• 作成日 : 2024年12月13日

個人版事業承継税制とは?節税の要件や期限、手続きをわかりやすく解説

個人版事業承継税制は、個人事業主が所有する事業資産にかかる贈与税・相続税の納税を猶予・免除することで後継者の税負担を大幅に軽減する制度です。

特例承継計画の提出期限が2026年3月31日まで延長され、活用のチャンスが広がりました。そこで、本記事では、制度の仕組みと効果的な活用方法をわかりやすく解説していきます。

参考:中小企業庁 個人版事業承継税制の前提となる認定

個人版事業承継税制とは?

個人版事業承継税制は、個人事業主が後継者に円滑に事業を引き継ぐことを目的に、2019年1月1日以降の贈与・相続から適用される税制優遇制度です。この制度では、事業用資産の相続税・贈与税の納税を猶予し、一定の要件を満たせば免除するもので、後継者の税負担が大幅に軽減されます。

主な目的は、個人事業主の高齢化や後継者不足という社会問題に対応し、円滑な世代交代を促進することです。個人事業主が長年築き上げてきた事業を次世代に引き継ぐ際の障壁を低くすることで、地域経済の活力維持や雇用の確保にも寄与することが期待されています。

適用を受けるためには、経営承継円滑化法に基づく都道府県知事の認定が必要です。この認定プロセスでは、事業の継続性や後継者の適格性、地域への貢献度などが総合的に評価されます。

法人版事業承継税制との違い

個人版事業承継税制と法人版事業承継税制は、どちらも事業承継時の税負担を軽減する制度ですが、対象や目的、適用条件に大きな違いがあります。

個人版事業承継税制と法人版事業承継税制

出典:国税庁 個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし P6

上記の図に示されている通り、両制度には計画策定時期や適用期限での違いがあります。また、以下の点も重要です。

内容個人版事業承継税制法人版事業承継税制
継続届出3年ごと経営承継期間中は毎年、その後3年ごと
青色申告要件贈与・相続前の直近3年間必要なし
承継パターン原則、先代一人から後継者一人複数の株主から最大3人の後継者
経営環境変化への対応あり(後継者が重度障害等の場合は免除)特例措置として条件緩和が可能

参考:経済産業省 -経営承継円滑化法- 【個?版事業承継税制の前提となる経営承継円滑化法の認定申請マニュアル】令和6年4月改訂版中小企業庁 個人版事業承継税制の前提となる認定中小企業庁:2024年版「中小企業白書」 第6節 事業承継国税庁 法人版事業承継税制中小企業庁 法人版事業承継税制(特例措置)

個人版事業承継税制の対象と適用条件

個人版事業承継税制の対象や適用条件を正しく理解し、計画的に活用することで、事業承継に伴う税負担を大幅に軽減できます。

対象となる事業者

個人版事業承継税制の対象となる事業者は、以下の要件を全て満たす必要があります。

    1. 中小企業・事業者要件
      • 中小企業基本法に定める中小企業者であること
      • 業種別の資本金または従業員数の基準を満たすこと
    2. 事業要件
      • 青色申告を行っている事業者であること
      • 上場会社でないこと
      • 風俗営業、資産管理事業を除く事業者であること
    3. 事業の継続性
      • 事業を継続する明確な意思と計画があること
      • 後継者が事業を引き継ぐことが確定していること
      • 贈与前3年以上、事業に従事していること

これらの条件を全て満たす事業者が、個人版事業承継税制の対象となります。事業の規模や形態、継続性が重要な判断基準となるため、自社の状況を慎重に確認することが大切です。

参考:国税庁 個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし P2-3

対象となる資産

個人版事業承継税制の対象となる資産は、「特定事業用資産」と呼ばれ、以下のように定義されます。

    1. 土地または借地権
      • 事業用の土地
      • 面積要件:400平方メートル以下
      • 借地権も対象に含まれる
    2. 建物
      • 事業専用の建物
      • 床面積:800平方メートル以下
      • 事業活動に直接使用されている建物
    3. 減価償却資産
      • 青色申告書の貸借対照表に計上されているもの
      • 固定資産税の課税対象となるもの
      • 営業用の自動車税・軽自動車税が適用されるもの
      • 一定の貨物運送用および乗用自動車
      • 乳牛・果樹等の生物
      • 特許権等の無形固定資産

