• 更新日 : 2023年6月23日

ゲームセンターは開業する段階から大変!資金や許可などを詳しく解説

ゲームセンターは開業する段階から大変!資金や許可などを詳しく解説

ゲームセンターは風営法の5号営業に該当し、開業時には警察署に申請をして公安委員会から許可を受ける必要があります。開業方法や手順、費用についてまとめました。また、ゲームセンターを商売として成り立たせるポイントについても紹介します。

実はゲームセンターは風俗営業に該当します

ゲームセンターは風俗営業の1つです。風俗営業には、飲食や遊興で接待する営業や、射幸心(偶然の利益や幸せを望む気持ち)をそそる可能性のある遊技を提供する営業などがあります。ゲームセンターには、射幸心をそそる遊具が置かれているため、風俗営業です。

なお、風俗営業に該当する場合は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)」に従って開業する必要があります。

規制の対象となる設備とは

ゲームセンターの設備すべてが風営法の規制の対象となるのではありません。主に規制の対象となる設備は、以下のとおりです。

  • スロットマシンなどのメダル数で結果が表示されるもの
  • テレビゲーム(勝敗があるもの、結果が表示されるもの)
  • クレーンゲーム
  • ピンボールゲームやトランプゲーム、ルーレットゲームなど

対象外となる設備や床面積などについて

以下の設備は、ゲームセンター内に設置されていても風営法の対象とはなりません。

  • ビリヤードやパンチングマシン、ボーリング、バッティングセンター
  • プリクラ、モグラ叩き、占い、カプセルトイなど

なお、店内の一部のみをゲームコーナーとしている場合、ゲームコーナーの床面積(ゲーム機の設置面積の3倍)が、客席床面積(1フロア)の10%以下であれば風俗営業許可の取得は不要です。

ゲームセンター開業のための営業許可について

ゲームセンターを開業するとき、あるいはゲームコーナーの床面積が1フロアの10%を超えるときは、風俗営業の許可を取得する必要があります。

ただし、都市計画法で風俗営業が不可となっているエリアや、学校などから近い距離は、営業許可は取得できない点に注意しましょう。また、都道府県によっても基準が異なるため、ゲームセンターやゲームコーナーが所在する地域の行政書士などに相談することが必要です。

営業許可を受けるための要件

ゲームセンターの営業許可を取得するときは、まずは風俗営業不可のエリアでないか確認しておきます。地域によっても基準が異なりますが、学校や病院、図書館などの施設からの距離が近いときも許可を受けられません。

また、構造的な要件もあります。店内に見通しを妨げるものがないこと、施錠できる設備がないこと、明るさが常時10ルクスを超えることなども求められます。調光器で明るさを調整できる場合は許可が下りないため注意しましょう。

営業許可を受ける人物にも要件があります。以下のいずれかに当てはまるときは、風俗営業許可の申請ができないため注意してください。

  • 1年以上の懲役・禁固刑を受け、執行が終わってから、あるいは執行を受けなくなってから5年以下の者
  • アルコールや麻薬、覚せい剤などの中毒者
  • 未成年者
  • 破産者であり復権していない者 など

申請手順

風俗営業の許可は、以下の手順で申請します。

  1. 所轄の警察署に風俗営業の許可を申請する
  2. 立入検査が実施される
  3. 公安委員会の許可を受ける

申請から許可までに約2ヶ月かかるとされています。開店日が決まっているときは、早めに申請をするようにしましょう。

必要書類について

風俗営業の許可を申請するときは、以下の書類が必要です。場合によっては追加で書類提出を求められることもあるため、風俗営業の許可申請を専門とする行政書士などに相談しておきましょう。

  • 風俗営業許可申請書
  • 住民票、身分証明書、管理者の顔写真
  • 営業所の立地や構造を証明する書類
  • 用途地域を証明する書類
  • 照明や音響設備、防音設備の配置図

ゲームセンターを新規出店、資金はどれくらい必要?

ゲームセンターを新規出店するときは、さまざまな費用がかかります。店舗の準備と運営にかかる費用と、ゲーム機器にかかる費用、フランチャイズに加盟するときの費用に分けて説明します。

店舗の準備や運営にかかる費用

エリアや広さにもよりますが、物件取得と内装で5,000万円くらいかかります。賃貸物件で営業する場合は、幾分、安く抑えることが可能です。

また、開業前後の人件費や研修費、人材募集費などで合計2,000万円ほど見込んでおきましょう。

ゲーム機器にかかる費用

ゲームセンターを開業するときにかかる費用のうち、とりわけ高額になるのがゲーム機器の購入費用です。1億円以上かかることも珍しくありません。

中古も検討できますが、最新ゲーム機が置いてあることがユーザーの来店動機にもなる点に注意が必要です。ターゲット層や人気機種などについて研究してから、ゲーム機を決めていきましょう。また固定客がついている定番ゲームについては、リースよりも購入のほうが利益を得やすくなることがあります。

FCに加盟する場合

フランチャイズに加盟する場合は、加盟料として数百万円程度必要なケースが多いようです。加盟すると、定期的な点検なども任せられることがあります。

ゲームセンター開業までのスケジュールは?

フランチャイズに加盟する場合は、以下の流れに沿ってゲームセンターを開業します。

  1. フランチャイズ説明会、面接
  2. 店舗見学
  3. フランチャイズ加盟契約
  4. 物件の内覧
  5. 事業計画書の提出
  6. 物件確保
  7. 個別契約
  8. 研修
  9. 開業準備、開業

営業許可を取得できないときは、物件や事業計画の見直しが必要になり、開業までの時間が長引きます。早めに許可申請の手続きを開始し、無理のないスケジュールで開業できるようにしましょう。

ゲームセンターは商売として儲かるか?

ゲームセンターで利益を得られるかどうかは、経営次第です。押さえておきたいポイントを紹介します。

  • コンセプトをしっかりと練る
  • 開業前後の利益とコストを把握する

それぞれのポイントを説明します。

コンセプトをしっかり練ってから開業することが大切

ゲームセンターのコンセプトを練り、ターゲット層を絞ります。ゲームセンター激戦区なら、より一層コンセプトが大切です。実地調査をおこない、ユーザーを確保できるコンセプトを打ち立て、他店との差別化を図りましょう。

開業の前後に渡って利益・コストを把握していくことが大切

初期費用を回収できる時期を計算します。人件費や光熱費、通信費などのランニングコストが大きいときは初期費用の回収にも時間がかかります。極力、ランニングコストを抑えられるように、開業前・後の資金計画を立てておきましょう。

ゲームセンターの経営は工夫次第!差別化を図ろう

ゲームセンターの経営が成功するかは、工夫次第です。エリアによっては多くの競合店があり、生き残りは厳しくなることもあるかもしれません。コンセプトを練り、差別化を図っていきましょう。

また、丁寧かつ現実的な資金計画も不可欠です。ゲームセンターは初期費用が高額な傾向にあるため、早期回収を目指してランニングコストを抑える工夫も検討しましょう。


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