• 更新日 : 2026年7月15日

キッチンカーで移動販売を開業するには?営業許可や資金について解説!

Pointキッチンカーで開業するには?

キッチンカーの開業は250~350万円の初期費用と営業許可の取得で3カ月程度から始められます。

  • 開業資金は固定店舗の半分以下
  • 食品衛生責任者と営業許可が必要
  • 出店場所の確保が成功の鍵

Q. キッチンカー開業に最低限必要な資格は?

A. 食品衛生責任者の設置と保健所の営業許可取得が必須です。また、出店場所間の移動等を自身で行う場合は運転免許が必要となります。

イベント会場や公園、商業施設などでおいしい料理を提供してくれるキッチンカーでの移動販売。近年、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって従来の飲食店に代わって需要が高まっています。飲食で開業したいと考えているのであれば、キッチンカーで開業するのもいいかもしれません。

今回は移動販売における開業の流れや必要な資格、キッチンカーを用意する方法、開業するメリットや失敗するパターンについてご紹介します。

目次

キッチンカーで移動販売を行うメリットは?

開業するビジネスとしてキッチンカーでの移動販売を選ぶメリットは様々あります。特に以下のような点で、一般的な飲食店と比較して優位性があります。

開業資金とランニングコストが安い

一般的な飲食店の平均的な開業資金は900万円ほどです。店舗を設けるためには物件を借りなければなりません。内装工事も大掛かりなものになり、調理設備やテーブル・いすなどの備品もそろえる必要があります。それらに多額の費用がかかるのです。

一方、キッチンカーの場合は物件の調達や内装工事は不要です。車を購入してデコレーションをしたり調理器具を積み込んだりといった改造を行わなければなりませんが、飲食店よりは費用を抑えることができ、250~350万円程度で開業することも可能です。

賃料も不要なためランニングコストも抑えることができます。さらに1人で営業すれば人件費も不要です。

開業までの期間が短い

飲食店では物件を選んで契約を行い、さらに内装工事や設備・備品の搬入・設置も必要となり、半年から一年くらいの準備期間がかかってしまいます。キッチンカーの場合は短ければ3カ月ほどで開業可能です。

準備に時間がかからず、早期に開業できるのもキッチンカーの大きなメリットといえます。

好きな時間・場所で営業できる

飲食店の場合は営業日や営業時間を決めて営業する必要があります。「不定休」としている飲食店もありますが、いつ営業しているかわからない飲食店には行きづらいものです。

店舗を構えないキッチンカーであれば比較的休みを自由に取ることができます。イベントが開催されていて人手が多い土日や祝日は書き入れ時なのでなかなか休むことはできないかもしれませんが、その分、平日に休むことも可能です。

キッチンカーで移動販売を行うデメリット・注意点は?

キッチンカーは固定店舗より初期費用を抑えやすい一方で、営業場所の確保、天候による売上変動、車両・設備管理などの課題があります。自由に移動して販売できるイメージがありますが、許可や出店条件を確認しながら運営する必要があります。

出店場所を安定して確保する必要がある

キッチンカーは、どこでも自由に営業できるわけではありません。公園、商業施設、イベント会場、オフィス街などで販売するには、土地所有者や管理者の許可が必要です。出店料が発生する場合もあり、売上に対して負担が大きくなることがあります。また、人気の出店場所は競争が激しく、継続的に出店できるとは限りません。売上を安定させるには、複数の出店候補を確保しておくことが重要です。

天候や季節によって売上が左右されやすい

キッチンカーの売上は、天候や季節の影響を受けやすい点に注意が必要です。雨や台風、猛暑、寒波の日は人通りが減り、売上が大きく落ち込むことがあります。イベント出店でも、悪天候で来場者数が減れば想定どおりの売上を得られません。販売メニューも季節によって需要が変わるため、夏は冷たい商品、冬は温かい商品を用意するなど、柔軟な対応が必要です。

車両や厨房設備の故障リスクがある

キッチンカーでは、車両そのものが店舗の役割を持ちます。そのため、エンジン、発電機、冷蔵・冷凍設備、給排水設備、ガス機器などに不具合が起きると営業できなくなる可能性があります。修理費が急に発生するだけでなく、出店予定をキャンセルすれば売上機会も失います。日常点検や定期整備を行い、修理費や代替出店手段を見込んだ資金計画を立てておくことが大切です。

キッチンカーを開業するまでの流れは?

