• 更新日 : 2024年1月9日

経営に携わる仕事6つと会社経営者の5つの仕事

経営に携わる仕事6つと会社経営者の5つの仕事

会社経営者とは会社の経営に携わる者のことであり、「代表取締役」や「社長」、「CEO」とも呼ばれます。事業のトップに立つ存在となるため、個人経営者や小規模事業の個人事業主も経営者として分類されます。

今回は、経営者の主な仕事内容とドラッカーが述べている「経営者の条件」と経営者以外の経営に携わる仕事・職業を説明します。

経営者の仕事とは?

経営者の役割は、経営活動を行い事業を成長させながら顧客に貢献し、かつ顧客や株主、従業員をはじめとしたステークホルダーに自社の価値や利益を提供することです。仕事内容は事業内容や規模によってもそれぞれ異なるものの、基本的には下記のような業務を行います。

  • 経営方針・経営戦略の決定
  • 事業推進
  • 資金繰り
  • 組織構築・人材育成
  • 職場環境の整備

ここからは、それぞれの業務内容について詳しく説明します。

経営方針・経営戦略の決定

経営者ならではの代表的な仕事は、経営方針・経営戦略の決定です。

経営方針とは、事業展開に向けた必要なワークフローや考え方を目標・方向性とともに具体的に示したものであり、企業の経営目標とも言えます。そして経営理念は、企業の存在や価値観、理想像を言葉で表現したものです。

つまり、経営方針の策定は経営理念を実現するために、経営理念の策定は経営の軸をつくるために欠かせないものとなります。

なお、経営方針・経営戦略の決定は日々行う業務ではなく、事業の設立・展開時に必要な業務となります。

事業推進

事業拡大に向けた事業推進も、当然ながら経営者に欠かせない仕事の1つです。

日々の基本的な営業・運用は従業員に任せつつ、経営者自身も市場にて調査や事業方針策定、さらに営業活動を実行し、中長期的なゴールを設定・共有することが求められます。

従業員に丸投げせず経営者自らも事業推進を行うことで、事業拡大に向けたより適切な提案ができるだけでなく、その姿勢を見た従業員の成長にもつながるでしょう。

資金繰り

資金繰りとは、企業・会社の収支を管理し、その過不足を調整することです。資金繰りが悪化すると支払いが滞り、倒産リスクが大幅に高まるだけでなく経営者がその他の経営業務に集中できなくなります。

万が一倒産すると従業員の雇用も守れなくなるため、経営者は常に資金繰りを把握しながら、適切に収支を管理しなければなりません。

組織構築・人材育成

企業・会社の成長に欠かせない人材の雇用・構築や育成も、経営者の重要な仕事です。

経営者は、すべての従業員に対して社会人としての基礎だけでなく経営方針・経営理念を理解させ、自分自身の力で業績を向上させられるよう教育する必要があります。また、目標をもって業務に取り組む一人ひとりの従業員に対する正当な評価も欠かせません。

経営資源である人材をうまく活用するかしないかで、企業・会社の成長度は大きく異なります。従業員の雇用・育成における最終的な責任はすべて経営者にあると言っても過言ではありません。

職場環境の整備

成果を上げる従業員を育成するためには、職場環境の整備も欠かせません。経営者が環境づくりに取り組まなければ従業員のモチベーションが低下し、離職率も高くなってしまいます。

快適な環境づくりに向けて整備すべき要素には、給与・福利厚生面はもちろん、オフィス内のデスク配置や冷暖房設備といった環境面も挙げられます。経営者は常に全従業員が快適に働けているのかをチェックしつつ、定期的に職場環境を整備することが大切です。

ドラッカーの経営者の条件とは?

経営者は、一般社員と比べて役割が違えば仕事内容も大きく異なります。そのため、経営者としてどのようなスキルが求められるのかが気になる方も多いでしょう。

現在もなお注目されているオーストリア出身の経営学者「ピーター・ドラッカー」が1966年に出版した著書『経営者の条件』では、経営者として成果を上げる能力は「才能」ではなく「習慣」であることを説いています。

【『経営者の条件』の概要】

  1. 成果を上げるために必要なのは「習慣」である
  2. 希少な資源である「時間」を有効に使う
  3. 成果を上げる人は高い「貢献」意識を持つ
  4. 弱みに注目するのではなく「強み」を生かす
  5. 最重要なことに「集中」する
  6. 意思決定のときは「何が正しいか」を問う
  7. 意思決定は「勇気」である

時間や自分の強み、さらに人材といった希少な資源を有効に使い、最重要課題に集中しながら正しい意思決定をし続けられることこそが、経営者に欠かせない条件と言えるでしょう。

