- 作成日 : 2022年7月8日
Webサービスの起業で初心者が失敗しないための注意点
Webサービスは、低予算で小規模から始められるため、起業しやすい分野です。しかし、中途半端に起業すると資金が足りなくなり失敗する可能性もあります。そのため、成功するための手順やポイントを理解することが大切です。
本記事では、Webサービスで起業するメリットや失敗しないためのポイントや起業手順などを解説します。
目次
Webサービスとは
そもそもWebサービスとは、Webブラウザによる表示や操作により利用できるインターネット上のサービスのことです。例えば、SNSやオンラインゲーム、予約サービス、オンライン決済サービス、クラウドソーシングサービスなどがあります。
はじめはパソコンのブラウザを利用してWebサービスが提供されていましたが、スマホの普及に伴い、スマホブラウザでのWebサービス提供が増加しているのが特徴です。
Webサービスで起業するメリット
Webサービスで起業する方が多い背景には、Webサービスの起業ハードルが低いことが挙げられます。起業を検討している方は、まずはWebサービスならではのメリットを理解することが大切です。ここでは、Webサービスで起業する3つのメリットを解説します。
低予算で始められる
Webサービスは、パソコンとインターネット環境があれば始められるため、起業のハードルが低い商材です。また、初期費用や在庫管理などの維持費用や固定費がほとんどかからないため、金銭的な負担が少ないというメリットもあります。起業においては50〜100万円ほどあればスタートできることが多く、比較的少ない資金で始められるため起業しやすいでしょう。
副業レベルの小規模から始められる
Webサービスは、インターネット環境や機材など、最低限必要なものさえ揃えれば低予算ですぐに始められるため、副業レベルの規模からスタートできます。また、固定費がほとんどかからないため、すぐにまとまった売上が立たなくても事業を続けやすいのがメリットです。
また、プログラミングなどの専門知識がなくても、スキルがある人とタッグを組めば始められます。小規模から始めて着実に事業を進め、自身もスキルを習得しながら徐々に規模を拡大させる事業展開が可能です。
在庫リスクが少ない
アパレルのように有形のものを扱う事業では、在庫を抱えるため、在庫を管理する設備の確保や売れ残りリスクを負う必要があります。しかし、Webサービス事業では無形の商材を扱うため、比較的在庫リスクも少なく取り組みやすいでしょう。
Webサービスで起業するまでの手順
Webサービスで起業する際は、会社の登記や開業など、さまざまな手続きが必要です。個人事業主として開業する場合と、法人を設立して起業する場合では、必要な書類や手続きが異なります。ここでは会社設立、あるいは個人で開業して起業する場合の手順について解説します。
なお、起業の方法や手続きについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
事業計画書の作成
事業計画書とは、事業内容や売上予想、損益の目安などを具体的に記載した書類のことです。投資家からの出資や金融機関からの融資など、資金調達をするためには事業計画書が必要になります。
また、事業計画書を作成することで、今後の事業の見通しを立てられます。事業計画では、事業内容だけでなく売上を立てるプロセスについても具体化しましょう。
事業計画書を作成する際には「SMARTの法則」を使うことがおすすめです。SMARTの法則とは、目標を達成するために必要な5つの要素のことで、Specific(具体的)・Measurable(計測可能)・Achievable(達成可能な)・Relevant(関連性)・Time-bound(期限が明確)の頭文字をとってSMARTの法則と呼ばれています。
これらに照らし合わせて、事業の目標を設定しましょう。
資金調達
事業を始めるためには資金が必要です。Webサービスの起業においてかかる費用は主に以下の通りで、トータル50〜100万円程度が必要になります。
- パソコン代・ソフトウェア代・サーバーレンタル・ドメイン代など
- 外注費・人件費
- 法人登記費用(個人事業主なら不要、法人設立なら15〜25万円程度)
自己資金から賄えるのなら資金調達は不要ですが、そうでない場合は資金調達が必要です。資金調達には金融機関からの融資や投資家からの出資、補助金や助成金の利用などの方法があります。それぞれメリット・デメリットがあるため、適切な方法を選びましょう。
なお、資金調達について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
人材の確保
Webサービスで起業するためには、ITやデザインなどに関する専門技術が必要です。そのため、スキルがない場合は、技術者を確保する必要があります。