キッチンカーを開業するには、車両を用意するだけでなく、事業計画、メニュー設計、出店場所の確保、仕込み場所の準備、営業許可の取得まで段階的に進める必要があります。

1. 事業計画・資金計画を立てる

まずは、キッチンカーのコンセプトを決め、事業計画と資金計画を作成します。誰をターゲットにするのか、どこで販売するのか、どのような料理を提供するのかを具体化しましょう。あわせて、車両購入費、改造費、厨房設備費、出店料、仕入れ費、広告費などの開業資金を見積もります。融資を利用する場合は、売上見込みや返済計画を示す事業計画書が必要になるため、数字に基づいて準備することが大切です。

2. キッチンカー向きのメニューを決める

販売するメニューを決めます。キッチンカーは積載できる調理設備や保管スペースが限られるため、短時間で提供でき、持ち運びしやすい料理が向いています。ホットドッグ、丼物、クレープ、カレー、からあげなどは移動販売でも扱いやすいメニューです。「自分が作りたい料理」だけでなく、ターゲットが買いやすい価格帯、食べやすさ、提供スピード、見た目の分かりやすさも考えて選びましょう。

3. 出店場所と仕込み場所を確保する

キッチンカーの売上は出店場所に大きく左右されます。会社員向けならオフィス街のランチ需要、家族連れ向けなら公園や商業施設、観光客向けなら駅前や観光地周辺など、ターゲットに合う場所を選ぶことが重要です。出店場所を紹介するサービスを活用する方法もあります。また、車内だけで仕込みが完結しない場合は、保健所の基準を満たす仕込み場所を別途確保する必要があります。

4. キッチンカーを製作・準備する

販売メニューと営業スタイルが決まったら、キッチンカーを準備します。車両を購入して改造する方法のほか、中古キッチンカーを購入する方法、リースやレンタルを利用する方法もあります。車両には、調理機器、冷蔵・冷凍設備、給排水設備、発電機、換気設備などが必要です。後から設備不足が判明すると追加費用がかかるため、営業許可の基準も踏まえて製作業者に相談しましょう。

5. 食品衛生責任者を置き営業許可を取得する

キッチンカーで飲食物を提供するには、食品衛生責任者の設置と、保健所の営業許可が必要です。営業許可は、営業する地域や提供するメニューによって確認事項が変わる場合があります。申請前には、車両図面、設備内容、給排水タンクの容量、調理工程などを整理し、管轄の保健所に相談しておきましょう。許可取得後は、出店先の契約や告知を進め、開業に備えます。

キッチンカーの開業に必要な資格は?

キッチンカーで移動販売をはじめる際には前述のとおり食品衛生責任者と保健所の営業許可を取得しなければなりません。それぞれ詳しく見ていきましょう。

食品衛生責任者

飲食物を提供する店舗を運営する場合、食品衛生責任者の有資格者が1人以上いる必要があります。講習を受けることで資格を取得することが可能です。なお、調理師や栄養士などの資格を保有している場合は講習の参加が免除となります。

参考:食品衛生責任者|東京都保健医療局

保健所の営業許可

飲食店を開業するためには保健所の営業許可も取得する必要があります。所轄の保健所で手続きを行い、検査を受けて合格したら営業許可証が交付されます。必要書類の提出から交付まで2週間ほどかかりますので、余裕を持って手続きを行いましょう。

その他

調理師や栄養士などの資格を保有していることで、お客様からの信頼度が得られる可能性があります。また、キッチンカーは車両を運転して移動するため、「自動車運転免許」が必要となります。基本的には普通免許で運転できる車両が多いですが、ベースとなる車の大きさや最大積載量、免許の取得時期によっては準中型免許以上が必要になるケースもあるため、事前に車検証や免許の条件を確認しておくと安心です。

キッチンカー(フードトラック)を準備する方法は?

