• 更新日 : 2022年1月21日

大学生で会社設立する方法やメリットを解説

大学生で会社設立する方法やメリットを解説

会社設立のタイミングは、いつがベストだと思いますか?「会社でじっくり経験を積んだ後」と考える人もいるでしょう。しかし、大学生の時に起業して成功している人もいます。社会人としての経験は強みにはなりますが、大学生ならではのアイデアが大きな事業に発展することもあるのです。

大学生が会社を設立することのメリット・デメリットや、学生起業の方法について解説します。

大学生が会社設立をするメリット

会社設立には年齢制限も必要な資格もないため、大学生が会社を設立することも可能です。大学生が起業する主なメリットを5つ紹介します。

起業したことが経験値になる

大学生のうちに起業すると、その人にしかできない幅広い経験ができます。起業した本人が会社運営のあらゆることに関わるケースが多いため、アルバイトではできない経験ができます。

例えば、会社設立のための登記の申請や定款の作成、商品の仕入ルートの開拓、商品やサービスの企画・開発、在庫管理、マーケティング、営業、経理業務、財務管理など、会社設立と運営に伴うあらゆることが経験値として蓄積されます。

その後会社が軌道に乗った場合はもちろんのこと、ビジネスがうまくいかず他の会社に就職することになっても、経営者としての経験はあらゆる業務に活かされるでしょう。

学生向けの起業支援を活用できる

学生起業でネックになるのが、資金調達です。社会人とは異なり、社会経験がない状態で事業を行うことになるため、自分で起業に必要な資金を集めるにしても限度があります。資金調達がうまくいかず、起業を断念するケースもあるでしょう。

しかし、近年は学生の起業やスタートアップを支援する企業や事業が増えており、以前よりは大学生でも起業しやすい環境といえます。学生向けの起業支援を活用できるのも強みです。

一般企業のほか、起業をサポートしている大学や地方自治体などもあるため、それらの支援を受けられないかリサーチしてみるとよいでしょう。中には起業に失敗した場合に備えて就職支援まで行っている企業や、学生向けの起業家教育に力を入れている自治体もあります。

同世代向けのビジネスに強みがある

大学生による会社設立のメリットは、大学生の視点でビジネスを考えられることです。特に、同世代を対象にしたビジネスではユーザーに共感できる部分が多いため、マーケティングがやりやすいというメリットがあります。

自分が学生生活を送っていて不便に思ったことや、周囲が口にしている不安などを解決するビジネスを企画してみるのもよいでしょう。

早いうちからビジネス力が身につく

アイデアをビジネスとして成立させるためには事業計画を練る力だけでなく、事業計画を実現させるための実行力や問題解決力も必要です。商品やサービスを使ってもらうためにはマーケティング力、従業員を雇用するなら管理能力も求められます。

学生起業をしてビジネスを軌道に乗せるには、さまざまな能力を身につけ、日々自己研鑽していかなくてはなりません。大学生の会社設立には、早いうちにビジネス力が身につくというメリットがあるのです。

失敗してもリスクが少なく済む

大学生の会社設立では、学生という立場で起業することになります。社会人が起業する場合は「今の会社を辞めなくてはならない」「ビジネスが軌道に乗るまで生活できるか不安」「ビジネスに失敗したら失うものが多い」というように、大きなリスクを負って行うことになります。

大学生であれば生活の心配はほとんどなく、たとえビジネスに失敗しても「ビジネスを立ち上げた経験がある」と捉えてもらえるので、マイナス要素はありません。周囲の人から「ビジネスに失敗して大きな借金を抱えるのでは」と心配されるかもしれませんが、資金調達の方法や学生起業の支援をうまく活用すれば、個人が大きなリスクを負うことはあまりないでしょう。

大学生が会社設立をするデメリット

次に大学生の会社設立において、デメリットになりうることを見ていきます。

学業との両立が難しい

起業をしてビジネスを始めるとなると忙しくなるため、学業とビジネスの両立が難しくなります。うまくタイムマネジメントができないと、ビジネスに集中するあまり、学業がおろそかになることもあるでしょう。

