• 更新日 : 2023年11月30日

ジムを開業する方法は?流れや必要な資格・届出、資金についても解説!

トレーナーや選手の経験がある方、スポーツが得意な方は、経験や特技を活かしてジムを開業するのもいいかもしれません。今、特にパーソナルジムが話題となっており、成功すれば大きな利益を得られる可能性もあります。

今回はジムを開業する方法やメリット、開業までの流れや手続き、必要になる資金など、ジムの開業に役立つ情報をお届けします。

ジムを開業する方法は?

ジムを開業する方法としては大きく分けて、「個人で起業する」と「フランチャイズに加盟する」という2種類があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

個人で起業する方法

個人開業では誰にも頼らずジムを一からつくりあげていきます。屋号名も自分で決め、独自の方法で経営し、設備や料金形態、集客などについても自分で考えて運営していきます。

後述するフランチャイズでは加盟金やロイヤリティを支払う必要がありますが、個人開業の場合はそれが不要となるため、開業資金やランニングコストを抑えられること、そして自由に自分のジムを経営・運営できることがメリットです。

一方で、フランチャイズ本部からのサポートが受けられないため、経営や運営の難易度が高いことと、独自のブランドで商売をしなければならないため、知名度が低く集客が難しいといったことがデメリットといえます。

フランチャイズに加盟する方法

フランチャイズ本部に加盟して加盟金やロイヤリティを支払い、本部のブランド名やノウハウを使って商売をする方法です。

大手企業や有名企業の看板を使えるため集客がしやすいことと、経営や運営のサポートが受けられるため未経験者でも成功できる確率が高いというのがメリットといえます。

一方で、フランチャイズ本部に加盟する際には加盟金を支払い、さらに毎月売上の一部をロイヤリティとして支払わなければならないため、開業資金とランニングコストが高額になることと、本部の方針やルールに従って運営しなければならないため、経営の自由度が低くなってしまうということがデメリットです。

ジムを開業するメリットは?

ジムを開業することでさまざまなメリットを得ることができます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

需要が高い

今、健康志向の高まりやダイエットブームの影響でジムに通う人が増えてきています。冒頭でも述べたように、近年では特にパーソナルジムの人気が高まっているようです。

需要が伸びているビジネスモデルなので、顧客を獲得して満足させることができれば成功できる可能性も高いです。

利益率が高い

飲食店や小売店であれば商品や材料を仕入れたり在庫を持ったりする必要がありますが、ジムではそれが必要ないため、利益率が高いというのも魅力です。たしかにジムであっても店舗を設ける必要があるため、賃料や光熱費がかかり、設備を導入してメンテナンスをしなければなりませんが、それでも在庫ビジネスよりリスクが低いといえます。

さらに、ジムは比較的自由に価格設定ができるため、利益率もコントロールしやすいというメリットもあります。

安定した収入が見込める

飲食店や小売店は商品を提供してはじめて対価が発生します。そのため、常に集客し続けて新規顧客を獲得しなければなりません。シーズンによって収入にもバラツキがあり、なかなか安定しづらいです。

一般的なジムは月会費制をとっています。会員が入会すれば、自動的に毎月収入を得られるため、収益が安定していて将来の見通しが立ちやすいのも魅力です。

ジムを開業するまでの流れ・手続きは?

まずは事業計画を立てましょう。どのような形態のジムを開業するのか、どんなコンセプトを打ち出すのか、どのような客層を狙うのか、どれくらいの料金設定にするのか、どのように経営・運営していくかを決めます。

開業資金についても考えなければなりません。ジムを開業するためにいくら必要なのかを試算し、資金を集める方法についても検討します。融資を受ける際には、事業計画書を作成して金融機関からの融資を受けなければなりません。

開業資金の目処が立ったら出店地域を選定し、物件を契約します。ジムの開業で重要なのは立地です。対象となる見込み客が多くいる地域で、かつ通いやすい場所を選ぶ必要があります。

物件の所有者と賃貸借契約もしくは売買契約を締結したら、店舗をつくりあげていく工程に入ります。内外装工事を行い、設備や什器備品を導入していきます。同時にホームページやチラシを作成して集客も行わなければなりません。スタッフを雇うのであれば、採用活動や研修も必要です。
また、後述しますが税務署や市区町村役場や保健所、消防署への届出もしなければなりません。

工事と手続きが完了したら、いよいよオープンです。

ジムを開業するために必要な資格・届出は?