これらの資産は、先代事業者の事業用に供されており、前年分の事業所得に係る青色申告書の貸借対照表に計上されていることが条件です。

参考:神奈川県 個人事業者の事業用資産の贈与税・相続税を”ゼロ”に! -中小企業経営承継円滑化法個人事業者向け手引き- P2愛知県 個人版事業承継税制国税庁 No.4153 個人の事業用資産についての相続税の納税猶予及び免除(個人版事業承継税制)

納税猶予と免除の概要

納税猶予と免除は、この制度の中核の仕組みです。ここでは、具体的な計算例を通じて、実際の税負担軽減効果を説明します。

猶予の仕組み:

  • 特定事業用資産(土地400平方メートル以下、建物800平方メートル以下、減価償却資産)の全額に対する贈与税や相続税が猶予対象
  • 事業継続中は納税が猶予され、後継者の死亡時や特定事業用資産の全ての譲渡等の場合に免除

試算例:400平方メートルの事業用土地(評価額1億円)を贈与で承継する場合

  • 贈与税の算定方法:

評価額:1億円
贈与税の基礎控除額:110万円

課税対象額:1億円 – 110万円 = 9,890万円
  • 贈与税額(速算表に基づく計算):

税率:55%
控除額:400万円

計算式:9,890万円 × 55% – 400万円 =5039.5万円

本制度利用時:

  • 約5,040万円の納税が猶予され、条件を満たせば全額免除されます。
    ※相続税の場合は計算方法が異なります。

参考:国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

適用期限:

  • 2019年1月1日から2028年12月31日までの贈与・相続が対象です。

注意点:

  • 青色申告を行っている必要があります。
  • 不動産貸付業等、一部の事業は本制度の対象外です。
  • 事業継続や資産保有などの条件を満たさなくなると、猶予されていた税額を納付する必要があります。
  • 個人事業承継計画の提出期限は2026年3月31日までです。

この制度によって、後継者は多額の税金を即時に支払うことなく、事業を継続できます。ただし、適用には複雑な要件があるため、専門家への相談をお勧めします。

参考:神奈川県 個人の事業用資産に係る事業承継税制について愛知県 個人版事業承継税制国税庁 No.4153 個人の事業用資産についての相続税の納税猶予及び免除(個人版事業承継税制)

個人版事業承継税制の認定要件と手続き

個人版事業承継税制を利用するためには、事業者や後継者、対象資産に関する認定要件を満たす必要があります。また、手続きには、都道府県への申請や税務署への届出など、計画的な準備が必要です。ここでは、認定要件と具体的な手続きの流れについて詳しく解説します。

認定要件(事業者・後継者・資産要件)

個人版事業承継税制の適用を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 事業者要件
    • 青色申告を行っていること。
    • 上場会社ではないこと。
    • 風俗営業や資産管理事業を営んでいないこと。
  2. 後継者要件
    • 贈与時に18歳以上であること(2022年4月1日以降適用)。
    • 贈与の直前に先代事業者と生計を一にしている親族であること。
    • 経営承継円滑化法に基づく認定を都道府県知事から受けていること。
  3. 資産要件
    • 土地(400平方メートル以下)、建物(800平方メートル以下)、減価償却資産が対象。
    • 承継後5年間にわたり、事業に直接使用されることが必要。
  4. 事業継続要件
    • 贈与前3年以上事業に従事し、承継後5年間事業を継続すること。
    • 毎年、都道府県知事へ「事業状況報告書」を提出すること。
    • 従業員の8割以上を5年間維持すること。