大学生での会社設立は貴重な経験になりますが、学生のうちは何を優先するべきかを決めておくことや、ビジネスから撤退する基準を考えておくことも大切です。

学業との両立を図りたい場合は取引先などに学業優先であることを伝えて、理解を得ておく必要があります。「大学も卒業したいし、ビジネスも頑張りたい」という場合は、ビジネスが安定するまで休学を検討するのもよいでしょう。

信用や資金調達の面で弱い

社会人であればビジネスを展開したい業界で人脈を作ったり、実績を積み上げて信用を獲得したりすることもできますが、学生のうちはなかなか難しいかもしれません。社会人が起業する場合と比べると、学生起業は信用面でデメリットを感じる場面もあるでしょう。

学生の起業やスタートアップを支援する企業や事業は増えていますが、それが資金調達に結び付くとは限りません。しかも、支援を受ける場合は事業計画や展望、収益性など、支援に値する事業であるかどうかについて審査が行われます。支援する企業や事業にとって価値のあるビジネスでなければ、起業支援を活用した資金調達は難しいでしょう。

学生起業の支援以外には金融機関から資金調達する方法もありますが、学生への融資に限らず金融機関は融資を回収できるかどうかを重視するため、起業前や起業後しばらくは金融機関からの融資は期待できません。資金調達の状況によっては、起業はできても初期投資が大きいビジネスの展開が難しくなる可能性が高いため、それも考慮してビジネスの内容を考える必要があります。

経験やスキルの面が弱い

社会人と比べると、大学生の会社設立は経験やスキルの面で不利です。経験やスキルはサービスの質にも影響するため、競合の多い業界や実績が重視される業界でビジネスを始めるのは難しいでしょう。大学生が会社を設立するなら、学生ならではのメリットを活かしたビジネスのほうが成功しやすいといえます。

学生起業の方法

まず、学生起業はどのように進めればよいのでしょうか。ここでは、学生起業の流れを簡単に説明します。

1.目標や期限を設定する

学生起業だけが目的になってしまうと、起業はできたとしても失敗する可能性が高いです。会社設立後も継続して会社を運営するためには、なぜ起業するのか、起業によって何を達成したいのかをあらかじめ決めておくべきです。目標を設定する際はいつまでに達成したいのかを明確にすることも大切です。

2.事業アイデアを出す

「1年後には月100万円の売上を上げられるようにする」といったおおまかな目標を決めたら、目標を実現するための事業アイデアやビジネスモデルを練ります。ただし、事業アイデアは実現可能かつビジネスとして成立するものでなければなりません。

3.ニーズや収益性を検証する

ニーズがあり収益性もある事業アイデアでなければ、事業を継続していくのは難しくなります。ニーズや収益性を検証した上で、どの事業アイデアを実行に移すのかを決めましょう。事業アイデアの固め方については、後ほど詳しく説明します。

4.必要に応じて資金調達をする

ビジネスモデルによっては初期費用がほとんどかからないものもありますが、設立時にある程度の初期費用がかかる場合は、資金調達の方法についても考えておきましょう。また、会社設立では登記申請費用が必ず発生するため、その資金も準備しておく必要があります。株式会社の設立なら20万円以上、合同会社なら6万円以上の費用がかかります。

5.会社設立をする

事業アイデアが固まり、事業をスタートするための資金が準備できたら、登記申請によって会社を設立します。会社設立の流れは後述します。

事業アイデアを固める

「学生起業をしたいが、事業アイデアが思い浮かばない」という人もいるでしょう。「新しいアイデアやオリジナルのアイデアが必要」と考える人もいますが、必ずしもそうではありません。さまざまな情報に触れて、「何をビジネスにしたいか」考えてみましょう。例えば、以下のような情報や感情は事業アイデアのヒントになります。

  • 自分と周りの人が共通で抱いている不満
  • 社会の課題
  • 「大学生」などニッチな市場で需要が見込めるもの
  • IT関連など話題のネタ
  • 海外で話題になっているもの