例えば、飲食店を開業する場合は「食品衛生責任者」という資格を取得し、保健所には「営業許可申請」を、消防署には「防火対象物使用開始届」「火を使用する設備等の設置届」といった届出を行う必要があります。法律事務所を開業するためには弁護士資格が、税理士事務所を開業するためには税理士資格が必要です。

それでは、ジムの場合はどうなるのでしょうか。ジムを開業する際に必要となる資格や届出について見ていきましょう。

無資格でも問題ない

結論から言うとジムを開業する際には特に資格や免許は必要ありません。無資格でもジムを開業することは可能です。ただし、「日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー」や「NSCA認定パーソナルトレーナー」といったトレーナーの民間資格の取得や、フィジーク、フィットネス、ボディビルの大会に参加し、受賞すれば、見込み客から「知識がある人が指導してくれそう」「効果が得られそう」と思われ、集客が有利になる可能性があります。特に、パーソナルジムを開業する場合は、資格を取得されるのがおすすめです。

市区町村役場や保健所、消防署への届出が必要

ジムを開業する際、特別な資格は不要ありませんが、届出は必要です。個人事業主として開業する際には税務署に「開業届」と都道府県税事務所に「個人事業開業申告書」を出す必要があります。また、必要に応じて所管する消防署や都道府県庁、市区町村役場に届出を出さなければならないケースもあります。

食品を扱う場合は保健所に「営業許可申請」を、シャワー室を設置する場合は保健所に「公衆浴場法営業許可申請」を提出する必要があります。

ジムを開業するために必要な費用は?

ジムの開業を考えられている方にとって大きな関心ごとの一つは開業費用です。いったいどのくらいの費用でジムを開業できるのでしょうか?そしてどのような費用がかかるのでしょうか?ここからはジムの開業費用の目安と内訳について見ていきましょう。

ジムの開業費用の目安

ジムの開業費用は店舗の規模や開業形態(個人開業かフランチャイズか)、立地や設備によって異なりますが、小規模なジムであれば300~500万円、大規模なものだと2,000~3,000万円ほどが目安です。なお、フランチャイズの場合は加盟金が必要となり、相場は100~400万円程度です。

ジムの開業費用一覧

ジムの開業資金の内訳としては物件の取得費用、設備費用、工事費用、顧客管理を行うためのシステム費用、宣伝広告費などが挙げられます。加えてフランチャイズで開業する場合は、前述のとおり加盟金も必要です。

これらの費用は工夫することで抑えることもできます。例えば、設備費用は中古のマシンを購入する、自重トレーニングを中心としたジムを開業するといった方法で抑えることが可能です。廃業したジムの物件を使えば、工事費も抑えることができるかもしれません。

ジムを開業するための資金調達方法は?

ジムを開業するための資金調達の方法としては「自己資金を使う」「融資を受ける」「フランチャイズの開業補助を使う」という3種類があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

自己資金

自分で貯めたお金を開業資金にあてるという方法です。自由にお金が使える、返済に追われることがないといったメリットがある一方で、資金を貯めるまでに時間がかかるというデメリットもあります。後述する融資を利用する場合においても、自己資金によって借り入れ限度額も変わってくるため、ある程度用意しておくことが大切です。

融資を受ける

銀行や信用金庫などの金融機関や日本政策金融公庫から融資を受けることでも開業資金を調達することができます。
ジムに限らず新しく事業を始める際に融資で資金調達をする経営者も多く、資金調達の方法としては一般的です。

すぐに開業資金が準備できる、自己資金がなくても開業できるというのがメリットといえます。一方で、審査があり基準を満たしていないと借り入れができないことと、毎月返済をしなければならず利子も支払わなければならないことがデメリットです。

フランチャイズの開業補助

フランチャイズで開業する場合、フランチャイズ本部によっては開業資金の支援を受けることも可能です。前述のとおり、大手企業や有名企業のブランドを使うことができる、開業までのサポートが受けられる、経営や運営のノウハウを教えてもらえるなどのメリットも得られます。

加盟金やロイヤリティを支払う必要がありますが、特にはじめて開業される方はフランチャイズへの加盟も検討してみても良いかもしれません。

ジムの開業に成功するためのポイントは?