参考:国税庁 個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし

経営改善と事業継続に関する要件

認定要件を満たした後、以下の条件を遵守する必要があります。

  1. 事業継続:承継後5年間の事業継続が求められ、毎年「事業状況報告書」を都道府県知事に提出。
  2. 個人事業承継計画:事業承継前に策定し、2026年3月31日までに都道府県知事に提出。認定経営革新等支援機関の指導を受けること。
  3. 計画の実行と報告:策定した計画に基づき、事業を継続。3年ごとに税務署へ「継続届出書」を提出。
  4. 特定事業用資産の継続保有:承継後5年間、事業用に使用し続ける必要があり、資産の譲渡や担保提供には都道府県知事の事前承認が必要。
  5. 青色申告の継続:特定事業用資産に関連する事業について、引き続き青色申告を実施。

参考:国税庁 個人の事業用資産についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(個人版事業承継税制)のあらまし

要件を満たせない場合の対処方法と注意点

個人版事業承継税制を利用するための認定要件は厳格ですが、条件を満たせない場合でも対応策を講じることで、制度を活用できる可能性があります。特に、税理士や支援機関の助言を受けて不足部分を補ったり、特例措置を活用したりすることで、要件不適合のリスクを軽減できます。

要件を満たせない場合の対処方法

  1. 事前確認と対応計画:不足している部分を特定し、改善計画を立てる。
  2. 猶予期間の申請:合理的な理由がある場合、条件達成までの猶予を申請する。
  3. 条件緩和の特例:不可抗力による未達成の場合、特例申請を検討する。
  4. 補助金や助成金の活用:資金不足対策として、各種支援制度を利用する。

注意点とリスク

  1. 報告義務違反:必要書類の未提出は税優遇取り消しの原因となるため、期限を守る。
  2. 資産管理の制約:承継資産の譲渡には事前承認が必要なため、計画的な資産管理を行う。
  3. 専門家の活用:複雑な手続きを確実に進めるため、税理士等の専門家に相談する。

ここまで説明してきたように、個人版事業承継税制を活用するには、要件の確認と計画的な手続きが重要です。早めの準備と専門家のサポートで、円滑な事業承継を目指しましょう。

個人版事業承継税制の流れや手続き

個人事業主が事業用資産を後継者に引き継ぐ際の税制優遇措置を受けるには、5つの重要なステップがあります。個人事業承継計画の提出から始まり、贈与・相続の実行、都道府県知事の認定取得、税務署への申告と続き、その後、3年ごとの継続届出が必要です。

1.都道府県に個人事業承継計画を提出する

最初のステップが承継計画を都道府県への提出です。提出期限は当初2024年3月31日でしたが、2年間延長され、2026年3月31日までとなりました。

必要書類には、個人事業承継計画、認定経営革新等支援機関の確認書、直近の確定申告書類が含まれます。計画書には事業の現状分析、後継者の選定理由、承継時期、経営改善の方針などを記載し、具体的な数値目標や実現可能な計画を盛り込むことが重要です。早期に作成・提出することで、事業承継の準備を円滑に進められます。

2.贈与や相続を行う

承認計画提出後、実際に贈与や相続を実施します。この段階では、特定事業用資産の評価や贈与・相続の時期の決定など次のような工程が必要です。

  1. 資産評価:税理士等の専門家に依頼し、適切な評価額を算出。
  2. 必要書類:贈与契約書(贈与の場合)や遺産分割協議書(相続の場合)を作成。
  3. 実施時期:
    • 贈与の場合:後継者が18歳以上であることが条件(2022年4月1日の法改正により20歳から引き下げ)。事業の業績や税制改正の動向を考慮して最適な時期を選ぶ。
    • 相続の場合:被相続人の死亡から10ヶ月以内に手続きを完了する。
  4. 事業継続性の検討:贈与・相続時の資産状況や事業の継続性について十分に検討する。