キッチンカーを開業するには、販売メニューや営業スタイルに合った車両を用意する必要があります。車両の取得方法には、購入、改造、リース、レンタルなどがあり、初期費用や自由度、営業開始までの期間が異なります。

新車・中古車を購入して改造する

本格的に長く営業する場合は、車両を購入してキッチンカー仕様に改造する方法があります。販売メニューに合わせて、調理台、冷蔵・冷凍設備、給排水タンク、換気設備、発電機、収納スペースなどを設計できる点がメリットです。一方で、購入費と改造費がかかるため、初期費用は高くなりやすいです。中古車を選ぶ場合は、走行距離や車両状態に加え、厨房設備の劣化や修理費も確認しましょう。

完成済みの中古キッチンカーを購入する

開業準備の期間を短くしたい場合は、すでに設備が整った中古キッチンカーを購入する方法もあります。新たに改造するより早く営業を始めやすく、費用を抑えられる場合があります。ただし、前の所有者のメニューに合わせた設備になっているため、自分の販売商品に合わない可能性があります。給排水設備、保健所基準への適合、車検、故障履歴を必ず確認しましょう。

リース・レンタルで小さく始める

初期費用を抑えたい場合は、キッチンカーのリースやレンタルを利用する方法もあります。短期間のイベント出店や、事業性を試したい段階では有効です。車両購入より始めやすい一方で、長期利用では総額が高くなる場合があります。また、設備変更の自由度が低いこともあるため、提供メニューに必要な調理器具や保管スペースが足りるか事前に確認することが大切です。

キッチンカーの資金を調達する方法は?

キッチンカーを開業する際の資金調達方法としては、主に「自己資金を使う」「融資を受ける」「助成金・補助金を活用する」という3つのパターンがあります。

自己資金を使う

ご自身で貯めたお金を使うことです。キッチンカーは前述のとおり比較的低コストで開業できるため、自己資金のみで開業される方もいらっしゃいます。融資を受けなければ毎月返済に追われることもありません。他にも複雑な手続きが要らない、必要なときにすぐに資金を使うことができるといったメリットもあります。

融資を受ける

自己資金で開業資金を賄いきれない場合は、銀行や信用金庫などの金融機関、日本政策金融公庫などから資金を借り入れるのが一般的です。これによって自己資金が少ない方でも開業することができますが、手続きを行わなければならない、審査を通過しなければ資金が借りられない、毎月返済をしなければならないなどのデメリットもあります。前述のとおり、審査を受けるためには事業計画書の提出が求められます。また、計画が甘いと借り入れができなかったり毎月の売上よりも返済額のほうが大きくなって資金繰りが苦しくなってしまったりということにもなりかねません。事業計画と資金計画は綿密に練っておきましょう。

また、金融機関以外にも、親族や友人などから融資を受けるという選択肢もあります。親族や友人からの借り入れであっても、後々のトラブルを避けるために借用書の作成や返済計画の取り決めが必要です。

助成金・補助金を活用する

自治体によっては地域経済の活性化や多様な働き方へのサポートのために、事業者に対して助成金や補助金を出してくれるところもあります。こうした制度を活用することで、開業資金の一部を賄うことができます。

ただし、住んでいる地域で補助金・助成金制度が設けられていない場合は当然活用することはできません。また、活用するためには要件を満たしていなければならず、複雑な手続きを行う必要があります。

クラウドファンディングを活用する

インターネットを通じて不特定多数の人から資金を募る方法です。キッチンカーのコンセプトやメニューへのこだわり、開業に懸ける想いを発信し、共感してくれた「支援者」からリターンと引き換えに資金を集めます。返済義務のない資金を調達できるだけでなく、開業前からファンやリピーターを増やせる点が大きなメリットです。 ただし、目標金額を達成するためには魅力的なページ作りやSNSなどでの積極的なPR活動が不可欠であり、手数料が発生する点や、プラットフォームによっては目標金額に達しなかった場合に資金を一切受け取れないといった注意点もあります。

キッチンカーの開業を成功させるコツは?

キッチンカーは固定店舗より小さく始めやすい一方で、出店場所、天候、提供スピード、メニュー設計によって売上が大きく変わります。成功させるには、料理の魅力だけでなく、販売場所の選定、原価管理、リピーターづくりまで含めて運営を考えることが重要です。

ターゲットに合う出店場所を選ぶ

キッチンカーの売上は、出店場所に大きく左右されます。会社員向けのランチならオフィス街、家族連れ向けなら公園や商業施設、若年層向けならイベント会場や大学周辺など、販売するメニューと客層が合う場所を選びましょう。人通りが多くても、ターゲットと合わなければ売上につながりません。複数の出店場所を試し、曜日や時間帯ごとの売上を記録して、収益性の高い場所を見極めることが大切です。