最低限必要なのは、ディレクター・デザイナー・エンジニアです。また、必要に応じて営業や経理など、サービスを販売したり会社の経営を支えたりできる人材も獲得しましょう。
人材の確保は、アウトソーシングサービスの活用がおすすめです。ただし、売上がないうちに多くの人材を抱えても、給料を支払うことができません。よって、必要な人材を必要なタイミングで確保するようにしましょう。
会社設立または開業
会社設立には、登録免許税や定款認証にかかる手数料、印紙税などで合計15〜25万円ほどかかります。
会社を設立するためには、登記が必要です。登記申請書を作成し、定款や資本金の払込証明書・役員就任承諾書といった必要書類を準備しましょう。書類の作成は、司法書士に依頼することが一般的です。
提出書類を法務局に提出し、承認されると登記が完了します。この提出日が会社の設立日になります。なお、登記が完了する前でも法人口座の開設申し込みは可能です。
会社設立について、詳しくはこちらをご覧ください。
個人事業主の開業は、「個人事業の開廃業等届出書」を税務署に提出すると完了します。開業にあたり費用はかかりません。開業から1ヶ月以内に、書類を記載して税務署に提出しましょう。
その際、青色申告承認申請書を同時に提出できます。青色申告を利用すると、税制面でさまざまなメリットがあります。青色申告で確定申告を行いたい場合は、同時に提出するのがおすすめです。
個人事業主としての起業について、詳しくはこちらをご覧ください。
参考:
No.7191 登録免許税の税額表|国税庁
[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁
起業する際の注意点
起業する際は、売上を立て、会社を存続させるために資金繰りを考える必要があります。また、出資を受ける場合は投資資金回収のために出口戦略を考え、それをもとに事業を進めて会社を成長させなくてはなりません。ここでは、資金繰りについて注意すべきポイントや需要のあるサービスを考える方法、そしてイグジットについて解説します。
資金繰りに注意する
起業してから安定して売上や利益を得るまでは、お金がひたすら出ていくという状況に置かれます。そのため資金繰りに注意しないと、事業を続けていくための資金がすぐになくなってしまうでしょう。
資金繰りを考えるうえでは、以下に挙げる5つのポイントが重要です。
- 自己資金を十分に用意する
- 創業時に融資を活用する
- キャッシュフローを明確化し、正確な予測を立てる
- 売上代金の回収を早く、仕入れの支払いをなるべく遅くするような取引条件を意識する
- 経費の多くを占める人件費のことを考えて財務計画を立てる
需要のあるサービスにする
世の中からニーズがないサービスは当然利用されません。そのため、売れるWebサービスを作るためには、需要を考える必要があります。事業アイデアを考えるうえでは、トレンドとなっている市場や世の中が抱えている悩み、人間の欲求に着目しましょう。
また、テストマーケティングを行うことも重要です。Webサービスを販売する前に無料版や廉価版をリリースし、利用者の意見を反映して改善させましょう。
バイアウト・イグジットも意識する
イグジットとは、創業者や出資者などが保有する株を売却し、投資資金を回収することです。投資を受ける以上、イグジットを視野に入れて事業を進める必要があります。イグジットには、IPOやM&Aによるバイアウトといった方法があります。
イグジットするためには、事業を軌道に乗せ、企業価値を高めることが不可欠です。そのため、将来的なバイアウト・イグジットを意識して事業を展開しましょう。
なお、イグジットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
需要のあるWebサービスを確実に運用することが大切
本記事では、Webサービスで起業したい方に向け、Webサービスのメリットと起業の手順・起業するうえでの注意点をご紹介しました。Webサービスは初期投資が少なく起業しやすい商材ですが、売上を立てるには需要のあるサービスを作り、確実に事業を運用していくことが大切です。また、会社を経営する以上、資金繰りには細心の注意を払い、イグジットも考慮して事業計画を立てましょう。
よくある質問
Webサービスで起業するメリットは?
低予算で小規模から始められる、在庫リスクがないなど、起業のハードルが低いことがメリットです。スキルがある人材を確保できれば、起業する本人に専門知識がなくても始められます。詳しくはこちらをご覧ください。
Webサービスで起業する際は何に注意すべき?
資金繰りに注意しないと事業が継続できず、需要のあるサービスを販売しないと売上が立たないため、ニーズの見極めと改善が重要です。また、出資を受けるならイグジットも考慮する必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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