• 更新日 : 2024年4月25日

コンサル業の事業計画書の書き方は?テンプレートを基に記入例を解説

コンサル業で成功するには、顧客の課題の本質を見抜く洞察力が必要です。

したがって、コンサル業において事業計画書を作成する場合もコンサルタントとしての洞察力を活かして、自社の計画を効率的にプレゼンできるような資料として位置づけましょう。ここではひな形に沿って、コンサル業開業の事業計画書の書き方を見ていきましょう。

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事業計画書_テンプレート

コンサル業の事業計画書とは?

コンサル会社は、企業や組織が抱える課題解決を支援する専門家集団です。実際、経営、人事、財務からITまでコンサルティング業界の領域は幅が広く、特にどの企業においても抱えている課題を解決する競争が激しい業界と言えます。

コンサル会社の立ち上げに際し、初期投資のための融資が必要になった場合の事業計画書の作成にあたっては、次のことに注意しましょう。

事業の実現可能性

事業の対象とする領域の市場の魅力や成長性を認識し、提供するサービスの優位性が明確であるように示すことが重要です。また、競合他社との比較において自社の強みが具体的に示されている必要があります。

収支計画の現実性

売上やコスト見積りの根拠が合理的であり、資金計画が綿密で無理がないこと、さらにはある程度余裕を持った計画であることが求められます。

返済計画の現実性

目的とする融資の使途が明確であり、他の借入金も含めて計画的な返済が可能であることが読み取れることが必要です。コンサル業のスキルを活かして問題を明確化し、説得力のある事業計画書を作成しましょう。

コンサル業の事業計画書のひな形、テンプレート

コンサル業の事業計画書のひな形、テンプレート

コンサル起業に係る融資にあたって、事業計画書の書式が提示される場合にはその書式にしたがって記載します。書式がない場合には、テンプレートなどを利用して記載項目に漏れのないように注意しましょう。

無料登録後のページにある「会社設立ナビ」にて、コンサル業向け事業計画書を含む、40種類以上の事業計画書をダウンロードしていただきますので、ぜひお気軽にご利用ください。

以下では、コンサル業の事業計画書・創業計画書のテンプレート・作成例に示されるひな形に沿って事業計画書の解説を進めます。

コンサル業の事業計画書の書き方・記入例

事業計画書には、事業に至る経緯から戦略、体制、資金計画までを分かりやすく、丁寧に記載します。考えうるリスクを洗い出し、事前に対応策を考えておくことも大切です。まず必要項目を埋めるための資料を準備しましょう。

記載にあたっては、専門用語を極力使わずに平易な文章で書くことも大切です。事業計画には「確かな根拠、周到な準備」、そして「簡潔明瞭な記載」を心がけましょう。

創業の動機・目的

経験やスキルに裏付けされた熱意が説得力を持って示されるように記載します。創業にあたり経営者の強い決意と高いコミットが伝わってくるようにしましょう。

職歴・事業実績

コンサル業のサービスの質は、コンサルタントの経験値やスキルによって大きく変わります。そのため、第三者から見て専門領域やスキルなどが分かりやすいように記載しましょう。ここで記載した内容が次項で記載する「セールスポイント」などにつながると説得力が生まれます。

取扱商品・サービス

事業計画書には、専門領域、サービス内容を明確に記載する必要があります。サービス提供形態(個別コンサルティング、セミナー形式など)や標準的なコンサルティングの流れなどを記載してもよいでしょう。

販売ターゲットは、ターゲットとなる企業規模や業種、課題、地域を挙げ、戦略には、営業活動方法、マーケティング方法、顧客との関係構築方法(定期的なメルマガ発信、アフターフォロー等)などを記載します。

競合分析には、競合となるコンサル会社のリストを作成し、具体的な比較をしてから事業計画書にまとめるのがよいでしょう。領域によっては競争が激しいため、競合他社との差別化ポイントを明確に記載し、自社の強みをアピールする必要があります。自社の強みや弱み、市場における機会や脅威を分析するSWOT分析などによって、記載内容の根拠を明らかにしておきましょう。

取引先・取引関係

取引先については、開業時点においてすでに判っている顧客があれば記載します。想定するターゲットの割合、回収のサイト等を記載します。回収サイトを決めることは運転資金の額にも影響します。掛取引はクライアントの資金繰りや信用状況を十分把握して行う必要があるため、当初は現金回収の割合をある程度見ておくなどの対応も考えましょう。

外部委託を考えている場合には、外注先に見積を依頼するなどしておきます。人件費については、給与だけでなく、会社負担となる社会保険料なども合わせて見積もりましょう。

従業員

従業員の予定についても明らかにしておきましょう。個人事業主の場合で家族従業員を予定しているときは、届出等が必要になることもありますので事前に確認しておきましょう。

借入の状況

借入金については、代表者のプライベートの借入金も記載の対象となるため漏れなく記載しましょう。事業に専念する場合は、事業で得た資金を事業以外の借入金返済にも充てることになるため、下記「事業の見通し」における役員報酬に影響します。

必要な資金と調達方法

開業に必要な資金とその調達方法について記載します。両者は合計で一致します。

コンサル業の場合には、初期投資よりも運転資金の確保に重点をおいて考えましょう。それは、コンサル業は軌道に乗るまでは案件獲得に時間を要するケースが多く、また、成功報酬型の案件などで収入が少ない時期も想定されるからです。

事務所経営が軌道に乗るまでの資金確保のためには、事務所経費だけでなく生活費の確保も合わせて考えるべきでしょう。

事業の見通し

創業当初と1年後(または軌道に乗った後)の一カ月あたりの平均の損益概要を記載します。起業に対して、国や自治体からの助成金や補助金制度も利用できる場合は積極的に利用しましょう。

数字を記載する場合には、その根拠を明確にしておくことが重要です。売上高の根拠がなぜそうなるのか、市場の現況や競合他社の情報をしっかり集めた上、自社としてどのような方法で試算したかを明示します。

同業他社の損益計算書などを見ながら必要経費の漏れはないかを確認しつつ、借入金返済額をカバーできるかという観点でチェックしましょう。

コンサル業の事業計画書作成のポイント

融資のための事業計画書作成にあたっては、記載する数字が現実的かどうかをよく確かめることが重要です。

例えば、上記テンプレート記載例の「事業の見通し」では500万円を金利1.2%で借りることを想定して利息を計算しています。元利均等方式で10年ローンと仮定すると、月々の返済額は4.4万円程度になります。住宅ローンが月々33万円(年間400万円)で、こちらは役員報酬からの支出となります。会社と個人合わせて37.4万円の返済を毎月続けることができる収支にしなければなりません。

記載例の場合、住宅ローンの返済が若干厳しいことが読み取れます。このように計画策定時には種々の要件を勘案して現実的な数字に落とし込みましょう。

コンサル業の開業については、下記のサイトも参考になりますのでぜひご覧ください。

大きな目標を掲げ小さなスタートを切ろう!

コンサル業の開業には事務所開設や人材採用、広告宣伝など、様々なコストがかかります。倒産リスクを抑えるためにもスタート時点においては、最小限の規模で始めるスモールスタートで事業を立ち上げることをおすすめします。

最初は副業やフリーランスでの活動から始めたり、オンラインのみの開業で状況を探ったりしながら、無料セミナーや人脈活用によって、ある程度経営の土台を築く時期も必要だと言えます。

事業開始後は継続的に専門性や経験値を高めながら、顧客との信頼関係を徐々に築き、長期的な展望に立って事業を育てていきましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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