提供しやすく利益が残るメニューにする

キッチンカーでは、車内スペースや調理設備が限られるため、短時間で提供できるメニューが向いています。調理工程が多すぎると、ピーク時間に提供が遅れ、販売機会を逃す可能性があります。また、売れやすいだけでなく、原価率や容器代を含めても利益が残る価格設計が必要です。看板商品を絞り、トッピングやセット販売で客単価を上げる工夫をすると、限られた販売時間でも売上を伸ばしやすくなります。

SNSやリピーター施策で来店機会を増やす

キッチンカーは日によって出店場所が変わるため、顧客に「いつ・どこで買えるか」を知らせる仕組みが欠かせません。Instagram、X、LINE公式アカウント、Googleビジネスプロフィールなどで出店予定や限定メニューを発信しましょう。購入者に次回使えるクーポンを渡す、スタンプカードを用意する、常連客向けに取り置き予約を受けるなど、再来店につながる施策も有効です。継続的な接点を作ることで、出店ごとの売上を安定させやすくなります。

キッチンカーの開業で失敗しがちなポイントは?

ここからはキッチンカーの経営で失敗しがちなポイントについてお伝えします。ぜひ以下のことを意識して、なるべくリスクを軽減しましょう。

出店場所が悪い

まずよくありがちなのは出店場所が悪いためにお客様が集まらず失敗してしまうというパターンです。キッチンカーの利点はお客様が多い場所まで移動して販売できることですが、良い場所を見つけるのは意外と大変です。特に最初のうちはなかなか見当がつかず、売上よりも経費のほうが多くなってしまうかもしれません。良い出店場所を早期に見つけるためにも、事前にしっかりと計画を立てておきましょう。

また、ショッピングセンターや公園、イベント会場に出店すれば多くの来店が見込めます。施設の管理者やイベントの主催者とのパイプ作りも大切です。

価格設定を間違える

価格設定のミスもよくありがちな失敗パターンです。「他店がこれくらいだから」「なるべく安くしたいから」と販売価格を必要以上に下げてしまうと赤字につながります。逆に高すぎるとお客様が離れてしまうのは言うまでもありません。しっかりと原価を計算し、利益が出るような値段をつけましょう。

キッチンカーは比較的値段も変えやすいので、価格設定に関してもトライアンドエラーで柔軟に対応していきましょう。

集客ができていない

キッチンカーは主に通りすがりの人がターゲットになりますが、それでも集客のための施策は必須といえます。特に相性がいいのはSNSです。おいしそうな料理の写真やキッチンカーの写真とともに「今日は●●で出店します」と投稿すると、興味を持ったお客様が来てくれる可能性があります。

また、一度来たお客様にSNSアカウントをフォローしてもらえば、投稿を見てリピーターになってくれる可能性があります。

天候や天災、感染症など

不可抗力でキッチンカーの経営が立ち行かなくなってしまう場合もあります。移動販売は雨や雪になると客足が落ちてしまいます。週末に悪天候が続いたために経営状態が悪化するというケースもよくあるようです。地震や台風で被災してしまって出店できない事態も想定されます。コロナ禍では移動規制が敷かれたため、飲食店が大きなダメージを被ったのは記憶にも新しいところです。

こうした不可抗力は経営者のせいではありませんが、それでも日頃から備えておくことが大切です。

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飲食店よりも自由に・手軽に経営できるのがキッチンカーの魅力

キッチンカーは飲食店を開業するよりも低コストで、しかも早期に開業することが可能です。休日や営業時間、出店場所も自由に決められます。飲食で開業したい方は、まずはキッチンカーでの移動販売からはじめてみてもいいかもしれません。

今回の記事も参考にしながら注意すべき点も踏まえて、しっかりと準備を進めていきましょう。

よくある質問

キッチンカーを開業するまでの流れは?

「事業計画・資金計画を立てる」「メニューを決める」「出店場所と仕込み場所の選定」「営業許可の取得」「キッチンカーの製作」「開店準備」が主な流れです。詳しくはこちらをご覧ください。

キッチンカーの開業に必要な資格は?

食品衛生責任者になれる資格が必要です。他にも所轄する保健所から営業許可を取得しなければなりません。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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