なお、後継者は特定事業用資産を確実に引き継ぎ、青色申告を継続することが本制度の適用条件です。

参考:大阪府 1-3.贈与税・相続税の納税猶予を受けるための認定申請について

3.都道府県知事へ認定申請書を提出する

贈与や相続の後、定められた期限内に都道府県知事へ認定申請書を提出します。申請期限は以下の通りです。

  • 贈与の場合:贈与を受けた年の翌年1月15日まで
  • 相続の場合:相続開始の日の翌日から8ヶ月以内

この申請には、事業承継の事実を証明する書類に加え、以下のような書類が必要です。

  • 特定事業用資産の明細
  • 定款、株主名簿、履歴事項全部証明書
  • 決算関係書類

認定基準には、既に説明した要件に加えて、以下のような詳細な条件があります。

  • 後継者が特定事業用資産の全てを取得していること
  • 後継者が事業に従事していること(代表者であること)
  • 先代経営者が既に代表者を退任していること

認定取得から納税猶予申請までの期間が短いため、早めの申請準備が不可欠です。また、認定後は事業状況報告書の定期的な提出など、継続的な義務があることにも注意しましょう。

参考:大阪府 1-3.贈与税・相続税の納税猶予を受けるための認定申請について

4.税務署へ納税申告・担保提供を行う

都道府県知事の認定後、税務署へ納税猶予の申請を行います。

申告期限

  • 贈与:翌年3月15日まで
  • 相続:相続開始から10ヶ月以内

提出先:特定事業用資産の所在地を管轄する税務署

必要書類

  1. 贈与税または相続税の申告書
  2. 納税猶予適用の届出書
  3. 認定書の写し
  4. 特定事業用資産の明細書
  5. 誓約書(事業継続や資産保有に関する誓約)
  6. 担保提供関係書類

担保提供

  • 猶予税額に加え、猶予期間中の利子税を含めた額の担保が必要
  • 通常、承継した特定事業用資産(土地、建物、機械設備など)を使用
  • 担保が不足する場合、有価証券や預貯金なども追加可能
  • 担保提供には、抵当権設定契約書の作成や登記手続きが必要

担保提供とは、納税猶予を受ける税額とその利子税に相当する資産を担保として提供することで、将来的な納税の確実性を担保するものです。

適切な申告と担保提供によって、納税が猶予されます。ただし、事業継続などの要件を満たさなくなると、猶予税額の納付が必要となることに注意してください。また、申告期限までに担保提供の手続きが完了しない場合は、税務署に相談の上、「速やかに担保関係書類の提出を行う旨の確約書」を提出することで対応可能な場合があります。

参考:大阪府 1-3.贈与税・相続税の納税猶予を受けるための認定申請について

5.年に1回、税務署へ継続届出書を提出する

納税猶予の適用後は、事業継続状況を報告するため、定期的に「継続届出書」を税務署へ提出する必要があります。この届出書には、事業の継続状況、従業員数の維持状況、特定事業用資産の保有状況などを記載します。

提出期限と頻度

  • 贈与税の場合:贈与を受けた年の翌年から5年間は毎年、その後は3年ごと
  • 相続税の場合:相続開始年の翌年から5年間は毎年、その後は3年ごと

提出期限は、それぞれの基準日(贈与税の申告期限または相続開始日から1年経過後)から5ヶ月、猶予されていた税額と利子税を納付する必要が生じます。そのため、期限管理を徹底し、確実に提出することが重要です。

もしやむを得ない事情で期限内に提出できなかった場合、その事情を記載した継続届出書を提出することで、納税猶予が継続される可能性があります。

前提となる経営承継円滑化法の認定申請マニュアル】令和6年4月改訂版 P45-
(税務署長に提出する旨もここに記載)

個人版事業承継税制のメリット

個人版事業承継税制には、主に以下の2つの重要なメリットがあります。

  1. 納税猶予による資金繰りへの効果
    • 相続税や贈与税の100%納税猶予を受けられる。
    • 事業継続中は猶予が維持され、条件を満たせば免除の対象となる。
    • 後継者は急激な税金支払いの負担から解放され、事業運営に注力できる。
  2. 事業継続性の確保
    • 事業に必要な資産を維持しながら、確実に次世代へ引き継ぐことができる。
    • 事業用資産の継続保有と3年ごとの継続届出書提出で事業の安定性が担保される。
    • 後継者の死亡時や災害等での事業継続困難時は猶予税額が免除される。
      (ただし、事業廃止時は猶予税額と利子税の納付が求められる)

