑:
会社は設立と同時に、法務局に印鑑の届出をする必要がありますので、その印鑑を準備します。なお、設立手続に必要な印鑑はひとつだけですが、実務上は、銀行印と角印の3点セットで作成・購入するのが一般的です。

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2. 設立手続

事前の準備ができたら、次は具体的な設立の手続です。

定款の作成と認証:
事前準備で決めた項目を定款に記載します。できあがった定款は、会社の本店所在地を管轄する公証役場で、認証を受けることによって効力を生じます。なお、合同会社の定款は、認証の必要がありません。

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資本金の払込:
発起人のうち1名の口座に、発起人全員が所定の出資金を振り込みます。合同会社の払込も同様です。

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登記申請書類の準備:
株式会社設立登記の申請には以下の書類が必要です。

定款
発起人の同意書
設立時代表取締役を選定したことを証する書面
設立時取締役の就任承諾書
印鑑証明書
本人確認証明書
設立時取締役の調査報告書及びその付属書類
払込を証する書面
資本金の額の計上に関する設立時代表取締役の証明書

一方、合同会社の設立登記申請に必要な書類は次のとおりです。

定款
代表社員、本店所在地及び資本金を決定したことを証する書面
代表社員の就任承諾書
払込があったことを証する書面
資本金の額の計上に関する代表社員の証明書

登記の申請:
会社の本店所在地を管轄する法務局に申請書類を提出します。提出時期や法務局によって多少異なりますが、申請後、1週間程度で設立登記は完了します。

印鑑の届出:
法務局に会社の届出印を登録する必要がありますので、設立登記の申請と一緒に届け出ましょう。

3. 設立後の各種届出

会社の設立手続が終了したら、以下の官公署に所定の届け出を行います。これは株式会社も合同会社も同じです。

税務署:
法人設立届出書
青色申告の承認申請書

都道府県税事務所:
法人設立届出書

市区町村役場:
法人設立届出書

労働基準監督署:
労働保険関係成立届
労働保険概算保険料申告書

ハローワーク(公共職業安定所):
雇用保険適用事業所設置届
雇用保険被保険者資格取得届

年金事務所:
新規適用届
被保険者資格取得届
健康保険被扶養者(異動)届

添付書類が必要なものや、提出期限が限られているものがありますので、事前に確認しておきましょう。

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法人設立届出書の書き方とその提出先

会社設立に要する期間

株式会社:3週間程度
合同会社:2週間程度

株式会社の設立に必要な日数は、事前の準備から登記の申請までが2週間程度、合同会社は1週間程度です。合同会社が株式会社よりも短期間で申請できるのは、事前準備の段階で決定すべき事項が少ないことが理由のひとつです。

定款に記載する項目も、比較すると合同会社の方が少ないのが一般的です。また、合同会社は定款の認証手続が不要だというのも、短期間で設立できる理由として挙げることができます。
なお、登記の申請から完了までは、いずれの会社も約1週間です。

まとめ

株式会社は合同会社にくらべ、手続の煩雑さ、費用、必要な日数という点でマイナス面がありますが、その認知度や社会的信用性という点では、現段階では大きなアドバンテージがあります。これから行う事業にとってどちらの会社形態が向いているのか、十分に検討してから手続に着手しましょう。

また現在、法人設立手続のオンライン・ワンストップ化が検討されています。これは、定款認証と設立登記をオンライン同時申請した場合に、24時間以内に設立登記が完了するというものです。

現在、登記申請から完了までは1週間程度はかかっていますので、この取り組みが実現されると、よりスピーディーに会社が設立でき、公証役場などへ足を運ぶ負担もなくなります。会社設立の期間が大幅に短縮される日も近いかもしれません。

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監修:外崎健(司法書士)

平成15年に司法書士試験合格後、司法書士事務所に勤務。平成18年より独立開業し、現在はコンサルティング会社の役員としても活動している。
お客さま第一の業務を心がけ、顧問先さまからは会社法務だけではなく、従業員の方のプライベートな部分について相談を受けることも。
会社法務に必要な書類のほか、相続手続、簡裁訴訟代理関係、家事調停書類作成なども担当している。