経営者以外の経営に携わる仕事・職業6選

事業の経営に携わるのは、その企業・会社の経営者だけではありません。世の中の数ある職業の中には、経営者からの依頼によって、あらゆる視点から事業の経営に携わる職業もいくつか存在します。

ここからは、経営に携わる経営者以外の職業・職種と、それぞれどのような携わり方をするのか詳しく説明します。

経営コンサルタント

経営コンサルタントとは、依頼を受けた企業・会社の経営状態を分析し、さまざまな問題の解決に向けたアドバイスや提案を行う職業です。

企業・会社からの依頼を受けた経営コンサルタントは、主に業績データをはじめとした資料を読み込み、市場調査などを通して経営状態や問題点を分析します。そして、依頼主が納得できるような解決策を具体的に提示しながら、円滑な経営をサポートすることとなります。

いわゆる「経営の相談・サポート役」であり、中小規模から大規模まで業種を問わずあらゆる企業が経営コンサルタントを重要視しています。依頼を受けた企業・会社の業界に関する知識も求められることから、「医療専門」「建設業専門」など専門性を高める経営コンサルタントも存在します。

公認会計士

公認会計士とは、企業・会社の会計や財務に関する専門知識をもって、財務諸表の監査・税務相談・経営に関するコンサルティングを行う職業です。なお、企業・会社の監査業務は公認会計士の独占業務となっており、会計士やその他の職業は行えません。

企業・会社が作成した決算書や財務諸表に誤りがあった場合、株主をはじめとしたステークホルダーからの信頼が低下し、大きな損失につながる可能性があります。このような事態を防ぐため、そして資金繰りを悪化させないようにするための依頼先として、公認会計士が選ばれます。いわば、公認会計士は経営の中でも、会計・税務面のサポート役に徹する職業と言えるでしょう。

中小企業診断士

中小企業診断士とは、中小企業を相手に経営課題の診断や診断結果にもとづく助言を行う職業です。

企業・会社から依頼を受けた中小企業診断士は、依頼先の経営課題を分析・診断したのち、適切な経営コンサルティングや経営改善計画書・経営診断書の作成などを行います。ときには、中小企業経営者をターゲットにセミナーを実施し、あらゆる情報を発信することもあるでしょう。そのため中小企業診断士には、経営知識や分析能力、論理的思考力のほか、プレゼンテーションスキルも求められます。

経営企画

経営企画とは、経営方針・経営理念など組織が定める事業戦略を軸に、短期から中長期までの経営計画の立案や計画遂行に必要となる経営資源の配分を行う職種・部署のことです。

具体的な仕事内容としては、事業計画の策定・管理のほか、新規事業の創出、さらに経営管理業務など、経営にまつわるさまざまな業務が挙げられます。

組織経営の舵取り的な役割を担っており、企業の経営を左右する重要なポジションであることから、会社役員やエース的な人材が担当するケースも少なくありません。

経理・財務担当者

経理・財務担当者とは、その名の通り企業・会社の経営や財務を担当する職種のことです。

主な仕事内容としては、組織全体の収支の記録・管理が挙げられます。しかしそれだけではなく、経営状況の数値化や経営課題の明確化、さらに経営課題の解決に向けた助言・提案や資金繰りの円滑化なども経理・財務担当者の重要な仕事です。

企業・会社の心臓部とも言えるお金を扱うことから、基本的に経理部のエース的な人材や経理関連の資格保有者が担当します。

秘書

秘書とは、経営者や役員、管理職といった経営陣のサポートを行う職種です。

具体的な仕事内容としては、経営陣のスケジュール管理や書類作成、さらに社内外への連絡対応といった事務業務がメインとなります。担当する経営陣の業務内容やスケジュール、ルーティンなどを十分に理解し、的確なサポートをスピーディーに行うことが大切です。

その他の職業・職種に比べてがっつりと経営業務に携わるわけではないものの、経営層に最も近いところでサポート役を担うため、ときには企業の今後を左右する相談に対応したり、課題解決に向けた助言をしたりするケースもあります。

特に、秘書を置くような企業は比較的大きい規模の企業であることが多いため、基本的な経営スキルが求められることも覚えておきましょう。

適切な経営サポートが受けられる環境を整備しておこう

経営者が日々行う仕事には、事業推進・資金繰り・人材育成・環境整備などが挙げられます。経営者として成果を上げるためには、経営資源を有効に使うことが大切です。

経営コンサルタントや公認会計士、経理担当者や秘書も経営に携われる職種・職業です。経営に関するサポートを受けたい場合は、経営コンサルティングを依頼したり経営幹部を育成したりするとよいでしょう。


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