事業アイデアを出してそれを固めるためには、常にアンテナを張っておくことが大切です。情報を収集しつつ収益性を検証しながら、事業アイデアを固めていきましょう。

大学生が事業アイデアを実行に移す際に知っておきたいのが、リーンスタートアップとアジャイル開発です。リーンスタートアップとは、徹底的に無駄を省き、小規模で事業やイノベーションを進める手法のこと。アジャイル開発は、開発するソフトウェアの機能などの優先順位を付けて短期間で開発し、開発後にサービスを洗練させる方法です。これは、アイデアを実行して、その結果を見ながら修正していくという、他のビジネスにも応用できる考え方です。

会社設立をする

次に、会社設立の流れを説明します。

1.会社概要を決める

会社設立の登記申請では、定款を提出する必要があります。定款には、目的や商号など最低限記載しなければならない事項があるため、少なくとも決めなければならない会社概要は早い段階で決めておきましょう。

2.定款を作成し認証を受ける

会社概要をまとめた定款を作成します。株式会社の設立では、公証役場での定款認証が必要です。

3.資本金を払い込む

会社の運営に必要な資本金を代表者の銀行口座に振り込みます。

4.登記申請書類を作成する

商業登記法に則って、商業登記の登記申請書類を作成します。登記申請には申請書のほか、定款や資本金の払込証明書などの書類を添付します。

5.会社設立登記をする

法務局に登記申請書類と添付書類を提出し、会社設立登記を行います。書類の提出日が会社の設立日になります。

6.必要な手続きを行う

会社を設立したら、税務署などへの法人設立届出書の提出や会社の銀行口座開設など、必要な手続きを行います。

会社設立の流れの詳細は、以下の記事をご覧ください。

資金調達をする

会社設立後は会社を運営していくためにも、事業を拡大していくためにも資金が必要です。会社設立後の資金調達方法は多岐にわたるため、幅広く検討しましょう。ここでは、学生起業家向けの資金調達方法をいくつか紹介します。

■新創業融資制度を利用する

新創業融資制度は、日本政策金融公庫による公的融資制度です。融資を受けるには創業の要件や自己資金の要件などを満たす必要がありますが、年齢制限がないため学生起業でも利用できる可能性があります(融資なので審査に通過する必要があります)。融資を受けた資金は、事業開始に必要な設備費用や運転資金に利用できます。

■クラウドファンディングを活用する

前述のとおり、大学生による会社設立では資金調達の難易度が高くなりますが、金融機関で融資を受けられない場合でも、クラウドファンディングなら資金を調達できる可能性があります。クラウドファンディングは不特定多数の個人からインターネットを介して資金を募る方法で、出資に対して商品やサービスを提供する購入型や寄付型などがあります。

■エンジェル投資家に投資してもらう

クラウドファンディングのように不特定多数の人からではなく、成長が見込めるスタートアップ企業に投資を行うエンジェル投資家に投資してもらう方法もあります。エンジェル投資家から投資を受けたい場合は、魅力的なビジネスを立ち上げることはもちろん、あらかじめSNSやビジネスコンテストなどでつながりを持っておくことが大切です。

起業時の資金調達については以下の記事でも解説しているので、こちらもご覧ください。

大学生の会社設立にはメリットも多い?

大学生による会社設立は、学業との両立や資金調達が難しいといったデメリットがある一方で、リスクが少ない、将来経営の経験が活かせるといったメリットもあります。会社設立自体は難しくないため、大学生のうちに起業して事業アイデアを形にすることに挑戦してみるのもよいでしょう。

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よくある質問

大学生が会社設立するメリットは?

ビジネスの立ち上げや経営の経験を積める、同世代向けのビジネスにおいて有利、リスクが少ないといったメリットがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

大学生が会社設立するデメリットは?

学業との両立が難しい、社会人経験がないため信用獲得や資金調達の難易度が高い、経験やスキル不足からビジネスで苦労する、といったデメリットがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

学生起業の流れは?

目標を設定して事業アイデアを洗い出し、ニーズや収益性を検討した後、必要に応じて資金を調達し、会社を設立します。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

大学卒業後、2年間の教職を経て専業主婦に。システム会社に転職。 システム開発部門と経理部門を経験する中で税理士資格とフィナンシャルプランナー資格を取得。 2019年より税理士事務所を開業し、税務や相続に関するライティング業務も開始。

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