一人社長でも加入は必須! 法人の社会保険加入ルール

会社の役割は、価値のある商品やサービスを提供し、儲けを出すことで社長自らの生活向上を図るだけではありません。社長自身はもちろん、従業員の生活、ひいては国民一人ひとりの生活基盤を守ることも重要な役割です。社会保険への加入も会社の重要な役割のひとつと言えるでしょう。

しかし、会社を設立した当初は事業を軌道に乗せることばかり考えてしまい、なかなか社会保険までは気が回らないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。そこでこの記事では、社会保険の概要と加入義務について、そして未加入の場合にどうなるのかについて解説していきます。

社会保険とは?

サラリーマンやアルバイトの人なら「社会保険」という言葉は聞いたことがあると思います。社会保険とは一般的に、サラリーマンやアルバイトなど、会社に雇われている人が加入する「健康保険」と「厚生年金保険」のことをいいます。通常は、給料から天引きされる形で保険料を納付することになり、納める保険料は会社と従業員で折半されます。

1.健康保険

健康保険とは国の医療保険のひとつで、サラリーマンとその家族などが加入することになります。健康保険に加入しているおかげで、病院での診察や治療を安く受けることができるのです。

健康保険には、全国健康保険協会が保険者となる「全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)」と、会社や業種ごとに設立された健康保険組合が保険者となる「組合管掌健康保険(組合健保)」の2種類があります。ほとんどのサラリーマンはこれらどちらかの保険に加入しているでしょう。

2.厚生年金保険

厚生年金保険は、国民年金の上乗せ部分として認められている年金制度です。会社や団体ごとに年金基金を設立し、基金に保険料を収めることで将来、国民年金に加え厚生年金という形で支給され、老後の生活をより良いものとすることができます。

厚生年金には、65歳から受け取れる老齢厚生年金や万が一障害者となった場合の障害厚生年金、加入者本人が亡くなった場合の遺族厚生年金があります。

社長ひとりの会社でも加入義務がある

起業したばかりの事業主の方は、自分のビジネスのことで頭がいっぱいになり、社会保険のことまで気が回らないということがあるかもしれません。特に、会社を起業したばかりで従業員を雇っていない場合、「社会保険の加入義務はない」と勘違いされている方もいるかもしれません。

実は、健康保険法第3条と厚生年金保険法第9条において、「適用事業所に使用される者」は「被保険者」であるとされており、この「使用される者」には法人の代表者も含まれます。つまり、社長ひとりだけの会社であっても社会保険に加入する義務があるのです。

社会保険に加入しなくてもよいケース

加入義務があるといっても、例外があります。例えば、社長ひとりの会社で役員報酬を支給しない場合、つまり社長の給料がゼロの場合は、社会保険に加入しなくてもかまいません。会社を複数経営しているような社長の場合は、その中の一部の会社から給料をもらっていないという状況もよくあります。

社長に給料を支払わない会社の場合は、年金事務所から社会保険への加入を断られる場合もあります。その場合は国民健康保険と国民年金に加入することになります。

社会保険未加入のまま放置していると?

上で述べた通り、法人であれば社会保険への加入が義務となります。加入する義務があるにもかかわらず、その状況を放置し加入要請や警告文書を無視し続けると最終的には多額の保険料を請求され会社経営に大打撃を受けることになりかねません。では、社会保険未加入だと具体的にどういう流れになるのか見ていきましょう。

1.年金事務所から加入要請がくる

社会保険の加入状況については年金事務所が調べており、社会保険に加入していなければ、会社の所在地を管轄する年金事務所から加入するよう電話や文書によるお知らせがあります。少なくともこの時点で加入手続きを行うべきでしょう。

2.警告文書が届く

加入要請に応じなければ、警告文書が届き、年金事務所に来所して加入手続きをするよう求められます。「警告」ですので、良識のある方ならここで加入することになるでしょう。

3.立入検査実施後、強制加入となる

警告文書が届いたにも関わらず放置し続けると、立入検査が実施され、強制的に加入させられることになります。立入検査が入ると、罰則として最大2年間まで過去にさかのぼって保険料の納付を求められます。

過去2年間の保険料を納付することは、企業にとってかなりの負担となることもあるでしょう。そうなる前に、加入要請が通知された段階で加入手続きをしましょう。この段階なら過去の分まで請求されることはありません。

まとめ

会社として社会保険の加入は義務であり、保険料の負担は大きいかもしれません。しかし、社会保険に加入することで社会的な信用を得られ、従業員の雇用が維持しやすくなるというメリットもあります。また、社会保険に加入していることで、雇用調整助成金など各種助成金を受けることも可能となります。

会社を運営していく以上、社会の一構成員として、社会全体の発展や国民生活の安全を意識するべきです。そういった意味でも必ず、社会保険への加入を行いましょう。

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監修:河野雅人(公認会計士・税理士)

東京都新宿区に事務所を構え活動中。大手監査法人に勤務した後、会計コンサルティング会社を経て、税理士として独立。中小企業、個人事業主を会計、税務の面から支援している。独立後8年間の実績は、法人税申告実績約300件、個人所得税申告実績約600件、相続税申告実績約50件。年間約10件、セミナーや研修会などの講師としても活躍している。趣味はスポーツ観戦。