ジムを開業するからには成功して多くの利益を手にして、長く経営を続けていきたいものです。そこで、最後にジムの開業に成功するためのポイントを4つご紹介します。

事業計画をしっかりと立てる

ジムに限らず、ビジネスを始めるにあたって事業計画は非常に重要です。せっかくジムを開業したとしても、売上が立たなかったり運転資金が枯渇してしまったりしては、事業を継続することができません。

なぜ開業するのか、どのようなコンセプトのジムを開業するのか、他のジムと比べてどのような優位性があるのか、将来性はあるのか、どれくらいの収益を見込めるか、そして計画が本当に実現できるものなのかを考えて事業計画書としてまとめてみましょう。

特に、融資を受ける場合は金融機関に事業計画書を提出して審査を受けなければならないため、事業計画の策定は必須です。

立地に気をつける

ジムは店舗ビジネスであるため立地が非常に重要です。定期的に通う場所なので、いくらコンセプトが素晴らしく、サービスがいいジムでも、通いにくい立地にあったのでは集客が見込めません。

駅の近くや幹線道路沿いなど通いやすい状態であるのか、そのエリアの人口はどれくらいなのか、どんな人が住んでいるのか、見込み客はいるのか、どのような移動手段を使っているのかなど、さまざまなことを考慮しなければなりません。

そのうえで、物件の取得費用も鑑みながら物件選びを行う必要があります。

適切な値段設定

値段設定もジムを経営するうえでは重要です。会費が高すぎると当然会員が集まりにくくなります。逆に安すぎると出費が売上を上回り、利益がほとんど出なくなってしまいます。まずは周辺の相場を調査し、それからかけ離れないよう値付けする必要があります。

また、適正な値段を設定するためにも、ジム運営にかかる毎月のコスト(賃料や光熱費、人件費、設備費用など)を算出しておくことが大切です。

戦略的な集客

会員が集まらなければ売上は得られません。特に、開業直後のジムや個人経営のジムは知名度が低いため、積極的に集客を行う必要があります。集客の方法にはホームページやインターネット広告、SNS、チラシ、新聞・雑誌広告、看板など、さまざまなものがあります。

例えば、若年層向けのジムであればインターネットを使った集客方法が、中高年向けであればチラシや新聞、雑誌広告などの紙媒体の集客方法の方が効果はあるかもしれません。ただし、ネットだけ、チラシだけではなく、両方をバランス良く取り入れていくことが大切です。また、店舗ビジネスであるため看板や電柱広告なども使い、ジムがあることを周知させる必要があります。

加えて、集客媒体のデザインやキャッチコピーなどのクオリティも非常に重要となってきます。必要に応じてWeb制作会社や広告代理店などのプロの力も借りてみましょう。

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ポイントを押さえてジム開業の成功という結果にコミットしよう

今回はジムを開業する方法や流れ、届出や費用についてご紹介しました。考えるべきことややるべきことが多くてハードルが高いと思われるかもしれません。しかし、人々の健康志向が強くなり、それにともなってジムの需要も伸びてきていますので、競合との優位性を打ち出せれば十分に成功する余地はあります。

ぜひ、今回ご紹介したポイントも意識しながら、成功という結果にコミットしてみましょう。

よくある質問

ジムを開業するまでの流れ・手続きは?

事業計画の策定、開業資金の調達、出店地域と物件の選定、工事・設備搬入、スタッフの雇用、関係省庁への届出などがあります。はこちらをご覧ください。

ジムを開業するために必要な資格・届出は?

必要な資格は特にありません。個人事業主として開業するのであれば、税務署に「開業届」と都道府県税事務所に「個人事業開業申告書」を提出します。その他、消防署や都道府県庁、市区町村役場で手続きが必要になる場合もあります。詳しくはこちらをご覧ください。


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