これらの2つのメリットで、個人事業主は税負担を軽減しつつ、長期的な視点で事業を継続できます。納税猶予による資金的余裕は事業の成長投資に活用でき、事業継続性の確保は地域経済と雇用の維持に貢献します。

個人版事業承継税制を活用する際の注意点

個人版事業承継税制の活用には以下の注意点があります。

  1. 事業用資産の保有・利用制限
    • 事業用資産の継続保有・利用が必要。
    • 資産処分や事業廃止時は猶予税額と利子税の納付が必要。
      (ただし、資産の買い替え等は税務署長の承認で継続適用可能)
  2. 経営判断の制約
    • 特定事業用資産の処分に制限があり、経営判断が制約される可能性がある。
    • 事業内容や規模の大幅な変更が難しい場合がある。
  3. 長期的な事業継続義務
    • 納税猶予の継続には長期間の事業継続が必要。
    • 経済環境の変化や個人の事情変更への対応が制限される。
  4. 将来の制度変更のリスク
    • 将来の税制改正により、制度内容が変更される可能性がある。
    • 長期的な計画立案時に考慮が必要。
  5. 適用対象事業の制限
    • 不動産貸付業や資産管理事業は対象外。
    • 事業内容の詳細な確認が必要。
  6. 専門的知識の必要性
    • 複雑な制度理解と適切な運用には専門家の助言が不可欠。
    • 継続的なサポートを受けられる体制構築が重要。

これらの点を十分に理解し、長期的視点で制度を活用することが重要です。事前の準備と適切な運用、そして専門家の継続的な助言を受けながら進めることが賢明です。

個人版事業承継税制を成功させるための3つのステップ

今後、個人版事業承継税制の活用を具体的に検討する方のために、ここまで説明してきたことを3つの角度からまとめました。以下は、時系列に基づく流れではありませんが、制度活用に向けた簡易的なチェックリストとしてご活用ください。

  1. 事前準備と現状分析
    • 特定事業用資産の評価と対象範囲の特定を行う。
    • 後継者の適格性を確認し、育成計画を策定する。
    • 現在の財務状況を分析し、事業の現状を把握する。
    • 事業承継に向けた課題をリストアップし、対策を検討する。
    • 事業承継計画を策定し、都道府県知事の認定取得を目指す。
  2. 専門家との連携体制構築と承継プロセスの準備
    • 税理士と相談し、最適な承継方法と税務計画を立てる。
    • 司法書士・弁護士等に手続きの確認を依頼する。
    • 金融機関と事前相談を行い、資金面での準備を整える。
    • アドバイザリーチームを編成し、総合的なサポート体制を構築する。
    • 個人事業承継計画を作成し、都道府県に提出する。
    • 贈与または相続のタイミングを計画し、手続きを適切に実行する。
  3. スケジュール策定と継続的なモニタリング
    • 申請までの具体的なタイムラインを作成する。
    • 必要書類の準備スケジュールを立て、漏れなく対応する。
    • 関係者との調整時期を設定し、円滑な承継を目指す。
    • 事業継続要件(従業員数の維持など)の遵守体制を整える。
    • 定期的な継続届出書の提出を確実に行うためのモニタリング体制を構築する。
    • 事業環境の変化に応じて、経営戦略を適宜見直す。

この制度の最大の利点は、何度もお伝えしてきたように、多額の税金負担を気にすることなく、事業運営に集中できることです。また、従来は税負担が重くて事業継続が困難だったケースでも、この制度を活用することで事業承継が可能になります。

単なる税制優遇にとどまらず、事業の持続的発展と地域経済への貢献を目指すという本来の目的を常に意識しながら、計画的な準備と適切な実行を重ねていくことで、円滑な事業承継が実現し、次の世代へ事業は引き継がれていきます。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事